:books:
achabooks.exblog.jp
  Top
カテゴリ: :夢枕 獏( 5 )
|
2007年 11月 10日 |
a0104226_103576.jpg
シリーズ初めての長篇小説!!
晴明・博雅が今回出会う魔物は鬼か蛇か!? 全ては十二年前、博雅に枝を差し出して去っていった謎の姫の登場から物語は始まった!
(出版社/著者からの内容紹介)
十二年前の月の夜、源博雅に芍薬の枝を差しだし去って行った謎の姫…安倍晴明は人の心にすまう鬼をいかにおさめるのか。
(「BOOK」データベースより)

陰陽師の長編ということで久々に陰陽師を読んだのですが
いやぁやっぱこの世界好きだわ。
浸れる、まさにその言葉がぴったり。
内容は、初めて陰陽師を読む人でも入りやすいように
過去の様々な文献をもとに安倍晴明や源博雅の
エピソードを書きつつ、本題に自然な流れで入っていきます。
琵琶にしても相撲にしても話の初めから上手く絡められ
読後、何度も読み返したい衝動に。

今回の話は短編でも描かれた「生成り姫」(なまなりひめ)を
もっとより深く詳しく描かれたもの。
壮絶な女の思いを鬼の姿で描かれる様は映画化もされましたが
やはりここは文章で味わって欲しいもの。
姫のせつない思い、悲しさがより深くしみます。

作者自身の晴明と博雅に対する愛情がひしひしと
伝わり2人がとても愛おしく感じられるのはいつものこと。
これが夢枕獏の描く陰陽師の一番の醍醐味ではないかと。

時代小説は苦手と切り捨てずにぜひ読んで欲しい陰陽師シリーズ。
(いきなり長編に抵抗があるのならもちろん短編からでも)
[PR]
2006年 07月 15日 |
a0104226_1513790.jpg
 映画やテレビなどではなく、またブームの時でもなく
本からこの時期、入ることができてホントよかった。
いつでも安心して「この世界」に身を投じることが
できて、またその期待にちゃあんと応えてくれる
素晴らしい本。ずっと続いて欲しいなぁ。
4巻目です。以下また例の如くネタバレなあらすじ。

■泰山府君祭
 唐の国の神、人の寿命や生死を司る。眠りに
 落ちたまま目を覚まさない智興内供に
 泰山府君の祭を行う晴明。そのもとを手繰れば
 女人禁制の身でありながら泰山府君と
 同じ日に生まれた女の屍体を犯したことだった。
■青鬼の背に乗りたる男の譚
 男を思い死んでいった女は鬼となり
 男の命を狙う。探すが男の姿は見えず。
 晴明の術により男、直平は鬼となった女の
 背中に張り付いていたのだった。そこで
 思い知った女の心の哀れさに涙する直平。
■月見草
 死んだ朝綱の残した歌の意味に込められた
 残された女への形見。その歌に隠された謎解き。
■漢神道士
 毎夜、夢の中で焼けた柱に身体を押しつけられて
 焼かれていく。そして現の身体もまた。
 呪をかけられた為輔、その原因は花見の時に
 追い払ったみすぼらしい老人と1匹の蛇だった。
■手をひく人
 猿重が手を引かれ向かった先は橋だった。
 「流されますぞ」と訴える見覚えのないその相手。
 実はその昔、橋の建立時に人柱にされた夫婦だった。
■髑髏(どくろ)譚
 あの世でさらに謂われのない罰を受ける寺の
 僧達。そこから救いを求めて墓から出てきた
 一つの髑髏。晴明は髑髏に舌を与えることで
 何故そうなりえたかを突き止めていく。
■晴明、道満と覆物の中身を占うこと
 帝の前で蘆屋道満と方術を比べ合うことになった
 晴明。さてその結果は。。。
 「おまえは名を取れ、おれは実を取らせてもらう」
 結局、陰陽師の二人に敵うものはない。
[PR]
2006年 05月 20日 |
a0104226_2319193.jpg
 陰陽師3巻目です。もぅね、心地よいです。
やっぱりね、これはミステリ、謎解きだと思います。
だから読み終わったあともまた心地よい。
純粋に安倍晴明と源博雅の関係も心地よいし
不思議なさまざまなもの、鬼や呪の存在を
あるがままに受け入れるその世界そのものも心地よい。
読んでいてわくわくもするし
そうか、と心に沁みるものもあり
すべてを心に吸収したい気分です。

