:books:
achabooks.exblog.jp
  Top
カテゴリ: :歌野晶午( 12 )
|
2008年 10月 23日 |
a0104226_2541358.jpg
舞田歳三は浜倉中央署の刑事だ。仕事帰りに兄・理一の家によって、小学五年生になる姪のひとみの相手をし、ビールを飲むのを楽しみにしている。難事件の捜査の合間を縫ってひとみをかわいがる歳三だが、彼女のふとした言動が事件解決のヒントになったりもして…。多彩な作風で知られる歌野晶午が、ちょっと生意気でかわいらしい少女と、本格ミステリらしい難事件を巧みに描く。刑事×難事件×おしゃまな11歳=歌野晶午流「ゆるミス」。軽やかに登場。
(「BOOK」データベースより)

これ、タイトルが悪いんじゃないかなー。
これじゃあまるで舞田ひとみちゃんが主人公で
事件を解決していくみたいだよね。
実際それを期待して読んじゃう人もいるかもだし。
むしろあたしは逆でしたが。

えー、小学生が主人公の事件解決もの?
ったるなぁ、でも歌野だから読んでみよう、みたいな。
ま、裏切られて正解。あたしの好みの本となってました。
(確かに裏を読むと、歌野が「少女」と「難事件」を
描くってのは嘘ではない)

事件を実際に解決していくのはひとみちゃんの叔父
刑事の舞田歳三(としみ)。
この「トシちゃん」が事件に悩んでいる時
ふと、まったく関係のないこととして話しているひとみの
話がヒントになったり事件解決の鍵となったりするわけです。

答えのヒントは出ているあとはどう解くか、という
本格ですが非常に読みやすく楽しめる1冊に。
2段組みだからといって避けずにどうぞ。
結構、現代の様々な問題に触れつつも
歌野ならではの巧みなテンポのよさと奇抜な発想
そしてキャラたちのいきのよさですらすら読めますよ。
[PR]
2008年 05月 30日 |
a0104226_2127484.jpg
名探偵、信濃譲二が、ミニ劇団〈マスターストローク〉に
マネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。
だが、劇団の特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日
惨劇の幕が切って落とされた。
大胆かつ巧妙なその仕掛けを、われらが探偵はいかに解くか。
新本格派の驚異の家シリーズ第3弾。
(「BOOK」データベースより)

いやぁ歌野節全開といえるんじゃないですか、この叙述トリック。
ミスリーディングを狙ったこの作品。
やられました。つーか、あれはわからないって(苦笑)
というか、これシリーズものなんですか。この「明探偵」
ってあたしこんな読み方ばっかりしてますね〜。
まいっか。
十分それでも楽しめましたよ、これ。

ただ嗜好の問題で、いかにもな小劇団の空気が嫌いな人には
その時点でアウトかも。ノリとか。
小説内で、「くだらない」笑いをベースとした殺人劇が繰り広げられるのですが
その中で、殺人が起こるわけです。
(ちなみにこの作中劇、絶対に面白くなさそう(苦笑))
”製作”としてスタッフに加わっていた信濃譲二の一人称で
事件を追って行くわけです。
当然、この信濃譲二の思考によってストーリーは進みますから
「じゃ、明らかにこいつが犯人じゃん」と読者は読まされていくわけで。。。

このタイトルどおりの仕掛けを「読まされる」わけですが。。。
実はもっと大きな仕掛けが仕組まれてるのですね。
さてそこまで「読み切る」ことができるかどうか。
歌野作品なのだから当然そこは疑ってかかるべきだし
実際そうやって「騙されるもんか」と読む人も多いのでは。
まぁしっかりあたしは騙されましたが(笑)
でも歌野作品の好きなところはこの「騙され感」なので
それは十分堪能できた、ということでしょう。
満足。
でもねぇ。。。このタイトル、イマイチだと思うわ〜。
面白くなさそうだもん。勝手な言い分ですが。

シリーズもんとして最初から「信濃譲二」を知って読んでいたら
もっと「うわぁ!」ってなったのかもしれませんね〜。あー、もったいない。
ということで
信濃譲二シリーズ
「長い家の殺人」「白い家の殺人」に続くのがコレだそうです。

