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たまご猫:皆川博子
2007年 11月 02日 |
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遺書さえものこさずに自殺してしまった姉が
いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた“クライン・キャット”と
いう謎めいた文字。この奇妙な言葉だけを頼りに
生前には知りえなかった姉の素顔をさぐろうとした妹を待ちうける、不可解な恐怖の正体とは?日常生活にぽっかりとひらいた陥穽を
描いた表題作「たまご猫」をはじめとして、夢とうつつの狭間に
生じる不条理を題材とした、妖しくも美しい、10篇の恐怖のかたち。
(「BOOK」データベースより)

まったく初めて手にする作家さん。おまけにハヤカワ文庫(苦笑)
図書館でタイトルだけで手に取り読んでみました。
経歴のところをみると「ミステリ、幻想小説、時代小説を主に」と
あったので、それならまぁよいか、と読み始めたら
これが、もぅ全然。
ミステリなんかじゃないです。ミステリと思って読むと
えええええ?という展開、ラストばかり。
これはれっきとしたホラー小説。
静かに背筋がぞわっとくる良質の幻想的なホラー小説。
著者は「幽霊小説」と読んでるそうです、あぁ、そうかも。
日常に一緒に存在する生身の人間と魂を持たない人間。
でもそれはまったく同等に扱われ登場する。
生身の人間を怖がらせたり、驚かせる存在ではなく。
カルト的な匂いを漂わせる嘆美さの中で。


『たまご猫』
商品開発の仕事をしていた姉が自殺した。
姉の自殺原因を知るべく、義兄と暮らした家に出向く。
まったく姉の死に動揺の色を見せない義兄に
不信を頂きつつ姉の部屋でみつけた卵形の透明な球体。

 『をぐり』
葉子がかつて一度だけ関係を持った相手、弓削は
弟の妻の実兄。 弟は自殺していた。
2人の思い出話から語られる「小栗判官」。
弓削がかつて話した浄瑠璃の話。

 『厨子王』
姉と弟の物語。「安寿と厨子王」になぞられた歪んだ弟への愛情。
姉は弟の運転するバイクの後ろに乗っていた。
道路の陥没に気づいた姉。そして。。。

 『春の滅び』
ひな祭りの翌日、毎年一泊二日の旅行に出る叔母の為に
おさんどんをひきうけて7年。しかし8年目に彼女は突然失踪。
しかし姪にはすべてを伝えていた。巨大な雛人形との生々しい白昼夢。

 『朱(あけ)の檻』
座敷牢という言葉に惹かれて引き受けた苦手な旅行エッセイの仕事。
実際に見るとそこは朱色の漆で塗りつくされた異様な光景だった。
無理を言って座敷牢のある部屋に泊めてもらう。

 『おもいで・ララバイ』
激しい既視感に教われた新婚旅行先。愛のないまま結婚した夫。
わたしの腕にある入れ墨は4歳のときに誘拐されたときつけられたもの。
誘拐犯の家にいたとき、その家の息子が自分とあたしの腕につけた
まっすぐな線。それは結婚の約束だった。
そして、そのペンションのオーナーの腕にあったまっすぐな線。

 『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』
ジャズ・バンドのメンバーが解散パーティーを開いている。
昔を思い起こし、よく時代を懐かしむ。だが、彼らはすでに。。。
終わりのな時間。

 『雪物語』
バーのマスターである卓郎と客の亜由子。
しかし亜由子はすでにこの世のものではない。
残した我が子。
「わたしの子鹿はどうしてますか?」
はすっぱなあっけらかんとした亜由が見せる母親としての思い。

 『水の館』
アイドルグループとして売りだそうとしていた少年が
ひとり、姉に会いに行くといって、故郷の水族館に帰ったという。
追いかけるマネージャー。時間が交差する不思議な感覚。

 『骨董屋』
待ち合わせまで時間をつぶすため入った骨董屋。
麻子に懐かしげに「あこちゃん」と話しかける女主人エツ子。
小さい頃、彼女が遊びたがったという数々の品を見せてくれるが
麻子には記憶がない。そして見せられた笛は骨でできてるという。
「あこちゃん」が、母が大事にしていた黒いドレスを破って
しまったために殺した、あなたの骨、だと。


「雪物語」好きだなぁ。シリーズでこれだけ読みたいくらい。
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