人気ブログランキング | 話題のタグを見る
:books:
achabooks.exblog.jp
  Top
うたかたの日々:ボリス・ヴィアン
2004年 12月 26日 |
うたかたの日々:ボリス・ヴィアン_a0104226_03961.jpg
 せつない〜。めっさせつない。こんなにカワイイ設定が
 たくさんされているのに。こんなにもたくさんの不条理。 
 ボーイ・ミーツ・ガールの先に待っていたものは
 肺の中に睡蓮が咲いてしまう病気にとりつかれたクロエ。
 それまで裕福で働いたことなどなかったコランは彼女の
 病気を治すため=たくさんの花を買うために働き始める。
 コレクターなシックは自分の所有欲を満たすために
 もともと同じ対象を愛していたアリーズの寂しさに気付かない。
 愛してるから、愛してるのに
 どうしてこんなにも悲しいことばかりに満ちてるのかな。
 彼らはみな間違ってもあたしのようなせつなフェチではなく
 どちらかと言えばシナモン・シュガーのバラ色の雲に包まれ
 ちゃうくらい脳天気なパリの若者達。なのに降りかかってくるものは
 すべて自分たちではどうしようもないことばかり。
 (シックの病的なマニアックな収集癖すら「仕方ない」と
 思わせてしまう)
 愛してるから花を買い、愛してるから人をも「心臓抜き」で
 殺してしまう。部屋が暗く小さくなっていく描写は絶妙。
 料理人で召使いのニコラ、いいなぁ。
 あ、この小説を漫画化させたオカザキ作品は
 絶対に本を読んだあとに読むことをオススメ。
 でないと、絵で世界が固まってしまうよ。空想の世界で遊べない
by acha-books | 2004-12-26 00:37 | 海外作家
<< 火車:宮部みゆき PageTop 西瓜糖の日々:リチャード・ブロ... >>
XML | ATOM

会社概要
プライバシーポリシー
利用規約
個人情報保護
情報取得について
免責事項
ヘルプ
Starwort Skin by Sun&Moon