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カテゴリ:オムニバス( 4 )
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2006年 09月 30日 |
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 祥伝社創立35周年記念特別出版
愛してる、って言葉だけじゃ足りない(オール書下ろし)
恋愛には物語がある。
初めて異性を意識しはじめたとき、相手とのあいだに微妙な距離感を感じたとき、初恋の同級生との再会を果たしたとき、そして別れを予感したとき…。
さまざまな断片から生まれるストーリーを、現在もっとも注目を集める男性作家たちが紡ぐ、至高の恋愛アンソロジー
(出版社コメントより)

伊坂目当てで読んだのですが6人すべてそれぞれの
個性がしっかりあって読み応えありました。
どの話も読んだ後、確かに読んで良かったと
思える共著というのはめずらしいかも。

■伊坂幸太郎 透明ポーラーベア
 傷心旅行にシロクマに会いに行ったまま帰らぬ人となった
姉の恋人に偶然動物園で再会した弟が遭遇したある法則。
■石田衣良  魔法のボタン
 小さい頃からの付き合い、だからこそ恋愛感情に
してしまっていいのか手探りで進む二人。
■市川拓司  卒業写真
 卒業してすっかり変わってしまった’美少年’
嫌われていると思った、から始まる何か。
■中田永一  百瀬、こっちを向いて
 尊敬する先輩に偽の恋人役にあてがわれたのは
先輩の二股の相手だったけれど。。。誰も悪い人なんかいない。
■中村 航  突き抜けろ
 友達が世話になったからと世話をやく先輩。
憧れの人を熱く語る友達。その人に彼氏ができたと知った時、先輩は。。。
■本多 孝好 Sidewalk Talk
 仕事に忙しい妻と待たされてばかりいる自分。
すれ違いがやがて二人の間に大きな溝を作っていた。最後の外食のとき彼女のまとっていたものは。
その中から中村航の「突き抜けろ」を読んで

愛情をただただ育みたいと願うこと。

与えるモノじゃなく白黒つけるモノじゃなく
大きくなるものなんかじゃなくて
濃くなるこもじゃなくてもひたすら育んで
そう願い続けることが愛情の交換、というのが結構
深く残ったなぁ。
色んな形のラブストーリー。

。。。人が死ぬ話ばっかりよんでたから心からほっとした(笑)
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2006年 07月 30日 |
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 阿刀田高、小池真理子、鈴木光司、高橋克彦、
乃南アサ、夢枕獏、宮部みゆきといった大御所7人の
描く「怖い」短編集。

「迷路」阿刀田高
少し理解力の足りない昌司、古い井戸の中にいたずら心で
落としてしまったこと、自分に残された財産を狙って
近づいた女性の死体、すべて「流れて」いくものだと
信じていたけれど。。。ラスト、背中をぞくっとさせるお話。

「布団部屋」宮部みゆき
奉公へ出た姉が突然、謎の死を遂げた。その姉の後に
妹であるおゆうがその酒屋に奉公に出された。
主人は皆短命で奉公人は皆真面目と噂ばかりされるその店に。
宮部の短編集「怪」で読んだときも漂った静かな恐さを思い出しました。

「母の死んだ家」高橋克彦
深い山道、道に迷った。編集者と二人さまよい歩き
行き着いた所は、行かなければと思いながらも
来たくなかった母が自殺をした別荘だった。
さらっと読むと混乱。また読みなおしたくなってしまう
噛みしめるような恐怖感。

「夕がすみ」乃南アサ
幼い妹を亡くし、またすぐに両親を亡くしたまだ幼い
従姉妹のかすみを引き取ることになった。彼女の
可憐さ、可愛さに惹きつけられると同時にわかっていく
得体の知れないその恐さ。短編集だけではなく
続編も期待したくなるようなお話。

「空に浮かぶ棺」鈴木光司
あの有名な「リング」の続編という感じなのでしょうか。
映像でしか「リング」は見てないので、初めて
「あのビデオ」の描写を活字で体験しましたが映像よりも
ずっと怖いかもしれない。

「安義橋の鬼、人を喰らふ語」夢枕獏
安倍晴明は出てこないけれど陰陽師は出てきます。
はい、あの時代のお話です。鬼がまだ存在していた
人々の心の闇の中にしっかりと「恐怖」があった時代。
これもまた怖い世界。

「康平の背中」小池真理子
何の取り柄もない抜け殻のような自分に後添いにとまで
言ってくれる裕福な初老の男性。でもその男性の横に
死んだはずの昔の不倫相手が背中を向けて座っていた。
ふぅん。。。小池真理子の文章だなぁという感想しか
持てず(苦笑)

