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カテゴリ: :近藤史恵( 8 )
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2009年 07月 31日 |

江戸で若い娘だけを狙った連続殺人が起こった。南町奉行所同心の玉島千蔭は、殺された女が皆「巴之丞鹿の子」という人気歌舞伎役者の名がついた帯揚げをしていたことを不審に思う。そして、巴之丞の蔭に浮かぶ吉原の売れっ妓。調べが進むなか新たな被害者が—。はたして真犯人は!?大藪春彦賞作家・近藤史恵の時代ミステリー小説シリーズ第一作がついに復刊。
(「BOOK」データベースより)

やっぱいいわ〜〜〜、この人の書く時代小説。
さらさらっと読めるけれどしっかり筋立てが通ってるから
読み応えあるし読後感も悪くないし。
登場人物達がまた魅力的。
謎解きの部分でも十分に楽しめる。
時代小説を読んだことのない人でも
これなら読みやすいと思うのでおすすめです。

表現、文章の潔い美しさも心地よい。
あたしはこのシリーズは3作目の「にわか大根」から先に
読んでしまったのだけれどまったく違和感なし。
前作の説明がうまく取り込まれてからでしょうね。
だから1作目を読んでも、ぶれがない。

暑い夏にひやっとする美しいミステリどうでしょ?
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2008年 09月 28日 |
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男前でもてるのに堅物の同心・玉島千蔭と、お人好しでおっちょこちょいの岡っ引き・八十吉の名コンビが大活躍!
次々に起こる事件に、千蔭の勘と推理力が冴え渡る。
そんな中、千蔭に押しかけ女房が…?! 美貌の花魁・梅が枝との仲はどうなる?
軽妙と繊細が絶妙にマッチした、近藤史恵の真骨頂!
(出版社/著者からの内容紹介)

読んでいて、やたらと「前」の話がでて来るので
ん?と思ってたらこの本ってシリーズものでその前に2冊あるのね。
読まねば!
と思ってしまったほど面白い。

芝居小屋が軒を連ねる江戸は猿若町。
南町奉行所の同心玉島千蔭は男前だが女心には疎い朴念仁。
けれども事件となれば冴えた名推理を披露する連作短編集。

千蔭を初め、千蔭とは正反対の洒落者の父親、千次郎
千次郎の代から小者として仕える岡っ引きの八十吉
千蔭を恋い慕う吉原の花魁、梅が枝
その梅が枝と顔が瓜二つ、同じ上方から江戸に来て
幼なじみでもある中村座の人気若女形、水木巴之丞
そして千蔭と見合いをしたもののその父親の
千次郎に惚れてしまい今や千蔭の母親となった年下のお駒。
そういったキャラたちがしっかりとその個性を発揮し
話を支えて行くので読みやすい。
これはシリーズ3作目ならではの、ということとでしょうかね。

江戸の風俗も満載で時代小説としても十分に楽しめるうえ
この作者お得意の歌舞伎も謎をとく一つとなり、さらに現代ものにも通用する
男女の愛憎を交えながらも、ほのぼのとした人間関係の暖かみも
描き出されつつ、ぴりっと世知辛い一面も浮き彫りにする。
贅沢な内容ではないかと。

まだ同性愛がタブー視されていなかった江戸時代。
そして公然とした売春も一区画に納めることで存在した時代。
陰間だったり稚児だったり、花魁、女郎部屋にしても
ひどく淫猥なはずなのに、男女間のどろどろの愛憎劇、相手を
愛しているからこその歪んだ憎しみですら
どこかギリギリのところで上品にまとめているのは近藤作品ならでは。

もちろんミステリとしても秀逸。
「吉原雀」「にわか大根」「片陰」の3編からなる物語を
ひとつずつ謎を解きながらも、実はそれぞれの物語が
リンクしていて、最後にその一つの問題も解決する、 という構成もいい。

 「吉原雀」
吉原で、3人の遊女が立て続けに亡くなった。医者はそれぞれ
違った病死の診断を下し不審なところはないという。
しかし、彼女たちを結ぶ「雀」という共通点に気がついた千蔭。
懇意にしている歌舞伎役者の巴之丞が舞踊「吉原雀」を
演じていたこと、浮世絵師の歌川国克がその舞台を
役者絵にしていたことなどを手がかりに千蔭は
その謎を解いていく。「雀」という言葉が指すものは。。。

