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カテゴリ: :宇江佐真理 ( 31 )
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2007年 06月 25日 |
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伊三次とお文の目下の心配事は少々気弱なひとり息子
伊与太の成長。いっぽう、無頼派の調べに奔走する
不破の息子龍之進のまわりではいろいろな事件が起きて…。
ますます目がはなせない人情捕物帳。
(「BOOK」データベースより)

髪結い伊三次捕物余話シリーズ7作目。
まぁ時間の流れ的に続いてる話なので
仕方ないのかもしれませんが
一時期のような伊三次とお文のエピソードは
控えめ、龍之進をはじめとする見習い組の話と
子供達の話が加わりちょっと寂しいかな。
そのかわり、お文、ますますいいキャラになってます。
前作よりも好きな話が多いし。

「薄氷」
子は親を選べない。親にそそのかされ
幼い子をかどわかす娘。
相変わらずお文の言葉は重みが合っていいなぁ。
「忘れてやることさ。あの娘はわっち等の顔を見るたびに
事件のことを思い出すだろう。だから、道で会っても
知らぬ顔で通り過ぎることだ。向こうから声を掛けてきたなら
それはそれで結構だが、おそらくそんなことはないだろう。」

「惜春鳥」
お文さん、年増芸者に拍車かかってきてます(笑)
桃太郎として座にはあがるもののおもしろくないことも。
一方、見習い組たちはずっと追っている本所無頓派の
動向を探る日々。

「わっちはてっきり旦那に嫌われたものかとがっかり
していたんですよ」
「桃太郎さん、うちの人は気に入った人に邪険にする癖が
あるんですよ」
「まあ、そうですか。それならさしずめ一番邪険に
されたのはお内儀さんでござんすね」

「おれの話を聞け」
龍之進の同僚である佐内の姉、政江が労咳で
実家に戻っていた。嫁ぎ先の親は離縁させる話を
進めていた。夫である広之助の取った行動は。
夫婦の仲は他人にはわからないもの。

「のうぜんかずらの花咲けば」
龍之進が稽古の後に稲荷前でみかけた若い娘が
私娼窟の手入れで連れてこられた女達の中に。
客を取っていたと嘘をついてまで
親がこさえた借金に縛られた娘が望んだのは
少しでも眠れること、吉原ののうぜんかずら、
そして遊女であるいとこと会えること。

「本日の生き方」
若い職人が盗人の疑いで連れられ、後を追う女房。
お文の目の前で起こった出来事。
疑いの晴れた職人の出て来るのを一緒に待つ間
お文もこうして伊三次を待ったことを思い出す。
一方、龍之進は鉈五郎との行き過ぎた詮索に
反省文の仕置きを受けたりと相も変わらず
無頓派を追う。

本日の小生の生き方、上々にあらず。下々にあらず。
さりとて平凡にもあらず。世の無情を強く
感じるのみにて御座候。

「雨を見たか」
無頓派の仕業と探りをいれた伊三次の情報に
誤りがあり龍之進の伊三次を見る目が変わったことに
憤りを感じるもののお文の言葉で目が覚める。
不破は不破で若い頃の、もしかしたら下手人は
他にいたのかもしれないという思いを
引きずる己に気付く。

雨を見たかい、とは空模様を読む漁師たちの言葉。
「雨は見ましたよ、心の中で」とつぶやく龍之進の心情。
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2007年 06月 19日 |
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山城河岸の料理茶屋「平野屋」の隠居・清兵衛は53歳。
家督をゆずったものの、暇をもてあまし
伊勢屋甚助の誘いで「話の会」という集まりに顔を出し始めた。
作り話でない怖い話を持ち寄って酒を酌み交わし……。
(出版社/著者からの内容紹介より)

宇江佐作品にしては異色ともいえるホラー+時代小説。
副題は「大江戸怪奇譚」
連続短編集です。

遊びもせず家を継いで仕事一筋に生きてきた清兵衛。
長男に譲った頃から体調を崩し寝込んでしまった。
見舞いに来てくれた幼なじみで蠟燭(ろうそく)問屋の甚助。
いきなり床の間に向かって般若心境を唱えた後
強い口調で怒鳴りだした。
その後すっかり元気になった清兵衛。
甚助に理由を問いただすと、男の霊に憑かれていたという。