初期の作品ゆえの雑さもありますがでもラストいいですよ。
最後の1行読み終わったあと、ぞくっときました。
あたしはかなり好きです。
[PR]
2008年 05月 13日 |
a0104226_20313176.jpg
「要求を言います。現金で一億円用意してください」
—嫌な仕事が回ってくるとサウナに逃げ込む
さえない中年刑事佐原の娘が誘拐された。
世上騒がす連続婦女殺人魔の仕業か。
しかも衆人環視の中で身代金を運べと要求する犯人。
刑事を待ち受ける驚天動地の結末とは。鬼才が放つ奇想の超・本格ミステリー。
(「BOOK」データベースより)

連続婦女殺人事件を追う主人公の佐原。
犯人の犯行声明が出たと思ったらそこから180度
まったく違った展開を見せ、事件は終結したかのように
思った矢先、今度は自分の娘が誘拐される。
いったい何がどうなってるの?という勢いでどんどん
読ませるのですが。。。
んー、なんていうんでしょ。突拍子もない展開でありながら地味という
不思議な作品(苦笑)
「ガラス張り」状態な衆人環視の中でどうやって身代金を盗むのかという
ドキドキとその拍子抜けなオチ。。。
まずね、タイトルからして、裏があるってわからせてしまってる時点で
読後、あぁそうなんだ〜を狙っているとは思いますが。
第二の事件  保健室の名探偵
第三の事件  ガラス張りの誘拐
第一の事件  夢で見た明日
エピローグ
いきなり第二の事件、だもん。

こんな状況にならなければ修復を望めない親子ってのも寂しいなぁ。
なんてミステリとは全然別のところの感想だけクローズアップしてみたり
しちゃうほど歌野作品としては。。。
それでも人物の設定とかかなり入り込めますけれどね。

まぁ歌野の場合、きっと何かやってくれる!とこちらの
期待の方が大きくなってしまっているのですけれどね(苦笑)
[PR]
2008年 05月 01日 |
a0104226_22444852.jpg
乱歩の未発表作品が発見された!?
『白骨記』というタイトルで雑誌に掲載されるや
大反響を呼ぶ—南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。
男は、毎夜月を見て泣いていたという。
乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。
実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。
奇想の歌野ワールド。
(「BOOK」データベースより)

もともと江戸川乱歩は好きで、あの乱歩の独特の
だらだらっとした文章の匂いをちゃんと継承している「作中作」
それだけでもブラボーってところなんだけれど
この作中作と「現実」とを見事に絡ませ
読んでいる側はもぅそれは何度も騙されます。
歌野らしさももちろんがっつり。でも歌野だからなー
騙されないぞーと思ってはいるものの
騙されるのが快感という。。。(笑)
双子トリックも最後の最後まで楽しませてくれる。
見事です。
美しい顔立ちの青年が醜く女装だなんてもぅ
そこからして妖しい世界にいっきに引込まれちゃって。
とても楽しめました。

でもこのタイトル、いまいち内容とぴんと来ないのですが
それはあたしの想像力の欠如、読解力の浅さなんでしょうかね。
[PR]
2008年 04月 11日 |
a0104226_2194182.jpg
録音スタジオで、起きた密室殺人!
ROMMY(ロミー)とは何者だったのか?
天才シンガーの死の謎に迫る
アンコールの大合唱に応えてROMMYがステージに上がると
スタジアムが揺れた。が、もうそんな情景を見ることはない。
録音スタジオの仮眠室で彼女は息絶えていた。
犯人はスタッフの中にいるのか!?
時代を疾走して逝った、天才シンガーの隠された真実とは。
歌野晶午がミステリー・フロンティアに挑む問題作。
(出版社/著者からの内容紹介より)

最後に、え?と言わせるミステリを、と言われたら
絶対に歌野作品を紹介しちゃう、そんな歌野作品の一つ。
むしろここまで、厳重に(?)凝られるとは、と
感服してしまう。

