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カテゴリ: :重松清 ( 19 )
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2009年 09月 10日 |

意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家でしたときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。
サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン・・・・・・
色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。
(背表紙より)

もっと曲ごと、そのテーマがメインとなった短編集かと思ったのですが
曲はほんと添え物程度なのでその時代ジャストな年代の人でなくても
さほど抵抗なくその部分はスルーできると思います。

ま、ジャストならなおって感じで。

この本の前に読んだ「青春夜明け前」が当時の男子の性を中心に書いたものなら
こちらは友情や自分の進路、恋愛を中心に書いたもので
ただ設定が自伝的小説ということで、住んでいる地域や年代が同じため
多少混乱。続けて読むにはちょっと不向きだったかも。。。

主人公が中学校1年から高校3年の卒業式までの成長をおった
連続短編集。主人公も脇役たちもストーリー展開もそこはもぅ
重松なんで十分安心して読めます。
45歳前後、地方出身、大学から上京、そんな人にはまさに
ビンゴかも。
あたしも出て来る曲は全部わかるので十分その感じは堪能。

当時女子だったあたしに言わせるとユーミンの
「古いサンダルを履いてた」というフレーズが理解できないのが
理解できなかった(笑)あれは女子には共感するよねぇ〜。
なんて自分の頃と照らし合わせて読むとまた一興。

「案山子」は泣かせるなぁ。やっぱ重松。
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2009年 09月 08日 |

10代、男子。愛おしくおバカな季節。何かというとボッキしてばかりいたあの頃の僕たちは、勘違い全開のエロ話と「同盟」「条約」「宣戦布告」という言葉が好きだった。そして何より「親友」という言葉が大好きだった。
男子の、男子による、男子のための(女子も歓迎!)、きらめく7編の物語。
(「BOOK」データベースより)

ぷぷぷ。
っとにもぅどーしようもないなぁ〜(苦笑)と笑っちゃいながらも
時々、油断してると、ほろっとさせられちゃう危険な一冊(笑)

確かに現在45歳くらいの男性が中学生、高校生だった当時というのは
こーいうもんだったかもしれない。
情報だって今のように溢れているわけではなく
女性への身体への興味と公開されていない情報に悶々と想像だけを
たくましく膨らませていたのがよーく伝わりますが。。

いやぁ女の目から見るとちょっと鬼気迫るものすら(笑)
はっきり言って女子から言わせれば、男子、それは大きな勘違い!と
そんなこともたーくさんあって
その妄想のまま進んだら犯罪者だってば!(苦笑)ってことも
多々あるけれど、そこはやっぱり人と人。
コミュニケーションをとって、相手のことを思いやって
そうして大人になっていくわけですがこの本はその手前まで
書いておきながら時々ふっと現在を持ち出す。
あぁ、重松、なんて卑怯(涙)

あとちょっとびっくりさせられたのは、今は違うとは思うけれど
東京通勤圏内で育ったあたしには考えられないような田舎の事情。
小説内の話とはいえきっと似たり寄ったりだったんでしょうね。

んー。我が家の中学生男子、どこまで知識があるのやら?(笑)
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2009年 07月 31日 |

「お母ちゃんな…笑い方、忘れてしもうた」
親友をいじめた。誰からも助けてもらえなかったあいつは、自殺を図り、学校を去った。残された僕たちは、それぞれの罪を背負い、罰を受けて、一人の年老いた「かあちゃん」に出会った—。
母が子どもに教えてくれたこと、子どもが母に伝えたかったことを描く、感動の最新長編。
(「BOOK」データベースより)

今まで何度も何度も「重松、それは反則!!!(号泣)」を繰り返してきましたが
これはもぅやばすぎです。
だってあたし、この帯の最初の一行「忘れてしもうた」だけで
泣けますもん!!!!!

