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2011年 01月 30日 |


周囲が新しい門出に沸く春、思いがけず家業のクリーニング店を継ぐことになった大学卒業間近の新井和也。不慣れな集荷作業で預かった衣類から、数々の謎が生まれていく。同じ商店街の喫茶店・ロッキーで働く沢田直之、アイロン職人・シゲさんなど周囲の人に助けられながら失敗を重ねつつ成長していく和也。商店街の四季と共に、人々の温かさを爽やかに描く、青春ミステリの決定版。
(「BOOK」データベースより)


作者の十八番、安楽椅子探偵ベースの日常ミステリーを軸に
人と人の温かさ、繋がりを感じさせる連続短編集。

めちゃくちゃ勧められて読んだからか
あら?と、引きこもり探偵シリーズと結局同じやんと
思ってしまった感もありますが
さすが坂木作品やっぱり坂木作品といったところ。
タイトル通り、
「切れない糸」自分が自由に動けるために
自分が自分である為に、人が必要とするアイデンティティを
地元商店街=人との繋がりとして
読ませ納得させるストーリー展開は素晴らしいです。

もともと父親の急死により継ぐつもりなんか毛頭なかった
地元商店街密着型のクリーニング店。
はっきりいって商店街のオヤジという職種をバカにしていた
主人公が、その商店街をプロフェッショナルの集団と気づき
読者にもそれを気づかせることで
本の中の世界に憧れを抱く、本を読むことの醍醐味のひとつ。
こんな商店街、自分の住む近所にあったらなぁとか
こんな友達が自分のそばにいたら面白いのになぁとか。

読後感も爽やか。
犯罪も殺人もない、日常ミステリというよりも
主人公の成長物語と見ても楽しめます。
2010年 12月 12日 |


『招き寿司』チェーン社長・豪徳寺豊蔵が破格の金額で探偵・鵜飼杜夫に愛猫の捜索を依頼した。その直後、豊蔵は自宅のビニールハウスで殺害されてしまう。なぜか現場には巨大招き猫がおかれていて!?そこでは十年前に迷宮入りした殺人事件もおきていた。事件の鍵を握るのは“猫”?本格推理とユーモアの妙味が、新しいミステリーの世界に、読者を招く。(「BOOK」データベースより)



回転寿司チェーンを経営する資産家・豪徳寺豊蔵が殺された。
犯行現場は自宅のビニールハウス。
そこでは、十年前にも迷宮入りの殺人事件が起こっていた…。
豊蔵に飼い猫の捜索を依頼されていた探偵・鵜飼杜夫と
過去の事件の捜査にも関わっていた砂川刑事が
それぞれの調査と推理で辿り着いた真相とは!? 
10年の時を経て繰り返される消失と出現の謎!! 
すべての猫は、殺人のための装置だったのか?
。。。。とは出版社解説文より。。。。ですが。。。

いやぁ。。。すべての本に対して
ここで紹介するときは、その本の何かしら
いいところをあげ、その部分を推したい。
たとえ、好みでない本であっても
「その部分が」好きな人が、そうかその路線なら
好きだなと、その本を読んでもらえばいいと思って
書いてますが。。。

この本については
なんて書けばいいんだ?(苦笑)

まぁはっきり言って「バカミス」なジャンル。

おばかな掛け合い、登場人物達の絡み
これに耐えられれば終盤は、なるほど、と
思えるミステリとしては秀逸かと。

なんか以前これと同じくらいバカらしい気の抜けるような
ミステリを読んだなぁ。。。と思うのですが
ミステリ界にこの手の「この登場人物は
こんなにもくだらないギャグばかり飛ばして
周囲はそれに『ぎゃふん』なんですよ」的な作りって
よくあるんですかね。

いやぁそこが読みづらくて何度も何度も読み始めては
他の小説を読み始めて。。。とようやく読破。
途中の中だるみさえ過ぎれば面白かったんですけどね。
そこにいくまでが大変だったわー(汁

