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カテゴリ:か行作家 その他( 10 )
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2009年 01月 04日 |
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一人の女教師が学校に血の戒厳令!卒業式前日、人質の生徒処刑が始まった。一人、また一人…。もう誰も逃げられない—。周到な計画、警察との攻防。強行突入か、説得か。タイムリミットが刻々と迫る。TV生中継のなか、ついに教師は用意された身代金で、前代未聞の「ゲーム」を宣言した…。第1回ホラーサスペンス大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

未成年犯罪の被害者の遺族による復讐の物語なのですが
その設定を高校の教室内でその学校の女教師によって
行われるというその設定からして
かなり「ぶっ飛んだ」作品。

文章的には些細な部分で難があるものの
それを十分に補えるスピード感とテンポのよさ
そして絵が浮かびやすいほどの描写力で
一気に読ませます。
エンターテイメントとしては映像化しても
いけるのでは?と思いますが結構、グロそうですね。

あれだけの大人数を相手に女教師が武器を手に
してるとはいえ、歯向かえないものかという疑問点に
関しては、あたしはありだと思いますね。
死体が教室内に転がっている、いつもは「弱いもの相手」にだけ
強者として立っている子たちが、いくら何人集まったって
その立場に立つ異常性、そして「集団で自分に
向かって来ても最初に来た一人は必ず殺す」と
宣言されたら、その子たちが、「その一人」になるわけがない(苦笑)
そう言った意味で、この展開は「あり得る」と思います。

また、この主人公である女教師の軸がぶれないのがいい。
最後まで貫き通して欲しいと思いながら読む自分がいました。
果たしてその復讐が正しいものかどうかは別として。
それにしても、よくこれだけ1クラスに「とんでもない生徒」を
集めたもんで(苦笑)そっちの方がよほど非現実的かな。
強いて言えば、女教師が復讐という立場に立つにあたっての
動機が弱いと言えば弱いかも。
そりゃ、大切な、他に血縁関係がまったくなくたった一人の
我が子を殺されたら、そこに弱いも何もないわけですが
小説としては、もっとその部分にページを割いてもよかったかも。
ただ、応募作品ということでページ制限もあったことだろうし
きっと作者自身も深く描きたかったのではないかと思います。
まぁそこまで深く描いても、だれないかどうかの問題がまた
別に出てきそうですが。

D組の生徒達が犯していた犯罪の一つ一つが
現在の日本の側面を象徴しているような事柄ばかりで
そちらの方も背筋がぞっとします。
超過激な問題作。
新年早々読むにはいかがかと(笑)
まぁラストまできちんと描ききれてる分、物語としては
すっきりはしましたが、どうしても少年犯罪がベースとなった作品は
考えれば考えるほどせつなくやるせない気持ちになりますね。
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2009年 01月 03日 |
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きんめ鯛を手土産に恋しいタマヨさんを訪ねる“あたし”の旅。終電の去った線路で、男を思いつつ口ずさむでたらめな歌。家庭をもつ身の二人が、鴨鍋をはさんでさしむかう冬の一日。ぽっかりあかるく深々せつない12の恋の物語。書下ろしをふくむ待望の最新短篇集
(「BOOK」データベースより)

忘れないでいよう。今のことを。今までのことを。これからのことを。
小田原の小さな飲み屋で、あいしてる、と言うあたしを尻目に生蛸をむつむつと噛むタマヨさん。「このたびは、あんまり愛してて、困っちゃったわよ」とこちらが困るような率直さで言うショウコさん。百五十年生きることにした、そのくらい生きてればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうし、と突然言うトキタさん……ぽっかり明るく深々しみる、よるべない恋の十二景。
出版社/著者からの内容紹介


なんていったらいいんだろう。
川上節全開、ということなのかな。

淡々としていて凛としてほんわかしてるけれどせつない。

一切において無駄がない短編ばかり。
時間の流れというのは本来こういう流れ方で
自然の一部で、川のように風のように
流れて行くもので
その中に身を任せることへの安心感と
茫洋とした不安感が混ざったような世界。

