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カテゴリ:さ:坂木 司( 5 )
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2012年 12月 15日 |

デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー。(「BOOK」データベースより)


相変らずの坂木ワールド!
人の死なないミステリー。
ごくごく普通に生活していて
あれ?と疑問に思う瞬間
他人に対して、何?と
感じる色んなこと。
それを観察眼と知識で
解いていく日常ミステリーな
連作短編集。

デパ地下を舞台にってとこで
まず女子はOKでしょう。

ただ今回の主人公、若い!
まず高3の3学期。
大学に行きたいほど勉強が
好きじゃない、でもかといって
何か特別やりたいことが
あるわけでもないから専門学校も
ちょっと。。。と
進路が決まらない18歳の
女の子が主人公。

うーん。若すぎだなぁ。
こりゃ読めるか?ついていけるか?
感情移入できるか?と
不安に思ったのも束の間。
そこに広がるのは
ほろっと泣けて
ほわっと心温まる世界。

ダイエッターには危険な本かも(笑)
な本作、1話目は「和菓子のアン」
アンちゃんこと梅本杏子が
デパ地下の和菓子屋さんで
働き始め、上生菓子をお使いで
買いに来たOLさん。
5月のお菓子’兜’と’おとし文’
前回半々で買って行ったそれを
今回は兜9個とおとし文1個
その数に隠された意味と
6月1日に買って行った
’水無月’の上生菓子9個の
厄払い。氷の節句。
無事に過ごせた半年の厄を
祓いこれから半年の無事を
祈って食べるお菓子。

って桃の節句、端午の節句以外も
そんな節句があると主人公共々
びっくり。ほうほう。

「1年に1度のデート」は夏
お中元とお盆の季節のデパート。
お中元のお買い物以来
1週間に1度はお越しになる
お客様。いつも黄色と白か
緑と白のセンスのいい
ファッションのおばあちゃま。
でもその服の色に含んだ意味と
買って行かれる上生菓子の意味。
’松風’というカステラに似た
焼き菓子で表面は
胡麻や芥子の実に吹き付けられた
そんなお菓子に名付けられた
松風の由来は「松風の
音ばかりで浦(裏)がさびしい」
会いたいと思う気持ち。
七夕と同じように年に一度だけの
遠距離恋愛なのに
決定的な違い。

などなど和菓子のうんちくと
引っ掛けた楽しさいっぱい。

なによりこの主人公のアンちゃんが
とてもイイ子なんですよ。嫌みがなく
前向きででも時々卑屈になったり
ちょっと臆病になったり
それでも、ごくごく普通の家庭で
しっかり育てられたお嬢さんだなと
好感が持てるんですよね~。
その彼女が彼女なりに真っすぐ
お客様と向き合い、店長同僚たちと
何か物事が起きるごとに
色々感じ、考え成長して行く
とても読後感のいい一冊。

絶対読んだ後、デパートの和菓子店へ
行きたくなりますよー。

ちらり坂木の別作品「切れない糸」と
絡んでるところもあって
坂木ファンには嬉しい仕掛け♪
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2011年 01月 30日 |


周囲が新しい門出に沸く春、思いがけず家業のクリーニング店を継ぐことになった大学卒業間近の新井和也。不慣れな集荷作業で預かった衣類から、数々の謎が生まれていく。同じ商店街の喫茶店・ロッキーで働く沢田直之、アイロン職人・シゲさんなど周囲の人に助けられながら失敗を重ねつつ成長していく和也。商店街の四季と共に、人々の温かさを爽やかに描く、青春ミステリの決定版。
(「BOOK」データベースより)


作者の十八番、安楽椅子探偵ベースの日常ミステリーを軸に
人と人の温かさ、繋がりを感じさせる連続短編集。

めちゃくちゃ勧められて読んだからか
あら?と、引きこもり探偵シリーズと結局同じやんと
思ってしまった感もありますが
さすが坂木作品やっぱり坂木作品といったところ。
タイトル通り、
「切れない糸」自分が自由に動けるために
自分が自分である為に、人が必要とするアイデンティティを
地元商店街=人との繋がりとして
読ませ納得させるストーリー展開は素晴らしいです。