現代と過去を軽妙に絡めていくことで徐々に
あらわになっていく事実。
またそこから始まるミスリーディングと
文章だけにとどまらない「写真」や「イラスト」から
見せたり、歌詞や年表などを配置することで
読み手側は実際に「ROMMY」という歌手がいて
その歌手の最後の「商品」=完成されたDVDの特典を
手にしているような錯覚すら起こさせる様々な演出は
作者自身、楽しんでる感が伝わって来て
「おもしろがってる〜」とこちらまで愉快になってしまいました。
人によっては、それをうざっと思うかもしれませんが
あたしはそーいう読ませ方、嫌いではないです。
歌野サンってば♪って程度で(笑)

順に読んでいくことで途中から、読者はすんなり
じゃあ、犯人この人じゃん、とわかる仕組みになっていますが
「叙述トリック」としての一番の見せ所はちゃんと
用意されてますが、ROMMYというアーティストの伝記的な構成に
弱くなってしまってるかも。
ROMMYの最後の独白はかなりせつなくやるせない〜。
けれど
何故かずーっと手に取る前からも読後もどこか
B級な匂いがするのはこのタイトルのせいか
内容で扱われているROMMYという架空のアーティストのせいか
ただ単に時代や音楽性のせいか(苦笑)
あか抜けてなさ加減がまたせつない(笑)
[PR]
2008年 01月 29日 |
a0104226_23483612.jpg
「奇妙な殺人事件は、奇妙な構造の館で起こるのが定説です」
三星館と名づけられた西洋館の主は
四人の招待客にある提案をした。
それぞれが殺人者、被害者、探偵役になって行なう
“殺人トリック・ゲーム”である。
そして今、百数十年前にイギリスで起こった事件が再現される!
時空を超えて幽霊のごとく立ち現われる奇怪な現象、謎
さらに最後の惨劇とは。
(「BOOK」データベースより)

中編だとは思いますがなんせ薄い、153ページ。
数時間で読み終わります。
たぶんミステリ好き、本格好きさんは出てくる固有名詞すべてに
反応できてそこもまた楽しめるのでしょうね。
館を使ったトリック、そこに夢を抱くマニアには
きっと同調するところが多いのではないかと。
ただあたしはさほど詳しくないミステリファンなため
まず人物にさほど思い入れがわかず。
人物の区分けすらあやしくなる始末。
あくまで「トリック」ものとしてだけ読み進め
あたしの貧困なアタマがそのトリックを理解する前に
読む手がどんどん進んでしまい、あら、そうだったんだ?みたいな(苦笑)
ダメじゃん(苦笑)自分。
歌野お得意の叙情詩トリックではなくあくまで館トリック。

どうせならもぅ少し長くしてじっくり人物設定もされた上で
味わいある作品として楽しみたかった気がしないでもないけれど
作者はあくまでこのトリックそのものをメインに
書きたかったのかなと思うとこれはこれで正解なんでしょうかね。

じっくりその謎を自分で解くくらいの、作者と対決するくらいの
意気込みで読まないといけなかったようです(笑)
[PR]
2007年 11月 27日 |
a0104226_1134343.jpg
「私を誘拐してください」美しい人妻は
そう呟いて便利屋の手をにぎった。
夫の愛を確かめるための“狂言誘拐”だというのだ。
金に目がくらんだ俺は依頼を引き受けた。
完璧なシナリオを練り脅迫を実行、身代金までせしめたが
そこには思わぬ落し穴が待っていた。
二転三転、息をもつかせぬ超・誘拐ミステリー。
(「BOOK」データベースより)

1991年に書かれたこの作品ゆえあとがきには
今現在読むと、ん?なところは承知の上で
十分におもしろい作品。
中谷美紀・萩原聖人主演の『カオス』という映画の原作でもあるらしいです。

便利屋を営む”俺”のもとに現れた小宮山佐緒理。
大手喫茶店チェーン社長でもあるマザコンの夫の愛を
確かめるため狂言誘拐をして欲しいと依頼。
借金取りにまとわりつかれていた「俺」は報酬に目が眩んで
密かに実行するあてのない完璧な誘拐計画を
渡りに船とばかりに実行。
どんでん返しばりに警察の裏をかいて身代金をせしめ
一段落とばかりに留守にしている友人宅へ佐緒理を
迎えに行くと、そこに待っていたのは死体となった姿。
いったい何が起きたのか?
捕まるわけにはいかない、真犯人を探す、と一人
捜査を始めるがそこにはまたとんでもないどんでん返しが。