あ、これシリーズもんなんですね?
そかそか。じゃあこの登場人物達はおなじみなんですね。
そこから読めばもっと読みやすかったのかな。
2010年 12月 12日 |


脳死臨調でリーダー的存在であった帝都大学医学部教授の吉井が刺殺された!かつて吉井の部下だった医療ライターの相馬は、やはり研究室を去った元同僚を追う。その男、九条は、新宿のホームレス街にいた。不思議な能力を持つ少女、トウトとともに…。九条と殺人事件との関係は?また、彼が行った禁断の実験とは?深い余韻を残す医療ミステリーの傑作。(「BOOK」データベースより)


はっきり言って本を読み慣れている人でないと
読みにくいと思います。

誰に向けて誰が書いたかわからない手紙から
始まるこのお話。
とても複雑に色々な「立場」「事情」が絡み合い
だからこそ殺人事件の動機も後々明確になるわけですが
絡みすぎてちょっと作り込み過ぎ感が。

単なる医療ミステリーとしてだけでは終わらせず
そこに不思議まで加えちゃってるからなおさら。
なかなか読者に答えをみせない、みえないように
丁寧に作られすぎてじっとひたすら読者側は
差し出されるものを黙って飲み込んでいくしかない
と、いった感じ。
ヒント的なものだったり、後々の伏線とは
思えないほどの展開。

教授が何ものかに殺害されたが重要だったのが
その教授が脳死判定における臓器移植に対しての
権威ある人物だったこと。
脳死や臓器移植というテーマは多いし
結果的には、そか、そういうことか、ととても
シンプルな話なんだけどね、それをなかなか見せませんよ。
そこまでじっくりこの小説の世界に
入っていけるか、読み込んでいられるか
そこかな。

「短編の名手」が「長編」を作り込むとこんなにも
何重にも二転三転読者を翻弄することができるというお手本(笑)

あたしはやっぱりこの作家には「香菜里屋」シリーズの
日常ミステリーを期待してしまうなぁ。
# by acha-books | 2010-12-12 16:17 | :北森 鴻
2010年 11月 29日 |

元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。
狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。
ツキのない殺し屋「七尾」。
彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが再びやって来た。
『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。3年ぶりの書き下ろし長編。(「BOOK」データベースより)


あーーーーっ!!!!マジ面白かった!!!最高。
伊坂節、これだよ、これ!って感じ。
伏線をしっかり貼ってしっかり回収する。
読み手がにやっとする作品。

「グラスホッパー」の続編と言われてますが
あのときの登場人物が出ては来るものの
話はまったく別物なので
読んでいなくても楽しめますが
「グラスホッパー」の後に読んだ方が倍楽しめる、と
いった感じです。
ただし「グラスホッパー」を陰とするならこちらは陽。

もちろん殺し屋たちの話ですし、不快な表現もあれば
死体もごろごろ出て来る。
それでも両作とも読後感の爽快感はなんともいえない。
どこかで映画の「ダイ・ハード」とか観たときのような
緊張感と痛快感と評されてましたがまさにそんな感じ。

いつもは仙台を舞台に書くことが多い伊坂作品ですが
今回は東京から盛岡に至る2時間半の東北新幹線が舞台。
ほぼこの中だけで話が進みます。
これもまた新鮮。

「王子」には心底いらいらむかむかさせられますが
それがまた読むスピードを、この子はどうなるんだ?と早め
魅力的な(え?)殺し屋たちの会話も伊坂ワールドどっぷり。
登場人物達がアクが強くて魅力的。

とりあえず最後まで読めばこの愉快さきっとわかります。

ネタばれしたくてうずうずです(笑)
2010年 11月 10日 |
内容紹介
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。
内容(「BOOK」データベースより)
愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。第29回小説推理新人賞受賞。


