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エンジェル:石田衣良
2007年 05月 29日 |
エンジェル:石田衣良_a0104226_22132964.jpg
投資会社のオーナー掛井純一は、何者かに殺され
幽霊となって甦った。死の直前の二年分の記憶を
失っていた彼は、真相を探るため
ある新作映画への不可解な金の流れを追いはじめる。
映画界の巨匠と敏腕プロデューサー、彼らを裏で操る
謎の男たち。そして、一目で魅せられた女優との
意外な過去。複雑に交錯する線が一本につながった時
死者の「生」を賭けた、究極の選択が待っていた—。
(「BOOK」データベースより)


気がついたとき、自分は空中をふわふわと浮いていた。
不自由だった足も違和感なく自由に動く。解放された気分。
これは夢の中なんだろうか?
ふと見ると、暗い森の中、裸で土の中に埋められようと
している裸体の男の姿が。むごい死に様を目にして気付く。
(これは、ぼくだ!ぼくが埋められている)
ぼくは殺された?
そして始まる産まれる瞬間からのフラッシュバック。
ところがどうしても過去2年の記憶が戻らない。
どうして自分は殺されることになったのか?
記憶喪失の幽霊が「自分自身の殺人事件」の謎を
解いていく異色のミステリ。

話うますぎなトコもありますが
面白いです。グロい描写もありますが
幽霊という言葉をほとんど使わずに幽霊の存在を
自然に肯定できてしまう描写が気に入った!(笑)
一般論の幽霊の足のない理由も幽霊がなぜ
音の関係する場所に出やすいのかなど
ごくごく自然に納得させてしまうユーモアセンス。

自分を埋めたヤクザな二人組の凶暴さ以外の
一面やどうして犯罪に手を染めたのか、や
すべてにおいてやっぱり作者の視線は
とても優しくすべてを肯定していくようで
読んでいてそれはとても心地よいです。

実態を持たない純一の攻撃シーンなんて
映像化したら十分に面白そう。
きっと誰が読んでも嫌悪感は
持たないと思うのですがどうでしょ?

最後の決断とかね、読んだ後気持ちがほっこりしますよ♪
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