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死神の制度:伊坂幸太郎
2006年 09月 02日 |
死神の制度:伊坂幸太郎_a0104226_2141249.jpg
 オモシロイ!これはもぅ大好きです。
これなら伊坂初心者さんでも入りやすいかな?
もちろん伊坂ならではの他の作品とのリンクも
ありますので(「重力ピエロ」のあの人たちとかね)
そのあたりはやっぱり発表順に読んだ方が
楽しめますが、それでもこのストーリーは
かなり入りやすいと思います。

短編連作集で、死神の千葉は(死神には
毎回、送り込まれてくるたびに年齢も姿も
変わるのに名前だけは変わらず、その名前は
町や市の名前が与えられている)
1週間後に死ぬ人間(病死や自殺は
死神の管轄外)に対して、その人間が「死」を
実行するのに適しているかどうかを調査して
報告するのが仕事。
死神たちは「ミュージック」が好きで
CDショップの視聴コーナーにいることが多い。
千葉もやはりミュージックを聴くことが大好きな死神。

猫背でがに股、暗い印象の冴えないクレーム
処理係の22歳の女性。
弱気を助け強気をくじく、任侠の世界を生きる
ストーンズの好きなヤクザや母親を刺した後
すれ違った若者を刺し殺して逃亡中の男。
千葉は毎回、様々な容姿、年齢に姿を変えて
ターゲットに近づき「調査」をします。

死に対してどう考えているかを相手から
聞き出していく千葉。そこには様々な死の概念があり
それもまた読み応えがあります。
この千葉がねぇ、いいんですよ。冷静だけど冷酷ではない。
時々でる人間社会とのギャップ、言葉の不自由さや
モノのしらなさが滑稽でまた魅力的。

時系列のマジックと伏線の回収は相変わらず鮮やかです。
それにしてもこれだけ短編も長編も巧くて
登場人物の設定も会話のテンポのよさも際立ち
何より文章のうまい作家として今、一番なのでは?
特に連作短編としては各編の話の終わらせ方、そして
最終話への繋げ方、見事です。

ぜひぜひ読んで欲しい1冊。大プッシュ。

。。。これ、ドラマ化したら面白いよね。だって主役の
千葉役が毎週変わることになるんだもん(笑)
今週は誰?みたいな。でも6編だからなぁ〜
1クール保たない(苦笑)
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