泣かせるのうますぎです。

交通事故で運転していた夫を亡くしただけではなく
同乗していた同僚の家族の償いに
その家族の事を思うと、のうのうと笑って生きて行けない
自分が笑っていたらその残された家族はどう思うだろう、と
笑うことを自分に禁じた母。
幸せだと思うことを禁じた母。
そして26年
忘れないことが償いであるということを
友達を「いじめてしまった」子供達の心の中に投げかける。

連作短編集のように語り手が一人ずつ移ることで
いじめという形を様々な方向から照らし
様々なかたちの「かあちゃん」を描くことで作品の
奥行きを作っています。

どんな世代にもおすすめな一冊。
必読。
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2009年 03月 19日 |
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つらいときは、ここに帰ってくればいい。
昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は、幼い頃に親と離別したヤスさんにとって、ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう—。
我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に描き上げた、重松清渾身の長編小説。
(「BOOK」データベースより)

いやぁ。久々重松節。
産まれてすぐに母を亡くし、父は親戚に自分を預けたまま失踪。
親を知らないまま育ったヤスさんは、幼い頃原爆で家族をいっぺんに
失った美佐子さんと結婚し長男、アキラが産まれる。
幸せな日。家族でバスに乗って借りたカメラを持って海に行く。
それだけで幸せで泣きそうになる。
ようやく手に入れたもの。
もちろんこの時点で、先は想像できる。
突然襲う不幸。
でもそれを一切アタマから排除しても
すでに、その幸せの描写だけで泣ける。
これはすごい。
不器用なヤスさんの愛情とそれを優しく受け入れる美佐子さん。

その後はもぅ浪花節かってほど何度も何度も
泣かせる場面いっぱいです。
泣いてない箇所がないくらい。それもやるせないとか
悔しいとかではなく、感動して涙が出る。

親としてはもぅまさに、とんびなヤスさんと
鷹なアキラの組み合わせ。
時には暴走しちゃうヤスさん。
照れ屋でこっぱずかしい気の利いた台詞なんて
絶対に言えないどころか、わかっていても
むちゃくちゃなことをお酒の勢いでまくしたてちゃうこともあるヤスさん。
それでも、ヤスさんの周りの人たちも
息子のアキラもちゃんとわかっている。
ヤスさんがどれだけまっすぐか。
理ではない情の部分の筋を通すことにどれだけ重きを置いてるか。

どのシーンがよかったか、なんて書き出したらもぅ大変。
全部のエピソードをあげることになっちゃう。

親はとんびでいい。十分に我が子を愛していれば。

脇役といえないくらい大きな存在のヤスさんの周りの人たちもいい。

子の立場ではなく親の立場で読むともぅたまらない作品。
これから親になる人、すでに親な人、すべてに。
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2008年 04月 07日 |
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ぼくの名はエイジ。
東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。
その夏、町には連続通り魔事件が発生して、
犯行は次第にエスカレートし、ついに捕まった犯人は
同級生だった—。その日から、何かがわからなくなった。
ぼくもいつか「キレて」しまうんだろうか?
…家族や友だち、好きになった女子への思いに揺られながら
成長する少年のリアルな日常。山本周五郎賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

あーやっぱり重松はいいっ!
もぅなんなんだろう、この巧さは。

別に。さあ。特になにも。
そんな言葉を大人の前で繰り返す中学生が
こんなにも考えていること。
自分自身が中学生の頃、もぅ考えることが
自分自身の今までの何かと変わってしまっておいつかずに
ぐるぐるしてしまうことを思い出させる。
あぁ、そうなんだ、中学生ってそーいう年齢だった。
身体はどんどん大人になって行く。背も伸びて行く。
けれど心はまだその成長に追いつかない。
いや、成長していくのに自分自身が追いつけない。
ざわざわした心を抱えて
友達や先生やそして親、家族との付き合い方とか
どんどんどんどん。。。
そして
一回り、大きくなって行く、その変化。

そう、ここなんです。
この主人公、エイジが一回り大きくなっていくその過程
その変化の具合が
もぅ実にうまい。

学校という、家族という、友達とかもぅ色んな鎖に繋がれて
キレてしまいたいけれどキレられない、その窮屈さ
そして心にもつ見えないナイフを様々な人に向けていく鬱屈感
当然、暗くて重いそんなテーマを扱っているのに
こんなにも必死なエイジの姿に引込まれ
読後感はとても気持ちいい。
エイジ、ツカちゃん、タモツ等々
キャラ立てもしっかりしていてその点でも読みやすい。

おすすめの一冊。
あー、いい本読んだ、と本当に思えるはず。
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2008年 01月 29日 |
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ぼくたち夫婦は引っ越し運が悪い。
今回の新居は完璧、だったはずなのに…
ディンクスの夫婦は互いにぶつかりながら
隣家とまじわりながら、共に生きることを確かめあっていく。
四季折々に紡がれた連作短篇『となりの花園』を縦糸に
いとおしい毎日のくらしを横糸に
カラフルに織りあげた12の物語集。
(「BOOK」データベースより)

短編集?あれ?連作短編集?でもまた違う短編が。。。と
読み進めるうち、すっかり読者はこの「リビング」という四季を
巡る様々な生き様、生き方にはまっていきます。

「婦人公論」に1年間連載されたもので作者自身で決めたルールが
特集と連動した短編小説、というものらしいのですが
それをリアルタイムで読めたらもっと面白かったかもしれない。
まぁ十分この一冊でも重松節楽しめますけどね。
。。。重松節というにはちょっとヨワイかな?

