:books:
achabooks.exblog.jp
  Top
<   2005年 05月 ( 11 )   > この月の画像一覧
|
2005年 05月 30日 |
a0104226_1023344.jpg
 あまりにも権佐がよすぎて正直、
しばらく他の本を読みたくないとまで思ったのですが
そこは活字中毒。なきゃないでそれもツライ。
ということで、同じく宇江佐作品。
小普請(こぶしん)組とは、侍とはいえ無役で、現役の予備軍。
当然、職禄(しょくろく)がつかないので家禄(かろく)のみで
暮らすため生活は苦しい。故に小普請組の侍は
御番入り(役職につくこと)を望む。
五郎太の先祖はその昔、武士の魂である刀をうっかり
料理茶屋に忘れたことで小普請組へ落とされた。
ドジな先祖の不始末を呪いつつ亡くなった父の遺言は
「高を括るな」でもその実、その父も高を括っていたようで。。。
要は「ま、いっか、なんとかなるさ」が五郎太の血。
そんな五郎太が恋に落ちる。
けれど相手の父は御番入りもしてない家に嫁がせられぬと大反対。
いざ、御番入りする為に学問吟味突破(今でいう受験?)目指して
勉学に励むものの。。。

単語は違えど、今の言葉に置き換えたら
今も昔もまったく同じ。
あんなどこの骨かわからんヤツに娘はやれん!!
それも学生の分際で!!−じゃあ、一流大学から一流企業に
入って見返して結婚だぁ!みたいな?(笑)
でもバイト(代書屋)も忙しい。。。。そのバイト先から思わぬコネが?!

ほのぼのとしたストーリーなのに
やっぱり宇江佐、油断してると「やられ」ます。
ほろり。
[PR]
2005年 05月 30日 |
a0104226_10213073.jpg
 読んでいてほろりとさせる作品は数あれど
ここまでぽろぽろ ぽろぽろと涙が止まらなかった作品を
読んだのは何年振りかなぁ〜というくらい泣きました。
権佐には、惚れた女を救うために無謀にも5人を相手にし
その時に斬られた傷が88カ所。
その為「斬られ権佐」と呼ばれるように。
仕立て屋の家業を不自由な体で手伝いながら
八丁堀の与力の小者も勤める。
救ったあさみとは所帯を持ち、かわいい一人娘ももうけた。
小者として様々な事件から、下手人の
人間としての弱さ、悲しさに触れるたび
権佐は自分の身体の不調から自分の残された時間と
残していく家族のことを思わずにはいられない。
あ〜、思い返しても泣きそう(苦笑)
あたしもすっかり宇江佐におっこちきれました。
せつなすぎるほどせつないのに
心の奥がじわーんと温かくなる、今一番愛おしい一冊。

「おっこちきれる」
 遠近(おちこち)のなまったもので、切れるが付くと
 男女の間ではその垣根が取り払われたこととなり
 親しい関係を意味する。下世話にいえば
 ぞっこん惚れたということ。
江戸の乙な言葉にもやられてます。

