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カテゴリ:や:山本文緒( 11 )
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2008年 07月 14日 |
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短時間、正座しただけで骨折する「骨粗鬆症」。
美人と言われてトイレにも立てなくなる「便秘」。
恋人からの電話を待って夜も眠れない「睡眠障害」。
月に一度、些細なことで苛々する女の「生理痛」。
フードコーディネーターを突然、襲う「味覚異常」…。
恋が、仕事が、家庭が、女たちの心と体を蝕んでゆく。
現代女性をとりまくストレス・シンドロームと、それに立ち向かい、再生する姿を描く10話。
(「BOOK」データベースより)

まったく予備知識なく山本文緒だからいいだろうと
手に取った一冊。
読み始めてその短編集にタイトルをみて、おや?と
「彼女の冷蔵庫ー骨粗鬆症」
「ご清潔な不倫ーアトピー性皮膚炎」
「観賞用美人ー便秘」
「いるか療法ー突発性難聴」
「ねむらぬテレフォンー睡眠障害」
「月も見ていないー生理痛」
「夏の空色ーアルコール依存症」
「秤の上の小さな子供ー肥満」
「過剰愛情失調症ー自立神経失調症」
「シュガーレス・ラヴー味覚異常」

ほぅ。
おもしろい切り口。
現代病とでも言えそうな様々なストレスから誘発される病気。
その病気を抱えた女性たち。
みんなこんなにも必死。痛いくらい頑張ってしまっている。
それゆえの病気たち。
不倫の果て手に入れた結婚した相手の娘も
自分と同じように必死で愛を手に入れるために自分の
表面だけを磨き上げているその姿。
大好きなどうしていいかわからないほど大切な
友達と一緒にいたいからと無理して入った高校で
ドロップアウトしていく自分。
仕事に忙しい彼と親元に住む自分、いつ彼から
会えるよと言われるかわからない、一度帰った家から
夜また出かけるのは親の目が。。。と仕事後
ひたすら携帯を気にしながら夜の町をふらふら彷徨う。
みんなみんな必死で
それは時々滑稽ですらあり、いじらしくもある。

妙にリアルで生々しく実際にいそうな人たちばかりどころか
もしかしたら自分の内側にも、と思えるほど
すっと入れる短編集。
読後感はちょっとアタマをかきながら、はっと鼻で笑い
ゆっくりいこか、と自分に言ってあげたくなる
けれど、結局は
「女性とは血まめがつぶれてもハイヒールを履いてしまう」生き物なんだよね。
頑張っちゃう。
頑張る方向は人それぞれだけれど、自分自身の美意識のためなら、ね。
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2008年 07月 03日 |
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胸に手をあててみれば思い当たる軽犯罪、約束woやぶったり、
借りたものを返し忘れたり。。。
そんなちょっとした罪にかきたてられる自分の中の不安、
他人への不信感。
誰だって純真でもなく、賢くもなく、善良でもないが
ただ懸命に生きるだけ。
ひとのいじらしさ、可愛らしさをあざやかに浮き彫りにし、
心洗われる物語の贈り物。
(裏表紙より)

「私たちは純真でもなく、賢くもなく、善良でもないけれど
できることを精一杯するだけ。ただ精一杯するだけ。」
これは「100年の恋」の中の一節。
これがほこの本のすべてを表しているような。

この短編集はすべて「軽犯罪」(中にはそうとは言えないものも)が
テーマ。
おもしろいもんテーマに持ってくるなぁと読み始めたのですが
いやぁ。。。。この人のかく人物は相変らず生々しい。
みんなどこかにいそう。
ゆえにちょっとコワイ。
他人が自分が。

結婚式にあらわれた元彼。それを仕組んだ友達と思っていた女の
本当の心の裏側。
「幸せになる人間は、思い切り傲慢に幸せそうな顔をするもんだ。
それが礼儀ってもんじゃないか」と笑う彼。
ママがあたしの貯金をもって「追っかけ」のため家出してしまった。
その「追っかけ」を始めた理由を知った娘は。
何を借りてもすっかり忘れて返していないものがいっぱいでてきたときの
その唖然とした気持ち。昔の知人に連絡をとり、自分が借りていたものが
ないかと尋ね返って来た言葉の数々。。。
大好きなお姉ちゃんが学校でいじめにあってるとしった弟の取った行動は
「誘拐」だった。いじめている相手の「猫」を誘拐したその晩。。。

