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カテゴリ: :荻原浩 ( 8 )
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2008年 06月 17日 |
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過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。
啓一は田園都市の市役所勤務。
愛する妻に子供たち、あぁ毎日は平穏無事。…って、
再建ですか、この俺が?あの超赤字テーマパークをどうやって?!
でも、もう一人の自分が囁いたのだ。“やろうぜ。いっちまえ”。
平凡なパパの孤軍奮闘は、ついに大成功を迎えるが—。
笑って怒って、時々しんみり。ニッポン中の勤め人の皆さん、必読。
(「BOOK」データベースより)

正直、手に取ったとき「え〜〜〜〜」って思った。
えぇぇ〜〜〜またこのパターン?
サラリーマン必読、サラリーマンの悲哀をコメディタッチで
描いて読んだら明日も頑張ろうと思えちゃう良作ですよ〜ってやつ?
と、読む前、ちらりうんざりしたのは事実。
もぅいっそのこと「サラリーマン悲哀シリーズ」とかなんとか
シリーズものにしちゃって、あぁ今度はこーいうパターンできたか!と
逆に、わかった上で、楽しませた方がいいんじゃないの?とまで。

「なかよし小鳩組」「神様からひと言」もそうだし。。。
なんて読み始めたのにやっぱり読後は
「いいっ!やっぱり荻原作品、気持ちいい!」と手のひらを返したように(笑)
主人公啓一の、いかにもありそうなお役所の上司たちの反応と
孤軍奮闘する様子はもぅ読んでるこちらも胃が痛くなりそう!(苦笑)
と、そう思えるほど、登場人物たちの描き方に愛があるのです。
入り込んでしまう。
だから、結局、仕方ないよね、と苦笑いするような勤務先での
仕事が続こうとも、そうだよね、ま、お互い頑張ろうや、と
ビールジョッキを片手に話しかけたくなるような
そんな愛情もって本を閉じるような、そんな作品。

働いている人もまたそうでない人も十分にその世界を
「理解」できるし「想像」できるし楽しめるのはまた作者のすごいところ。
ハッピーエンドですべてまるく収まりました、な安易な
終わり方でないからこそ深い余韻が残る作品。
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2008年 05月 09日 |
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フィリップ・マーロウに憧れ、マーロウのようにいつも
他人より損をする道を選ぶことに決めた「私」と
ダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻き込まれた殺人事件。
タフさと優しさを秘めたハードボイルド小説の傑作。
(「BOOK」データベースより)

いったいどこまでがギャグ?ってなとことん真面目にふざけてる(苦笑)
いやいや、実際にこんな人いたら痛いって、な
においを漂わせつつ、次第に話に入って行くのは
やっぱり秘書のチカラでは?(笑)
間違ってもハードボイルドな話じゃあないですよ(苦笑)
小説の中の探偵に憧れ仕事をやめてまでなったはずが
もっぱら動物探しばかりの探偵。
その動物探しがきっかけで知り合ったアニマルホームを
営む夫婦の父が犬によって殺され
そこから犯人(犯犬?)探しが始まる。。。
随所ににやりとさせるようなコメディでありながら
かなりシリアスなミステリを展開させ
最後にはほろっとさせるのは荻原作品。

まぁ荻原作品の中でも「なかよし小鳩組」あたりが
好きな人にはきっとたまらないのでは。
「明日の記憶」ではないことは確か(笑)

まぁ動物が殺される描写なんかは読んでいて
ちょっと不快感はあるもののそれ以外のストーリー作りは
さすがで一気読み。
まぁじっくり読むタイプの本ではないかと?
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2008年 03月 12日 |
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高3の夏、復讐は突然はじまった。
中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。
犯行予告からトロ吉が浮び上がる。
4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。
だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。
光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが—。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。
(「BOOK」データベースより)

ちょっと読むのに時間がかかったのは内容が
しんどかったから(汁
ひどいなぁ。。。と。そのいじめの内容が。
マジですか?みたいな。小説と現実を一緒にするなと
言われそうだけれどそれくらいリアルな。
そりゃ仕返しもしたくなるだろ?と。

で、実際に仕返しをされて、ちょっとだけ、あの頃よりも
大人になった主人公たちは考えるわけです。
あいつもこんな風に毎日、恐かったんだ、と。

解説で石田衣良が書いているように
荻原浩の作品は本当に、ぶれがない。
そのテーマを全うしている。
確かにこんないじめを題材としたものなら
もぅエセ評論家よろしく色々と語りだしそうなところ
この話は、高校生の元野球部の主人公をメインに
当時のクラスメート達の、それぞれの動き方を
自然に書き出している。
だからこそ読んでる方も、安心しきって
あぁだこぅだ言えちゃうのです。こいつらマジ反省してんのぉ?とか(笑)
そこまでやるわけ?とか、それって悪いの親の育て方じゃん?とか
もぅ生きてそこにいるかのように。