色々な本のレビューをネットで読むと読後感について
好みがかなりわかれる、読後感のよろしくない作品として
書かれてることが多く今まで保留になってた一冊ですが
病院での待ち時間内で読了。

エンターテイメント的な作品として非常に面白かったです。

愛娘を殺された女教師、殺した犯人、その家族の日記等
語り手が各章ごとに変わるのですが
その人たちがこれまた極端で、そのいかにもさが
またブラックユーモア的でもありとてもわかりやすい。
立場や視点を変えることで一つの事件が
こんなにも色々な意味を含んでいることを
表現したかったのでしょうが
ちょっと偏り過ぎな点は否めないかな。

どの登場人物もみんなエゴたっぷりで
自分の都合のよいように解釈し信じている。
でも現実でもそんなもんじゃないですか?という
多かれ少なかれな恐さと気持ち悪さ。
それをものすごい勢いで読ませる力はすごいです。

いじめやHIVに対しての扱い方に対しての倫理観とか
リアリティとか問うような作品でもないですし
答えのなさ、救いのなさに暗くなる必要性もないような。

そこに答えはないし、被害者の母としての女教師が
望んでいるものは復讐以外ないというブレのなさ
この本が描いているのはその一点のみ。
その時点で十分に歪んでいるのです。

ラストだけは絶対的に無理だけどそれまでの話
或いは殺人までの経緯や子供たちの心の流れは
実際にあってもおかしくないと思ってしまう恐さは
根底にあるんですよねぇ。。。
世の中、安易な自己中心的な事件が多いものね。
それ故にそれを感じてしまった人には読後感の
何とも言えない悪さがあるのかも。

それでも、何かを伝えたい、訴えたいのでも
問題を提起したいのでもなく
純粋にエンターテイメント性の高さだけを追求し
現代の膿みを扱うとこのような内容になり、また映像化することで
さらに娯楽性が高まるのでは、ということで
ぜひDVDでレンタルしたいもんです。
(今、公式サイトで予告編改めてみたら
やばーい(苦笑)泣きそうになったぞ!本と大違い(笑))

少しだけネタばれし追求して書くのならば
少年Bとその母親のくだり。
Bが家庭内に引きこもっている間、
長袖で腕を隠し玄関から顔だけを出す
母親の様子が出てきた時は、もっと陰湿な
Bの心の鬱屈感、苦しさ、それからくる母親への暴力
そのすべてをぶつけ受け止めている家庭内での様子を
想像してしまってぞっとしたのですが
本人たちから語られた内容はとっても薄く(笑)
なんだこの人たちはこの人たちの間で完結して
ある意味幸せな親子関係じゃんと
思うと同時にあの薄っぺらさがえらい気味悪かったです。
2010年 11月 08日 |
時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ「人気」があった―。(「BOOK」データベースより)



いやぁさすが映画化決定作品。さすが本屋大賞受賞作。
誰が読んでも爽快な気分になること間違いなし。
文庫化されて上下巻で読んだのですが
確かに上巻の初めの部分はちょっと退屈感があるのは
まぁ仕方ないです。
その時代設定を説明しなきゃいけないし
キャラ設定も読者のアタマに叩き込まないとね。

でもね、上巻の最後からはすごいですよ。
もぅ一気に来ます。
あたし涙でそうでしたもの、電車の中で!!(笑)
きっとその涙は、あの百姓たちの流した涙と
同じ種類の涙です。
のぼう様の父上が死んだ、俺らがのぼう様を
お守りせねば!ってより
俺たちが守ってやんなきゃ!的な(笑)

本当にこのでくのぼうの成田長親(ながちか)の
キャラ設定は素晴らしい。めっさ愛されキャラですよ。
石田三成のナルっぷりもたまらんし
長塚正家のイヤラシさっぷりも(笑)丹波や和泉と
言ったすべてのキャラクター設定がまず、いい。

