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カテゴリ:た行作家 その他( 4 )
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2009年 07月 31日 |

藤子・F・不二雄をこよなく愛する、有名カメラマンの父・芦沢光が失踪してから五年。残された病気の母と二人、毀れそうな家族をたったひとりで支えてきた高校生・理帆子の前に、思い掛けず現れた一人の青年・別所あきら。彼の優しさが孤独だった理帆子の心を少しずつ癒していくが、昔の恋人の存在によって事態は思わぬ方向へ進んでしまう…。家族と大切な人との繋がりを鋭い感性で描く“少し不思議”な物語。
(「BOOK」データベースより)

うわああああああ
もぅいいっす、これ!この本、好き!
あたし初めて読んだんですけど、この作者。
いいですよ。

初めはちょっとこの斜めにかまえたような女子高生に
違和感を覚えましたがだんだんとそれがうまくはまっていくんですよ。
物語に。この主人公だからこその流れに。

父親の影響で藤子・F・不二雄が好きな女子高生。
小節ごとのタイトルもドラえもんの道具です。
その道具の説明とストーリーがうまくリンクしていてそれもまた
楽しめるのです。ドラえもん、見直しちゃいましたよ。
父親が娘に、恋愛も冒険もなにもかもすべて一番初めに
ぼくたちはドラえもんから教わったようなことを言うわけですよ。
ほんとその通りだなと。

この小説の流れが見えなかった時は恋愛モノ?
じゃ、最後はこの主人公の理帆子ちゃんは絶対この
ダメダメな格好だけのへたれ男の若尾とは別れちゃって
同じ学校の先輩、別所くんと?なんて読んでたから
ラストは。。。。(笑)
やられました。ますますきゅんっとかきちゃったり(笑)
ってそのきゅんっはなんなんだって感じですが。

SF(少し不思議な)家族の物語、ごもっとも。

母が父の写真集に添えた「ラブレター」は号泣。
いい話、読まさせて頂きました。


蛇足
そいえば会社の同僚がこの作者の
「冷たい校舎の時は止まる」がいいって言ってました。
いまやっと繋がった(笑)次、読んでみたいです。
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2008年 10月 09日 |
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“熱い消防馬鹿”なんか真っ平御免!と言い放つ、二十歳の新米消防士・大山雄大のもとへ飛び込んだ、外国人アパートを襲う連続放火事件。面倒なことは嫌いだけれど生来の反骨精神と真面目さが災いして、火災の原因究明に不本意ながらも奔走する雄大。
事件の真相に迫るうち、自らが選んだ道の正義と誇りに気付き始める…。一人の消防士の成長を描いた長編傑作。
(「BOOK」データベースより)

日明恩(たちもりめぐみ)初めて読みました。
もとが「不良」という設定のせいか
石田衣良のIWGPを彷彿とさせるなぁ。
ちょっと軽めの語り口でありながらベースには
熱いものがしっかりあってがっつり感動しちゃったり
泣けちゃうところも。

主人公大山雄大は、赤羽台消防出張所の消防署員。
父親も消防士だったが、仕事熱心で人の命を
助けることを一番に考えた挙げ句、火事現場で命を落とした。
「家族を犠牲にして英雄気取りでいい気になってる」とずっと
反発していた雄大はそんな父も消防士という仕事も嫌いだった。
父親の死体と対面しているときに、外から鎮火報が聞こえてきた。
火災を無事に鎮火したことを高らかに告げる、それが鎮火報。
雄大は鎮火報も嫌いになった。

そんな雄大が、売り言葉に買い言葉で消防士にはなったが
さっさと現場を離れ、事務職へ異動となり
安泰な公務員生活を望んでいる。
けれど次第に雄大は、仲間達とともに
そしてさらに「親父のように」プライベートまで使って
現場へと、人の命を助けるために奔走し
やがて、大事なことに気づいて行く。

おもしろいです、これ。
厚みにちょっとたじろぐけれどどってこない。
それくらいのめり込みます。

雄大を始め警防第一係の人たち、仁藤や雄大の母
友人の守や裕二もぅキャラたちの揃え方も最高。
(とくに守、いいっ。
あたしの頭の中では彼は「アンディ・ウォーホール」だった(笑))

ちょうどいい熱さで、ちょうどいい真面目さ、ちょうどいい軽さ。
ミステリ要素もちらり(これはまぁほどほどであっても)
そして何より、泣ける。
いいね〜。
重いテーマながら救いがあるのもいい。

警察を舞台にしたものは多々あるけれど
消防士ってのは初めてかな。
これまた面白い。
知らなかったことを知るのは気持ちよい。

おすすめ大プッシュな一冊です。
ちょっと長くて、一つの話の中に詰め込み過ぎな感もあり
連作短編にして区切って、ベースだけ
揃えればよかったのでは?と思うこともないではないが。

道を走る消防車、見る目が変わること間違いなし。
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2008年 08月 27日 |
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昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後
東京で連続殺人として開花した—精神に〈暗い山〉を抱える
殺人者マークスが跳ぶ。元組員、高級官僚、そしてまた…。
謎の凶器で惨殺される被害者。バラバラの被害者を結ぶ糸は?
マークスが握る秘密とは?捜査妨害の圧力に抗しながら、
冷血の殺人者を追いつめる警視庁捜査第一課七係
合田刑事らの活躍を圧倒的にリアルに描き切る本格的警察小説の誕生
(「BOOK」データベースより)