でもほんと救いがないなぁ。
どことなく、あんな空気の中どこかで息抜きしなくちゃ
いじめでもしなきゃやってらんないよ的な発想や
結局、大人の社会だっていじめあるじゃん、マスコミだって
こぅしていじめるターゲットを探してるじゃん、と
なかなか辛辣。
まぁ、かといってこの本のテーマは、いじめ撲滅じゃないし。
いじめから始まった復讐劇ですから
そのテーマから一切ぶれていない、そーいう意味では
とても巧い小説。
ラストはびっくり。え、そうだったの?と。
裏切られる結末への流れといい
学園もの、サスペンスとしては十分に質の高い一冊。
。。。しっかし、後味は悪いです(苦笑)
ほんと救いがないもの。

それにしても荻原浩、ほんと幅が広いなぁ。
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2008年 02月 17日 |
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倒産寸前の零細代理店・ユニバーサル広告社に
大仕事が舞いこんだ。ところが、その中身は
ヤクザ小鳩組のイメージアップ戦略、というとんでもない代物。
担当するハメになった、アル中でバツイチのコピーライター杉山のもとにはさらに別居中の娘まで転がりこんでくる。
社の未来と父親としての意地を賭けて、杉山は走りだすが—。
気持ちよく笑えて泣ける、痛快ユーモア小説。
(「BOOK」データベースより)

実はこちら、荻原浩が小説すばる新人賞を受賞した
「オロロ畑でつかまえて」の続編。
なのですが知らずにこちらを先に読んでしまいましたが
特に問題なし。話的に違和感はないくらい独立した話として完結。

自転車操業も危うくなり倒産寸前の零細プロダクション「ユニバーサル広告社」に
勤めるアル中バツイチの杉山を中心とした愛すべき社員たちが
これまた実は人間味溢れるやくざと対峙し
「小鳩組」のIC、企業イメージ統合戦略を請け負うのだけれど。。。

もぅそんなことあり得ないってとつっこみも笑いながらといったユーモアの
ペーソスばっちり。登場人物すべてが愛おしく感じてしまう。
とくに杉山の娘、7歳になる早苗の存在は最高です。
早苗と元父親としての杉山の、杉山自身の心の再生物語と言ってもいい。

大笑いというのではなく、くすり、とか、にやり、と言った笑いと
大泣きではなくじわり、とか、ほろり、と言った加減もいい。
残念なのは表紙のイラストくらい?(苦笑)まぁ好みの問題ですけれどね。
もっと「お?」と手に取りやすい、惹かれるものならもっと早く
読み始めたのにと(実は購入してからずーっと未読で本棚で忘れられていた)
それだけが残念。

そいえば荻原の「神様からひと言」の中に転職先を
ユニバーサル広告社にすればよかった、という台詞があるのだけれど
まぁどっちもどっちだよね(笑)
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2008年 02月 01日 |
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大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した
佐倉凉平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし
リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ
異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。
実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。
ハードな日々を生きる彼の奮闘を神様は
見てくれているやいなや…。
サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。
(「BOOK」データベースより)

さて、この本。本屋で何度も手に取っては
読むのをためらっていました。
だって「サラリーマンに元気を」とか
「クレーム処理に奔走」とか。。。
仕事はなんだって大変なんだからもぅ本の中まで
それはお腹いっぱい、なんて思って。
要するに「普通」の働くサラリーマンのお話を
想像していたわけですが。。。

いやぁ、損した!もっと早く読めばよかった!
変な思い込みはいかんねっ。だめだめですよ。
ただこの作者の書く話は「明日の記憶」だったり「噂」だったり
シリアスな路線も十分、考えられたからなぁ。
これは違います。
そんなんあり?ってなくらい突拍子もない反則ぎりぎりな
コメディタッチ。いや、その反則が醍醐味。
読後感は爽快。気持ちいいです。

まずこの食品会社の設定からして、そりゃナイでしょ?な
状態なのですが、さらにそこに「巣食う」社員たちも
一筋縄ではいかない人たちばかり。
イヤなヤツはとことんイヤなヤツでここは正解。

キャラ設定もそうですがこの作者のユーモアセンスあたしは好きです。
もちろんそれだけではなく、苦みもあって
そしてそこに「神様」のひと言をつい深く読みたくなるような
優しさも散りばめられた本。
クレーム処理なんて体験談、聞いてるだけで胃が痛くなりそうな
そんな職場の話をここまで、すっきりした読後感を与えてくれる
それだけでもかなりのものではないかと。
少し厚みのある442頁、でもちっとも長さを感じさせませんよ。