それをきっかけに甚助とその友達が集う話の会に。
一中節のお師匠をしているおはん、町医者の山田玄沢。
論語の私塾を開いている中沢慧風、北町奉行所の
同心、反町譲之輔、老舗の菓子屋の龍野屋利兵衛。

小人や魑魅魍魎話に生霊、お狐様や悪霊
色々な話が出てきますが
まぁこの季節にぴったり。
もうすこしこのメンバーが集まるようになったいきさつとか
話の会を終わりにする時のあの清兵衛以外のメンバーが
あっさりうなづいた本当の理由とかあったら
深みが増したのでは?なんてちょっともの足りなさも。

あの年代ゆえに子供っぽい妬みをもったおじいちゃんとかは
いそうだけどね(苦笑)

淡々としてるゆえの静かさな恐さも楽しめますが
やっぱり宇江佐は泣かせてなんぼ(笑)
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2007年 06月 17日 |
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天の神さんは、あたしたちを試したのかもしれない…。
のんきな亭主と勝気な女房。ふたりが営む小道具屋を
舞台に情趣ゆたかに描かれる、江戸に息づく熱い人情と心意気。
表題作ほか5編を収録。
(「MARC」データベースより)

これですこれ。この宇江佐節が好きなんです。
ほんわりさせておいて、いきなりほろり。
この連作短編集、大好き!


で、長文な感想を書いたのですがうっかり更新させずに
ブラウザを閉じた模様。。。(涙
本、図書館に返しちゃいました。
また後日あらためて感想かきます。
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2007年 06月 13日 |
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江戸・両国広小路。
年頃を迎えた水茶屋「明石屋」の娘・お初の前に
何の前触れもなく現れた若い男。彼女の見合い相手と
身を明かす青物屋「八百清」の跡取り息子・栄蔵に
お初が淡い恋心を抱き始めた矢先、事件は起こった…。
(「MARC」データベースより)


またまた宇江佐真理。もぅこの人、筆早すぎってくらい
ちょっと他の本に夢中になっていると
どんどん出ていてびっくり。

これは宇江佐作品にしてはめずらしく
。。。ドラマっぽいです。まるで昔流行ったジェットコースター型
ドラマ?ってくらいもぅ次から次へと。
「運命のいたずらに翻弄される二人。純愛の行き着く先は?」
なんて帯がぴったりです。
現代に置き換えたら。。。さしずめお触りナシのキャバクラ社長の
娘と商社社長息子ってとこなんですかね?
習い事は裁縫ではなく有名なシェフのお料理教室あたりで。
そこに通い始めた恋敵(笑)この子がまた憎たらしさ全開!
店の女の子に次々と手を出すボンクラな兄と
それを甘やかす母親にイライラする主人公。
やっと結ばれると思ったら相手の家が
火事に見舞われ母親が亡くなり
自暴自棄になって失踪した彼が見つかった先は
池袋あたりのキャッチの呼び込み。
あぁ。。。できそう(苦笑)
失踪してる間に、恋敵はさっさと次のいいとこのボンボンと
式を挙げようとしたら、式当日、二股かけてた女に刺殺されちゃったり
もぅそれはそれは、つっこみ入れたくなるほど、事件につぐ事件。
ほんと昼ドラ並。

ただそれでも宇江佐真理だなぁと思わせる重要人物が
キャバクラ社長、じゃなくて、お初の父親、源蔵。
軽口やつまらない冗談飛ばしながらも
お初を陰ながら支え、娘の幸せを願うおとっちゃん。
江戸の粋な男っぷり、かなりいいキャラ。

タイトルがそれぞれ並んでますが「連作短編」ではなく
あくまで長編と見るべき。
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2007年 06月 08日 |
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日暮れの両国広小路。商家の裏手口から男が現れる。
深編み笠に、着物の上には黒い被布。
置き行灯をのせた机と腰掛け二つ。
一つは男が使い、一つは客のためのもの。
男は黙って話を聞く。ただ聞くだけだ。
が…。
おもわず語ってしまう胸のうち。
誰かに聞いて欲しかったこの話。江戸・両国。
人の心の機微を描く連作時代小説。
(「BOOK」データベースより)

久しぶりに宇江佐節、心底堪能しました。
そうそうそう。これがキモチいい。
人情味溢れた優しい世界。
もちろんそこには欲の突っ張った輩もいれば
やっかみからいじわるをしてしまう若者もいる。
けれどその根底は誰もがみな
生きることに必死だった時代だからこそ
本当の意味での人間らしさが流れてる。

