人気ブログランキング | 話題のタグを見る
:books:
achabooks.exblog.jp
  Top
2015年 01月 04日 |


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「生存崖っぷち」の難病女子が、病院から飛び出した!家族や友達を頼らずに、どうやって生きる?シャバでデートしたい(?)一心で、病院を「家出」したものの、新居のドアは重くて開かず、コンビニは遙か遠く、通院は地獄の道のり、待てど暮らせど電動車いすは来ず…。そして迎えた2011年3月11日。知性とユーモアがほとばしる命がけエッセイ第2弾!


久しぶりに更新してみますw
大野更紗さんの本は前作「困ってる人」を読んでたので
新作も読みたい!と思ってたところ
近所の整骨院の先生がすでに読まれていて
これはやっぱり早々に読まねば!とお借りした次第。

震災以降ツイッターに張り付いてた頃に
更紗さんのことを知り、ブログを全部読み
書籍化された本をすぐに買い
とにかく一人でも多くの人に知って欲しいと
周囲に話しまくり本を貸しまくり。

その時、実は先生にも施術中お話したんだけど
(福祉関連、ボランティアに興味あり
実際ご自分でもボラなど色々とされてるので
この本も絶対好きそう!と判断w)
施術中だったしとにかく忙しそうだし
覚えてないだろうなと思ってたんだけど
やっぱり自然と辿り着きましたね、大野更紗さん。

大野更紗さんはミャンマー研究を
している大学院生だった当時
いきなり原因不明の病気を患い
病名がわからない間、いくつもの検査を受け
ようやく難病指定されている「皮膚筋炎」と
「筋膜炎脂肪織炎(きんまくえんしぼうしきえん)症候群」
の病名がようやくついて初めて
国の色々な公的な援助を受けられるようになったものの
公的な援助に対し膨大の書類の手続き
その対処を目の当たりにし
目に見えない障害含め様々な障害を持って
生活している人の大変さを
当事者ならではの立場からユーモアある
文章で世間に対して問題提起されてます。

前回はその病名がつくまでの大変さ
病状についてとても詳しく書かれてますが
今作は実際にシャバ=一人暮らしを
初めての困難さについて
2011年の震災も含めて書かれてます。

これを読んだ健常に日々暮しているあたしたちが
実際どんな行動を取れるかはその人それぞれ
出来る事は限られてる。
でも「その事を知って」いてその「社会のシステムは
おかしい」と口の端に出して行けば
それだけでも十分変わって行く事はあると思う。
だから一人でも多くの人にこの本を読んで
そういう人たちがいることをまず知って
広めて欲しい、そう思える本です。
まずは前作の「困ってるひと」もぜひ。

見えない障害についても
考えるきっかけのひとつになれば。




あたしなんで前作読んだ時ここに
感想残しておかなかったかなぁ?
つか読んだ本全然残してないじゃーん。
って本、読むのめっきり減りましたが。
またこまめに本読んでちゃんと残しておこうっと。
2012年 12月 15日 |

デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー。(「BOOK」データベースより)


相変らずの坂木ワールド!
人の死なないミステリー。
ごくごく普通に生活していて
あれ?と疑問に思う瞬間
他人に対して、何?と
感じる色んなこと。
それを観察眼と知識で
解いていく日常ミステリーな
連作短編集。

デパ地下を舞台にってとこで
まず女子はOKでしょう。

ただ今回の主人公、若い!
まず高3の3学期。
大学に行きたいほど勉強が
好きじゃない、でもかといって
何か特別やりたいことが
あるわけでもないから専門学校も
ちょっと。。。と
進路が決まらない18歳の
女の子が主人公。

うーん。若すぎだなぁ。
こりゃ読めるか?ついていけるか?
感情移入できるか?と
不安に思ったのも束の間。
そこに広がるのは
ほろっと泣けて
ほわっと心温まる世界。

