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魔術はささやく:宮部みゆき
2008年 03月 06日 |
魔術はささやく:宮部みゆき_a0104226_2246571.jpg
それぞれは社会面のありふれた記事だった。
一人めはマンションの屋上から飛び降りた。
二人めは地下鉄に飛び込んだ。
そして三人めはタクシーの前に。
何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく
仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた…。だが、
逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。
日本推理サスペンス大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

あぁ。。。宮部だ、と思える作品。初期なのにね。
すでに完成されてたのですね、あらためてすごい。
読み終わって、面白い本というのはこーいうことだよなとか思ったり。

ただ、読み始めはあたしはきつかった。
宮部みゆきの頭の中では
この「いったい何がなんだかわからない」ことがすべて
すっきりまとまっていてそれを、じっと読んで行けば
あたしたちの前に、どう?とばかりに披露してくれるんだろう、と
安心して読めるのですが、それが「わかる」までがつらい。
主人公の少年にしてもキャラ的に魅力もあり
読ませるのですが、何せ、もぅ、ころころと語られる人物と
その世界が変わるので、いったい何がなんだか?と。。。
そして、その幾重にも語られていた話が
やがてひとつにまとまる時、とてもすっきりできるわけです。
徐々にわかっていく興奮、確かにそれはありますが
どうしても読んでいる最中、その「最後にすっきりさせてあげる」感が
疲れるのかもしれないなぁ。
それを求めている時にはもぅまさにぴったりな一冊!
やっぱり宮部はうまいよな、とあらためて思わせます。
(ほぅほぅ、こーいう作りを「ミッシングリンクもの」と呼ぶのですね)

単なるミステリとしてだけではなく、すべてが解決した後も
きちんと描ききれていてその部分、特に好きですが
後々、社会派ミステリとしての片鱗もすでにこの頃から
覗かせていたのですね〜。
ちなみにこの話では詐欺です。化粧品のキャッチだったりね。
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