誰にも言えないことだからこそ、ふと
口にしたくなること、誰かに話したくなること
そして、聞くことで自分の内側に広がる
様々な思い。
今の時代にも聞き屋がもしいたら
それはそれでおもしろいかもしれない。
さしずめ現代版聞き屋は精神科医ってとこかな。
でもそんなに深刻なことではなくて
ちょっといい話、ちょっと泣ける話、ちょっと
腹の立つ話や不思議な話、怖い話
もしかしたらそれはこのネットの世界で
覗いてることなのかも、と思ったり。。。
あぁ、やっぱりそれじゃあ人間味にかけるねぇ。
やっぱり相手がいてこそ、相づちを打たれてこそ。
人はどこまでも人と人の繋がりを求めてる。

両国広小路の薬種屋の大旦那、息子3人も
それぞれ立派に育ち何不自由なく見える暮らし。
それでもそんなことを始めた与平自身が抱える
人には言えない、墓場まで持って行こうと決めたこととは。。。
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2006年 06月 22日 |
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 これも宇江佐なのですがまったく予備知識
なしで読み始めて、いきなり舞台が
長崎なので、おおっ北から今度は南へ?と
思ったら登場人物は榎本武揚、はい、蝦夷絡みです(笑)

主人公はおたみ。父親の通詞(通訳)の
仕事の都合で家族で江戸から長崎へ
移り住んでいた。
父親の影響を受け幼い頃から語学に
慣れ親しんだおたみは英語とオランダ語
そしてフランス語も操るようになっていた。
おたみの家族が江戸にいた頃
世話になっていた榎本家の次男
釜次郎(後の武揚)が海軍伝習所の
生徒として長崎にやってきた。
おたみは徐々に釜次郎に恋心を抱く。

父親の死、江戸へ戻ったおたみと母親
生活のため芸者となるおたみ
そして軍艦頭として出世した釜次郎との
再会。話のテンポは早くまるで
その時代の流れそのままのように話は
矢継ぎ早に移っていきますが
かと言ってそれで話が乱雑になることもなく
むしろどんどんと引き込まれていきます。

榎本が自分の下に着くものたちのことを
考え、蝦夷に新天地を求める姿に
小説でありながら榎本が好ましくなったり(笑)
また歴史には一切残っていない、蝦夷まで
榎本と共にした男装の通詞であったおたみも
本当にいてもおかしくないんじゃないかとすら
思わせるほど説得力のある小説です。
これはもぅ作者の力量の素晴らしさ。
おたみの老後もいいなぁ。
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2006年 06月 18日 |
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 さてさてこの宇江佐作品は江戸モノなのですが
サブタイトルが「松前藩士物語」
どーいうことかというと、江戸詰めであった
松前藩士、相田総八郎の話。
蝦夷松前藩が蝦夷地から
文化4年(1807)陸奥国伊達郡梁川へと
移封(お国替え)になった時
藩は一万石の大名から九千石の小名へと降格され
340名いた家臣すべてに扶持を与えられず
士分66名、医師4名、部屋住み16名、
足軽70名の士籍を削った。
鷹部屋席の総八郎もその一人。
国許には祝言をあげたばかりの妻を置いたまま
総八郎は江戸で浪人となっていた。

国許で相田家からは追い出され、実家では
兄嫁にいじめられ総八郎を頼りに
江戸に出た妻のなみは
総八郎が暮らす徳兵衛店(とくべえだな)と
呼ばれる裏店(うらだな)に一緒に
暮らし始める。

「桜花を見た」に収録されている「蝦夷列像」に
描かれている松前藩の執政(主席家老)の
蠣崎広年(波響)が絵を売り、帰封(松前藩を
元通りに蝦夷に戻す)の為、資金を作っていた頃
浪人にまで身を落としてもなお
松前藩を思う元藩士達の側から描いた作品。

