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カテゴリ: :横山秀夫( 7 )
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2008年 05月 07日 |
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消せない“傷”を背負った三人の男女
決して交わることのない魂の行き場――
かつてこれほど切ない犯罪小説があっただろうか。

深夜の稲村(いなむら)家。女は夫に火を放とうとしている。
忍び込みのプロ・真壁修一(まかべしゅういち)は侵入した夫婦の寝室で殺意を感じた――。
直後に逮捕された真壁は、二年後、刑務所を出所してすぐ、稲村家の秘密を調べ始めた。
だが、夫婦は離婚、事件は何も起こっていなかった。思い過ごしだったのか? 
母に焼き殺された弟の無念を重ね、真壁は女の行方を執拗に追った……。(「消息」より)
(文庫裏書き)

うっわー。
やばいっすよー、これ。せつないっ。
というか、あの〜〜〜別に言ってもいいんですよね?
つか、ただの「三角関係」なんて思われたら
逆に読む気失せるのでは???(苦笑)

主人公であるノビカベことノビ師の真壁修一と
その修一の双子の弟啓二の会話から始まるこの小説。
啓二の声は修一の内耳の奥、頭蓋骨に響いてくる。
そう、啓二は高校生のとき、母親に無理心中の果て
すでに死んでいて、修一の中にいるのです。
そして二人が思いを寄せている女性がいるわけで。。。
「双子とは互いの影を踏み合うようにして生きているところがある」

といってもこの本、ただのホラーやファンタジーとは
まったく違う、とてもシリアスなせつない連作短編集。
もぅこの主人公の真壁がね〜
不器用なんですよ。もっと楽に生きればよいのに、と
思ってしまうほどとてもストイック。
けれどそれは信念からなんかではなく
心の傷ゆえ。
母と弟、弟と自分、気づいているのに気づかないように
するかのごとく、犯罪の世界に身を置き続けるような。

ちなみにノビ師とは深夜、寝静まった家にこっそりと入る泥棒
そう、この本の主人公は犯罪者。
いつも警察側を主人公に書いている横山作品の中では異色。
それでも警察内部と犯罪者たちの微妙なやりとりや
裏家業独特の単語など、横山らしさも散りばめられている上
極端に記憶力のいい啓二と頭の切れる修一が
解いていく謎もミステリーとして十分楽しめる出来に仕上がっていて
異色ながらもかなり大好きな横山作品の一つになりました。
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2008年 01月 08日 |
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警察一家の要となる人事担当の二渡真治は
天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。
にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち
ある未解決事件が浮かび上がってきた…。
「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の
激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。 (「BOOK」データベースより)

いやぁ面白い。警察小説って言っても
刑事が極悪犯をどーのなんて言うのではなく
警察内部「会社」の中でデスクワークの部分が舞台。人事問題とかね。
警察一家とはよく言ったものでその内部の繋がりは
とても深く、外にいるあたしたちには見えないことが多い
孤立したムラ社会であり、身内同士の保身、またその中での
個人自身の保身などとても興味深く、知らなかった世界を
見せてくれる、第5回松本清張賞受賞作の「陰の季節」そして
「地の声」「黒い線」「鞄」の4作品から構成される連作集。

もちろん横山作品としての見せ所も随所に散りばめられ
人間のもろさ、哀しさ、逞しさにぐいぐい引込まれます。
主人公は各編ごとに変わるのですが
前作通して、出てくるのが切れ者として周囲に
恐れられる人事担当の二渡真治。
この二渡が語り部立場である「陰の季節」が
最初に来ているので、その後周りの人たちが彼を
どう見ているかが語れていても
読者は、二渡自身の内側をも垣間みているので
その部分でも楽しめる作り。

パズルのように人を配置して行く人事部の二渡の前に
天下り先である地位から離れる意思を見せない元刑事部長を
説得するために駆けずり回り、翻弄され、その本当の理由を
突き止めて行く過程の謎解き要素も楽しめる表題作「陰の季節」

