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ROMMY 越境者の夢:歌野晶午
2008年 04月 11日 |
ROMMY 越境者の夢:歌野晶午_a0104226_2194182.jpg
録音スタジオで、起きた密室殺人!
ROMMY(ロミー)とは何者だったのか?
天才シンガーの死の謎に迫る
アンコールの大合唱に応えてROMMYがステージに上がると
スタジアムが揺れた。が、もうそんな情景を見ることはない。
録音スタジオの仮眠室で彼女は息絶えていた。
犯人はスタッフの中にいるのか!?
時代を疾走して逝った、天才シンガーの隠された真実とは。
歌野晶午がミステリー・フロンティアに挑む問題作。
(出版社/著者からの内容紹介より)

最後に、え?と言わせるミステリを、と言われたら
絶対に歌野作品を紹介しちゃう、そんな歌野作品の一つ。
むしろここまで、厳重に(?)凝られるとは、と
感服してしまう。

現代と過去を軽妙に絡めていくことで徐々に
あらわになっていく事実。
またそこから始まるミスリーディングと
文章だけにとどまらない「写真」や「イラスト」から
見せたり、歌詞や年表などを配置することで
読み手側は実際に「ROMMY」という歌手がいて
その歌手の最後の「商品」=完成されたDVDの特典を
手にしているような錯覚すら起こさせる様々な演出は
作者自身、楽しんでる感が伝わって来て
「おもしろがってる〜」とこちらまで愉快になってしまいました。
人によっては、それをうざっと思うかもしれませんが
あたしはそーいう読ませ方、嫌いではないです。
歌野サンってば♪って程度で(笑)

順に読んでいくことで途中から、読者はすんなり
じゃあ、犯人この人じゃん、とわかる仕組みになっていますが
「叙述トリック」としての一番の見せ所はちゃんと
用意されてますが、ROMMYというアーティストの伝記的な構成に
弱くなってしまってるかも。
ROMMYの最後の独白はかなりせつなくやるせない〜。
けれど
何故かずーっと手に取る前からも読後もどこか
B級な匂いがするのはこのタイトルのせいか
内容で扱われているROMMYという架空のアーティストのせいか
ただ単に時代や音楽性のせいか(苦笑)
あか抜けてなさ加減がまたせつない(笑)
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