「この城、敵に廻したは間違いか?」
ドキドキしますね。
石田三成率いる秀吉方約2万の大軍と
わずか500の忍城。三成の忍城水攻めのシーンも
映画で見れると思うとどれだけ壮大か今から楽しみですが
キャスティングが。。。
いやぁ。。。どうなるんでしょうねぇ(苦笑)
ぜひとも映画見た後、本は本で楽しいけれど
映画のこれはこれで絶対ありだよ!!と言わせて欲しいです。
2010年 06月 19日 |


小磯健二は、憧れの先輩・篠原夏希に、「4日間だけフィアンセの振りをして!」とアルバイトを頼まれ、長野県の田舎に同行することに。夏希の曾祖母を中心にご親戚に囲まれながらも、大役を果たそうと頑張る健二のもとに、謎の数列が届く。数学が得意な彼は、夢中で答えを導きだすが、翌朝世界は一変していた。世界の危機を救うため、健二と夏希、そして親戚一同が立ち上がる。熱くてやさしい夏の物語。映画「時をかける少女」の細田守監督・最新映画を完全ノベライズ。(「BOOK」データベースより)

息子が学校の読書時間用に購入。
すごいいいから読んでみて!!!とずっと言われてたもの。

所詮、アニメになったやつでしょ?
所詮ノベライズでしょ?
本好きからみてノベライズはあり得ないのよね、あたし的に。
子供騙しな青臭い青春小説?
ネットゲーム?
。。。。。しばらく放置。

とにかく登場人物が多いのにも閉口。
無理。まったく職種うごかんが?
ねぇ、これ全部登場人物、把握できた?
できたよ。
。。。すごいね。

まぁちらちらと平行させながら読んでいたのですが
途中から本をめくる手が止まらなくなりました。

すみません。

舐めてました。

最後、泣いた泣いた。感動しちゃったよ。
熱い。
インスタント・クラッシック、否定しません。
映画も絶対みたいと思いました。
きっと映画の世界をきっちり描いているのでしょう。

大家族っていう設定もいいです。

OZと呼ばれるネットワークサービスなんてまったく違和感ないです。
とくにあたしはピグですっかりアバターチャットは
はまってるし、mixiにはほぼログインしっぱなしだし携帯からもやってるし。

そのOZのパスワードが盗まれることからこの「戦争」が始まるのですが
そのパスワード、2056桁の数字を解いてしまったのが小磯健二少年。
そこから話が加速して面白くなっていきますのでそこまで
我慢して読みましょ。

ラストの「鉄火場」の盛り上がりには熱いものこみ上げちゃいますよ。
舐めてちゃ行けませんね、何事も。
2010年 06月 19日 |


もう会えないなんて言うなよ。あなたは思い出す。どれだけ小説を求めていたか。ようこそ、小暮写眞館へ。3年ぶり現代エンターテインメント。(「BOOK」データベースより)

つい先週読み終わりまして。。
それまで(ここの更新日時はもぅ読後順でも読後すぐでもナイです)
もぅしばらく本を読むのを離れていたのですが
ここいらで気合いもいれようと厚いハードカバーに手を出しました。

宮部みゆきなら絶対安全牌、途中で投げてしまう心配もない。
絶対に面白いに決まってる。

きっとそう思う人はかなり多いと思う。
宮部なら面白いに違いない。

その通りです。
期待をまったく裏切らない。

本来なら壊してしまって新しい建物を建てる前提で
売り出されている古民家有り物件を買った花菱一家。
けれど一家はそれを取り壊すことなく
リフォームして住み始める。
小暮写眞館のまま。

そこに持ち込まれる心霊写真。その謎解きを始める花菱家長男の
花ちゃん、周囲には個性豊かな友達。

宮部のあのパターンだね、と思いながら読み進める。

そう、これだよ、これ。こんな小説が読みたかった、と思わせてくれる。
小説を読むことの醍醐味を教えてくれる。
気持ちよく泣ける、感動できる。
登場人物達みんなが生きてそこにいる錯覚。
読み終わった直後に最高と言える小説。
後味もよく、かと言ってその世界にどっぷりで止まってしまうことなく
次も読みたくなる、本好きにはたまらないこの感覚。