警部在任期間が17年、次の異動で警視へ昇任できる
最後の機会である曽根に対する怪文書を手にした
警務部監察課監察官の新堂。なんとか彼の不祥事が
中傷であることを願いながら調べた挙げ句に出てきた真実「地の声」

部下の婦人警官が無届け欠勤していると知らされた古参婦人警官の
友子。彼女は昨日、機動鑑識班としてそっくりな似顔絵から犯人逮捕に
繋がったことで「お手柄」をマスコミで騒がれたばかりだった。
もしかしたら犯人の仲間に?と不安を抱え足跡を追い、失踪の理由を
探る友子の前にあらわれた事実「黒い線」

警務部秘書課、課長補佐の柘植は議員対策が彼の職務。
定例県議会の一般質問に名乗りをあげている議員たちの質問を
いち早く掴み、その回答に本部長が窮しないよう策を練ること、
議員とうまくやりあうことが彼の仕事であったが、突然、一人の議員が
「爆弾」となる質問をぶつけると触れ回っていた。当日までに
その内容を掴み先手を打たなければならないはずが。。。「鞄」

初めてよむ横山作品としてもおすすめです。
もっともっとこの人の作品が読みたくなること間違いなし。
すっかりこの中の登場人物たちに感情移入して読み
会社組織としての警察内部って大変〜なんて思い。。。ふと気づくのです。
天下り?捏造?癒着?え?えー?
もしかしてこれが本当の狙いなんじゃないかな、なんて思ったり。
同調しているようで実は糾弾。
そーいう意味でも十分楽しめますよ。
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2007年 09月 05日 |
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北関東新聞の古参記者、悠木和雅は、同僚の
元クライマー、安西に誘われ谷川岳に屹立する衝立岩に
挑む予定だったが、出発日の夜、御巣鷹山で
墜落事故が発生し、約束を果たせなくなる。
一人で出発したはずの安西もまた、山とは無関係の
歓楽街で倒れ、意識が戻らない。
「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残したまま—。
未曾有の巨大事故。社内の確執。親子関係の苦悩…。
事故の全権デスクを命じられた悠木は、二つの「魔の山」の狭間で
じりじりと追い詰められていく。
(「BOOK」データベースより)

横山秀夫というと警察小説、社会派ミステリーといった
イメージ。それもそのはずもともとこの方、上毛新聞の記者だそうで。
そして実際に御巣鷹山日航機墜落事故取材を体験した一人。
——記録でも記憶でもないものを書くために、18年の歳月が必要だった。
とは著者の弁。

「沈まぬ太陽」が日航という組織を奥底まで調べ尽くし
書き上げたものに対して、こちらは新聞社という組織を
描ききっています。

地方新聞の一筋縄ではゆかない、どこか壊れ、異様とすら
思える人間関係はとてもリアル。そして
明日の記事のために、印刷にまわすその瞬間までの臨場感。
トップ記事に何を持ってくるかで政治的な絡みや社内の
派閥抗争があったり、記者としての社員、営業としての社員
それぞれの課ごとの牽制、男同士の仕事の上で嫉妬、
実にありそうと思えることばかり。

そしてベタとも思えるラストにひたすら涙。

確かに事故後に発見された遺書にまた涙したけれど
社内においての主人公悠木の生き様。
そして親子関係。

あえてこの小説で書かれていないのが
事故そのものの陰惨さ。
事故はたしかに「大きなもの」と位置づけられていますが
けっしてそこがメインではなく。

正直、これでいいの?と思うことがありました。
だってあの大事故だよ?それをテーマにした本じゃないの?
なのに同僚の容態を気にかけたりするシーンとかいる?
この登山の「現代」のシーンを差し込む必要あるのかなー。
なんか話がぶれてない?と。