もともと父親の急死により継ぐつもりなんか毛頭なかった
地元商店街密着型のクリーニング店。
はっきりいって商店街のオヤジという職種をバカにしていた
主人公が、その商店街をプロフェッショナルの集団と気づき
読者にもそれを気づかせることで
本の中の世界に憧れを抱く、本を読むことの醍醐味のひとつ。
こんな商店街、自分の住む近所にあったらなぁとか
こんな友達が自分のそばにいたら面白いのになぁとか。

読後感も爽やか。
犯罪も殺人もない、日常ミステリというよりも
主人公の成長物語と見ても楽しめます。
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2008年 11月 13日 |
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春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。
僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの高田安次朗さんだ。
高田さんが働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。
動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事とどうつながるのか—。
鳥井は外の世界に飛び立てるのか。感動のシリーズ完結編、文庫版特別付録付き。
(「BOOK」データベースより)

3部作のラストです。
もぅこれはミステリじゃないです。ミステリを求めて読む人には
お勧めしません。はっきり言って。
それと作中の人物の年齢にやたらとこだわる人にも不向きです(笑)

これは、登場人物たち、主人公坂木と鳥井の成長物語。
青春群像小説とみてもいい。

もぅ素晴らしいです。坂木ワールド全開。
あたしは大好きです。

ほんの小さなことと無関心が、或いはちょっとした悪意
そうしたことが時には相手を深く傷つけたりさらには
人を殺す結果ともなり得ること。
それに気づいたから、コミュニケーションの難しさに
気づいてしまったからこそ歪んでいく人間関係。
けれど
人を傷つけ、自分が傷つくことを恐れて
檻に閉じこもっていては何も変わらない。
そして、どんなに辛い思いをしてもそこからさらに
踏み出した人たちの「笑顔」
笑顔の裏にあるその強さ、笑顔の本当の意味を知っている人たちが
周りにいると気づかされた時
少しのやさしさと思いやりをもって相手に接すれば
少しづつ世界は変わっていく。
この世界はまだ生きて行く価値がある。
そう信じられる。

この本はぜひとも文庫で読むことをおすすめします。
作中で鳥井が取り寄せていたお菓子のお取り寄せ先や
鳥井が作っていた料理のレシピが。
これはちょっと楽しいおまけですよ。

さらに、「あとがきまでは読まない、そこで本を閉じる」という方。
この本は本当に最後まで読まないとダメですよ。
映画のエンディングテーマが流れてる最中に劇場を立ってしまって
見逃したようなことになっちゃいますよー。
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2008年 01月 15日 |
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自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝こんでいたある日
僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと
相談を受ける。慣れない探偵役をつとめた僕が
導き出した解答は…。
また、木村栄三郎さんのもとで出会った男性と
地下鉄の駅で見掛けた少年の悩み
そして僕自身に降りかかる悪意の連続、それらの真実を鳥井はどう解明するのか。
ひきこもり探偵シリーズ第二弾。
(「BOOK」データベースより)

シリーズ2作目。1作目に登場した人たちも出てくるので
順番に読むのがおすすめ。
確かにね
すっごいご都合主義っていうかミステリーとして
そりゃ出来過ぎだろ?とかありますよ、ありますけど
でも、不思議と魅力ある作品なのです。
キャラの魅力が大きいかな。

読んでいて気持ちがほっこりする。
ボーイズラブ系だなんて言われ方で済ませて欲しくない
さわやかな読後感。
ひとにやさしく、そうありたいと思わせてくれる本。
初対面の相手、快く思わない相手であっても
徐々に心を開き、最後には友達という関係になり
そして強くなっていく。その輪が広がっていく。