どれもこれもブラックだけれど、それはほろりだったり
くすりだったりきゅっだったり、と心のどこかが揺れる
おすすめの短編集です。
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2008年 01月 12日 |
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昨日も暇だった。明日もたぶん暇だろう。結婚6年目
専業主婦。子どもはいない。
退屈でない暮らしなど、考えただけでゾッとする。
多忙な夫は今夜も家に帰らない。
この緩やかな生活に、猫と隣家の息子が飛び込んできてから
何かが崩れ始めた。封印したはずの衝動。
少年との、二人だけの秘密。嘘は次第に周囲を巻き込んで—。
マンション住まいの主婦の平凡な生活が一変する様を
ドラマティックに描いた傑作恋愛長編小説。
(「BOOK」データベースより)

いやぁ。。。この人に人間関係のいや〜な部分を書かせたら
やっぱり天下一品でしょ。
あたしが専業主婦になりたくないのも団地や人付き合いの濃過ぎる
マンションに住みたくない理由もすべて凝縮されてるような(苦笑)
そんなとてもコワイ狭い世間の中で
それでも留守がちな夫、月々贅沢はできなくても十分な生活費と
ありあまる時間を持ち、不眠症に悩まされながらも
死んでるように生きている主婦、汐美。
暇を潰す為に入ったパチンコ通い。
そこにいきなり夫が持ち込んだ猫、そして
ふとした偶然で家に来るようになった中学生の隣の男の子。
そして、その義理の父親。

アルコールが入ると誰とでも寝てしまうし
中学生の本気に恋したり、そりゃないだろな出来事も
彼女が書くと妙なリアリティをもって目の前にあらわれる。
こまっしゃくれた末恐ろしいかわいい娘とそのステージママ。
家の中はとんでもなく荒れて汚れてるなんて
ありそうでこわい〜〜。
主婦たちの狭い世界の噂ばかりの社会もありそう。
そんな中で彼女のマンションの部屋は
学校をさぼった中学生と会社をさぼった窓際族のその父と
猫と過ごしまどろむ、日だまりのような心地よい空間。
ずっとその時間が続けばとそりゃ願うけれど
結果的に彼女自身がすべてを壊していく、というよりも
彼女自身が壊れていくその過程はこれまたかなりこわい。

眠れるラプンツェルが目覚めてからどうなるか
色々考えるとそれはそれで面白い。

我が家には12歳の少年がいるのですが。。。うちでは
あり得ないなぁ(苦笑)
でも28歳の退屈でどろどろとした人間関係の中に
身を置く専業主婦から見たらあの年代の少年は
魅力的かもしれないね。
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2008年 01月 05日 |
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山本文緒のエッセイ集です。
久々に読みました。エッセイ。昔まだ子育てが忙しくて
物語のある本をじっくり読む時間がなかったのと
物語の世界に入ってしまって、いいところで、育児に呼び戻されるのがもどかしく小説を読むことを何年も何年も離れていた頃
よく読んでいたのがエッセイ集と雑誌。
いつでも簡単に元の世界に戻れるしね。
とくに原田宗典が好きで、当時出ていたものはすべて
読んだのではないかというほどだし、他の作家でもエッセイばかり読んでました。
女流作家のエッセイ集はかなり読んだんじゃないかな。

それが小説にはいったとたんぱたりとエッセイから離れてしまって。
急に鬱陶しくなってしまったのです。
人がとやかく言うのを読むのが。
それよりは別世界にがっと入れる(逃避?!)小説の方が
断然楽しい、と。
ミステリや時代小説といった「自分とはまったく違う世界」に
はまったってせいもあるけれど。