ぶれてないんです。

そのシーンがあるからこそ、より「人の命」あの女子大生が
伝えたかったことが伝わる。
あたし自身、読んでいて人の命の重さ、軽さを
こうしてわけているんだ、と。

日航機の事故を扱いながらその事故に関わった新聞記者の
生き様を通してとても大切なことを訴えかけている。
決して読んで損のない作品というか
ぜひ読んで感じてほしい。

わずか7日間、そしてそこから17年の月日。
とても濃厚な読み応えのある本。
難しいテーマだし、はっきりいって出てくる人出てくる人
みんな影を持っている。抗えない様々な事情も絡み合う。
いったいどうなるんだ?と読む手は進むばかり。
そこに開かれる爽快とも思えるラスト。
読後がとてもよいです。
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2007年 06月 04日 |
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殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず
巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か!?
刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる
表題作ほか、全六篇の連作短篇集。
本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声も高い
本作を貫くのは、硬質なエレガンス。
圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは、男たちの矜持だ—。
大人気、F県警強行犯シリーズ第一弾。
(「BOOK」データベースより)

んー、おもしろい。
短編なのですがその短さがとても濃厚でひとつひとつ
何度も読み返したくなるほど(実際、読み終わってまた
読み始めてしまいました)深いです。
ミステリとしての謎解きはもちろんのこと人物設定の
おもしろさ、警察という機構の中での男達の生き様
どれをとってもおもしろいです。
各短編、舞台はおなじ高い検挙率を誇り
「常勝軍団」とも呼ばれるF県警捜査第1課なのですが
理詰めで捜査を進める一班「青鬼」の朽木
周りと混じることない二班「冷血」の楠見
動物的とすらいえる叩きあげ三班「カン」の村瀬。
一癖も二癖もある3人の班長と矢張りクセのある
その上司、そして部下達。
話ごとに主人公が変わる連作短編集。

どの話も読後、ほっとどこかがほどけるような快感。
この読後感は素晴らしい。
ミステリとして人間ドラマとして本当に一話ごとすべて
楽しめます。続きが楽しみ。

以下自分のためのネタばれ的覚え書き(笑)



「沈黙のアリバイ」
F県警捜査第一課強行犯捜査一係、通称一班の
班長朽木。
自白したはずの被疑者は被告人となり裁判席で
無実を訴えアリバイがあると唱えだした。果たして取調室で
交わされた会話は?そのアリバイとは?
取り調べの時点から仕組まれたものを探る朽木の中に
蘇る言葉、「二度と笑わないでください。死ぬまで
笑顔を見せないと約束してください」
被告人の薄い笑みに叩き付ける推理。

「第三の時効」
タクシー運転手が殺された。犯人は電気屋で妻の幼なじみ。
妻いわく自分に隙があってあんなことに。その現場に帰宅した夫。
もみ合ううちに刺殺され犯人は逃走。
しかし妻は身籠っていた。犯人の子供を。
時効とされた日、犯人は海外へ1週間逃亡していたため
1週間後に第2時効が敷かれていた。
我が子恋しさに連絡を取るだろうと張っていたのは二班。
ところが子供はその事実を知らない。知らせたくない。
どうか逃げ切ってくれ、捕まったら真実が子供に知れてしまう。
固唾をのんで見守る中、二班班長、冷徹な楠見は
第三時効を敷いていた。あり得ない裏の手を使って。

「囚人のジレンマ」
癖のある班長と班員達を抱えた捜査第一課長、田畑は
同時に殺しを三つ受け持っていた。
主婦殺し、証券マン焼殺、調理し殺し。
好成績を揚げている彼らへの対応とマスコミへの
対応と田畑は疲れ切っていた。
果たして部下を信じきれるのか?
捕われている故に共犯者と連絡の取れない犯人のように
共犯者をどこまで信じられるか、不安に苛まれ
すべてをうたってしまう衝動に駆られる囚人のジレンマに
田畑は陥っていた。