特にラスト。何度も読み返したくなる心地よさ。

精神的に疲れてる人へのひとつの答えだってしっかり教えてくれている。
素敵な参考書。

ハードカバーですが意外に軽めなのでぜひ。
2010年 06月 19日 |

(「BOOK」データベースより)
仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―。精緻極まる伏線、忘れがたい会話、構築度の高い物語世界―、伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成。

もぅ名作すぎてコメントいらないかも(笑)

あたしは映画を見てから原作を読んだのですが
先に原作を読んだ妹に言わせると
絶対的に原作に忠実だけれど
足りないところ、カットしてるところは確かにあっても
わからなくなるってことはない。
ただ、原作を読んだ方が深いかも。
その通り。
どちらもいいです。

結局伊坂をどれだけ映画監督が惚れてるか、やられてるかは
作品みればわかりますね。

痴漢は死ね。

涙が出ました。
2010年 05月 01日 |

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。(「BOOK」データベースより)

これはねぇ。。。好き嫌い別れるとしか言えませんね。

あたしは嫌いじゃないです。
もともと叙述トリック系は好きですし。
ちょっと気色悪い不思議なミステリーという感じでしょうか。

輪廻転生を無意識に奥深いところであたしは信じているので
違和感なくネタばれもすっと飲み込めたのですが。。。
ネタばれするとまったく最初から面白くなくなってしまうので
ネタばれについてはこちらのブログが詳しくてわかりやすいですよ。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~sakatam/book/himawari.html

ただなんにせよ悲しい物語です。痛々しい。
2009年 10月 09日 |


興信所の調査員・宮本と美貌の東大生・加奈は、浪人生・昌史を東京芸大に受からせるため、センター試験で完璧なカンニングを実行する。しかし、それは罠だった。全てを失った彼等は、昌史の父親を巻き込んで、復讐のため十億円を賭けたポーカーの勝負に打って出る。
入念なイカサマを仕掛けた四人は、決して負けるはずがなかったのだが―。
(「BOOK」データベースより)

この作者のね、エンターテイメント性が好き。
読んでいる間、存分にその世界で楽しめる。
例えば2時間ドラマのようにね。
人生観変えちゃうとか感動しちゃうとか
そー言うのは他にまかせて
ちょっと脳みそに、ぴっと刺激を与えて楽しむ。
くすっと、にやっと笑う。
そぅきたか!!!と大きく胸打たれるよりも
そーだよねぇ?(笑)と作者と同調する
そんな世界を見せてくれる五十嵐作品は嫌いじゃないです。

コンゲームってわかります?
コン=confidence=信用、信用詐欺のことなんですって。
映画でいえば「スティング」や「オーシャンズ11」のような
見終わった後のあの騙された爽快感、見事してやったりな作品たち。
頭脳と頭脳の闘い。

この本は、大学受験のカンニング事件から
10億といった大金をかけたポーカーゲームを
ベースにしたコンゲーム。
作者の広げた罠に読者も騙されぬよう気をつけて。

実際のそのトリックに無理があるとかないとか
考えちゃうようでは騙された後の爽快感が低いってことですが
そんなん無視して、小説の楽しさの中に
どっぷり身を投げた方がずっと楽しめる。
あー、面白かった!で終われる、そーいう楽しさを、
作者の投げた駒に対して
あーだこーだと分析するよりもあたしは好きです。

ラストのポーカーの試合の心理合戦はかなり面白かったです。

ま、ちょっと恋愛的な匂いまでさせちゃったのは広げ過ぎな感が
ないでもない(苦笑)