そんなあたしが久々にエッセイを手にした理由はただ単に
この人の書く小説の登場人物たちがどれもみな
興味深く、いったいこんな人物たちを生み出すこの作家は
どんな人なんだろう?と興味を持ったから。

まさしくその本たちが生まれるべくして生まれたのではないかと
思うほどその語り口は冷静に色々なものを見て考え、考えつくし
時に笑いを醸し出すとても人間味あふれる話ばかり。
共感したり、そんな考えもあるんだ、と深く思いいったり
エッセイならではの面白さを久々に堪能しました。

好きなもの嫌いなものがはっきりしているのに押し付けがましさがなく
とても心地よい一冊。
まぁ現実逃避には小説はうってつけだけれど(やっぱり逃避かい!)
たまには自分の内側を覗くのにエッセイもいいかも。
(ただ残念ながらやっぱり途中から小説に逃げたくもなったけれど(苦笑))
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2008年 01月 04日 |
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椿、二十三歳。美貌に生まれた女に恐いものはない。
何もかもが思い通りになるはずだった。
しかし祖母がボケはじめ、父が破産、やがて
家や職場で彼女の心の歯車はゆっくりと噛み合わなくなってゆく。
美人だって泣きをみることに気づいた椿。
弱者と強者、真実と嘘…誰もが悩み傷つくナイーヴな
人間関係の中で、ほんとうに美しい心ってなんだろう?
清々しく心洗われる、“あなた”の魂の物語。
(「BOOK」データベースより)

んー、面白い本だった!少女漫画みたい。
と、実は鈴木由美子の漫画に出てくるような女の子が
アタマの中に浮かびながら読んだせいだと思うけれど。
でも恐い話だとも。
こんな女いないってと言いきれないあたりがね。
ブランドが好きで派手な遊びが好きで
男の子なんて自分に尽くすためだけに存在してるように扱いながらも
男の子の前では声が変わる、疎ましく見る女子なんて
目もくれず、いずれは自分を幸せにしてくれる経済力のある
男と結婚して。。。
ところが、気がつくと自分よりも若い女の子がちやほやされ
周りの男子たちも自分は、軽い遊び相手程度にしか
扱われてなく、お金はあると思った実家のはずが
父親が事業に失敗、美しい自分のよき理解者と思った祖母は
実は主人公、椿には見せていなかった別の顔があり
老人としてボケて寝たきりに、父までもが倒れて寝たきり
母だけが生き生きとしていくものの、椿とはまったく相容れない。
挙げ句の果てにはエイズ騒ぎまで。

とんでもないバカ女だし他人の気持ちなんてこれっぽっちも
考えない。そばにいたら絶対に鬱陶しい。
けれど、イライラすることもなく読ませてしまう。
最後にはバカはバカでもその懸命さにうっかり頑張れと
思いさえしてしまう。
嫌いじゃないです、この椿ちゃん。とすら言ってしまう。

軽く読めてちょっと考えさせられてしまう
生い立ちがね、なんて分析とかしちゃいたくなる
虚像なのに、なんか実際にいそうな、そんな気にさせるのは
それだけよく出来てるってことなんでしょうね〜。
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2007年 11月 30日 |
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広告代理店勤務のスマートな男と結婚し、東京で暮らす佐々木蒼子。
六回目の結婚記念日は年下の恋人と旅行中…
そんな蒼子が自分のそっくり「蒼子B」と出くわした。
彼女は過去の記憶をすっかり共有し、昔の恋人河見と結婚して
真面目な主婦生活を送っていた。
全く性格の違う蒼子Aと蒼子B。
ある日、二人は入れ替わることを決意した。
誰もが夢見る「もうひとつの人生」の苦悩と歓びを描いた
切なくいとおしい恋愛ファンタジー。万華鏡のような美しい小説。
(「BOOK」データベースより)

もしもあのとき、こっちではなく向こうを選んでいたら
もしあのとき、こうしてたら
誰でも一度は思うことでは。
そしてタイムマシーンがあれば戻って。。。も同じくらい
考えるのではないかと。
この本は、タイムマシーンというキーワードではなく
ドッペルゲンガーがキーワード。
もぅ一人の自分。自分の選ばなかった人生を生きている自分。
偶然出会ったもぅ一人の自分はとても幸せそうで
またもぅ一人の自分も、今の自分が「損している」と感じ
互いに互いを羨ましがり、じゃあ、と交換してみたら。。。