その中で唯一の芯となるのが彼女の
言葉のうまさ。日本語の美しさ。

これはもぅ好きな人にはたまらない世界でしょう。

はっきりとした起承転結、盛り上がりやどろどろとした
恋愛などを求める人には決して向かない一冊。

大人のための童話のような。
枕元において一遍一遍読んでいきたい本。
あ、表紙に騙されちゃいけません(笑)
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2008年 12月 09日 |
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医者の診断ミスで妻を傷つけられた元新聞記者の松野は“医療過誤”をテーマにしたノンフィクション執筆を思いつく。大学病院の医局に勤務する若き麻酔科医・江崎の協力を得て医師たちの過去の失敗“痛恨の症例”や被害患者の取材を開始した。その過程で、「父は手術の失敗で死んだのではないか」と疑念を抱く美貌の人妻・枝利子が、医学部のエリート助教授・香村を相手に裁判を起こす。が、病院内外の圧力により裁判は難航。その裏で医療を国で統制しようと目論む“厚生労働省のマキャベリ”佐久間が香村に接触を始める…。
枝利子の裁判の行方は?権力に翻弄される江崎と松野の運命は?
そして佐久間の企図する「プロジェクト天寿」とは?
大学病院の実態を克明に描き、来る日本老人社会の究極の解決法まで提示する、医療ミステリーの傑作。
(「BOOK」データベースより)

「廃用身」を読んでこの作家さんに興味をもったので
次も読んでみました。
ハードカバーで2段組、450ページ(苦笑)
でも帯の「医者は三人殺して初めて一人前になる」に
やられました。インパクト強い。
内容はそれ以上。
ぴんぴん生きてぽっくり逝く、誰もが理想とする死が
実は医療によって作られたものであったら。
そして医療現場の裏に隠された色々な事故。
医者にかかることがちょっと恐くなってしまうような
話とけれどそれを仕方ないとする現実。
そんな面も含めて、増え続ける人口、老人医療の問題
すべていまそこにある問題ばかりなのに
目をそむけている部分にまさしくメスをいれた作品。
ただたくさんの問題がありすぎて
的が絞りきれずぼやけた印象もありますが
それ以上にぐいぐいとひっぱる力もある内容。

「廃用身」もそうでしたが、当事者にしてみれば
「人に迷惑をかけたくない」という思いが
自分の半身を切り取らせ、またこの本では
ぽっくりと死にたがる、そこは十分理解はできること。
けれど本来、医療とは人を「生かし」「治す」べき立場。
その立場である医療が、治さず切り捨て
また、老人の命を奪う、決して
相容れない二つの要素が重なることこそ
この2冊の不気味さ、グロテスクさがあるのでは。

決して、答えのでないことにもっと光を当て
もっと考えなければいけないのだろうけれど。。。
なんとも読後、深く考えてしまってざらりとした印象が残る本。
ショッキングですが読んで損はなかったと思う一冊。
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2008年 10月 03日 |
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事故で妻を失ってから、私には他人の背後霊が見えるようになった。霊の示唆で相談事を解決するうち、それが評判となり、人捜しの依頼が舞い込んだ。どこかで背後霊になった妻に会えるかもしれない。依頼を受けて捜査を始めた矢先、奇妙な出来事が身の回りに頻発する――。
じんわり泣けるサプライズまで一直線。名手の神髄ここにあり。

梶尾真治といえば「黄泉がえり」みたいなところがあるので
この始まりではまたあのパターン?と思っちゃいますよね。
事故で亡くした妻、呆然としたまま抜け殻のようにただ生きている夫。
ところがさらに。
事故以降、「背後霊」が見えてしまう。
自分の世話を焼いてくれている大家でありマンションの一階で
喫茶店を営むオーナー夫婦には自分の両親が憑いていた。
(この喫茶店のなまえ「そめちめ」って変わった名前で、あぁ
sometimeなのかーとはわかったものの何かの伏線?と深読みしすぎ)

霊が教えてくれるので常連さんに無くした物の在処などを
教えているうち、マスター夫婦から「不思議な力があるから」と
人探しまで頼まれてしまう。

そんな霊の力を借りた軽い探偵もの?と思いきや
話はどんどん予想外の方向へ。

失踪した女性の後をたどり勤務先のスーパーで
知り合った浮浪者の「悪い霊」を追い払うことであれよあれよと
言う間に有名人になっていったり
同じマンションに住む母子家庭の幼児虐待を取り憑いている猫の
霊を手名付けることでおさめ、さらに「探偵助手」として
一緒に動き始める小学生の女の子。
さまざまなエピソードを絡めながらそのすべてが
最後に向かってうまく活かされて行く過程も読みやすく違和感がない。

謎のカードを追っていくうちに出くわすものに関しては
すでにこれはミステリではなくオカルトだよな、で
多少、え?とも思いましたが、スピード感があるので
楽しんで読めました。