一旦落ち着いたと思える解決をひっくり返し、
更に結末でもぅ一度。。。と読んでる側すら騙すこの小説。
歌野作品のよさがこの時期からがっつり、という感じ。
本当に巧いなぁと。
狂言誘拐を持ち込まれ、それに便乗した犯人でありながら
事件に巻き込まれる被害者、さらに探偵という役もおった視点で
読ませるので、物語の裏側を読ませられているうち
実はその裏も進行しているのをまったく気づかせない。

読んでいて本当にはまるミステリーというのは
こーいうものなのね、と。
矛盾点がない(と思う)というのはすごい。
誘拐というよくあるテーマでありながらよくぞここまでとすら。
残念ながらこんなに優れている、よくできた作品と
思えるのにどこか地味に感じるのは巧過ぎるから、なのかなぁ?
タイトル、ですかね?(苦笑)
[PR]
2007年 11月 25日 |
a0104226_22111992.jpg
鹿児島の遙か沖の孤島、屍島に六人の男女が降り立った。
彼らは都内で爆弾テロを行なった四人の実行犯と
二人の幹部だった。翌日、幹部の一人が船とともに姿を消し
残りの五人は文字通り絶海の孤島に閉じ込められた!
組織に対する疑心と、食料をめぐる仲間同士の暗鬼。
やがて、一人また一人と殺されていく…。犯人は誰か?
そして、最後に生き残る者は。
(「BOOK」データベースより)

毎回、毎回ラストであっと言わせてくれる歌野作品。
いやぁ今回はこぅきたかぁという感じですね。
新興宗教の信者4人がこの世の浄化として起こす事件。
そして教団が用意した逃亡ルート。
その第一段階として無人島にたどり着くわけですが
そこでまた一人、また一人と殺されていくわけです。
犯人さがしとその犯人の目的、無人島という逃げ場のない場所
さらにタイトルが示すように「いったい誰が生き残ったのか」
もぅ一気読みです。
物語そのものも中編なのであっと言う間に読み終わります。

もぅ何度も最初のページに戻り、登場人物の人数を
数え直し、いったい誰が?のその「誰」が犯人だったり
生き残りだったり、読ませる勢いはなかなかのもの。

サバイバルものとして中編というのはかなり設定に
無理がでず気にならないうちに終盤を迎えるため
長さ的にもちょうどいいのでは。
人物関係の設定も新興宗教の集団ってのは
まさにうってつけじゃないかな。
変にこれが友人同士ならあり得ないですからね。

ラストは「そーいうことかいっ!!!(苦笑)」とつっこみたい
衝動に駆られますがこれはこれで
そうかぁ。。。。と妙に納得しちゃったり。
あ、物語にきちんと解決を求める人には向きませんよ。
そぅきたかぁ、とにやり、とできるくらいの人向き。
どうぞこの話はスピード感でやられちゃってください。
[PR]
2007年 04月 10日 |
a0104226_0492962.jpg
九州から東京の一戸建てを購入して移り住んだ一家。
だが、引っ越したとたん、不気味な出来事が。
なんとこの家には一家惨殺事件の過去が!
「家」に対する人の妄執をモチーフとした5編を収録。
(「MARC」データベースより)

短編集です。家を「守る」ものをテーマにした5編。
どれもちょっと不思議な匂いのするミステリ。
かなり面白いです。引き込まれるおもしろさ。

「人形師の家で」
人形に命を吹き込むべく何体も造り上げ一人家に籠る青年との
交流の結果、ずっと大人達に秘密にしていた出来事。
父を殺した母、逃げるように田舎を去った自分。母は何故、父を
殺したのか?人形師の家が黙して守り続けたものが姿をあらわす。
短編でありながら幾重にも重ねられたエピソードが
読んで行くうちに不思議な世界と現実を曖昧にしていきます。

「家守」
「オマエガイケナイノダ」繰り返される声。その声の主は?
完全犯罪をもくろんだがゆえに、殺された妻が
その家を守って来た本当の理由が暴かれていく凄まじさ。
読み終わると同時に冒頭部分を読み返してしまいました。
歌野らしい一遍。