恋愛ファンタジーとか結婚小説とか書かれてたりしますが
立派なホラーですよ、こわいですよ、これ。

山本文緒の小説にはよく性格の悪い女が出てきますが
これももれなくそのパターン。嘘つきで冷酷、
自己中心的でわがまま、相手の気持ちも考えず
自分勝手に主張ばかりする。そんな自分がもぅ一人の自分として
現れる。その相手に怒り、怯え、相手を出し抜こうとする。
自分の存在を自分のいた世界から消そうとするもぅ一人の自分。

読後感も悪くなく一気読みできて、話の世界に
誰でも一度は考えることだけに入りやすい本でおすすめですが
間違っても「美しい小説」じゃあないですよ(苦笑)
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2007年 10月 05日 |
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乳がんの手術以来、何をするのもかったるい25歳の春香。
この洞窟の出口はどこにある—現代の“無職”をめぐる五つの物語。
(「BOOK」データベースより)

第124回直木賞受賞。
5つの短編集。
いやぁ。。。読むのに時間かかりました。
(あたしがくーまんにはまっていたことも事実だけど)
一つ読みおわるたびに、暗くなる。
そんな後味の悪い話ばかり。
どうしてこんなにも後味が悪いのか、それはとても
リアルだから。
リアルすぎて本当にどこかにいそうな人たち。
いや、もしかしたら、自分の奥底にも
存在するかもしれない、そんなはずはない、と
否定したくなる、その感情こそ、肯定なのではないか、と
自問自答したくなるような気持ち悪さと居心地の悪さ。

その人たちは、無職だったり、無気力だったり
どこかしら、自分の殻にこもっている。
どうして自分ばかり、という思いでいっぱいになりながら。
そして作者はこの主人公たちに、決して生半可な
結末を与えていない。
結局、解決するのも自分自身の心、気の持ち方。
そこに気づかずに、我が身の悲劇ばかり嘆いている人たち。
そんな5人のほんの人生の一コマを切り取ったような作品集。

どこか鬱々とした話ばかりなのに
不思議と心に残る作品ばかり。

「プラナリア」 
乳がんの手術を受け、まったく働く気もなくし
知人にあっては乳がんの話を持ち出してはしらけさせる。
ところがいざ、乳がんに関する資料を送ってくれたり
自分のことを親身に考えてくれる人に出会ったとたん
彼女は、その相手と縁を切る。
自分の病気をアイデンティティと言いながら向き合う勇気のない主人公。

「ネイキッド」 
自分は仕事に対して熱心で、新しいアイデアもどんどん出したし
そしてそれはことごとく成功してきたはず。
なのに、一緒に仕事をしてきた夫に突然言い渡された離婚、そして
無職となった今。
貯金なら2千万はある、と怠惰に暮らす毎日。

「どこかではないここ」
脱サラして自分が必要としていた居酒屋の経営を
始めた男性。そこへ現れた自由奔放な女。
無職で保険にすら入ってない。
この話だけは主人公が有職者の男性。

  「囚われ人のジレンマ」
長い春、つきあいが長く、結婚も当たり前のように
つきあってきた相手。でも自分が結婚した相手は
この人なのか?浮気を繰り返しながらも
結局はその相手とのつきあいをずるずると続ける主人公。
そんなとき、相手の嘘を知ってしまう。

 「あいあるあした」
ダンナのリストラ、介護とまではいかなくて一人きりで
暮らす老母の世話、まともに世間を見ようとしない大学生の長男と
家族を捨てたい高校生の長女。
家計のため夜中のレジうちのパートにでる主婦。
何もかも捨てたいけれど捨てられない。
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2007年 04月 30日 |
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丘の上の家でひっそり暮らす不思議な女性・さとるに
惹かれていく大学生の鉄男。しかし次第に
母親に怯え、他人とうまくつきあえない不安定な
彼女の姿に疑問を募らせていく。母娘三人の憎悪が
噴出するときに見えてくる、戦慄の情景とは—。
恋愛の先にある家族の濃い闇を描いて
読者の熱狂的支持を受け続ける傑作長編小説。
(「BOOK」データベースより)

