暗黒童話:乙一
2006年 12月 15日
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ある日、私は片目を失った。
そして、その日までの記憶も。眼球移植を受けた私の頭に
時折激しい痛みと共に見知らぬ映像がよぎる。
その映像の源を求めて旅に出た私を待っていたものは…。
著者初の長編ホラー。
(「BOOK」データベースより)
いやぁ。。。これはこれは(苦笑)
あたしは好きです。ラストの犯人探しなんてもぅ
すっかり騙されました。単純?いやいやあの意外性は
と、言っちゃいけないね。
話はかなりグロテスク。内臓でろでろんな話が
生理的にダメな人はもぅそれだけでこの本の
面白さが見えなくなってしまうほどグロです。
でもやっぱり、この人の描くせつない世界は
健在。これだけおどろおどろしい設定なのに
やっぱり視点はどこかクールで
「異常殺人」ではなく「医者」「研究者」の目。
何故か読後感はとても爽快。
騙された犯人探しも含めてもぅ一度読み返して
しまったほどです。
記憶をすべてなくし、昔の自分と比較され
おどおどしていた主人公が精神的に強くなっていく姿も
読んでいてとても愛おしくなる。
でも。。。本当に人の目を移植することで
前の持ち主が目に焼き付けたものを
見てしまったら。。。。
オツイチ本人のあとがきもくすりと笑えていいです。
by acha-books
| 2006-12-15 00:57
| :乙一
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