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アンボス・ムンドス:桐野夏生
2006年 06月 05日 |
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 あ〜〜〜↓またやられちゃったよ。
表紙のかわいさに騙された。「魂萌え!」と
同じパターンにひっかかりました。
表紙で判断しちゃあいけません。でもよく見ると
コレ、毒きのこかな?なら、ありですね。

全編「悪意」に満ち満ちてます。
女として、人間として、ここまで
女の、人間の醜い部分、グロテスクさを
晒す勇気。これはある意味恐怖小説。
(伊坂のグロさとはそこが違うのね。)
人間の心に潜む残酷さ、ここまで晒せるのは
もぅこの人しかいないのでは?とオモウほど。

短編集ですがどれもみな長編にできるのではと
思えるほどの濃い内容。

ネタバレしますよ。

周囲からも嫌われ疎まわれ、臭いと言われ
醜く鈍くさく、キスもセックスも未経験な24歳の
真希という女がいるわけですよ。
当然、おどおどしてる「キモチワルイ変な女」
過去、ただ一度だけ痴漢にされた行為を
思い出しては一人熱くなってるような女。
でもその真希がいきなり思い出すわけ。
自分は、あの「グリコ・森永事件」の中心人物だったと。
突然、自分は主役だと自信を持つのね。
その自信の出た姿も、全然明るくもなければ
爽やかでもない、醜い独りよがりに近い形。
周囲はまた余計に気持ち悪がるくらい。
でもそれはもっと深い記憶を呼び覚まされまた
もとの自信のない自分に戻る、けれど
そこに残ったのは、おどろおどろしい悪意。
小さな幼い存在に向けられた悪意。
これはもぅすごくコワイ話。

これが短編。濃いでしょう。

他にも何年も続いた不倫、相手は家庭があり
自分ばかりが損してるという呪縛に囚われ
壊れていく42歳のフリーライターの女性の
惨めに歪んだ悪意。
相手の家庭にばらしても、相手の家庭は
壊れず、自分だけがすべてから攻撃され
自分だけが壊れていく。けれど
最後の最後まで、他に向けられた悪意の塊。

出版社に勤める48歳の女二人と34歳の女の
海外旅行。酒も入り告白ごっこの内容は
性体験。初体験の相手が父親だったり
自分がレズだと気づいたり性奴隷として売られたりと
凄まじい告白のあとに誘いの言葉は
奴隷として売ってみないか、という悪意。

表題作の「アンボス・ムンドス」は小学校5年生の
女子達の大人に、クラスの一番の嫌われ者であった
相手に対する悪意。これもコワイ。

体力ない時に読むと負けます。
つーか読後のこのなんとも言えない不快感。
うーん。。。これがクセになって桐野作品に
はまるのかなぁ?
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