 「にわか大根」
人気の実力派女形、そして 巴之丞のライバル村上達之助が
上方巡業から戻ってきたらの芝居が、突然下手になり
客席からは「にわか大根」という罵声が飛ぶほど。
そんなおり、彼の幼い息子が転落死という悲しい事故が。
しかしその事故後、達之助は元の見事な演技力を取り戻す。
そこに何か関連はあったのか。息子の事故は本当に事故だったのか。

 「片陰」
巾着切りの茂吉は、その日すった財布を、近くにあった天水桶に
隠すために投げ入れる。後日、その財布を回収しに行くと
天水桶から男の死体を発見が。
真面目で人当たりも良く、人に恨まれるような人物ではなかった
船芝居の役者、片岡円蔵。
そしてその円蔵の相方は巴之丞が上方の陰間茶屋時代に
知り合いだった与四郎だった。与四郎は円蔵に頼り切り
自堕落な生活を送っていたのだった。
円蔵の妻の、夫の優しさに対する言葉がとても印象的な作品。
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2008年 09月 19日 |
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十五年前、大物歌舞伎役者の跡取りとして将来を嘱望されていた少年・市村音也が幼くして死亡した。
それ以後、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す生々しい夢に苦しめられるようになる。
自分が兄を殺してしまったのではないだろうか—。
誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前にかつて音也の親友だったという若手歌舞伎役者・市川銀京が現れた。
音也の死の真相を探る銀京に、笙子は激しい恋心を抱くようになるが—。
梨園を舞台に繰り広げられる痛切な愛憎劇。
ミステリ界の最注目株・近藤史恵が満を持して放つ、書き下ろし歌舞伎ミステリ。

「ねむりねずみ」「散りしかたみに続く歌舞伎シリーズ第3弾。
でも今泉文吾の活躍が少なく残念。

小乃原笙子は梨園の大御所市村朔二郎の愛人の娘。
名子役だった兄、音也の病死後、引き取られ実父と養母に
育てられた。しかし、笙子には子供の頃の気億が曖昧でさらに
自分が兄を絞め殺したという悪夢に苦しむ。
会ったこともない兄。写真でしか見たことのない兄。

ある日、笙子は覚えのない大部屋の勉強会としての
発表会「桜姫東文章」に招待される。
招待したのは主役の桜姫を演じる中村銀京。
銀京は生前の音也の親友だった。
ところが銀京はたまたま彼の写真を撮った日付が
彼の死後の日にちであることに気づき
音也の死の謎に迫ろうとし、笙子に近づいたのだった。

一方 「伽羅先代萩」に出演していた子役が幕後、
普段人が立ち入らない大道具部屋で死体となって発見される。
死因は風邪薬によるアレルギー。
しかし、彼は喘息持ちであったため、風邪薬は飲まないようにきつく躾られていた。
彼の母親役だった瀬川菊花の指示で、弟子の小菊は友人である
探偵・今泉文吾に調査を依頼する。

 笙子と小菊の一人称によって交互に語られ
2つの謎が同時進行で追われて行きます。

毎回思うのですが、この人の歌舞伎シリーズ
歌舞伎をしらないあたしでも作品や歌舞伎についての説明が
適度にされ、さらにそれを上手く物語の伏線に
歌舞伎を知らない人でも気づけるように描かれているのは
素晴らしい。歌舞伎そのものにも興味を持てるし
知っている人は楽しめることはもちろん
知らなくても、その美しさを十分に想像できる。
今回も存分に楽しめました。

今回まるで悪役のような、出世欲の塊のように
描かれていた銀京ですが読み進めるうち
本当に友達を大切に思う、意思の強い青年であることに
救われたなぁ。
ラスト、あたしはかなり好きです。
そっちだったか!という裏切り。それも両方の謎に対して。
片や、なんとも言えないくらいやりきれないけれど
片や、ラブストーリーとしてかなりいい終わり方をしているのではないかと。
ま、出番は少なかったけれどどちらにも重要な役割は
果たしてたかな、今泉。
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2007年 04月 25日 |
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不審な火事が原因で意識不明となった歌舞伎役者の妻・美咲。
背後に秘められた二人の俳優の確執と愛憎劇を
今泉文吾が解きあかす

恋路の闇に迷うた我が身、道も法も聞く耳持たぬ—
梨園の御曹司岩井芙蓉と抜擢によりめきめき頭角を顕した
中村国蔵。人気、実力伯仲するふたりの若手女形は
かねて不仲が噂されていたが……。
芙蓉の妻・美咲が恋したのは誰だったのか。
意識の戻らぬ彼女をめぐる謎を今泉文吾が解き明かす。
切なさが胸に響く歌舞伎ミステリー。
(文藝春秋書誌ファイルより)