一つの出来事であっても様々な立場から見た
蝦夷松前藩。かなり興味深い。
その中でも特にこの連作短編集は
江戸に住む魅力的な登場人物が多く読みやすいです。
特に小間物屋の「よいよい」の息子
とん七の存在は大きいなぁ。
松前藩モノで最初に読んだ宇江佐作品は
「おうねぃすてぃ」なのですがそれに比べて
どんどんストーリーテラーとして巧くなってるなぁと
いうのが正直な感想かな。
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2006年 06月 15日 |
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 いいっす!うん。先日読んだ「たば風」よりも
こっちのが好きかな。
同じく短編集なのですが、短編よりも気持ち
長めな5編を集めた作品。
うち3編は江戸モノ、2編は蝦夷モノです。
やっぱ宇江佐は江戸モノだよねぇ〜と思って
前3編を読んだのですが、徐々に後の2編を
読むうち蝦夷モノもいいぞ、と。
歴史上の登場人物がほぼ固まってくるので
妙に親近感が湧いたからだと思いますが。

まず3編の江戸モノ。
「桜花を見た」はなあんと遠山の金さんには
隠し子がいた!という飛んだ設定から。
と、これが別に違和感なく話が進むんだなぁ。
もぅほろりです。
こーいう静かな部分にほろりとくる
奥深い、哀しいけれど、満ち足りてはいる、
そんな情感を感じられるオトナになった
自分を感じます(笑)

「別れ雲」は28歳の「出戻り年増」な
「れん」と年下の絵師「鯛蔵」の歳の差カップル。
そこへ元夫の卯之吉との間、年を取った
筆造りの父親の子を思う気持ちも重なり
揺れ動くれんの気持ちを切なく描いた一作。
この鯛蔵というのが
「北斎とは対立する歌川派の浮世絵師ながら
北斎の画風を慕って出入りする」歌川国直という
実在の人物。もちろん「小説」ですが
本当にこんなことがあったかもしれない、
こんな思いを抱えて、あの時代、確かに
あの人達は存在したのかもしれない、と
宇江佐の話は、ほんわりした気持ちにしてくれます。

「酔(え)いもせず」は、その国直こと鯛蔵が
慕っていた北斎の娘、お栄の話。
北斎があれだけ名声を得てもなお、貧乏な
暮らしをしていたこと、引っ越し回数が
転居90回を越えていたことなど
ちょっとした北斎通に(笑)「渓斎栄泉」も
出てきたり、と杉浦日向子好きは
ちょっと嬉しい絵が浮かぶ一品。
もちろん参考書目にもしっかり「百日紅」が。
しっとりいい作品です。

「蝦夷列像」は先日読んだ「たば風」にも
出てきた松前藩の蠣崎波響(かきざきはきょう)
絵を得意とする松前藩の家老。
波響こと広年の叔父は藩主である道広の命を受け
「寛政蝦夷騒動」の折り蜂起した蝦夷達を
鎮めた厚岸の蝦夷達の功労をねぎらい
藩の宝である蝦夷錦を纏った蝦夷達を
絵にすることになった、その広年の心の
内側の葛藤。そして松前藩が移封となり
陸奥国梁川に居を構え、復領の為の賄賂の
資金のため絵を売る広年、その広年の妻
かな江との愛のかたち。
松前藩が一方的に蝦夷から搾取したという
蝦夷側からだけではなく藩側からみた
苦しさも描ききれているからこその辛さ。

「シクシピリカ」はその反対側、蝦夷を
庇護する上で、松前藩及びその土地の
見分を幕府から言い渡された立場からの話。
「たば風」の中の「錦衣帰郷」に出てきた
最上徳内こと元吉の少年期、青年期から
蝦夷に渡りその余生まで。
羽州西村山群谷地村出身で
貧しい家に生まれた百姓の子ながらも
武士になった元吉の意思の強さ、
蝦夷に米作りを教えたいという思い。
言ってしまえば、松前藩の裏を暴くための
密偵として蝦夷に渡り、例え一人でも
蝦夷との交流を持った冒険家として
読んでも面白いです。

どの話も歴史小説として読むよりも
人間ドラマとして大好きな作品ばかりです。
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2006年 06月 11日 |
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 久々の宇江佐節、やっぱこの人の描く女性は
いいなぁ。ほろり加減もいい感じ。
蝦夷捨遺と副題にあるように北海道に
徐々に人が移り始めた頃の蝦夷松前藩を
テーマにした短編集。

