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カテゴリ: :佐藤正午( 3 )
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2008年 11月 07日 |
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彼女はぼくと同じ18歳だった。初めての女性だった。好きかと尋ねられて頷いた—家族以外の女性についた初めての嘘。嘘を重ねるために他の女性を拾い、途切れ途切れに続いた彼女との関係も、ぼくが街を出ることで終止符が打たれた—。そして長い時を経て、ぼくは再び彼女と出逢った。(「糸切歯」)青春のやるせなさ、ほろ苦さを瑞々しい感性で描く秀作集。
(「BOOK」データベースより)
『恋売ります』改題

作者を主人公としたかのような語り口の
短編集8作。連作と言うべきものも。

んー。好きな人には好きなタイプの文章。
と言ってしまえばなんでもそうなんだけれど。
どこか軽くて、軽い知的な匂いもさせて。
女にまったく縁のない男性が読んだら
信じそうな、或いは腹をたてて読むのをやめるかな?
でも
やめられませんよ。
それくらいこの人の文章には読ませる何かあります。

はなから恋愛モノがダメなら退屈かもしれませんが(苦笑)

女について、男の目から見た、女はこうなのだな、と
読んでいて面白かったです。
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2008年 07月 24日 |
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その夜、「僕」は、奇妙な名前の強烈なカクテルを飲んだ。
ガールフレンドの南雲みはるは、酩酊した「僕」を自分の
アパートに残したまま、明日の朝食のリンゴを買いに出かけた。
「五分で戻ってくるわ」と笑顔を見せて。
しかし、彼女はそのまま姿を消してしまった。
「僕」は、わずかな手がかりを元に行方を探し始めた。失踪をテーマに現代女性の「意志」を描き、絶賛を呼んだ傑作。
(「BOOK」データベースより)

まず最初に、この文体が読めるかどうかが一番の
ポイントではないかと。
「カメラを意識してわざと視線をはずしてる」ような
どこか自分自身に酔っているような
ナルシスティックな一人称。

もしあのときこうしていれば、もしあのときこうしなければ
誰でもそう思うことは一度ならずともあるはず。
この話はずっとそれを引きずりつつ、でも、みんな
なんとなく日々の生活に流されちゃうんだよねってなコト。
まったくもってその通り。

その「こうしていれば」の相手が心から愛する人になる以前の
相手であれば、主人公の取った行動は「自然」なのかなぁ。
「帰る」と言った女性が帰ってこない、それも深夜。
なのに、放っておいて出張に出てしまうもんなんでしょうかね。
そこがね、もぅひっかかって、そこから感情移入が難しく。
その後、探すにしても、「仕事の合間」「もぅ一人の彼女との
付き合いの合間」
けれど切り捨てられない。
その理由が、いきなり理由もなく自分の前から姿を消された、まるで
自分を避けるかのような行動を取られたとこに対する「自信喪失」
「芯のないりんごのような状態」ゆえ。
うーん。
失踪した彼女にしても、そんなにも簡単に日常すべてを
捨てられるような状況ってのも納得しきれず。。。
彼女の友人知人たちの言動も、家族である姉夫婦の行動もすべて。

失踪をテーマに現代女性の意思を、とあるけれど
そんなはっきりした意思というようにも取れなかったし。
なんとなく流されちゃって、とか
なんとなく、そんなこと言われちゃあね〜みたいな。
意思ある女性が白黒はっきり付ける、というのとは違う。

したたかな女性たちに振り回される優柔不断な男の図という
小説なのかとも思ったけれど
それ以前に、この男、みんなに嫌われてるのか?とすら
思えるほど彼に対する周囲の女性の言動が不自然。
さほどしたたかとも思えないし。

色々な点において腑に落ちない、はっきりした疑問符ではなく
なんとなく違うぞ?と感じながらも
どんどん次へ次へと読み勧めたくなるのは
佐藤正午節の文体にはまったから、のひと言に尽きるのでは。

山本文緒の解説は読んでみる価値十分。

「著者は物語の中で主人公に自覚させたりはしない。
なにしろ駄目で鈍感な男なのだから
そんなことに気づかせてはいけないのだ」
それを読んだ作者が「そこまで考えてなかった。そこまで
作ってなかった」と言ってくれればそれこそ上出来なのに
そこまで出来すぎた話はないですよね〜(苦笑)
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2008年 04月 25日 |
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アルファベットのYのように人生は右と左へ分かれていった—。
貸金庫に預けられていた、一枚のフロッピー・ディスク。
その奇妙な“物語”を読むうちに、私は彼の「人生」に
引き込まれていった。これは本当の話なのだろうか?
“時間(とき)”を超える究極のラヴ・ストーリー。
(「BOOK」データベースより)

前からちょっと気になっていた佐藤正午
偶然友達が貸してくれて初正午作品となりましたが
あたしの大好きな時間トリップものです。

あのときもし。。。していれば、していなければ、とは
誰でも思うこと。果たしてそれが叶ったとしたら。。。
まるでアルファベットのYのように左右に別れている分岐点。
けれど、どんなに違った未来を進もうとも
縁ある人とは必ず違った関係でこそあれ、必ず自分と
関わりを持ち現れるという視点はおもしろい。
初めは、その現在の語り手「僕」と昔の同級生だった「彼」と
彼の話の中で存在する「僕」=同級生だった彼と「君」=現在の語り手と
さらに、同じ名前で存在する現在の自分の周りの人たちと
彼の話の中に登場する人たちと。。。
もぅかなり混乱しますが、その混乱こそが
で?どうなるの?どっちがどうなの?と読み進めるスピードを
より早めて。。。気がつくと引込まれています。
そう、引込まれる本です。
多くの人がみな、一度は考える、過去をこうしてたら、という
願いの結末を教えてくれるような。。。

ラブストーリーというのはどうかな?ちょっと弱いような。
まぁむしろそのおかげで読みやすかったですが。
普段本を読まない人でもきっと「おもしろがれる」本。
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