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2005年 01月 29日 |
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 これ。コワイですって(苦笑)
 ある意味恐怖小説。じわじわとコワイ。
 結構ドロドロで歪んだ世界なのに
 さらっと読みやすいのは主人公、水無月の描写がクールだから?
 主人公の水無月は、はじめは至ってフツウの感覚を持った人物として
 描かれているのに徐々に明かされていく彼女の過去や
 行動パターンからそうでないことがわかっていくのだけれど
 改めて読み返すと、全然そんなことなかった(笑)
 作者はちゃんと考えて、初めからきちんとそれを表現してたのね。
 一人暮らしの30代の女性。
 「今日はこの後しなくてはならないこと何もない。
 部屋も片づいてるし洗濯物もたまっていない。
 使った食器を手早く片づけるとベッドの上に
 投げ出してある本を手に取り・・・」
 このキチンとしすぎた日常からすでに「水無月」は描かれていた。
 キチンとした水無月。
 自分にはなにも落ち度も不備もないと思っている女性。
 なのに愛する人が自分から離れていく、
 そのことが理解できない恐さ。
 その思いをずっとずっと引きずりまた同じように
 もがき苦しむその様子は背筋がぞっとするほど。
 幼い頃、母親に自分の個性を「見てもらえず」
 母親に気に入られるよう頑張ってきたのにそれでも受け入れられず
 徹底的に相容れない、理解されないその心の傷。
 相手に100%自分を必要とされたい、その思いがそこから生まれ
 手の中にいる相手を強く大事に握りしめ
 そのチカラを強く入れすぎてしまう。
 それはとても痛々しく、病んでいると思いながらも
 だれでも一線を越えてその方向へ絶対に行かないと
 言い切れない恐さ。
 何よりも一番コワイのは水無月の一番最後の言葉。
 別れたいのに別れられない迷惑な女と会うことになった
 年下の同僚をみて「ほんのりとどこか嬉しそう」
 。。。。こわいってば〜っ。
 これ、ドラマ化もされたのね。ちょっと見たかったかも。
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2005年 01月 29日 |
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 あたしにとってのファースト宮部(笑)
 あちこちで「好き」という声は聞いていたけれど
 まぁそのうち。。。で延び延びに。
 いいっ。
 みんながいいという理由もわかりました(笑)
 まずこの人の文章がとても読みやすい。
 翻訳物ばかり読んでいたせいかこんなにもすらすらと
 自然に「入ってくる」日本語、正しく美しい日本語は
 何もひっかからず止まらないんだと改めて実感。
 そして何よりもストーリー構成の見事さ。
 本人を出さずに周りの人に語らせることで
 その人物を描いていく表現力は矢張り素晴らしい。
 そんなに薄い本ではないのに
 本の最後の最後、あと少し、これだけしか残りがない、という
 ページ数で「これ、本当に終わるの?どうなるの?」と
 本当に最後の最後まで読者をいっきに引っ張っていく。
 脇役達も人格がはっきりと確立されているのでストーリー全体に
 不安定さがなくそのうえそれぞれのサイドストーリー
 そのものも独立しておもしろいのにその一つ一つすべてが
 本編にきちんと絡んで伏線を張っているので無駄がない。
 肝心のミステリー小説としての謎解きも文句の付けようがないです。
 と、褒めちぎりです。
 個人的には、彰子の「ゴールド」の同僚という富美恵の語る話が
 きましたね〜。
 「夢はかなえることができない。さりとて諦めるのは悔しい。
 だから夢がかなったような気分になる。そういう気分にひたる。
 ね?そのための方法が、今はいろいろあるのよ。」
 それがクレジットやサラ金で借りたお金を使うことだったり
 整形だったりいい大学を目指すことだったりダイエットだったり。
 蛇が足を求めて何度も脱皮するという
 「元亭主のご高説」は陳腐だったけど
 足があるように映る鏡を売る賢い蛇がいるという
 一言がインパクトあったな。
 「幸せになりたかっただけなのになぁ」という
 女の子の思いがずっと心に残る。
 どちらの女性に感情移入しても痛々しく悲しい話。
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