時間の空いている時に一気に読むのがお薦め。
2009年 10月 04日 |

天才が同時代、同空間に存在する時、周りの人間に何をもたらすのか?
野球選手になるべく運命づけられたある天才の物語。
山田王求(おうく)はプロ野球仙醍キングスの熱烈ファンの両親のもとで、生まれた時から野球選手になるべく育てられ、とてつもない才能と力が備わった凄い選手になった。王求の生まれる瞬間から、幼児期、少年期、青年期のそれぞれのストーリーが、王求の周囲の者によって語られる。
わくわくしつつ、ちょっぴり痛い、とっておきの物語。『本とも』好評連載に大幅加筆を加えた、今最も注目される作家の最新作!!
(内容紹介 amazonより)

んー。っと。
わー伊坂だ伊坂だぁ!と伊坂ファンが手をだすと
ちょっと物足りなさを感じるのかも。
文体は確かに伊坂ファンには好みかと思います。
あの人がここで絡んで来るのね〜、なほぅほぅという感じも
楽しめると思います。
仙台にこだわってるのも会いかわらず。。。
でも、なんだろ。いつもの伊坂とは違います。
伊坂の違う面が見れたような。

野球において天才として生まれついた一人の人間の
生まれ落ちた瞬間から23歳までを伝記として
綴ったこの本。
けれどなんせ、この主人公、天才ですから、王ですから
孤独なわけです。
自分は常に浮いているのではないか、自分が存在することで
周囲に違和感を与えて居心地を悪くさせているのではないかという
孤高の位置にいるわけです。
そいういった描写は出るもののまぁ感情移入が難しいほど
感情的な部分の露出が欠如している人間を主人公としたため
こちらも、あくまで伝記として読むかのごとく
淡々と進むわけです。
もちろん、次へ次へと読み勧めたい欲求が
むくむくと出て来るような出来上がりです。

そう、伝記なのです。

中にはまるで寓話に出て来るような魔女?怪物?
色々とその世界に彩りを加えています。
淡々としているのに
どんどん読み進めてしまったのはやっぱり文体の読みやすさ
文章力だとは思いますが。。。

あ。最後に「語り手」がわかるところは
ちょっとかわいくて楽しかったですよ。
そうそう、天才野球少年、王求の母親の潔さ、筋の通し方とか
そーいう格好よい女性を描くのはやっぱり伊坂ならでは。

怪物の登場シーンはちょっと痛かったなぁ。

今まで読んだことのないファンタジー。
決して悪い読後感ではないな。

2009年 09月 29日 |

1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械―それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。
時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは?失われた風景が鮮やかに甦る、早世の天才が遺したタイムトラベル小説の金字塔。
(「BOOK」データベースより)

あたしの大好きなタイムトラベルものです。
基本、SFは好みではないのですがタイムトラベルは好き。

主人公が、昭和38年から昭和7年にタイムトラベルするのですが
その昭和初期の描写がいいです。
そのレトロな時代が好きな人にはそれだけで楽しめる。

当時の銀座の様子やかなり事細やかに調べられたであろう
古き良き東京。
個人的なことですがつい先日江戸博物館に行って
「十二階」だとかそういった時代について
触れたばかりだったのでなんてタイムリー。
(もし行く機会があればこの本を片手に!)

さて、もちろん、その時代だけを語った本であれば
別に時代設定をそこに合わせればいいだけのこと。
さらに作者は次なる試みを。

タイムマシンがひきおこすパラドックスを
どう解明するか。

例えば自分が生まれる前の時代まで戻り
自分の祖父を殺したとする。
自分はどうなるか?
過去に戻り自由に操作することで運命は変えられるのか?

