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盤上の敵:北村薫
2006年 01月 22日 |
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 北村作品の中では異色と言われている本が
初北村です、おまけに気に入ってしまいました(笑)
タイトルと表紙の絵で、チェスが絡むの?え〜、チェス
まったくわかんないしぃ〜と尻込み。
しまった、こんなに読みやすくその上でこんなにも
深い意味を持った本だったなんて!

中堅プロダクションに勤務する末永の家に猟銃を持った
殺人犯が立てこもった。末永の妻、友貴子が人質にされた。
妻を助けたいと訴える末永。彼は友人や自分の職場の手を借り
警察を欺いてでも自分の計画を進めようとする。
はたして末永は犯人に、そして世間、警察に対して
チェックメイトをかけることができるのか?

主人公末永を白のキング、友貴子を白のクイーン
立てこもった殺人犯を黒のキングに見立て話が
進んでいきます。黒のキングを「路上に置いた」章一郎の
語りから話が始まり、白のキングの末永の語り、白のクイーンの
友貴子の回想で交互に話が進み、とても読みやすい。
そしてそのテンポのよさ、後半はしっかり追っていかないと
ついていけないくらい。
そしてそのすべてが一つになり色々な部分に
張り巡らされた伏線にもぅ一度読み返してしまったほど。

本の初めに作者の断りがあります。
「今、物語によって慰めを得たり、安らかな心を
得たいという方には、このお話は不向きです」
確かに理不尽な暴力という形を取っています。
でも読み終わったあと、一瞬「ほっとする」「すっきりする」
自分がいました。「よかった」と。
でもこれが実は本当のトリックにひっかかったような気がします。
黒という悪に対して向かっていく白を本当に
その陣営に立っていていいのか?という不安定さ。

ぜひこの北村マジックにあたなも騙されてみてください。
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