近藤史恵お得意の歌舞伎ものです。
ねむりねずみ」「散りしかたみに」「ガーデン」などに
に登場した今泉またまたいい感じっても
今回はちょっと出番少ないのね。
前にも出た養成所出身のしがない中二階、
一生主役を努めることのない歌舞伎俳優
瀬川小菊の視点と女性よりも女性らしいと評判の
人気女形岩井芙蓉の番頭、実(みのり)の
視点が交互にまた時間軸を超えて綴られます。

ミステリとはいってもどちらかというと謎解きとして
読むよりは愛憎劇、ドラマといった感じ。
生々しかったり滑稽になりそうな設定も
歌舞伎と言う特殊な世界を舞台にすることで
とても巧く読者を導きとても読みやすい本に。
歌舞伎は未体験だけど
この人の歌舞伎シリーズを読むたびに
すっごい歌舞伎を見たくなる、それくらい引き込まれます。

いつもこの人の本を読むたびに思うのですが
決定的な「悪役」がいないのです。
誰一人、憎めない、憎むべき人がいない。
それゆえにとてもせつない。
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2006年 11月 03日 |
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 うわ。きたきたきた。今までの近藤作品の中で
一番好きかもっ。
もぅとってもキュートでポップな日常ミステリ。

どんなに汚いオフィスでも、キリコちゃんにかかれば
翌朝にはすっきりピカピカ。
床やトイレはもちろん、エレベーターのボタンから
オフィスの人間関係まで! 
歩いた後に1ミクロンの塵も残さない掃除の天才キリコちゃん。

オフィスの清掃員といえばおじさん、おばさん、
おじいさんにおばあさん、ところがキリコちゃんは
「綺麗に日焼けしたつやつやの肌、小柄な身体に
ぴったりした白いTシャツに、黄色いミニの
プリーツスカート、黒のごつい安全靴。
渋谷や原宿なんかを歩いているようなタイプ」で
「どう見ても、社内の掃除をしているのに
ふさわしい人間じゃない。彼女のまわりは
あまりに異空間である」

彼女は、オペレータールームに配属された
社会人1年生の大介が受けた嫌がらせを
あっという間に解決して見せたり
上司の子供へのプレゼントに用意したぬいぐるみが
切り裂かれた謎を解いたり
ネズミ講に引っかかってしまった大介の同僚の
心情を察したり、日常に潜む様々な悪意が招いた事件を
次々とキレイにしていきます。

読んでいて気持ちがいいのは
彼女の仕事への接し方。
掃除のプロとして誇りを持ち、仕事に
気持ちよさを感じていること。
だからその気持ちを汚されたら当然怒る。
そのひたむきな前向きさにやられちゃうのは
主人公の大介だけじゃないはず。

どことなく漫画チックで読みやすいけれど
しっかりこちらの心に残るパワーも持ってる
ちょっと仕事に疲れちゃったり、恋愛、生活に
疲れちゃったりと凹み気味な人にぜひ
読んで欲しい1冊。読み終わった後、きっと
読者のそんなもやもやもクリーンになってるはず。
読後感がとても爽やか。
事件解決への強引さがちっとも嫌味じゃない1冊。
。。。掃除しよう。。。(笑)

この話、シリーズ化され次作もあるみたい。
早く読みたい♪
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2005年 12月 22日 |
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 「疾走」があまりにも重かったので(苦笑)
さらっと読めるものを、と近藤史恵。
「ガーデン」「ねむりねずみ」に続いて今泉君が
活躍します。登場人物はほぼ「ねむりねずみ」と
同じ、歌舞伎、梨園が舞台。
今泉の大学時代の同級生、小菊の師匠瀬川菊花が
八重垣姫を演じる舞台「本朝廿四考」の本番中
数日連続で「桜」の花びらが1枚だけ
降ってくる。我が身が花である舞台に
全身全霊をかけているその場所に
例え「いたずら」でもそれは決して見逃せない。
いったい誰がなんのために。
と、弟子である小菊は「名探偵」今泉に「事件」を
解決するよう言いつかる。
以前、トラブルから顔に消えない傷をつけられた
市川伊織とその周りに見える美しい、滝夜叉姫と
噂される女、虹子を巡り「奥州屋」の隠された事実が
明らかになっていく。