新宿中央公園だってどこでだって生きて行ける!
腹くくった人間は強くなれるし、要は気の持ち様!
元気、わけてもらいませんか?
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2006年 09月 23日 |
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 荻原浩というと映画化もされた「明日の記憶」とか
タクシー運転手の話「あの日にドライブ」とかで
ミステリー作家というイメージはまったく
エンターテイメント性の高いミステリー。

「レインマンが出没して、女のコの足首を
切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると
狙われないんだって」
香水の新ブランドを売り出すため
渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。
口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。
販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、
香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり
足首のない少女の遺体が発見された。
衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。
(「BOOK」データベースより)

いやぁ止まらなかった!止められなかったです。
もぅ次へ、次へ、どんどん先が読みたくなる。
正直、中だるみは特に警察の内部事情を
つらつらと並べられるとあったものの
それでも引っ張られたのは「おもしろさ」でしょうね。
ミステリーとしての謎解きもなかなか
伏線も張り巡らしてあり(張りすぎなのでは?と
思うくらい)楽しめます。
最後の1行を読んで、うお〜〜〜〜と鳥肌。
もっかい読み返してしまいましたよ。
オススメです。
いやぁ、クチコミってすごいねと思わせる本。
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2006年 01月 23日 |
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 以前若年性痴呆症をテーマにした「明日の記憶」
読んでとてもインパクトが強かったので
次の作品も読んでみました。今回も前作同様
「その世代」の人にはとても身につまされるのでは?

43歳の牧村伸郎は有名私大卒業後、大手都市銀行入行
エリート銀行マンだったはずなのに上司への
たった一言の為にキャリアを閉ざされ自分から会社を後にした。
ところがいざ辞めてみればこの不景気、仕事がない。
あったとしてもプライドが邪魔をする。
次の仕事までの間に、とタクシーの運転手には
なったものの成績はまったく伸びず
傷む腰と慣れない仕事に疲れ、帰宅すれば
パートで働く妻とは会話が噛み合わず、年頃の娘は
クチを聞こうともせずわけにわからない音楽ばかり
ならし、息子はテレビの前でゲームの騒音をまき散らす。
疲れた伸郎はやがて現実逃避の白昼夢へ。
あの時、こうしていれば、あの時、それを選んでいれば。。。
誰でも生きていれば思うこと。あの時、あの選択の違う道を
選んでいたら今は違っていたのではないか?
そしてそれは決して実現しない夢。
伸郎は行動を起こす。
あの時の曲がり角を反対に曲がっていたらどうなったか?と
一つ一つ、確認するかのように「もぅ片方の道」の
行く末を辿っていく。今からでも車線変更はできるのか?
えっとあたしには必要ありませんでしたが(笑)
あらためてこうして「今、手のひらにあるもの」に対する
肯定的な事柄を小説で感じるのもおもしろかったです。
読後、ちょっと心が軽くなる、そんな本です。
現在の自分をちょっと否定的に見てしまう時なんかに
読むともしかしたらすっと気持ちがラクになるかも。

 


ちょいネタバレ。
こうしてたらもしかしてこうなる?と夢見たモノが
次々とこうも「そっちに行かなくてよかった」的にうまくなるのなら
誰も夢見ないよな〜。しっかり昔の上司に対する報復まで(笑)
そりゃ出来すぎだろ、と何度ツッコミを入れそうになったか!
それ以前にもぅひたすらぐだぐだぐだぐだ中年オヤジの愚痴を
読まされた分、逆にこの「出来すぎ」な設定が気持ちよくなる(笑)
ってそれが作者の術中に?!なんて思わせていないで
次は、前作並の丁寧に作りこんだ素晴らしい作品を期待!
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2005年 07月 20日 |
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 2005年本屋大賞ノミネート作品ということで
「本屋さんが売りたい本」です。
さすが「本好き」な方々が薦めるだけあって
読み応えある素晴らしい作品。
広告営業マンとして働く佐伯は最近、頓に物忘れが
激しい。単語が思い出せない。外国人俳優のあの
有名な名前、映画のタイトルが思い出せない。
それどころか部下の名前も忘れる、そして
仕事の打ち合わせを忘れる。
自分自身にショックを受けて「鬱病か?」と
不安を抱き精神科をたずねると
診断された病名は「若年性アルツハイマー」だった。
まだ50歳、仕事もまだ責任ある地位にあり
妻もいる、娘のお腹には新しい命が宿り
式を目前にしている。
まだまだ自分の人生は捨てられない。
なのに身体がどんどんと自分を裏切っていく。
メモでいっぱになった背広のポケット。
それでも追いつかないほど記憶が消えていく。

自分が壊れていくのを自分でわかってしまうという恐怖。
病気の進行は個人差。まったく先が見えない状態で
確実にやってくるその時。

下手なミステリーよりもずっと恐く
そこらの恋愛小説よりもずっと愛を感じます。
小説だからこそ「きれい」に仕上げているものの
逆にその美しさがとてつもなくせつないです。
最後の一頁はきっと涙。
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