日本冒険小説協会大賞受賞、第109回直木賞受賞、
週刊文春’93ベストミステリー第一位、
週刊現代'93ベストエンタテイメント第一位
宝島社’93このミステリーがすごい!第一位ってすごくないですか?
でもね〜
長いなぁ〜と。ちょっと本屋で最初をちらっと読んで
登山とか雪山とかそーいうの詳しくないとつまらないのかな?とか
難しそう〜、面倒くさそう〜(苦笑)とか
先延ばしにしていましが、かなり評価の高い本なので
読んでみましたがこれがやっぱり正解。

見た通り長いし(ハードカバー441頁、上下段組み)
内容も警察組織、検察、政財界や裏社会とを
巻き込み綿密で重厚な作品。
これだけ多い登場人物、様々に絡んだ事件や
16年後へと続く伏線の多様さ
(何度も頁をめくりかえしてしまいました)
内容そのものの陰鬱さ、救いようのなさ、なのに
この読後感の気持ち良さは
まさしく宮部の「火車」や「模倣犯」に匹敵。
さらに会田雄一郎というキャラクターへの
興味深さも加わり、合田シリーズ今後も読んでみようかと。

だらだらと延々続くかのような警察内部の人間関係や
組織から受ける障害に対し、まるで、そのメリハリを
つけるかのように起こる殺人事件、そのバランスも素晴らしい。

時代の設定として「鬱病」や精神病院に対する
偏見の満ちた頃、当時の目で見たら
このような事件を引き起こす第2のマークスが存在しても
おかしくないという説得力、
ただのミステリや警察小説としてだけじゃない、
社会問題、人間の心の奥まで触れて行く深い作品、おすすめです。
文庫化ではかなりの改訂がされ、削られている部分も多いと
聞いたのでこちらにしてみましたが
文庫化との比較もしてみたいくらい。
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2008年 05月 03日 |
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麒麟・田村のせつな面白い貧乏生活がついに小説に!
中学生時代の田村少年が、ある日突然住む家を無くし、
近所の公園に一人住むようになる超リアルストーリー。
ダンボールで飢えを凌ぎ、ハトのエサであるパンくずを
拾い集めた幼き日々から、いつも遠くで見守ってくれていた母へ
想いが詰まった、笑えて泣ける貧乏自叙伝。
(内容紹介より)

超ベストセラーとなったこの本。
いやぁ所詮、芸人本でしょ?という思いと、ここまで
売れちゃってると手に取るのも恥ずかしい、という思いと。。。
で、なかなか手を出せずにいたのですが
まぁ息子が読みたいと言ったことと
やっぱり「売れている本には売れているなりの理由がある」と
売れている本を読んでみることは決して、悪いことばかりではないと
オトナになって改めて思うことも多々あったので。。。と
ぐだぐだ述べてみましたが、
この時点で「趣味:読書」な人間としてこの本に手を出したことへの
エクスキューズなのねん。

挙げ句の果てに、よかったんですよ、これが。
泣かされました。んも。

確かにタイトルだけでセンセーショナルで売っちゃったところも
あり、その部分だけに期待すると、え?ってな具合で
そのあたりはさっさと終わってしまうのですが
そのような境遇を体験したにもかかわらず
まっすぐに、感謝の気持ちを忘れずに育ったこと
これはもぅ素晴らしいことで。

そして、彼のお母さんへの思い。
くぅ。
人は矢張り与えられたものだけ人に与えられる。
そして、「解散」と言って失踪した父にすら
恨み言ひとつ言わず、感謝の気持ちを持っている。

はっきり言ってそりゃもぅ読んだ人のほとんどが言うように
文章は稚拙です。拙い。
けれどだからこそ、ストレートに伝わってくる。
彼のまっすぐさが。そして、はたと気づく。
少年の頃のことをそのままの文章で
書かれている。これってすごい。
オトナになりゃあ多少なりとも、余計な装飾をつけてしまう部分が
ないということ。なかなかこれは大人の文章からは出てこない。
彼の文章にはそんな表現が生きている。
もちろんこの文章を「中学生」が書いていたら
そのまま、です。けれど、この文章を大人が書いている。
それだけでも十分、読むに値すると思いますよ。
本人、あほとか馬鹿とか自分のことを書かれてますが
まったくそんなことないと思いますね。

これはもぅ斜に構えて、どうこう言ったり、つっこみどころを探したり
するのは無粋でしょう。

感謝の心、今ある色々な「普通」なことが「普通」でなくなって
初めて気づくこと、そんな様々なことに、瞬間でも目を向けられる
とてもいい本だと思います。

願わくばこれだけのベストセラーになって、時間が過ぎて
値崩れを起こし、この本の存在そのものが「流行おくれ」や「ださっ」と
なりませんように。これだけの良書、そんな扱いされたらもったいなさすぎ。
でもきっと、そうなってしまうんでしょうね。
その前にぜひ読んで欲しい。
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