「密室の抜け穴」
三班の班長、村瀬。脳梗塞で倒れたものの2ヶ月で戻り
会議に参加していた。誰のミスで「密室」から犯人を
逃がしてしまったのか。四方八方を監視されたマンションから
犯人はいかに逃げたのか?
イヌワシの兄弟殺しのようにどちらが生き残りどちらを
殺すか、そんな場に身を置いているのは村瀬自身か
村瀬の部下の東出と石上なのか。
「密室に抜け穴を作らせりゃあいってことだ。。。」と呟いた
村瀬の謀。

「ペルソナの微笑」
一班、朽木の下で働く矢代はいつでも笑顔をたやさず
似非落語で笑いを取る。そんな矢代の本当の顔を
見破っているのは笑わない男、朽木だった。
幼い頃、知らずに犯罪の片棒を担いだ矢代、それを
妹に脅され、抱いた殺意。何も知らない幼い子を
使って行われた青酸カリを使った殺人事件に矢代は
幼い日の自分を見る。そして13年後にまた行われた
青酸カリを使った浮浪者殺人事件。
朽木は、矢代に13年前の小学生に会いに行かせる。
最後の会話だけのシーンは秀逸。

「モノクロームの反転」
一家三人刺殺。5歳の子供までもが殺された事件。
向かったのは一班と三班。互いに手柄を取り合う彼らに
いらだつ田畑。それぞれの班でそれぞれの情報を
抱え込む。三班は現場を押さえ、一班は唯一の目撃者を
押さえる。そこで目撃されたのは「穴から見えた車の’白’」
容疑者は二人。妻の幼なじみで多額の金を貸していた
元同級生。殺人後に盗まれた小学校のタイムカプセル。
犯人が隠そうとしたゆえに暴露されていく犯人の小心さと
守りの堅さ。二人の車はそれぞれに白と黒。
怪しいのは。。。
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2007年 03月 07日 |
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 人間魚雷「回天」。
発射と同時に死を約束される極秘作戦が
第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。
ヒジの故障のために、期待された大学野球を
棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は
なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。
命の重みとは、青春の哀しみとは—。
ベストセラー作家が描く戦争青春小説。
(「BOOK」データベースより)

横山作品はこれままで何冊か読みましたが
やっぱり小説として創り上げる巧さを実感。
学生として戦時中ながら出兵することなく
自由な立場で思想をぶつけあい、また夢を
追うことのできる立場から一転、学徒出陣。
暴力という力で人間性を壊される軍隊の
上下関係。いかに人間が「死ぬ」とわかっている
中へ自ら身を投じるかの心の動きが
洗脳されるその状態が凄まじく描かれています。
そんな中で、魔球完成という夢を捨てず
またいかに「回天」に乗り込むか自分の死への
意味を問い続ける間の心理描写は凄まじく
「回天という兵器が存在したことを’伝える’為に」
という言葉がすっと胸に入ってきました。
後半からの圧迫感、緊張感の強さ、そしてラスト
すとん、と心に落ちてくるような、残された言葉たちに涙。
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2006年 06月 09日 |
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 1月17日、午前5時46分。
近畿地方にてとてつもなく大きな地震が起こったその日
震源地から700km以上離れたN県警察本部では
あり得ないことが起こっていた。
警務課長の失踪。
一晩、無断で家をあけたくらいでコドモじゃ
あるまいし、という反面、警務課長という
「ただのオトナ」ではない人間の失踪。
それは県警主要幹部を突如おそった烈震。

何千人もの死者を出した震災のニュースを
流すテレビをバックに、己の欲の為だけに
奔走する警察幹部達。
何が起こっても、どんな不祥事があろうとも
我が身の為に「震度0」を貫き通そうとする男達。