様々なタイムトラベルをベースにした小説では
その独自の答えをそこで披露しています。

こちらでも綿密に計算され、つじつま合わせとしては
かなり完成度の高いものでは?
ぜひそのあたりも合わせて楽しんで欲しい一冊。
だってこの最後のまとめ方と言ったら。
爽快ですよ。
ん?と首をひねるような、じゃああなたは誰から
生まれたの?と思われるかもしれませんが(笑)
ゆっくり何度でも読み直して味わってください。

タイムパラドックスを利用したならではの大団円。
おおっ、と楽しめること請け合い。
時空を超えたラブストーリーにも嫌みがなくヨイです。
2009年 09月 15日 |

懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。ジュンは文化人類学の研究のために来たが、多くの人々の目的は死者から「血塗れジャック」事件の犯人を聞きだすことだった。ところがジュンの目の前に鳥居に吊るされた死体が現れる。これは何かの警告か。ジュンは犯人捜しに巻き込まれていく―。
(「BOOK」データベースより)
聖地にいる173人全員に殺人容疑が降りかかる。嘘を許さぬ古来の儀式「ガッチ」を経ても犯人は見つからない。途方にくれるジュンの前に、「血塗れジャック」の被害者たちが現れて証言を始めた。真実を知るために、ジュンたちは聖地の地下へ向かうが…。
(「BOOK」データベースより)

ファンタジーでありホラーでもミステリーでも
ある不思議な世界のお話。
あまりの異世界っぷりに上巻、読み始めて
その世界に慣れるまで時間がかかりましたが
もぅ下巻に入ったらいっきです。

死者たちが還って来るアナザー・ヒルで
行われている「ヒガン」
V.ファーという架空の国。イギリスと日本の文化を
混ぜたような不思議な空間。
登場人物も多いし設定もまったく未知の世界だけに
多少とっつきにくいかもしれません。
けれど、同じように「ヒガンを初めて体験」する
ジュンという日本人を主人公に置くことで
読者も一緒に「知って」いくわけです。

そこにもぅこれでもかこれでもか、といわんばかりの
事件、謎の嵐。これ全部解決するの?と不安になるほど(苦笑)

ラストは色々と意見のわかれるところですが
。。。んー。。。主人公たちの行動ってすべて無駄足?
骨折り損のくたびれ儲け?とつっこんでしまいたくなりますが
それ以上に、この世界観の描写の素晴らしさで
十分堪能。楽しめました。

登場人物が多く最初は混乱しましたがキャラがしっかりしてるので
逆に読み終わる頃には登場人物たちひとりひとりに
妙な親近感すらもつほど。
さすが恩田陸。
# by acha-books | 2009-09-15 22:30 | :恩田 陸
2009年 09月 10日 |

意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家でしたときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。
サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン・・・・・・
色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。
(背表紙より)

もっと曲ごと、そのテーマがメインとなった短編集かと思ったのですが
曲はほんと添え物程度なのでその時代ジャストな年代の人でなくても
さほど抵抗なくその部分はスルーできると思います。

ま、ジャストならなおって感じで。

この本の前に読んだ「青春夜明け前」が当時の男子の性を中心に書いたものなら
こちらは友情や自分の進路、恋愛を中心に書いたもので
ただ設定が自伝的小説ということで、住んでいる地域や年代が同じため
多少混乱。続けて読むにはちょっと不向きだったかも。。。

主人公が中学校1年から高校3年の卒業式までの成長をおった
連続短編集。主人公も脇役たちもストーリー展開もそこはもぅ
重松なんで十分安心して読めます。
45歳前後、地方出身、大学から上京、そんな人にはまさに
ビンゴかも。
あたしも出て来る曲は全部わかるので十分その感じは堪能。

当時女子だったあたしに言わせるとユーミンの
「古いサンダルを履いてた」というフレーズが理解できないのが
理解できなかった(笑)あれは女子には共感するよねぇ〜。
なんて自分の頃と照らし合わせて読むとまた一興。

「案山子」は泣かせるなぁ。やっぱ重松。

# by acha-books | 2009-09-10 19:56 | :重松清
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