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パレード:吉田修一
2006年 09月 30日 |
パレード:吉田修一_a0104226_2220955.jpg
 第15回山本周五郎賞受賞作。ラシイんですが
山本周五郎賞受賞作ってのはどーいう作品が対象?
と調べたら「すぐれた物語性を有する小説・文芸書に
贈られる 文学賞」ということで
まぁそれなら納得です。
物語性は素晴らしい。
引き込まれました。

都内の2LDKに繰らす4人の男女。
「ふぬけの大学生、恋愛依存症の女、
自称イラストレーターのおこげ、
健康おたくのジョギング野郎」は
それぞれ男部屋、女部屋で寝起きし
リビングに集う。
一人はこぅ説明する。
ネット上のチャットのようなもんだと。
そこにいけば誰かしらいる。
でも自分のすべてをさらけ出すのではなく
その場に合った自分、ここの部屋にいるのに
それぞれが「この部屋用の自分」を
演じている、と。
そこに「自称夜のお仕事」に勤務する18歳の
男子が加わってもその空気の異様さは
読みとられたってしっかりそこに馴染んでいく
「お友達」生活。

話は5人の語り手が順々にかわり進む。
それぞれキャラもしっかり立ってるし
それぞれにこの先どう「生きて」いくのかなと
傍観者としての興味も十分に持てる。

で。

何故これで作者は終わらせなかったのか?
何故ミステリーに仕立て上げたのか?
確かに最後の章があるからこそその「表面上の
生活」に恐さは倍増するけれど
でもなぁ
青春群像小説でよかったような気が。。。
したら間違いなくドラマ化決定だね(苦笑)

この登場人物達の心のどこかに感じる
様々な空虚感、嫌いじゃないからこそちょっと
「意外なミステリー」な出来映えに意外さを
突かれてなんとも言えない妙な読後感が残りました。
んー、なんか腑に落ちない(苦笑)
好きな設定の形だけに。。。うーん。ほんとこーいう話
好きなんだけどなぁ。漫画っぽいし(笑)(ラストさえなければ)
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