当初、神戸の震災も被害の大きさに正確な情報が
まったく伝わってこなかった。
一方、N署内では、幹部同士の対立ゆえに
失踪した不破に関する情報が伝わらない。
すべてはこの情報に翻弄される人たちの話。

初めはものすごく読みにくかった!
だってもぅ混乱。
県警本部長の椎野、警務部長の冬木のキャリア組
警備部長、堀川は準キャリア
刑事部長の藤巻、生活安全部長の倉本、交通部長の
間宮の地元ノンキャリア
この6人の幹部達の自宅である公舎と庁舎内にある
それぞれの部長室での話が
時系列順に進んでいくので、あれ?これは
誰だっけ?状態。挙げ句には、あれ?この人は
誰の奥さんだっけ?みたいな。

でも途中からはもぅ一気読み!
読み終わると、とても考えられたわかりやすい
作りになってると気づき、もぅ一度ぱらぱらと
読みなおしてさらに納得。

警察小説として、ミステリとしても読めますが
やはり最後の人間愛的なくだりには感慨深いものが。

ただ、あの阪神淡路大震災を、時間軸の表現
幹部達のマイナス面強調の為に使われることを
非人道的と非難する声もあるようですが
あたしは逆に、あの震災が日本人の共通認識として
最悪な出来事としてあるからこそ
より一層、地方のとある県警の幹部達の滑稽さが
際立ったような気がするけれどどうでしょう?

あ、でもこの人、女性を描くのはダメかも(苦笑)
あくまで男性視点。
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2005年 11月 13日 |
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 また「初めて」作家、横山秀夫です。
とても話のテンポがよい上、こちらの「知りたい」欲求を
上手に高め、ぐいぐい引っ張るというよりはこちらの
手がどんどん先へ先へと進んでいくような。

現職の警察官である梶聡一郎がアルツハイマーに苦しむ妻を
殺して自首してきた。ところが自首してきたのは
殺害から2日目。動機も経過も白状はしているのに
その2日間については真実を語ろうとはしない。

警察の隠語ですべてを白状することを「落とす」「落ちる」と
表現する中、梶は「半落ち」の状態であった。

警察側は梶のポケットから「新宿歌舞伎町」で
配られただろうティッシュを押収。
警察官が殺しただけでも問題なのにさらに殺した妻を
放置して歌舞伎町に行っていたとは絶対にあってはならない。
真実を語らない梶、真実を揉み消す上層部に対し、
その違和感に気づく県警刑事、地方検察検事、新聞記者、
弁護士、そして地方裁判所判事、刑務所看守。
その6人の目を通して物語は進んでいきます。

たった一人の息子を急性白血病で亡くし、その命日に
墓参りに行った梶夫妻。ところが妻はアルツハイマーの為
お墓参りに行ったことを記憶すら無くし半狂乱に。
夫に自分を殺してくれと懇願するわけです。
息子の命日すら忘れるなんて母親じゃない。
せめて母親であるうちに死にたい。息子の記憶があるうちに
自分を殺してくれ。

そうして妻の首に手をかける梶。さらに一度は自害を
考えたものの死ぬことをとどまった本当の理由。

彼等6人が時系列順に梶と関わり合いながら
自分自身にも問いかける。
「自分はなんのために生きているのか」

とても涙なしでは読めない重さを持ちつつ
警察などの不祥事隠しとその隠蔽を暴こうとする人たちと
それを次々と阻止されていく緊迫感とその中に漂う無念さ
かなり興味を引くおもしろい作りにベストセラーは納得。
ラストの「理由」は途中で想像はつくものの
謎解きを楽しむ話ではなく純粋に人間ドラマとして
楽しめました。
映画もかなりおもしろいようなのでぜひ見たいところ。

もひとつ。これが直木賞を受賞しなかった経緯について
書かれたサイトを読みました。
くだらない点だけにこだわる審査には呆れてしまうよ。
ちなみにコチラのサイト。ネタバレもあるので読んだ方だけどうぞ。
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