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カテゴリ: :山田宗樹( 3 )
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2007年 04月 22日 |
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 平成3年、生命を誕生させるはずの分娩室で行われた
後期妊娠中絶。数百にのぼる胎児の命を
奪ってきた助産婦・桐山冬子がその時見たものは
無造作に放置された赤ん坊の目に映る醜い己の顔だった。
罪の償いのため生きていくことを決意する冬子。
その日から決して声高に語られることのない
生を守る挑戦が始まった。
平成15年。冬子は助産婦をしながら“天使の代理人”という
組織を運営していた。
社会的地位を獲得することを目標に生きてきたものの
突然銀行でのキャリアを捨て精子バンクを利用して
出産を決意した川口弥生、36歳。
待望の妊娠が分かった直後、人違いで
中絶させられた佐藤有希恵、26歳。
何も望まぬ妊娠のため中絶を考えたものの
産み育てることを選んだ佐藤雪絵、20歳。
それぞれの人生と“天使の代理人”が交錯し
ひとつの奇蹟が起ころうとしていた—。
(「BOOK」データベースより)

単行本の時点で349ページ、ですがまったく長さを
苦に感じない、読ませる本です。
テーマがテーマなだけに重い感じもしますが
それゆえに引き込まれます。
胎児は人間か否か?
最初の堕胎のシーンなどリアルで受け付けない人も
いるかもしれませんが先に言っておきますが
そこでやめちゃダメです。
どうぞ読み切ってください。絶対に心に残る一冊。
ラストでは涙。

時系列を自由に操り過去と現在を巧みに交差させ
まったく別のストーリーとして語られていた人たちが
いつの間にか繋がって行く、松子もそういう意味では
すごいなと思ったけれどそれ以上。
すごい作家さんです。
登場人物、一人一人がちゃんと文章の中で
生きているからこそできることではないかと。
胎教には悪そうだけれど妊婦さんにも、すでに子供と
暮らしている人にも、これからの人にもぜひ読んで欲しい。
そして、男性にもぜひ。

命はライフスタイルと引き換えにできるものではない。
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2006年 04月 25日 |
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 これは面白い!いやぁ、ぼろぼろ泣きましたね。
映画化された「嫌われ松子の一生」の作者、山田宗樹の
医療ミステリー。

未知の伝染病、感染したら死亡率100%
それまで元気だった人が微熱を感じるうち
いきなり咳き込むとともに口から
黒い胞子がごぼっと吐き出され
30分後には死に至る。。。

しかしまだ死亡例が少ないというだけでなかなか
動かない厚生省。自らの義務と責任感のもと、動きたくても
身動きの取れない伝染病センター、真菌研究室の職員
実際にその死体を解剖した監察医の3人。
それぞれの職務の上で、それぞれにどこかで
このままでは恐ろしいことが起きるのではないかと
思いながら過ごすうちに。。。

口から黒い粉を撒き散らしながら苦しみ絶命していく人たち。
とてもコワイ話。3人の主人公達が
我が身の日常という幸福が話の序盤で浮き彫りにされれば
されるほど後半へ続くなんとも言えない不気味な恐怖感が
じわじわと。

謎の新種の真菌症の正体をつきとめるため
話は遣隋使、小野妹子の時代まで推理は進み、また
それがより一層、話に臨場感を与え引き込まれます。
そういった歴史ミステリを交えながら最後には
病気との闘いを通した家族愛にまで話は進み
とても読み応えのある1冊に。
愛する夫と不妊治療の末やっと授かった幼い我が子
自分自身に残された日々。
このへんはホントもぅ涙が止まりませんでしたよ。
オススメです。
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2005年 08月 13日 |
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 小説を読む楽しみというのは
絶対に自分では体験出来得ない人生を
その本の中で得ることができること。
そういう意味ではこの松子の人生は
とても体験したくはないダメダメっぷりなのに
なにゆえその行動に至ったかを「わからせてしまう」
その作者の力量はすごいです。

大学生の川尻笙のもとに突然、九州に住む
父親が尋ねる。今まで存在も知らなかった
30年前に失踪した叔母、松子の遺骨を手に。
松子は自然死でも自殺でもなく誰かに殺された。
松子の住んでいたアパートの後かたづけを
頼まれた笙。初めは、それまでいることすら
知らなかった相手なのだから他人も同じ、と
渋々だったが、笙の彼女の不可解すぎるほどの
松子への関心から松子のこれまでの生き方に
次第に調べてみようと動き始めた。
近所の人から「嫌われ松子」とまで
呼ばれた叔母が何故そうなっていったかを。

松子は病弱な妹にばかり父親の愛が
向けられていると感じて、父親の愛を
受けたいが為だけに優秀な成績を修め
父親の望む地元の、自宅から通勤のできる
中学校教諭の職に就いたがある事件から
学校を追われ、トルコ嬢そして覚醒剤常習、
殺人者とまで落ちていく。

笙の松子の人生を追う現代と松子が一人称で
語る過去の出来事とが交互に書かれ
次第にあきらかになっていく松子の一生。
愛に飢えて育ったからこそ愛を求めて
一途に信じては裏切られ力尽きていく。

学業に優れた人間が人間として一概に
優れているわけではなく逆に、そのプライドゆえに
崩れてしまうこともあるという典型的な松子の生き方。
誰かを一途に愛することは本当なら
素晴らしいことなのに。。。選び方次第だぁね。
愚かだなと思いながらもその激しい生き方に
哀れみと共に不思議と心をよせてしまう1冊。
松子の転落人生を体感できます(苦笑)
(しないでもヨイ?)
最後はその松子の人生の閉じ方のやるせなさに涙。
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