蝦夷松前藩、城下に暮らす幸四郎25歳、
まな18歳は祝言をあげる予定だったが
幸四郎の突然の病。まなを思う親は
命を取り留めたものの半身不随の身となった
幸四郎との縁談を反故に違う男の元に嫁がせた。
初めは諦めの気持ちでいたまなも子をなし
夫の優しさに触れ、家庭を守る妻として
生きたが、藩内は相続問題に揺れていた。
小姓組に属し藩主に仕える夫の伝十郎は
その争いに巻き込まれ、その火の粉は
まなと子にも及んだ。そんな時に
救いの手を延べてくれたのは幸四郎だった。
ーたば風
共に相手を想いながらも結ばれない関係は
確かに宇江佐版「蝉しぐれ」

どの話も倒幕の時代、攘夷と騒がれ、諸外国の
船が次々とやってきては開港を迫り
松前藩内は世継ぎ、相続問題に右往左往している
時代の裏側で、蝦夷と江戸のそれぞれの地で
生きる武士や町民たちの様々な運命を描いた作品。

個人的には「恋文」が好きです。
惚れられた相手に嫁ぐのだからと武士である
刑部のもとに嫁いだ町家の娘だったみく。
好きではない相手との生活に不満を持ちながらも
3人の子を育てたが、国許の蝦夷に老後は
帰るという夫と離縁を考える。
別れることを元服を済ませた三男にだけは
打ち明けると、三男は「父上に恋文を100通
書けたら離縁を認める」という条件。
蝦夷で問題が起こり、駆り出された主人に向けて
条件である恋文を書くうちに、みくは
夫への思いが変わっていくわけです。
そのハッピーエンドにじわり。

「柄杓星」は幕府小納戸役だった仙太郎は
彰義隊として上野の屯所に入隊。上野戦争に
参加、命からがら元許嫁杉代の兄に助けられ
蝦夷地へと新天地を求めて旅立った。
杉代は蝦夷地で行方も生死もわからぬ仙太郎を
想いながらもあの一夜を胸に他家へと嫁ぐ。

他、貧しい家に生まれたが普請役にまで上がった
最上徳内こと元吉の里帰りの様子を綴った「錦衣帰郷」
土方歳三も登場する蝦夷地の6人娘の話「血脈桜」
蝦夷に伝わる押し花の伝説の「黒百合」
どれも粒揃いなほんわり具合。
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2005年 12月 12日 |
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 久しぶりに宇江佐真理!嬉しい〜っ♪
もぅどんどん宇江佐真理先生には書いて欲しい(笑)
宇江佐の江戸を舞台にした小説、大好き。
安心して読めます。
今回は、大伝馬町の「は組」の町火消頭取をつとめる
鳶職の吉蔵(きちぞう)とその娘お栄。
そして吉蔵の元「男にして欲しい」と
通ってくるようになった武家の7歳の男の子、村椿太郎左衛門。
この3人を軸にホームドラマ的に話は進みますが
もちろんそこは宇江佐、しっかりほろりとさせてくれます。

村椿太郎左衛門といかめしい名前を持ちながら泣き虫で
臆病者、妹に「たろちゃん」と呼ばれ「ほっぺたにぷう」
されて喜ぶ姿はとてもお武家さんの長男とはほど遠い姿。
でもそのたろちゃんの生き方に周りの大人達はやがて
気づかされていくのです。
その人にとって一番大事なあるべき姿をあるように
受け止めること。親にとってそれはとても難しいことなのですが
たろちゃんの父親の五郎太の言葉が素晴らしい。

本は連続短編集の形を取っており、たろちゃんの成長と
お栄の周りの色々な問題を中心に進んでいきます。

お栄と婿である由五郎、昔お栄といい仲だった従兄の
金次郎、その妻のおけい達の心の葛藤や
お栄の幼馴染みだったおこまとの再会とそれまでのおこまの
様々な苦労と今の生活、吉蔵の妻お春の
幼馴染みでお栄も小さい頃から面倒をみてもらった
小間物屋「こけしや」を一人で営むお勝の惚けと
その面倒を見始めるお栄。。。
そこにたろちゃんの試合やおねしょともぅ
それはそれは日々色々と起こる様々な出来事。

みんな一生懸命生きていてその様がまた愛おしく感じる話ばかり。
ほのぼのとしているのにその中にある葛藤、哀しさ、そして
そこから生まれる何か。
読んだ後、ぽっと暖かくなります。

ちなみにたろちゃんのお父さんは「春風ぞ吹く」の五郎太と
オモウとまた一段と楽しめます。
(ちょいネタバレ:たろちゃんの婚期の遅い理由もまたいい!(笑)
いかにもたろちゃん!)
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