にしても今泉、そりゃちょっと名探偵過ぎ。
話前半それもかなり最初の部分で「わかってしまう」
えええ?って感じ。そりゃいくらなんでも情報が
少なすぎ。「以前見た舞台に違和感を覚えたから」と
説明されても、あなたが違和感を感じたのなら
舞台のプロ達がとっくに違和感を感じてるのでは?と
色々つっこみどころ満載(苦笑)
「ねむりねずみ」同様、歌舞伎を知っているとより
楽しめると思いますが、知らなくても梨園ってそーいう
世界なのねぇ。。。と味わえると同時に
(もしこの通りの考えがまかりとおる世界なら)
悲しい世界だなぁとも。。。
さらっと読める1冊です。
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2005年 11月 30日 |
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 「ガーデン」に続いて2冊目の近藤史恵です。
順番的にはコチラの方が昔の作品、デビュー2作目。
ガーデンでも出ていた探偵の今泉はこの作品でも
登場してたのね。今泉好きには嬉しい♪
ことばが頭から消えていくんだ。。。
歌舞伎のこと以外頭にないような、天才肌な歌舞伎役者
中村銀弥は、妻 一子にそんな症状を訴える。
一子は以前より、彼を愛しながらも、愛していたからこそ
その歌舞伎一筋な夫の手応えのなさに疲れ
文芸誌記者 大島良高と密かな関係を持っていた。
後ろめたさを感じつつも夫の病状を案じる一子。
一方、大部屋役者 瀬川小菊は大学時代の友人の
私立探偵 今泉文吾が2ヶ月前に上演中の劇場で
起きた殺人事件の調査に興味を持ち一緒に行動を始める。
銀弥の相方を努める歌舞伎役者 小川半四郎の婚約者が
観客席で刺殺されたのだった。
衆人環視の密閉空間で起こった犯罪。
閉鎖的な梨園で起こった悲劇。
今泉は冷徹に事件の謎を解き明かしていく。

話のテンポもよく歌舞伎に馴染みのないあたしでも
すぐに入り込めましたが、やっぱりここは
「知ってる」とさらにおもしろさ倍増でしょうね〜。
一子が銀弥に一目惚れをした舞台など
想像しただけでうっとりです。
そして事件解決に向けても矢張り、実際の歌舞伎の内容を
知っていればもっとしっくりいくのでしょうが。。。
まぁそれを除いても十分楽しめました。
特に中二階女形、小菊のキャラがいいなぁ。
トリックそのものには首を捻らざるをえないところがあり
ちょっと物足りなさはあるものの。。。
たぶんこの作品の読みどころは
事件解決そのものよりも、その閉鎖的な
人間関係の中で各々が見ている、ねむりねずみ的な
自分の見たい「現実」を見ている人々なのでしょうね。
ミステリとしてよりも文芸作品的に
読み終わった後ちょっとしみじみと考えてしまいました。

「ネムリネズミはたのしかった
目をとじているのできいろと白のキクの花は見えなかった
あたまのなかにうかんでくるのは ただ
青いヒエンソウ 赤いゼラニウム」クリストファー・ロビンのうたより
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2005年 05月 07日 |
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 初めて近藤史恵、読んでみました。ミステリーとありますが
これはもぅ恋愛小説。それもとても歪んだ。
自殺願望のある女子大生真波とエキセントリックな美しい少女、火夜。
その二人を軸とした話かと思いきやそれはどんどん姿を変え
小節ごとに語り部を変えることで火夜の救われない絶望にも似た
生い立ちと事件が露わになっていく。
登場人物がみんな個性的すぎだし、殺人やカジノや拳銃、クスリに
売春まがいな詐欺などダークな要素と
火夜と大きな美しい庭との対比が逆に美しくすべてが非日常的。
登場人物のせつないやるせない思いは霞んでしまうかも。
あくまで「小説の登場人物」から抜け出せない。(いたらやだし〜)
ただ、その上で
いつ自分にも起こり得るかという日常を描いた恐さよりも
まったく自分とは関係のない世界と思っていたのに
その心理がわかってしまうことで自分にもその異世界へ
踏み込んでしまいそうなあり得ない恐さのがまた恐かったりもね。
謎を解こうとして読むのではなくその冷たい異世界を堪能して欲しい本。
探偵の今泉君かなりツボりました。
(あたしの中では萩尾望都に描いて欲しい本(笑))
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