家族ってなんだろう?と思わせる重い話。
はっきりいって狂気。でもこんな家族いないよ、と
言いきれないリアリティにあふれた恐さ。
母親の異常さ、その母親に育てられ
歪んでしまった娘の異常さ。
そしてその連鎖。
あまりの異様さについつい引き込まれ1日で読破。
読み終わった後はかなりの疲労感。

女性の恐さ、醜さ、おぞましさ、おこがましさ、強さ
ちょっとしたホラー小説よりもずっとホラーで
グロテスクなのに同じように女性の恐さを書いた
桐野夏生よりもあたしは好きかな。
桐野作品が同じように女性の恐さを書いて受ける印象より
ずっとせつなく、自分の内側に同じような感情、狂気を
見つけやすい。ただ逆に言えばその方がずっと
コワイのだけれど。。。
ラストに救いがある分、読みやすいです。
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2007年 04月 15日 |
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 一番大切なのは、何をする時間ですか?
今、一番したいことは何ですか?絶対手放せない
私の最優先なこと。それは、人が見れば
笑ってしまうようなこだわり。恋だけでも家庭だけでも
仕事だけでもない。三十一歳、初めて気づく
ゆずれないことの大きさ。そこに、本来の自分を
形作るものが見えてくる。はたして人は
大事なものだけで生きられるのか?
揺らぎ惑う大人たちを描く、山本文緒の世界。
(「BOOK」データベースより)

短編集、思い切り短編(笑)ショートショート。
目次を見た瞬間、「は?」と思ってしまった31編。
主人公はすべて31歳の女性。

何を大事にするか。
というかこの本に出てくる31人の主人公達のように
どこに自分にとっての「ファースト・プライオリティ」を
置くか、まずそこでしょうね。
人には理解できない、でも譲れないもの。
そしてそれは自分自身では至ってフツウのことで
「へん」と見られることすら意識してないこと。
作者の視点はそいういった人たちにとても
優しく、そうか、それもありだよね、と思わせる話の数々。

一つ一つ短いので忙しい人にもちらちら隙間で
読めるけれど、心にひっかかるものは大きいですよ。
ぜひこの興味深い世界、味わって欲しい一冊。
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2005年 10月 06日 |
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 ある複雑な環境のもと育った女性の半生。
軽く読めるのですが読んだ後に心に
ずんっと残る本。

話の始まりは、1967年。7歳のマリ(手毬)は
家族に甘やかされワガママいっぱいに育つ。
1977年、姉と思っていたのは母だった。
汚い古いアパートで結婚した母と暮らすが
義父は消息を経ち母は男と仕事を転々と変える。
1987年、母は再婚し10年が過ぎ、マリも子を宿し
結婚をするが母が家出。
1997年。7歳の頃、隣に住んでいたマーティルと再会。。。
と、1967年から2017年まで10年ごとに書かれているのですが
その話の語り手が毎回変わるので、飽きるどころか
逆にぐいぐいと引き込まれて一気読み。
あらすじだけだと、めっさ暗そうな話なのに
それ以上に乾いていて、必要以上に飾り立てることなく
クールに進んでいくので余計に引き込まれるのかな。
逆に言えば、すべてが異常。
でもまったくあり得ないわけでもなく。
「恋愛中毒」も恐かったけれどこれもまったく違った意味で
恐く、そしてせつない。

ちなみに「落花流水」とは、水面に落ちた花が水に流れること。
転じて、物事が衰退、零落することのたとえ。
また、男女の心が通じ合い、相思相愛になることのたとえ。
花は流水にのって流れたいと思い、水は花をのせて
流れていきたいと思う心情を、男女の情になぞらえて、
男女が慕い合う語として用いられるようになった。

ところで、84歳で現役のばーちゃんってやっぱコワイよ(苦笑)
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