さらにラストには思いも寄らない大どんでん返し。

帯にあるような「これほど幸福などんでん返しをあなたはまだ
知らない」
はい、知りませんでした。
ほえ〜って感じでしたよ。びっくり。


ところでびっくりしたのが作者。カジシンこと梶尾真治。
若い人かと思ったらなんと1947年生まれですって?
61歳?!まじすか。石油会社社長を引退して今は執筆活動のみと。
。。。すごいなぁ。。。この発想力。
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2008年 08月 29日 |
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駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは
以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき
酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。
歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく
センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。
(「BOOK」データベースより)

いやぁ〜〜〜なんていい話なんだろう。
まさしく現代のお伽噺かも。
これねぇ〜読んでいて色んな人の顔が浮かびましたよ(笑)
酒飲みの独身女、年配の人とも普通に
酒のつまみを間に、無言でも、自分の時間を
自分と相手の空間を楽しめる、そんな友人が多いもんで。
ただ恋愛までいくかというとそれはどうかな、と。
センセイはセンセイで、むしろ年配の酒飲み友達がいるという
レベルで終わるのではないかな、と。

それを違和感なく恋愛にもっていく。
とても自然に。
そして、年齢を考え、周囲を考え、相手を考え
傷つくことを恐れて距離を置いてしまう 。
自分は今までだって一人で楽しくやってじゃないの、と
少し離れてみたりする、けれどやっぱり好きだ、なのに
この感情をうまく伝えられない。。。
そんな主人公の心の動きがとっても丁寧に描かれて
すっと読める。違和感なく。

美しい言葉、静かにたゆたう空間に流れる空気
すべてが大人のための一冊。
いつのまにかほろり。
センセイの鞄を手に一人思うツキコさんの姿を描いた
ラストがとてもいい。
読んでる間の時間、とてもいい時間を過ごせたなぁと思える一冊。

小泉今日子と柄本明で映像化もされているそうで
そちらも気になるところ。

あちこちに描かれた酒のさかなの描写もこれまたいいんだぁ〜。
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2008年 07月 15日 |
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もしも過去に跳べることができたら、今は亡き、
愛する人を救いにいける。
すでに滅びた物を目の当たりにできる。
それだけでなく、過去の世界で、新たな恋に落ちるかもしれない。
ついに「クロノス・ジョウンター」という機械が開発され、
誰もが夢見るそれが現実となったとき、そこにさまざまな物語が生まれた。
さあ、「時」と「おもいで」の一流シェフの腕前をじっくりとご堪能を。
小社既刊文庫に1話を加えた増補版。
(「BOOK」データベースより)

クロノスとは時を司る神の名前、ジョウントとは空間から空間へ
飛んでしまう状態であり、その名前をつけられた「物質過去噴出機」を
巡る短編集。
ただし過去にいられる時間は非常に短く、そのままそこに留まるよう
時間の流れを逆らう「装置」をつけても最長3日間
その装置を付けなければ瞬間だけでも何度でも戻れるけれど
装置をつけて戻ったものは二度と過去には飛べない。
そして遡った時間から現在に戻ることはできず
時間の流れに逆らった分、未来へと飛ばされてしまうのです。
これらの「短所」があるからこそ、成り立った「恋愛」小説。
恋愛小説とは言っても、男性の書く恋愛小説だからでしょうか
それはどこか、夢物語的なご都合主義ではあるけれど
爽やかで心暖まる話ばかりで
読後感がめちゃくちゃよいのです。

タイムトラベルものが好きで何冊も読んでますが
今まで読んだものはまず「飛んでしまって」さてどうしよう的な
話だったのですが、今回はまず先に機械がある。
それぞれ、飛ぶ人たちには「目的」があるのです。
果たしてその目的は達成されるのか、
愛する人を救えるのか、一目でいいからと思った建築を
目にすることができるのか、
また、飛んでしまったからこそ、の展開もあり
それはそれはさくさく読めます。

とにかくどの話もラストがいい。
こういった陳腐さすれすれなシンプルな話も大好きです。
後で知ったのですが「黄泉がえり」を書いた人なんですね。
そりゃ盛り上げる設定うまいわけだと妙な納得をしてしまったり。

ハードカバー、文庫本(ソノラマNEXT)
その後また文庫で新しくでるごとに
1作づつ新作が追加されてるようで。。。
あたしが買ったのはソノラマNEXTの文庫で3作でした。
くぅよく調べてから買えばよかった。
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2008年 04月 27日 |
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C63—それは戦時に設計されるも、幻に終わった蒸気機関車。
玩具メーカーの創業者、小羽田伝介は会社の宣伝のために
C63を完全再現させた。しかも本物の中央本線で
東京まで走らせる計画を発表する。
その記念すべきお披露目の日出発駅で変死体が発見される。
不穏な空気の中走り出したC63だが、間もなく
虎の覆面を被った二人組によって乗っ取られ
そしてC63は忽然と消失してしまった!!
「このミステリーがすごい!二〇〇二年版」第4位!
怒涛の展開と驚愕のラストが度肝を抜く、ノンストップ本格推理。
(「BOOK」データベースより)

