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告白:湊かなえ
2010年 11月 10日 |
内容紹介
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。
内容(「BOOK」データベースより)
愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。第29回小説推理新人賞受賞。


色々な本のレビューをネットで読むと読後感について
好みがかなりわかれる、読後感のよろしくない作品として
書かれてることが多く今まで保留になってた一冊ですが
病院での待ち時間内で読了。

エンターテイメント的な作品として非常に面白かったです。

愛娘を殺された女教師、殺した犯人、その家族の日記等
語り手が各章ごとに変わるのですが
その人たちがこれまた極端で、そのいかにもさが
またブラックユーモア的でもありとてもわかりやすい。
立場や視点を変えることで一つの事件が
こんなにも色々な意味を含んでいることを
表現したかったのでしょうが
ちょっと偏り過ぎな点は否めないかな。

どの登場人物もみんなエゴたっぷりで
自分の都合のよいように解釈し信じている。
でも現実でもそんなもんじゃないですか?という
多かれ少なかれな恐さと気持ち悪さ。
それをものすごい勢いで読ませる力はすごいです。

いじめやHIVに対しての扱い方に対しての倫理観とか
リアリティとか問うような作品でもないですし
答えのなさ、救いのなさに暗くなる必要性もないような。

そこに答えはないし、被害者の母としての女教師が
望んでいるものは復讐以外ないというブレのなさ
この本が描いているのはその一点のみ。
その時点で十分に歪んでいるのです。

ラストだけは絶対的に無理だけどそれまでの話
或いは殺人までの経緯や子供たちの心の流れは
実際にあってもおかしくないと思ってしまう恐さは
根底にあるんですよねぇ。。。
世の中、安易な自己中心的な事件が多いものね。
それ故にそれを感じてしまった人には読後感の
何とも言えない悪さがあるのかも。

それでも、何かを伝えたい、訴えたいのでも
問題を提起したいのでもなく
純粋にエンターテイメント性の高さだけを追求し
現代の膿みを扱うとこのような内容になり、また映像化することで
さらに娯楽性が高まるのでは、ということで
ぜひDVDでレンタルしたいもんです。
(今、公式サイトで予告編改めてみたら
やばーい(苦笑)泣きそうになったぞ!本と大違い(笑))

少しだけネタばれし追求して書くのならば
少年Bとその母親のくだり。
Bが家庭内に引きこもっている間、
長袖で腕を隠し玄関から顔だけを出す
母親の様子が出てきた時は、もっと陰湿な
Bの心の鬱屈感、苦しさ、それからくる母親への暴力
そのすべてをぶつけ受け止めている家庭内での様子を
想像してしまってぞっとしたのですが
本人たちから語られた内容はとっても薄く(笑)
なんだこの人たちはこの人たちの間で完結して
ある意味幸せな親子関係じゃんと
思うと同時にあの薄っぺらさがえらい気味悪かったです。
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