半日で読めるような薄い本でした(苦笑)
病院の待合室などでさらっと読むのに適した本(笑)
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2005年 07月 20日 |
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 「恋愛」をテーマに9人の作家の描く
時代小説短編集。
作家陣は石川英輔、宇江佐真理、薄井ゆうじ、押川國秋、
加門七海、島村洋子、藤水名子、藤川桂介、山崎洋子。
もちろん宇江佐真理目当てで。
宇江佐作品は「掘留の家」
掘留にある鎮五郎の家には岡っ引きの鎮五郎が
親に捨てられ身よりのない子供や
事情があって親が育てられない子供達が集まり
育てられていたが、そこで一緒に兄と妹のように
育った二人。妹にしか思えない「おかな」に
思われてもどうしても恋愛感情は持てない。
二人の感情のすれ違い、その事の顛末がとてもせつない。
やっぱり宇江佐真理はいいなぁと
しみじみできる作品。

他にも石川作品の「夢筆耕」は
筆耕の仕事をしていた八兵衛の「夢」の話や
大奥の女性同士の争いと思いを描いた島村作品の「猫姫」
山崎作品の目の見えない藤七が使えた「お方様」との
淡い思いの「柘榴の人」や
悪い夢は引き取りましょう、と祭神の霊威ある枕を売る
藤川作品の「たまくらを売る女」
などなどなかなかおもしろく読めた話ばかり。。。
でしたが
一つだけどうしても我慢できなかった作品が。
藤作品の「リメンバー」
これだけはダメでした。
作中に「三人はコメントをさけ」とか
「彼はヒステリックに」とか。。。
タイトルからして「リメンバー」なのでもしかしたら
狙ってるのかもしれませんが。
あたしは「時代小説」として読んでいるものの中に
外来語は見たくないです。話の内容以前。。。話も陳腐。
興ざめ。この人の小説だけはもぅ読みたくないとまで
思ったほど。他がおもしろかっただけに残念。
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2005年 06月 18日 |
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 池宮彰一郎、安西篤子、宇江佐真理、新宮正春、鈴木輝一郎、
高橋直樹、千野隆司、東郷隆、火坂雅志、諸田玲子という
10人の作家による忠臣蔵外伝。
日本人なら誰でもツボる忠臣蔵ですが、そのツボは何も
赤穂浪士の忠義だけではなく「敵方」にだってあるわけで
どこを取っても、という見本のような短編集。

実は幼少の頃より大名育ちで人見知りが激しく癇癖な浅野内匠頭と
真っ向からそりが合わず赤穂藩藩籍を抜けた千馬三郎兵衛の
目から見た内匠頭と内蔵助像、事の全体を扱った「千里の馬:池宮彰一郎」
大石内蔵助の妻りくのすべてが起こったのちに語られる
内蔵助との思い出、母親としての今の思いを綴った「残る言の葉:安西篤子」
討ち入り後の吉良上野介の妻、富子から見た忠臣蔵「富子すきすき:宇江佐真理」
松平美濃守吉保を軸として赤穂浪士達の処分に大わらわする様を
描いた「一座存寄書:鈴木輝一郎」
殿中での乱心後から切腹までの瞬間までの内匠頭の心理状態を
描いた「錯乱:高橋直樹」
討ち入りまでの間、遊郭通いをする内蔵助の放蕩を収めるために
妾として奉公にきたお軽の見た内蔵助「山科西野山村:千野隆司」
裏で、上野介所有の花入に心奪われた結果、赤穂浪士に手を貸した
国学四大人の一人荷田春満の「桂籠:火坂雅志」
こちらも吉良上野介妻、富子を中心とし事の成り行きを女性の目から
描き、浅野内匠頭亡き後、瑶泉院となり髪を下ろした後室との
ニアミスを描いた「高輪泉岳寺:諸田玲子」などなどが収められる。

特に、母親としてのりくの子への募る思いと武士の妻として
人前で決して涙を見せないを姿を描いた安西作品は反則(笑)そりゃ泣くよ。
宇江佐作品はやはり人物へ向ける優しさ、人間臭さを描かせたら
右に出るものはないのでは?と思うくらい。
「富子、すきすき・・・上野殿、すきすき・・・・」その言葉だけでも涙。
同じく富子を扱った諸田作品は、気むずかしい夫に対して表面上は
凛として従順でありながらも、上杉家、吉良家の女としての胸の内の
凄まじさが圧巻。その富子に「人もをし 人もうらめし あぢきなく」
(人を愛し、人を恨みもしましたが、そうしたこの世のできごとが
いまとなってはあじけなく思う)と語らせる説得力のある短編。
高橋作品の「錯乱」のラストはギャグですか?(笑)吹き出しちゃったよ。

同じテーマを扱いながらも、書く作家によってこんなにも
「読みやすさ」=「話へののめり込み方」が変わるんだな、と。
だれでも知っている忠臣蔵、たまにはこんな異色作品も面白いです。
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