またまた以下覚え書き。ネタバレだから読まないように(笑)

■瓜仙人
 博雅が帝の使いで瓜を運ぶ途中に出逢った不思議な老人。
 最近都で起こる奇怪な事件はすべてその老人、
 方士丹蟲(たんちゅう)が操る「管狐」くだきつね
 ー妖力を持った小さな狐の仕業。管狐に対するのは
 晴明が紙から作った小さな犬。
■鉄輪(かなわ)
 愛した男が他の女にうつつを抜かし残された女の恨みは
 毎夜、「丑の刻参り」でというありきたりに見える話の
 オチが、生成(なまなりー女が鬼に変わる前の段階)に
 なった死者が心を静めるため、博雅の笛の音を聞きに
 現れるという「自然」な姿
 一方を守るということは一方を見捨てるということ。
■這う鬼
 屋敷の女主人へと下男が預かってきた箱。中身は
 瞼ごとくじりとった目玉がふたつと陰毛を付けたまま
 えぐり取られた男根。預けた女は付き合っていた男が
 通わなくなり、挙げ句に殺されるところを逆に殺して
 新しい女の元へ送りつけた。我が身の髪の毛を皮から
 はいで生き霊となっていた。願いを達成させたように
 信じ込ませることで嬉しさと哀しさの中消えていく女。
■迷神
 愛する男が流行病で死んだ。残された妻は哀しさゆえ
 一目でいいから夫に会いたいと願い智徳法師に
 いくらでも金は出すと泣きついた。智徳法師に紹介され
 鼠牛法師に死者を蘇らせてもらったものの恐ろしさの
 あまり会うことができない。なんとかならぬものかと
 晴明に話が舞い込んだ。鼠牛法師とは蘆屋道満という
 陰陽師であった。人がかけた呪を解くために
 晴明は道満と話をつける。呪を解く鍵は博雅の語った
 満開の桜への思い。自然にはらりと落ちる桜。
■ものやと思ふと。。。
 帝のもと、大きな歌詠み(歌合うたあい)の会が催され
 接戦の末、負けたのち食べ物を受け付けなくなって
 死んでいった壬生忠見。夜な夜な彼の鬼が内裏に出て特に
 悪さを働くでもなく自分の詠んだ詩を呟いて消えていく。
 しかしそれが帝の耳に入り、なんとかするように、と。
 実は壬生忠見も親の忠岑も2代とも歌を詠む者だったが
 すべて自作ではなく「万葉集」に詠み人知らずと
 表された鬼が作ったものだった。忠見の最後の最後に
 詠んだ詩は初めて己で作ったもの、しかし対戦相手が
 出した歌はその鬼が過去に詠み人知らずとして作った歌を
 元歌にして作ったもの。鬼はいくらでも忠見を
 勝たせることができたがこのときばかりは悩みぬいて
 逃げたのだった。勝負を天に任せた結果、
 死んでしまった忠見に対して悲しむ鬼の姿。
■打臥(うちふし)の巫女
 瓜を手土産に持ってこいという晴明に博雅は瓜を
 持って行ったところ、仕事のために瓜を確認したかったと。
 理由を聞くとなんでも「予言」する巫女がいる、彼女に
 瓜が見える、とだけでよいのか悪いのかもわからず
 困っている兼家に、買った瓜を見てもらいたいと
 いうものだった。見るとその瓜には呪がかけられていた。
 呪をかけたのは道満。依頼したのは兼家の兄、兼通。
 晴明が出てきたら降りる、と言っていた道満はそのまま引き
 事は解決。予言した女の元に行ってみるとそこにいたのは
 前に晴明が身体の中にたまった苦蛇(くだ)を取ってやった
 白比丘尼(しらびくに)であった。
■血吸い女房
 夏の暑さ、雨がもぅ30日以上も降っていない。
 空海和尚や妙月和尚のように雨乞いで雨を降らすことが
 できるかと尋ねる博政に晴明は「天地の運行を
 どうこうすることはできない」けれど「よむことはできる」。
 そんな折り、雨乞いの派手な宴をした藤原師尹公の屋敷で
 女房達が次々と「血を吸われる」事件が起こる。
 捕まえてみると一人の女房、彼女にはものが取り憑いていた。
 聞くと神泉苑の池に150年も生きている蛭(ひる)
 空海和尚や妙月和尚の投げ入れた諸龍真言の紙を
 食べまた真言が食べたくて、池の中で真言を唱えていた
 この女に取り憑いた。
 蛭を池に戻す折り「このような日照りの原因を作ったのは
 お前であろう、東海龍王に雨を降らせるよう伝えよ」と
 もったいぶった口調で説くと、その夜には雨が。
 師尹公はしばらくの間、宮中にて晴明が降らせたと
 いいまわるに違いないという博雅の言葉に微笑を
 浮かべるばかりの晴明。