それでも十分、家族、夫婦をテーマに日常を書かせるとやっぱり巧い。
些細な不安、心の揺れ、そして思いやる気持ちとすれ違う思い。
泣ける重松というより、まったりできる重松作品。
そろそろ重いのも読みたい気分ですがこんな作風もやっぱり好きです。
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2007年 07月 31日 |
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週刊誌のライターで生計を立てている絵本作家が主人公。
作者自身を重ね合わせたかのような
ライターとしての多忙な日々と、絵本作家としての
作品が書けない日々。元ITビジネスの旗手
落ちぶれたアイドル歌手、年老いたSM嬢、ホームレスの夫婦…
彼が出会い、見送ってきた「東京」が描かれる。
直木賞作家が『ビタミンF』でもなく『エイジ』でもない
新しい世界を描いた、連作短編集。
(出版社/著者からの内容紹介)

哀しいけれどとても読後感のいい作品。
一度は掴んだ成功をいろいろな形で
失っていった人たち、ゆっくりと坂道を下っていく
そんな人たちとやはり同じように坂道を下り
ただ惰性だけで日々を過ごしている主人公。

主人公の進藤宏かつては新進の絵本作家として期待されたが
その注目を浴びた作品がきっかけでその後まったく描けなくなっていた。
娘と同じ名前の主人公。けれどモデルは娘ではない絵本。
そんな昔出した絵本を偶然知っていた人たち
取材をきっかけに偶然出会った彼ら。
進藤は彼らの過去と今を見つめデッサンを続ける。
新しい次の作品が描けるかもしれない思いを抱きながら。
最終章が本当にいいです。
ほろり。

「泣けるうちは、あんたはまだやっていける、俺はそう思うよ、ほんとに。」

ところで「ボウ」と言う字を漢字で書けと言われたら
どんな漢字を想像しますか?
詳しくは進藤の担当編集者のシマちゃんが教えてくれます。
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2007年 05月 17日 |
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 発展の望みを絶たれ、憂鬱なムードの漂うニュータウンに
暮らす一家がいる。1歳の息子を突然失い
空虚を抱える夫婦がいる。18歳で結婚したが
夫にも義母にもまともに扱ってもらえない若妻がいる…
3組の家族、ひとりひとりの理想が、現実に浸食される。
だが、どんなにそれが重くとも、目をそらさずに生きる、
僕たちの物語—。「カラス」「扉を開けて」「陽だまりの猫」。
(「BOOK」データベースより)

ちょっと読み進みのペースが落ちていて
なんかさらっとでも心にほわんと来る本が読みたいな、と
積ん読してあった重松をチョイス。

。。。。失敗。沈没(苦笑)予備知識ナシで読んだため
そっちかーーーーい!とつっこむこと多々。
重いですよ。

もぅなんて言うんでしょ。人の心のダークサイドを
情け容赦なく曝け出し、陰鬱で生活感にあふれ
それはとてもとても哀しく哀れな日常。
心が弱ってるときには決して読んではいけないです。
やられちゃいますよ。
短編なのにそれってやっぱり重松の巧さ、すごいです。

「カラス」
バブル期にマンションを購入し、後から1千万も安く
購入して来た新参者への陰湿ないじめ。それによって
ストレスを発散し活き活きとしていく妻達。
そしてそんな妻に欲情する夫。
「扉を開けて」
1歳の我が子を亡くした夫婦。心の傷は癒えない。
そのマンションに越して来たおなじ名前の
生きていれば同じ年齢の男の子。
自殺者の多いマンションの中で
夫婦は息子の死をいつまでも受け入れられない故に
いつしかぎくしゃくとしていく。
「陽だまりの猫」
18歳で年上の男性と結婚した若妻。姑にも
夫にも認められず虐げられて来た。
夫はふたこと目には「お前にはわからない」
自分を出せない<あたし>は
<みどりさん>をずっと見守って来たけれどついに
あたしとみどりさんは入れ替わった。