主人公坂木の祖母の言葉がとてもいいです。
困っている人、悩んでいる人、世界中にたくさんいて
自分はそれを何も変える力がないと思い悩む子供に
あなたならなんて声をかけますか?
大人ならではの「しょうがない」で済ますのではなく。
自分の手の届くところから、優しくすればいい。
そしてそこでできたらまた少し手を広げればいい。
自分の手の届く範囲で、少しずつ広げていけばいい。
素敵なアドバイスだと思います。
そしてそれをまさに実行できている、しようと頑張っている主人公。
その形がとても素敵。
いつか息子にも読ませたいなぁ。

まぁただ正直言って、この系統(加納朋子とかね)好きだからと言って
連続してこればかりは読めない。
さすがに疲れる、というか、優しすぎるというか甘過ぎるというか。
辛口とかの合間にふっと入るととても心地よい。
そんな読むタイミングをとても選ぶ本だとは思います。
癒されたいとき、優しくされたいときにどうぞ。
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2008年 01月 12日 |
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僕、坂木司には一風変わった友人がいる。
自称ひきこもりの鳥井真一だ。複雑な生い立ちから
心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと
僕は日夜頑張っている。
料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった
様々な謎を問いかける。鋭い観察眼を持つ鳥井は
どんな真実を描き出すのか。
謎を解き、人と出会うことによってもたらされる
二人の成長を描いた感動の著者デビュー作。
(「BOOK」データベースより)

面白かったぁ!もぅここんとこずっとディープな本ばかりだったので(笑)
人が殺されないミステリーはほっとする〜。
加納朋子などにあるような日常の謎解き。こーいうジャンル好きです。

引きこもり探偵の鳥井真一とその彼を支える友人坂木司。
彼を支えているようで実は互いに依存しあっている関係に
うっとうしさを感じる人もいるかもしれないけれど
あたしはこの関係とても理解できるなぁ。
また、あり得ないほどの大団円や引きこもりだから
職業はプログラマーなんていう設定や
外資の保険会社だから仕事は二の次的な生活のベースの
部分の突っ込みどころも満載でも
あたしは好きだな。
まぁ好き嫌いは別れる話かもしれませんが要はミステリ部分を
メインに置かずにドラマとして読む、もぅやられちゃいますよ。
何度も泣いちゃいましたよ。哀しい切ない涙じゃなくて
じわーんと。

人に優しくあれ、ただし優しいだけじゃあダメなんだと成長していく
主人公の心の過程も読みながら一緒に考えさせられていく
考える前にまず感じる、そんな優しい空気に包まれた本。
変なBLに持って行って欲しくもないし(精神的に病んでると
言えば自称引きこもりの鳥居よりも坂木のが重症だよね〜。
それを異性愛と簡単に持って行くのはアタマ悪すぎでしょ。
作者はそんな形に持って行ってもいなければそんな表現もないのだから
そんな読み方をする読み手の稚拙さでしょうね。)
偽善だと一言で済ませるのはもったいないしちょっとなぁ、という気が
かなり。確かにこの次元、このレベルの本を
読みたい時期と求めてない時期とはありますが
ちょうど今、ぴったりだったのかも。
シンプルで暖かい世界。
誰もが簡単に心を開き一緒に美味しいお茶を飲む。
そう、こんな異世界があるのもいいじゃないかと。
と、異世界と認めてしまうほどリアリティに欠けますが
だからこそよりこの世界にどっぷり浸かりたい思いで
3部作ということなので次作も読もうと思います。
文章力うんぬんに関してはデビュー作ということで
これから読む次作以降、どんどん読みやすくなってるようなので
その部分も期待。
好きな作家が増えて嬉しいです。


Wikipediaによると
坂木司(さかき つかさ, 1969年-)は、日本の作家。東京都出身。2002年、『青空の卵』で覆面作家としてデビューする。ペンネームの由来はデビュー作の登場人物からで、その時それより良い名前が思いつかなかったからとか。なお出生年以外は性別も未公表。ただし、かつて数回だけサイン会が行われており、その際は参加者に対し情報を口外しないようにという趣旨のカードを配布している。
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