あ、すっごい長い(苦笑)
[PR]
2006年 05月 09日 |
a0104226_2382246.jpg
 陰陽師2冊目です。実はこの1冊目と2冊目の間って
7年あいてるそうですね〜。いやいや全然そんな違和感なしに
あの晴明と博雅の心地よい関係を軸とした
不思議な世界が繰り広げられています。
お約束の晴明の家で酌み交わされるお酒のシーンは
もぅ本当に読んでるだけでこちらまで
ゆったりした気持ちになります。
風景描写が、はっきりと浮かぶのではなく
ろうそくのあかりで徐々に照らし出されていくような
そんな感じで広がっていく。

そしてたいてい博雅の方から晴明に
「お前の分野」と言わんばかりに様々な
謎が持ち込まれ、晴明がそれを解決していく流れも
心地よい。

真っ暗な闇のある時代、鬼や魔物がフツウに存在する時代。
史実なんて関係ない。
純粋に楽しめるシリーズ。
これはもぅあれだけ当たったのが納得です。

以下、また自分用のメモです。ネタバレです。
読まないように気をつけて(笑)


■天邪鬼
 仏師の僧、玄徳は檜の古木から四天王像を彫っていた。
 が、最後の一体を作るとき真言を忘れ、広目天が足で
 踏みつぶすはずの木彫りの邪鬼が消えた。
 同じ頃、子供の鬼が出て悪さをしていた。
 何を言っても逆のことをしようとして人々を
 惑わし踏みつけてたのだった。
■下衆法師(げすほうし)
 寒水翁という絵師、奇怪(あやし)の外法に興味を
 持ち、青猿法師に弟子入りを申し出たが
 連れて行かれたのは我が身を食らう妖物の所。
 中に籠もって夜が明けるまで閉じこもるが
 様々なまやかしが「嘘」の誘いを。
 身体の中に巣くわれるが晴明の機転で
 ひりだしたものは歳経た狢(むじな)の死骸。
 ー晴明の「式神」の創り方が面白い。
■陀羅尼仙(だらにせん)
 仙人になりたくてなった男。下界に触れて
 重くなり飛んで帰ることができなくなった。
 陀羅尼が取り持った縁、相手は白拍子だった。
■露と答へて
 博雅が藤原兼家の娘、越子から聞かされた
 せつない二人の恋物語のうた。
 でもそれは「嘘」ですよと暗に伝えたもの。
 気づかない博雅に対して周りの人たちの
 優しい気遣い。
■鬼小町
 小野小町が年老いたら、な話。
 一人の老婆の中に住む恋いこがれて
 死んでいった男の意識。晴明にも
 救えぬ二人の関係。
■桃薗の柱の穴より児の手の人を招くこと
 柱から出てくる子供の手。矢を突き立てて
 出ないようにしたところ、次は天井から
 指が落ちてくる。天井に矢を立てて
 押さえ込むと次は蛙、次は蛇が落ちてきた。
 すべては気脈を懐妊したお腹の中の
 赤子が止めていた流れゆえ。
■源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと
 橋を渡ろうとすると出てくる魔物の女。
 肝試しのように殿上人たちが一人そして
 また一人夜中に橋に向かう。
 遂に博雅がかり出され向かうとそこには
 晴明が張ったような結界があった。
 結界を抜けようと橋を飛び降りると