ダイエッターには危険な本かも(笑)
な本作、1話目は「和菓子のアン」
アンちゃんこと梅本杏子が
デパ地下の和菓子屋さんで
働き始め、上生菓子をお使いで
買いに来たOLさん。
5月のお菓子’兜’と’おとし文’
前回半々で買って行ったそれを
今回は兜9個とおとし文1個
その数に隠された意味と
6月1日に買って行った
’水無月’の上生菓子9個の
厄払い。氷の節句。
無事に過ごせた半年の厄を
祓いこれから半年の無事を
祈って食べるお菓子。

って桃の節句、端午の節句以外も
そんな節句があると主人公共々
びっくり。ほうほう。

「1年に1度のデート」は夏
お中元とお盆の季節のデパート。
お中元のお買い物以来
1週間に1度はお越しになる
お客様。いつも黄色と白か
緑と白のセンスのいい
ファッションのおばあちゃま。
でもその服の色に含んだ意味と
買って行かれる上生菓子の意味。
’松風’というカステラに似た
焼き菓子で表面は
胡麻や芥子の実に吹き付けられた
そんなお菓子に名付けられた
松風の由来は「松風の
音ばかりで浦(裏)がさびしい」
会いたいと思う気持ち。
七夕と同じように年に一度だけの
遠距離恋愛なのに
決定的な違い。

などなど和菓子のうんちくと
引っ掛けた楽しさいっぱい。

なによりこの主人公のアンちゃんが
とてもイイ子なんですよ。嫌みがなく
前向きででも時々卑屈になったり
ちょっと臆病になったり
それでも、ごくごく普通の家庭で
しっかり育てられたお嬢さんだなと
好感が持てるんですよね~。
その彼女が彼女なりに真っすぐ
お客様と向き合い、店長同僚たちと
何か物事が起きるごとに
色々感じ、考え成長して行く
とても読後感のいい一冊。

絶対読んだ後、デパートの和菓子店へ
行きたくなりますよー。

ちらり坂木の別作品「切れない糸」と
絡んでるところもあって
坂木ファンには嬉しい仕掛け♪
2011年 01月 30日 |


周囲が新しい門出に沸く春、思いがけず家業のクリーニング店を継ぐことになった大学卒業間近の新井和也。不慣れな集荷作業で預かった衣類から、数々の謎が生まれていく。同じ商店街の喫茶店・ロッキーで働く沢田直之、アイロン職人・シゲさんなど周囲の人に助けられながら失敗を重ねつつ成長していく和也。商店街の四季と共に、人々の温かさを爽やかに描く、青春ミステリの決定版。
(「BOOK」データベースより)


作者の十八番、安楽椅子探偵ベースの日常ミステリーを軸に
人と人の温かさ、繋がりを感じさせる連続短編集。

めちゃくちゃ勧められて読んだからか
あら?と、引きこもり探偵シリーズと結局同じやんと
思ってしまった感もありますが
さすが坂木作品やっぱり坂木作品といったところ。
タイトル通り、
「切れない糸」自分が自由に動けるために
自分が自分である為に、人が必要とするアイデンティティを
地元商店街=人との繋がりとして
読ませ納得させるストーリー展開は素晴らしいです。

もともと父親の急死により継ぐつもりなんか毛頭なかった
地元商店街密着型のクリーニング店。
はっきりいって商店街のオヤジという職種をバカにしていた
主人公が、その商店街をプロフェッショナルの集団と気づき
読者にもそれを気づかせることで
本の中の世界に憧れを抱く、本を読むことの醍醐味のひとつ。
こんな商店街、自分の住む近所にあったらなぁとか
こんな友達が自分のそばにいたら面白いのになぁとか。

読後感も爽やか。
犯罪も殺人もない、日常ミステリというよりも
主人公の成長物語と見ても楽しめます。
2010年 12月 12日 |


『招き寿司』チェーン社長・豪徳寺豊蔵が破格の金額で探偵・鵜飼杜夫に愛猫の捜索を依頼した。その直後、豊蔵は自宅のビニールハウスで殺害されてしまう。なぜか現場には巨大招き猫がおかれていて!?そこでは十年前に迷宮入りした殺人事件もおきていた。事件の鍵を握るのは“猫”?本格推理とユーモアの妙味が、新しいミステリーの世界に、読者を招く。(「BOOK」データベースより)