ふぅ。やっぱりどれも重いです。ちょっとした心理サスペンス。
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2006年 09月 15日 |
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 重松の初期作品ということで作風が
ちょっと違うと思ったら初期においても
異色作品として見られていたものラシイ。

主人公圭司は感情の表現が上手にできない男
妻の葬式にも涙がでなかった。
生きていた頃の妻には、安定した人
冷静で「一緒にいる人の心のバランスを
取らせる、崩れない人」と言われた。
でもそれは一種の欠陥でもあった。
妻の死に隠された事実が浮き彫りとなり
心に常にひっかかる。そんな状態が続く頃
義妹がまた毎年のように「冬眠」するために
我が家を訪れる。
季節性鬱病の義妹、耀子は妊娠してやってきた。
手当たり次第に誰とでも寝る耀子。
もちろん父親はわからない。
耀子は言う。「家族になって」

冬眠してしまう耀子、日本だけで発売し
文章が上手くない翻訳家を使うよう条件を出した
粗野なアメリカ人作家。
そしてその白羽の矢が当たった圭司
この三人が語り合うシーンがとてもいい。

どこか何か、欠落感を抱えた人たち。

最近の重松に比べて性的な描写も多く
文体も、主人公を意識してか、淡々としていて
まるでつるんとしたプラスティックのよう。
フラットで温度がないような。
だからこそ、感情を爆発させるシーンは
ずんっと響く。

重松独特のこちらに投げかけてくるリアリティを
持った重さ、鋭さは奇病と翻訳家という限られた職業
不思議な魅力を持ち合わせた乱暴な作家という
特異性ゆえに設定的な感情移入はまずないはずなのに
彼らが問いかけている問題はちゃんとこちらに
届き、こちらの感情を揺らす。
まだ包み込むような優しさは完成されていないものの
彼らの中に救いは見いだせることで
読者も救われる、そんな本。

「本質的には、世の中に嫌な奴なんて誰もいない。
自分と異なる価値観や行動パターンや見解を
持っている奴がいるだけだ。あなたは、便宜上、
嫌な奴だと呼んでいるだけなのである。」
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2006年 09月 13日 |
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 なんとも言えず苦いお話。
70年代、万博の頃、小学生だった人には
直球で来るのではないのでしょうか。
作者自身の年代ということもあり
時代考証はぴったりと思いますが
そこへさらに「陸の孤島」と称された
「たまがわ」の団地などの使い方など
本当にうますぎる!電車の中では読まないほうがいい(笑)

26年ぶりに廃校が決まった母校で再会した
同級生達。当時6年生の担任だった先生が
提案したタイムカプセル。40歳になったら
集まってみんなで開く予定だった。
ところが、優しくてみんな大好きだった
その先生は、翌年、不倫相手に惨殺され
勉強のできる「のび太」と言われた秀才君は
リストラ寸前、中学受験の為勉強に励む
家族に相談もできない状態
「ジャイアン」と呼ばれた少年はいつの間にか
仕事を転々とし、クラスの人気者で中心人物だった
「静香」ちゃん的なマドンナと結婚したものの
家庭内暴力で崩壊寸前、娘にも嫌われている。
「古文のプリンセス」として一時は世間でも
騒がれた塾講師になっていたクラスの
出世頭の女子はすでに人気を落として
やっかいモノ的な扱いを受けている。
39歳の今、学校そのものが取り壊される前に
集まった夏の日。
彼らは過去の自分からのメッセージに
苦い思いを噛みしめる。

未来があったあの頃、子供の頃思い描いていた
様々な夢、そしてそれは簡単に実現するものでは
ないと知っている今の自分。
そしてその当時とかけ離れた相手の姿や生き様。
「人生の黄昏」に先生はメッセージを
投げかける。

「あなたたちは今、幸せですか?」

とてもリアリティがありそれだけにほろ苦い。
20代で読んでいたら感じなかっただろうことも
ほぼ同年代だからこそ簡単に想像がつく状態。
読んでいていったいこの袋小路のような状態から
何をどう導いていくのかと興味津々で読み進めました。
確かにここには何も答えは書かれていないけれど
一筋の光がさすように
読後感はとても優しく救われた気分。

リストラにドメスティックバイオレンス、不治の病、
不倫、親を見捨てた達観した中学生の娘。。。
オトナになった今だからこそ「ドラえもん」が
必要。。。。ってやっぱ哀しいね。
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