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放課後の音符(キイノート):山田詠美
2007年 06月 16日 |
放課後の音符(キイノート):山田詠美_a0104226_15544473.jpg
大人でも子供でもない、どっちつかずのもどかしい時間。
まだ、恋の匂いにも揺れる17歳の日々—。
背伸びした恋。心の中で発酵してきた甘い感情。
片思いのまま終ってしまった憧れ。
好きな人のいない放課後なんてつまらない。
授業が終った放課後、17歳の感性がさまざまな音符となり
私たちだけにパステル調の旋律を奏でてくれる…。
女子高生の心象を繊細に綴る8編の恋愛小説。
(「BOOK」データベースより)

数時間で読めますがその数時間の間、まるで
10代に戻ったような、もどかしい甘いせつない思いを
味あわせてくれる素敵な一冊。

年上の男性と恋をし、学校を去って行く大人びたカナ、
ただのバスケットボール好きな幼なじみだったはずなのに
彼を恋して見つめるリエの視線で気付いてしまった自分の感情。
夏休みに南の島で喋ることも聞くこともできない相手との恋を
語るマリ。中学生の頃の同級生でアメリカンスクールに行った
帰国子女の雅美の初体験。
クラスメートの男子に降られて醜くののしるカズミとそれに同調する
女子たち。ヤクザの娘と言われクラスから浮いている夜の女を
思わせるヒミコがうっかりもらした足の痛み、
音楽の先生と素敵な恋をしているカヨコ先輩。
そして、私と幼なじみの純一の恋。

初めは短編集と思ったらひとつの物語でびっくり。
どれもこれもひとつずつ抜き取っても素敵な話ばかり。

両親の離婚にどちらを選ぶかと迫られた時
自分は女だから男である父親のほうが自分を必要としていると
父親と暮らすことを決めた主人公の決断。
そんな女子高生だからこそ、クラスでまるでトイレに一緒に
行くような女子たちと違った空気をまとった女の子たちに
一目置かれ、また、こんな素敵な放課後を「見る」心の目が
あったのかな。

「彼に手を握られた時、私は、それ程、感動しなかった。
けれど、後でその感触を思い出すと、小さく叫びそうになる。
実際に触れた時よりもはっきりと思い浮かべることが出来る」

あぁ、これわかるなぁ〜(笑)

学校のクラスメートの中にいて何かが違うと感じる女子高生に
ぜひ読んで欲しい本。
そして、女子高生だった大人たちへ。
この本を読んで、今に嫌悪を抱かないことに誇りを持って欲しい。
微笑ましく、ちょっときゅんっとした思いを味わいながら読んで欲しいです。
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