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壬生義士伝:浅田次郎
2006年 03月 06日 |
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 つくづくね、この人の書く本は「巧いな」と思いましたよ、
あたしも。解説にあるようなPNがどーのと長いことは
言いませんが、巧みな語り口調と江戸っ子のべらんめぇ調
そして朴訥とした東北弁の使い分け=語り手の変化の流れは
素晴らしいの一言。

何度も泣きました。特に下巻はこれでもかこれでもかと
もぅたたみかけるように。

壬生浪(みぶろ)と呼ばれた「新撰組」に入隊した
吉村貫一郎は「鬼貫」や「人斬り貫一」などと呼ばれ
その非情さを怖れられ、また金銭に卑しいことから
仲間からも蔑まれていた人物。
時は大正、あの幕末の時代に生きた吉村の生き方を
吉村と接した人々からの語りから
吉村の本当の姿が浮き上がってくる。
人を斬るのは、自分が死なないため。
自分は死ぬことができない。死んではならない。
遠く離れた南部の地の愛する妻、子供達が
待っている。脱藩した自分が少しでも多く
「銭こ」を稼いで送ってやらねばならない。
愛する家族達を守るために。

本当の武士として、義を貫き、己のためではなく
己の守るべき者のためだけに生きること。

それは武士の時代だけに限らず本当の男としての生き方に
彼を思い起こす男達にとってかけがえのない存在として
深く胸に刻まれている。

慶応四年の一月、雪の舞う夜更け、満身創痍の侍が
大坂の南部屋敷に命乞いに現れるところから話は始まり
そして交互に、吉村貫一郎本人のお国訛りの語り
吉村と同じ新撰組に属した同期や、吉村の教え子
さらに斉藤一や大野次郎右衛門の息子、千秋
吉村の残された息子と語り手が話を進めるうちに
見えてくるもの。

貫一郎の心の内、長男嘉一郎の母に宛てた独白
そして貫一郎の次男が地元盛岡に帰郷するラスト
大野次郎右衛門の手紙は圧巻です。

はぁ〜〜〜〜、だから浅田は「鉄道員」だけで
判断しちゃいけません(笑)
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