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カテゴリ: :大崎善生( 4 )
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2008年 05月 15日 |
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“世界一美しい”と言われる石畳の広場で
ひとり途方にくれていた。
逃れるようにして辿り着いた場所で君と出会った。
失ったはずの大切なものを僕は取り戻し
君はあいまいな約束を残して、追われるように姿を消した…。
表題作ほか三篇。失われたときの痛みとぬくもり心のゆらぎを紡ぐ著者初の短篇集。
(「BOOK」データベースより)

あたしはいったいこの作家、好きなんだろうか?と自問自答して
しまうくらい(苦笑)短編集の1話目を読んだとき
はいはいはい、そーだねぇ、この人ってこーいうハナシいかにも
書きそうよね、コギレイな暮らしぶりをしてる女が実はセクシャルな
内面を抱いていて〜。。。。でもそれを下世話と捉える方が実は下世話
なんだよとでも言いたげな文体で〜。。。この繊細さをわからないのは無粋
って人種で〜。。。
なんて読んでいたら

うわぁびっくり。
いいじゃないですか。この短編集。(1話目はまぁいかにも、でしたが)
すっかり大崎ワールドにやられちゃいました。
とくにこの短編集、裏テーマとでもいいたげなそれぞれのテーマ曲が
出て来るのですが、その曲をイメージしながら読むとさらに
奥深さが味わえるのでは。

「報われざるエリシオの為に」ー「イフ・アイ・フェル」ビートルズ
うーん。すごい展開。なんでつか。いきなり不純異性交遊だの
覚せい剤だのって(苦笑)まぁ上に書いた、勝手に思っていた大崎ワールド全開。

「ケンジントンに捧げる花束」ー「ルビー・チューズデイ」ローリング・ストーンズ
この話、好きです。イギリスを嫌いにならないで、私を嫌いにならないで。
こんなにも一人の人を強く深く愛する、素敵な話です。

「悲しくて翼もなくて」ー「ロックン・ロール」レッド・ツェッペリン
北海道の公園で一人ギターを弾き歌う真美の歌が聴きたい(笑)

「九月の四分の一」ー「ダンシング・クィーン」アバ
ブリュッセルの広場で出会った同じ日本人の奈緒。彼女とのあやうい関係。
この話につられて、つい「ポール・アンカール」ぐぐっちゃいました。
もぅこの時点で完璧、感化されてます(笑)

美しく繊細な恋愛小説、お探しの方、ここにあります。
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2008年 03月 20日 |
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今日一日をかけて、私は何を失ってゆくのだろう—。
高校三年の初秋、ピアスの穴を開けようとする私に
恋人がささやいた一言—大切なものを失くしてしまうよ。
あれから九年を経て、私は決まりきった退屈きわまりない毎日を過ごしていた…(「八月の傾斜」)。
憂鬱にとらえられ、かじかんでしまった女性の心を映しだし
灰色の日常に柔らかな光をそそぎこむ奇跡の小説全五篇。
明日への小さな一歩を後押しする珠玉の作品集。
(「BOOK」データベースより)

大崎善生ね〜、嫌いじゃないんだけど〜なんか妙に
キレイすぎ?ドラマチックに作りすぎ?
なぁんて軽く読み始めたら。。。

まぁ確かにドラマチックではあるけれど
壮絶。
共感することも涙することもなかったけれど
見せつけられたかのように、見入るように
その世界に入り込んでました。
痛い。
人の死によって自分の内側に植え付けられた喪失感
そして崩壊、そこからの再生。
一度壊れたものをもぅ一度再生させるのには
こんなにも苦痛を伴うものか、と。
まず自分が得た傷と向き合う、これが辛い。

前に長編として読んだ大崎の作品は
きれいなイメージだけで終わってしまったけれど
この痛さはきっと同質だったと思う。
けれど、今回は短編なだけになんか凝縮された感が。
あたしはこのみっちり感、結構嫌いではないです。

「ソウルケージ」は特に凄まじいです。
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2006年 11月 17日 |
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 人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない—。
午前二時、アダルト雑誌の編集部に勤める山崎のもとに
かかってきた一本の電話。
受話器の向こうから聞こえてきたのは、
十九年ぶりに聞く由希子の声だった…。
記憶の湖の底から浮かび上がる彼女との日々、
世話になったバーのマスターやかつての
上司だった編集長の沢井、同僚らの印象的な姿、
言葉。現在と過去を交錯させながら、
出会いと別れのせつなさと、人間が生み出す感情の永遠を、
透明感あふれる文体で繊細に綴った、
至高のロングセラー青春小説。
吉川英治文学新人賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

「アジアンタムブルー」の前の話。同じ主人公です。
小綺麗な文体と印象的な事象や言葉。
ぼかした時系列で読んでいる間、作者の描く世界に
がっつりはまることで漂うような空間を味わえます。
哲学っぽい匂いを漂わせているだけの青春小説。
村上春樹臭たっぷり。
ってあたし、彼の本、苦手意識から避けてますが。
屈折していたり、哲学的な戯言は嫌いではないはずなのに
どうしてこんなにも胸を打たれないのか?と
不思議に思うほど。
きっと男性視点すぎて女性の思考とかが
現実離れしすぎてついていけないのかもしれない。
癌に脳まで冒され、幻覚で苦しむ上司の見る紋白蝶の卵や
二日酔いの状態を猿の数で言ったり
裕福な都会の家族像とか、ビールを飲みながら
男性が料理をしたりとか
もぅすべてなんかその小賢しさが使い古された手のような気が。
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2006年 03月 15日 |
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 「泣ける」と本好きのコミュニティ内でも
話題だったので読んでみましたが
泣けましたね。設定からして反則です。
「愛する人が死を前にしたとき、いったい何ができるのだろう。」

SMエロ雑誌の編集者山崎隆二は毎日デパートの屋上で
’巻く余地のないゼンマイをきりきりと巻き上げる」ような
憂鬱な時間を過ごしていた。
愛する人を失った喪失感。
断片的に浮かぶ学生時代のトラウマや官能的な思い出。
そして葉子との出逢い。
葉子とのおだやかな同棲の日々。
互いに優しさと思いやる心で成り立っていた時間。
ある日、それがいきなり幕を降ろす。
末期癌と診断された恋人のためにできること。

水溜まりばかりを撮影している女性写真家の葉子との
最後のせつない時間を描いたラブストーリーだけれど
これだけ哀しい話なのに読後感はとてもやさしい気持ちに。

女性の目で読むと多少なり陳腐な性描写や愛の言葉の
数々に好き嫌いはわかれそうだけれどそれを補うに
十分な透明感を持った文体と行間。
現在と過去をキレイに操り主人公がブルーから抜ける一歩を
自然に涙が流れるほど味わい深い一冊に仕上げています。

ちなみにアジアンタムとはハート型の葉が特徴の観葉植物。
枯れ始めると手の施しようがない繊細さが特徴。
アジアンタムブルーはその病気の状態。

個性的な特徴ををもった登場人物がこれだけいながら
その行動、言葉、発想に差異が感じられないのは残念。
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