んーっと。
まずこのテのミステリに対して「バカミス」と称するとか。
もちろんこのバカは下に見たバカではなく
愛情こめて、敬愛してこそのバカ(はぁと)くらいの勢いで(笑)
んも、ばっかだな〜(笑)と。

で、そうしてみるとあたしはバカミスは好きではないなー。
ギャグがあちこちに散りばめられているのだけれど
あたしには笑えないな〜。

あ、ちなみにこの本を知ったのは某SNS内のカキコミで
ラストびっくりする本で勧められてたからなのですが
まぁびっくりするっていやぁびっくりするけれど
本当に読書量の足りないあたしには
まるで笑いのわからない人間がお笑いを見て
「えっとここ笑うとこ?笑うとこ?これ、オチ?」と
醜態を晒してしまうような、そんな読後感。
自分の読書量の足りなさがこの本を十分に
おもしろさを味わえない一番の原因かも。

だいたい、この大掛かりな仕掛けと思いたい「終章」と
「最終章」がまったくわかりませんもの。
は?って感じで。きっとわかる人にはわかる、にやっと
してしまう仕掛けなんでしょうね〜。
電気グルーヴの「N.O」というタイトルを見ただけで
にやっとしてしまうような感じで。

それにあとがきを読んでわかった仕掛けも
あたしには無意味でした。
こまぎれの時間でちまちまと1日で読了しましたが
それゆえにその仕掛けは堪能できず。
読書スピードは速いんだけどねぇ。

トリックについては、消えた機関車については
まぁありふれたモノではあっても「アカムケ様」には
びっくり(苦笑)(ってその呼び方。。。)
ギミックについては、思わず前に戻って
読み返して「んー、でもそりゃ騙されて当然だよなぁ
なーんにも伏線はってないじゃん」とちょっとがっかりしたり
いきなりそこに恨みつらみを持ってこられても
そーいうにおいもさせてなかっただけに動機の弱さを
感じてしまったり。。。
んー。。。ドタバタなスラップスティックな話は
嫌いではないけれど、どっか下品つーかなぁ。
嫌悪するような文体ではなだけに
ただ単に合わないということかなぁ、残念。
登場人物の誰一人、「生きてない」というか
上っ面だけの動きにも見えてそれまた残念。

虎か女か、うーん(苦笑)
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2008年 03月 18日 |
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現代語訳「老子」がベストセラーになっている
詩人・アメリカ文学者の加島祥造氏が
長野県伊那谷の自然に住むなかで
次から次へと湧き出てきた、すべてが
「求めない」で始まる詩約100篇を収録した珠玉の詩集
(内容紹介より)

友達から借りた本ですがこれは自分で買って
手元に置き、ふとしたおりおりに手に取りたいと
思ったなぁ。

ただ、求めることの楽しさ、は、ね。
いやいや、著者の言わんとしてることは
伝わってます、でも、ちょっとそぅ言いたくもなるの。

とね、人に対して、求めることをしないのは
過度は確かに辛いことだけれど
人として最低限のことはやはり求めてしまうね〜。
そのラインが低くなったらそれはもしかして
優しさなのかなぁとか或いはただの諦めなのかなぁと
思ったり。。。

いやわかるのですがちょっと言ってみたくなるのです。
あまりにもすっと心に入って来るので
ちょっと自分で恐くなるんでしょうね。
今の自分がすごく感化されそうで。

「暗いと不平を言うよりも進んで灯りをつけましょう」
って感じね、なんて思いながら読みました。
人に求めるよりは自分で、の方が確実に心は軽くなりますからね。

この本を読んでいてとても気持ちよく読めたのは
すべてを求めるな、と言ってるわけではないこと。
心の、身体の必要なものに耳を傾けようね、という
そういうこと。
求めることをやめるとそういう色々なことがみえてくるよ、と。

