斬られ権佐:宇江佐真理
2005年 05月 30日
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読んでいてほろりとさせる作品は数あれど
ここまでぽろぽろ ぽろぽろと涙が止まらなかった作品を
読んだのは何年振りかなぁ〜というくらい泣きました。
権佐には、惚れた女を救うために無謀にも5人を相手にし
その時に斬られた傷が88カ所。
その為「斬られ権佐」と呼ばれるように。
仕立て屋の家業を不自由な体で手伝いながら
八丁堀の与力の小者も勤める。
救ったあさみとは所帯を持ち、かわいい一人娘ももうけた。
小者として様々な事件から、下手人の
人間としての弱さ、悲しさに触れるたび
権佐は自分の身体の不調から自分の残された時間と
残していく家族のことを思わずにはいられない。
あ〜、思い返しても泣きそう(苦笑)
あたしもすっかり宇江佐におっこちきれました。
せつなすぎるほどせつないのに
心の奥がじわーんと温かくなる、今一番愛おしい一冊。
「おっこちきれる」
遠近(おちこち)のなまったもので、切れるが付くと
男女の間ではその垣根が取り払われたこととなり
親しい関係を意味する。下世話にいえば
ぞっこん惚れたということ。
江戸の乙な言葉にもやられてます。
BGMはぜひオキシ人形で(笑)
by acha-books
| 2005-05-30 10:20
| :宇江佐真理
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