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カテゴリ: :山崎豊子( 2 )
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2007年 08月 31日 |
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国民航空社員(モデルは日本航空)で同社の労働組合委員長を
務めた主人公、恩地元(実在の日本航空元社員・小倉寛太郎がモデル)が受けた不条理な内情を描き、人間の真実を描いた作品。
ナショナルフラッグキャリアの腐敗と、単独機の事故として
史上最悪の死者を出した日航機墜落事故を主題に
人の生命に直結する航空会社の社会倫理を
鋭く抉り出した作品である。(『ウィキペディア(Wikipedia)』より

すごい作品です。
「華麗なる一族」や「白い巨塔」はのドラマ化。
これもそのうちドラマ化されるんでしょうか?にしてはスケール大きすぎ
一企業のバッシング扱いで無理かなーなどと思ったり。
この本が出たときにはそれはそれは
騒ぎになったようで。
なんせ実在する会社、モデル、政治家までもが
特定しやすいだけにいったいどこまでがフィクションか、と
すべてを信じてしまいそうになる危うさ。
でもそうなりそうなほど、作者がこの作品を仕上げるための
入念な下調べ、とてつもない労力。
それだけでもすごいです。

労働組合の対立によって、アカと言われ
報復人事としてパキスタンやアフリカを
10年に渡って(通常2年勤務)たらい回しにされた主人公。
利益だけを追求するその裏の姿には
金の亡者と化した一部幹部や政治家たち。
そんな腐敗した体制が、空の安全性を二の次とし
結果、起こってしまった史上最悪な御巣鷹山の墜落事故。
520人の被害者、そしてその遺族たちの苦しみ。
再建の為に総理の三顧の礼を持って迎えられたはずの
繊維会社会長は、その正義感から周り中を敵にし
やがてその巨大な渦に恩地ともども呑み込まれ
流されて行く様は巨大なアリ地獄にはまった小さなアリさながら。

ブルックリンの動物園に動物に並んで壁にかけられた鏡。
鏡に映し出される人間の姿につけられた説明書きは
「この地球上でもっとも危険で獰猛な動物」

恩地の僻地勤務時代の辛さ、むなさしさ
子会社社長や会長などの金遣いの荒さの表現
どれを取ってもその文章の巧さに
どんどんはまっていきます。

そして何より3巻目のあの大事故の様子
その後の遺族の様子や心ある社員たちの姿
何度も泣きました。

今までに、遺体監察医の本を読んでいるだけに
この小説の「正確さ」に驚きました。
あぁ、この人の話も読んだことある、この表現も読んだ
そんな感じで感心することしきり。
ゆえに様々な悪事ももしかしたら。。。とすっかり洗脳(笑)

あの飛行機が30分間もの間、大きく揺れダッチロールを
繰り返す時間に書かれた遺書。
そして残された子供の書いた詩。

決して繰り返してはいけない。



恩地元のモデルとなった小倉寛太郎氏のインタビュー
日本航空機長組合,日本航空乗員組合,日本航空先任航空機関士組合の
123便事故特集のサイト
「沈まぬ太陽」の反響 −週刊朝日 VS 週刊新潮・・・日本航空、機長組合の見解−

他関連サイトぐぐると大量に出てきます。


以下、長くなりますが各巻、「BOOK」データベースより。
参考までに。

ー1巻ー
広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命—。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける。

ー2巻ー
パキスタン駐在を終えた恩地を待ち受けていたのは、さらなる報復人事だった。イラン、そして路線の就航もないケニアへの赴任。会社は帰国をちらつかせ、降伏を迫る一方で、露骨な差別人事により組合の分断を図っていた。共に闘った同期の友の裏切り。そして、家族との別離—。焦燥感と孤独とが、恩地をしだいに追いつめていく。そんな折、国民航空の旅客機が連続事故を起こす…。

−3巻ー
十年におよぶ海外左遷に耐え、本社へ復帰をはたしたものの、恩地への報復の手がゆるむことはなかった。逆境の日々のなか、ついに「その日」はおとずれる。航空史上最大のジャンボ機墜落事故、犠牲者は五百二十名—。凄絶な遺体の検視、事故原因の究明、非情な補償交渉。救援隊として現地に赴き、遺族係を命ぜられた恩地は、想像を絶する悲劇に直面し、苦悩する。慟哭を刻む第三巻。

ー4巻ー
「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった…。

−5巻ー
会長室の調査により、次々と明るみに出る不正と乱脈。国民航空は、いまや人の貌をした魑魅魍魎に食いつくされつつあった。会長の国見と恩地はひるまず闘いをつづけるが、政・官・財が癒着する利権の闇は、あまりに深く巧妙に張りめぐらされていた。不正疑惑は閣議決定により闇に葬られ、国見は突如更迭される—。勇気とは、そして良心とは何かを問う壮大なドラマ、いよいよ完結へ!。
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2006年 07月 27日 |
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 どうこういうまでもない大ベストセラー。
ドラマ化もされてる有名所なので
特別な説明もいらないでしょう。
社会派小説の金字塔とまで言われるだけあり
読み応えばっちり。
医事裁判をベースに人間の生命の尊厳と
二人の男の対照的な生き方。
とにかく大作でありながら文章そのものは
とても読みやすい。
文章にいっさい違和感がなく日本語が
きれいだからこそ、だと思います。

里見先生の誠実さに惹かれながらも
里見が財前の最後に「死なせたくない」と
思う気持ちがね、すごく「わかってしまう」んですよ。
それまで財前に対して「やなやつ〜〜〜」なんて
思っていたとしても(笑)結果的に
その魅力がちゃんと理解できる。
そこに至ってしまったまでが「わかる」
これはやっぱりきちんと「書き切れている」からでしょう。

。。。でも確かに奢りから人を死に至らしめたとはいえ
それまでに救われた人の数を思うと、ねぇ(苦笑)
と、冷血漢な財前にすっかりやられていることに気づく(笑)
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