それってある意味ダイエットの極意でもあるよね(笑)
身体が欲している量、味、栄養素をちゃんと
与えてあげればメタボにもならない。

心のメタボに効く本。

そして、今、自分のてのひらにあるものの大事さ、大切さ
これはとても忘れやすいものだから。
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2007年 06月 06日 |
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北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。
恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症(タナトフォビア)だったが
新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは
人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた
『死』に魅せられたように、自殺してしまう。
さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で
自殺を遂げていることがわかる。
アマゾンで、いったい何が起きたのか?
高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は
何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。
(「BOOK」データベースより)

強いて言うのなら「バイオホラー」です。
貴志祐介は「黒い家」「青の炎」に続き3冊目。
(まだブックレビューを始める前に読んだので書いてませんが)
前2冊を読んだ時の読後感も同じような感じで
こぅ。。。。なんて言うのかな、重い、気持ち悪い、怖い。
グロテスク。
そうまさにグロテスクという言葉がぴったり。
前読んだ本では恐いのは幽霊でもなんでもなく
生きてる人間だ、と思わせる本でしたが
その人間が無意識下で、自分の意思で
動いていると思わせつつ。。。

初めは至って冷静に追って読んでいけたのです。
なんたって場所がまずアマゾンだし。
ストーリーは唐突に、アマゾンの未開の地にいる作家が
恋人に送るメールから始まります。
そしてその恋人が、エイズの末期患者専用のホスピスで
働く精神科医。もぅどこにも接点なさすぎだったので。
それがなぜ、読み終わる頃にはこんなにも
身近な恐怖として自分の中に巣食っているのか。

すごいのは、はっきり言ってこの本には
「わからなかった」「知らなかった」ことがいっぱい。
ゆえに、説明的な文がとても多いのにそれすら
すっと入ってくる。自分がこの本の中の登場人物の
一人であるかのように、その謎を解きたくて、知りたくて
知らない分には恐すぎて、そして熱心に抗議を受ける
生徒よろしく、小難しい説明も「聞き入って」しまうのです。

バイオホラーならば、そこにある恐怖感は自分も
感染してしまうのではないか?という部分なのですが
この本の恐さは、果たしていま、あたしが口にしていること
起こしている行動は、果たして本当に「自分自身の意思」
なのか?という不安感。
本当に自分で動いているのか?
これは怖いねぇ。。。(苦笑)

色々なものに病的に感じる不安。それを克服することは
そんな結果をもたらすのか、とそこにも恐怖。
ミステリとホラーの融合。
次々とこれでもかと出てくる不審な自殺の描写と
人が壊れて行く過程。
お腹いっぱい、つか、食欲不信に陥りそうです(苦笑)
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2006年 03月 16日 |
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 うーん。。。。オススメはできないけれど
興味深い本でした。
「廃用身」とは脳梗塞などで完全に麻痺して回復の
見込みのない四肢のこと。
高齢者の為のデイケア医療「異人坂クリニック」
院長、漆原はこの廃用身を切断する「Aケア」という
画期的な療法を思いつき、実践。
Aケアによって、それまで動かない四肢に対して
感じていた老人の様々な悩みを取りのぞき、前向きに
生きることによってQOL(生活の質)が向上し
介護も軽減されるという効果が現れた。
その手記をまとめ発表する前に、マスコミにリークされる。
前半を漆原医師の手記、後半は出版元の編集部註として
「事件」の流れを新聞や雑誌からの記事を
紹介しつつ話は進んでいきます。

使えなくなった手や足がなければ
体重も軽減し、介護もラクになる、と言われたところで
え?という感じなのですが
この小説の巧いところは、そこに至るまでの経緯。
榊原医師の手記の中で書かれる老人達の悲惨な状況。
介護者による老人への虐待の数々。
それを読んでいると、Aケアが選択肢の一つとして
存在してもいいような気になってしまうところ。。。
こわすぎです。

果たしてその行為は、神の行為なのか悪魔の仕業か
人間としてそれは許されることなのか

確実に、老人医療、介護問題はこの先、さらに
大きな問題となり「介護不足」という危機を
迎えるにあたって問題提起として存在する強烈な1冊。
いつかは介護する側、される側となりえるからこそ
フィクションでありながらノンフィクション的な恐さも感じ
読んでいて時々、これが小説だということを
忘れてしまうほどリアリティをもって迫ってきます。

はっきり言ってグロテスクで読んでいて気持ちのいいものでは
ないのでオススメはできませんがぜひ読んだ人の感想を
知りたいところ。
もしあたしが将来、廃用身を持つ身体となったら
介護する人に苦痛を与えるくらいならばAケアやSケアを
受けてもいいなぁ。。。
やばいやばい、感化されてる!(笑)
考えさせる「猟奇小説」(苦笑)
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