回転寿司チェーンを経営する資産家・豪徳寺豊蔵が殺された。
犯行現場は自宅のビニールハウス。
そこでは、十年前にも迷宮入りの殺人事件が起こっていた…。
豊蔵に飼い猫の捜索を依頼されていた探偵・鵜飼杜夫と
過去の事件の捜査にも関わっていた砂川刑事が
それぞれの調査と推理で辿り着いた真相とは!? 
10年の時を経て繰り返される消失と出現の謎!! 
すべての猫は、殺人のための装置だったのか?
。。。。とは出版社解説文より。。。。ですが。。。

いやぁ。。。すべての本に対して
ここで紹介するときは、その本の何かしら
いいところをあげ、その部分を推したい。
たとえ、好みでない本であっても
「その部分が」好きな人が、そうかその路線なら
好きだなと、その本を読んでもらえばいいと思って
書いてますが。。。

この本については
なんて書けばいいんだ?(苦笑)

まぁはっきり言って「バカミス」なジャンル。

おばかな掛け合い、登場人物達の絡み
これに耐えられれば終盤は、なるほど、と
思えるミステリとしては秀逸かと。

なんか以前これと同じくらいバカらしい気の抜けるような
ミステリを読んだなぁ。。。と思うのですが
ミステリ界にこの手の「この登場人物は
こんなにもくだらないギャグばかり飛ばして
周囲はそれに『ぎゃふん』なんですよ」的な作りって
よくあるんですかね。

いやぁそこが読みづらくて何度も何度も読み始めては
他の小説を読み始めて。。。とようやく読破。
途中の中だるみさえ過ぎれば面白かったんですけどね。
そこにいくまでが大変だったわー(汁

あ、これシリーズもんなんですね?
そかそか。じゃあこの登場人物達はおなじみなんですね。
そこから読めばもっと読みやすかったのかな。
2010年 12月 12日 |


脳死臨調でリーダー的存在であった帝都大学医学部教授の吉井が刺殺された!かつて吉井の部下だった医療ライターの相馬は、やはり研究室を去った元同僚を追う。その男、九条は、新宿のホームレス街にいた。不思議な能力を持つ少女、トウトとともに…。九条と殺人事件との関係は?また、彼が行った禁断の実験とは?深い余韻を残す医療ミステリーの傑作。(「BOOK」データベースより)


はっきり言って本を読み慣れている人でないと
読みにくいと思います。

誰に向けて誰が書いたかわからない手紙から
始まるこのお話。
とても複雑に色々な「立場」「事情」が絡み合い
だからこそ殺人事件の動機も後々明確になるわけですが
絡みすぎてちょっと作り込み過ぎ感が。

単なる医療ミステリーとしてだけでは終わらせず
そこに不思議まで加えちゃってるからなおさら。
なかなか読者に答えをみせない、みえないように
丁寧に作られすぎてじっとひたすら読者側は
差し出されるものを黙って飲み込んでいくしかない
と、いった感じ。
ヒント的なものだったり、後々の伏線とは
思えないほどの展開。

教授が何ものかに殺害されたが重要だったのが
その教授が脳死判定における臓器移植に対しての
権威ある人物だったこと。
脳死や臓器移植というテーマは多いし
結果的には、そか、そういうことか、ととても
シンプルな話なんだけどね、それをなかなか見せませんよ。
そこまでじっくりこの小説の世界に
入っていけるか、読み込んでいられるか
そこかな。

「短編の名手」が「長編」を作り込むとこんなにも
何重にも二転三転読者を翻弄することができるというお手本(笑)

あたしはやっぱりこの作家には「香菜里屋」シリーズの
日常ミステリーを期待してしまうなぁ。
# by acha-books | 2010-12-12 16:17 | :北森 鴻
PageTop
XML | ATOM

会社概要
プライバシーポリシー
利用規約
個人情報保護
情報取得について
免責事項
ヘルプ
Starwort Skin by Sun&Moon