 そこには晴明が「お産」に立ち会ってた。
[PR]
2006年 04月 30日 |
a0104226_22592277.jpg
 遅ればせながら読んでみました。いいねぇ、陰陽師。
一時期、ブームになってましたがその時は
全然、眼中にありませんでした。むしろ避けてたくらい。
なので、友達に面白いと勧められたときも
なかなか手がでませんでしたが。。。
妙な偏見もあったし、なんせ舞台が平安時代。
苦手だったんですよ。
江戸時代ものも苦手だったのに実際に
読んでみたらあんなにもはまってしまったので
食わず嫌いはいかんな、と。
ええ。ほんといけませんよ、食わず嫌いは。
もったいない。
だってももぅこれもホント面白いんですよ。

もぅとても心地よい。
陰陽師である安倍晴明のもとに源博雅より
もちかけられる色々な「事件(あえて)」をゆるゆると
呪(しゅ)を用いて「解決(これまたあえて)」していくのですが
暗闇の中に鬼の住む時代、おどろおどろしくもあり
哀しくもあり、でもその奥にあるゆったりとした
穏やかな静けさ。

そしてこの作者夢枕獏の描く風景描写も美しい。
語り部として素晴らしい部類でしょう。

詠みの会で負けたことを悔いて死んでしまった男の霊の
存在を「元気かい?」と話題にするあたり
かなり趣あると思うなぁ。
それに毎回のように出てくる縁側のシーン。
晴明と博雅が二人で酌を酌み交わすのですが
つまみのひとつひとつもんまそうです(笑)

1話1話の短編連作、読み終わるのがもったいないという
感覚を味わいました。
まだあと2冊、手元にあるのでこれまた楽しみです。

以下簡単な覚え書き(ネタバレです。読んでない人は避けて下さい)
玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること
 盗まれた帝の琵琶「玄象」の音を辿ると
 玄象の作者の天竺の鬼が。優しい言葉という呪。
梔子(くちなし)の女(ひと)
 僧のもとに毎晩出てくる口のない女の霊。
 女の霊が伝えたかったのは
 一冊の般若心経の文字のひとつだった。
黒川主
 鵜飼いの孫に取り憑いた「黒川主」と名乗る妖物。
 孫は妖物の子を宿し日増しに腹が膨らんでいく。
 獺(かわうそ)と人の間の
 因果に同じ呪をかけたがための結果。
蟇(ひき)
 雨漏りを直すために応天門の板をはがすと1枚の札が。
 真言の札が押さえていた災いのもとを調べるために幽冥界へ。
 その昔、蟇(ひきがえる)を殺した為に蟇の呪を受け
 死んだ息子とその親の祟り。
鬼のみちゆき
 帝が昔一度だけ交わした娘の一途な想い。辻は魔性の通り道。
 辻に現れる牛のいない牛車。鏡魔法を操る鬼となり
 7日かけて向かう先は。
白比丘尼(しらびくに)
 300年前に千年の年を経た狐にもらった
 人魚の肉を食べた白比丘尼。年をとらなくなったが
 身体には年を取った分と男の精が溜まり鬼となる。
[PR]
PageTop
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Starwort Skin by Sun&Moon