「埴生の宿」
いきなり頼まれたボケ老人の「相手」。理由は何十年も前に
死んでしまった次男に似ているから。ボケて昔の記憶だけで
過ごす老人には今の家族は「他人」に見えて自分の本当の
家族を探し続けているから。。。老人を、世間体を守る為に
用意されたその家は。。。。

「鄙(ひな)」
旅行者が行かないような辺鄙な場所への旅を好む兄
二人で訪れた村で起こった殺人事件。
犯人は捕まったものの。。。村落共同体としての家族。
個を捨て家を守るものだけが暮らす村。
何を守るか、何を大事に感じるか、個人よりも家の利益。
家族以外には理解できないことは確かに存在する。

「転居先不明」
いつも誰かに見られている、と訴える妻。
九州で産まれ育ち初めての東京暮らし。
練馬に買った一戸建て。破格の値段。
引っ越してまだ僅か、慣れない生活からくるストレスかと
思いきやそれは気のせいではなかった。
彼女が「見られていた」本当の理由が明らかにされたとき。。。
何転もしていくストーリー展開。
背中にぞっとくるものの本当の正体は。。。

前回、読んだ歌野の短編集もそうだったけれど
ひとつひとつの中身が濃くて、もったい気すら。
でもこれくらいの短さがまたその密度がずっしりきていい感じです。
[PR]
2006年 05月 03日 |
a0104226_2332153.jpg
 すっかり歌野晶午のファンです。
「あえて探偵を廃し、あえてトリックを抑え
あえて論理合戦を殺ぎ落とし、絢爛豪華な謎もなく
物語はあくまで日常で、しかし精神は本格
ようこそ、裏本格の世界へ」
とは、作者のことば。
その通りの短編集です。

ネタバレしないように気をつけて紹介(笑)

「盗聴」
電話の盗聴にすっかりはまってしまった浪人生
の話です。でもある日彼は、電話の向こうに
「かちかち鳥を飛ばせ」という
謎の言葉を聞いてしまう。そこに犯罪の匂いを感じて
兄と一緒に探り出す。

「逃亡者 大河内清秀」
某TVmovieっぽいタイトルですがこっちのが
ずーっと先に書かれてます(笑)おまけに
こちら、このタイトルにものすごく深い意味が。
語り部を自由に操る歌野マジックに脳をシェイクされてください。

「猫部屋の囚人」
んー、ネタはね、初めから読めちゃうんですけど
でもこーいう窮極の状態に置かれたら
そう感じてしまうんじゃないかなとすっと納得できる手腕。
「狂気」に陥っていく状態の描き方が巧いっす。

「記憶の囚人」
いやあ、すごい。ミステリな「童話」
いかにも「童話」な要素、魔女をイメージさせる
「黒い女」という表現や西洋風な家具の描写。
でもいきなりでてくる「日本語名」の息子の名前。
もぅなに?なに?なに?と思っているうちに
歌野の世界に嵌ってるんですよ。
コワイっすよ。何度も読み返しちゃった。
こーいう文体で読むミステリは初めてだったので
それだけで新鮮でした。

「美神崩壊」
んー、シンプルにコワイっすね。
こぅミステリな漫画にでもできそうな題材。
そう、そういう意味でコミックっぽい。
下手に長くしないで余計なものをすべて殺ぎ落として
シンプルにしたのがヨイんでしょうね。

「プラットホームのカオス」
んまいなぁ。やっぱ。
小賢しい不良中学生に日々、いいようにあしらわれ
鬱屈したものを抱えている「いじめられている同級生」と
「学校の先生」
その二人が同じホームの上に立ったとき。。。
様々な視点から語られるのでこれまた歌野の得意路線。
騙されているのに気づかないうちに騙されてる快感。

「正月十一日、鏡殺し」
表題作です。
んー。もぅね、これなら映像可も十分可能なほどの
作り込み。でもやっぱり無駄な物をすべて落とした
ショートなのでこれは文体で楽しむのが正解かも。
夫に先立たれた妻と、娘、そして夫の母親。
そこに生まれる殺意。娘のいじらしさがまた哀しい。

本当にねぇ。。。この歌野という作家の手に掛かると
騙される快感を存分に味わえます。
ぜひ。
[PR]
PageTop
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Starwort Skin by Sun&Moon