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しずく:西加奈子
2007年 09月 08日 |
しずく:西加奈子_a0104226_1784676.jpg
『さくら』『きいろいゾウ』の西加奈子、待望の最新刊は初めて
の短編集!
・・・・・・・・・・・・・・
そうか、あなたがいたんだ。

迷っても、つまずいても、泣きそうでも。
人生って、そう悪くない
・・・・・・・・・・・・・・
少し笑えて、結構泣ける、「女どうし」を描く六つの物語
(出版社/著者からの内容紹介より)

読んでいて、気づくと少し元気になっている、そんな本です。
大きな事件も、びっくりするような奇跡も起こりません。
それでも、読み終えた後には、心の凝りがほぐれたような、
あたたかい気持ちになれました。
どうかひとりでも多くの方が、この本と出会ってくれますように。
心からそう願っています。
(出版社からのコメントより)

あ〜〜〜〜。いい本読んだ。
そう本を閉じることのできる本。

「ランドセル」
久しぶりにあった幼なじみとの海外旅行。
「灰皿」
老婦人が一人で住むには大きすぎる家、貸した相手は
小説家である若い女の子。
「木蓮」
大好きな、結婚したい彼はバツイチ。
その彼の7歳の娘を1日預かることになった30女。
「影」
人に対して自分を偽る女と旅先で出会った
うそつきな女の子。
「しずく」
仲のいい夫婦とその互いの猫2匹の会話。
「シャワーキャップ」
几帳面なあたしと雑で、乙女のような心を持った母。

とくに猫を通してみる一作「しずく」が好き。
泣けたな〜。
すごくせつない。
愛し合っていた二人。仕事が忙しくなりそして
二人の取った決断と何も知らない猫たち。
猫たちの喧嘩の様子がすごくカワイイゆえに
また一段とせつない。

そうそう「木蓮」、いいねー、これも。
好きで好きで、と思っていた恋人、彼に好かれたい
だからこそ、このくそ生意気な7歳のガキに
邪魔されたくない。いいように彼に言ってほしい
そう思えば思うほど、ガキはかわいくない言動ばかり。
子供なんて大嫌い。
そんな彼女が、自分の心の内側に気づいてからの
子供との会話、とてもいいです。

「シャワーキャップ」大好き。
自分も娘として、最後の気持ち、とてもわかる。
なんとも言えない安心感。
’お母さん’の大丈夫という言葉。
お嬢さん育ちで頼りなくて、無邪気で、まるで
悩みなんてないかのような母と几帳面すぎる主人公。
短編ならではの味。

久しぶりに短編集のよさをじっくり楽しみました。

一日で読めるのですが何度でも読み返したいと思える一冊。
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