BGMはぜひオキシ人形で(笑)
[PR]
2005年 05月 22日 |
a0104226_10184728.jpg
 初めて恩田陸、読みましたが女性だったんですね。
勝手に男性だと思ってました。
まず登場人物の紹介から始まるこの本、登場人物達が
一言ずつまるでインタビューを受けているかの如く
コメントをしています。その数27人と1匹!
戸惑いましたね、読み始める前は。
うわ。人物の名前、覚えられるかな?と。
よく海外小説なんか読むと人物紹介が最初に書かれてあり
読み進めるたびにそのページに戻り「この人誰だっけ?」と
確認したりするのですが、その作業って鬱陶しいから苦手。
そーいう感じぃ?とおそるおそる読み始めると
そんな必要まったくなし。それくらい人物の書き分けが
しっかり。。。どころか個性ありすぎなほどの人物達が
東京駅を舞台にわずか数時間のドタバタ劇を繰り広げます。
何も小難しく考えず話の世界にずっぷりと身をゆだねて
いっきに読み進めていけばラストには気分がすっきりすること間違いなし。
作者自身も楽しんでるだろうなとニヤリとしてしまうコメディ。
[PR]
2005年 05月 22日 |
a0104226_1016552.jpg
 宮部の小説は結構、超能力ものも数多くあるというのに
まだそっち分野の話は読んでませんでした。
だって、超能力でしょ?なんでもアリじゃん?という
意味でもひいちゃってたんですね。正直。
SFとかちょっと苦手だし。。。でも
宮部だから大丈夫かな?と手に取ったわけですが大正解。
「鳩笛草」「燔祭」「朽ちてゆくまで」の中編3作。
幼い頃、予知能力を持っていた過去の記憶を失った女性
念力を送ることで発火させる能力を持った女性
人の心を読むことができることで刑事として出世してきた女性
どの話も地球レベルになるような世界を震撼させるような
大きな話ではなく、身近な日常に存在し、例えばそれは
学力が優れているとか、身体が柔らかい、足が速いとか
個性のひとつとして描かれており、またその使い方や
その能力があることでの悩み、周囲の反応等、身近に感じる分
リアリティすら感じてしまいその世界に引き込まれました。
また一つ「超能力もの」という苦手意識を消してくれた一冊。
3作ともカラーが違う分、それぞれに好き。
[PR]
2005年 05月 17日 |
a0104226_1013126.jpg
 連続幼女誘拐事件が発生、行き詰まった捜査の中、異例の出世をし
内部から孤立する若手キャリアの捜査一課長の話と
人生に絶望し怪しげな新興宗教にはまっていく男の話とが
交互に語られていきます。
とてもクールな一歩離れた所から語られるその文体は
初めちょっとはまりにくいかもしれません。
まったく違う話が章ごとに、それぞれに進んでいくので
読み手側はいつこの異世界が重なるんだろう?と
ひたすらページを進めるしかありません。
「ここまで読んだのにまだ繋がらない」が途中の感想。
もしかしてこの設定って?と気付く方もいると思います。
でも、あたしは最初に「ん?もしや?」と思いつつも
。。。。やられました〜。いやぁ。びっくり。
この衝撃のラスト、読んだ人だけが感じることのできる静かな驚愕。
もぅ一度読み返したくなる衝動。
家庭不和に悪徳な新興宗教、キャリアとノンキャリアの確執
色々な現代の病巣についても問われる1冊。
映画化はまず不可能(笑)本を読む醍醐味。
でも。。。最後の1行はやっぱり哀しいなぁ。。。
このタイトルもとても深いです。
[PR]
2005年 05月 13日 |
a0104226_1011383.jpg
 「蜂」のドキドキな興奮がおさまらなかったので
ちょっと穏やかなもの、と思い宇江佐真理。
もぅ涙、涙。息の詰まるような哀しいやりきれない涙も
じわーんと心の奥が暖かくなるようなラストの涙も味わって欲しい。
岡っ引きの夫に先立たれわけあって吉原で
お針子として住み込みで働きだしたおとせ。
そこは岡っ引きの女房だったおとせにとって
今まで見ることのなかった世界。郭には郭の掟がある、そんな世界。
綺麗に着飾った遊女達の凛とした姿勢とその裏のせつなさ、
そんな中で出会った優しさ。
宇江佐お得意の連作短編集で季節ごとの遊郭の年中行事と
ともに様々な人間模様、恋模様が描かれます。
酸いも甘いも知った甘露梅のような6編。
大人の女性にぜひ読んで欲しい1冊。
おとせと凧助の会話も洒落がきいて粋で素敵です。
そうそう、宇江佐の描くお菓子ってどうしてあんなにも
美味しそうなのかなぁ。和菓子が食べたくなります(笑)
「甘露梅」はその昔、吉原名物7品のひとつなんですね、知りませんでした。
[PR]
2005年 05月 12日 |
a0104226_1084167.jpg
 ん〜、スゴイです。まるで1本のものすごく
よく出来上がった「映画」を見ているようでした。
東野圭吾、初めて読みましたが面白い!
自衛隊の依頼で作られていた超大型特殊ヘリが
盗まれた。無人操縦でホバリングするそのヘリコプターの下は
稼働中の原子力発電所。
その犯人は国を相手取り強請をかけてくる。
その内容は「日本国内すべての原発を破壊すること」
でもそのヘリコプターの中には悪戯から
乗り込んでしまった小学生が。。。
子供は助かるのか?その救助方法は?
原発は止められるのか?原発にヘリが落ちたら?
犯人はどんな人物なのか?目的は?犯行理由は?
もぅ手に汗!状態。。。
テーマはかなり重いけれど「クライシス・サスペンス」として
その重さを十分に読ませることに成功していると言えるのでは。
犯人が「原発」をターゲットとして選んだ理由には
もぅ涙ポロポロもん。クライシス・サスペンスと
してだけではなく人間ドラマとしても最高でした。
特に場面ごとに同時進行で進められるラストは圧巻。
[PR]
2005年 05月 07日 |
a0104226_1063022.jpg
 宮部の短編〜中編小説、6編を集めた本。
目の前に現れた男の子の幽霊と学校のプールで発見された死体。
自分の前に突如あらわれたそれらを呼び寄せた本当の理由「とり残されて」
事故で死んだ兄を思い事故現場へ向かう妹を待っていた信じがたい事実「おたすけぶち」
使い物にならなくなったピッチャーに常に取り憑いていた女の子
そのピッチャーが精神的に病んでいたその理由「私の死んだ後に」
旅行の帰りに一緒になったOL二人から聞いた社内での
飛び降り自殺の原因は絶対に「いじめた社員に呪い殺された」と
いう幽霊話を解決したと思ったら。。。「居合わせた男」
お金が囁いてきて「自分を使え」と誘惑する、そんな幻聴に憑かれた
上司の話を聞いていた男の取った行動は。。。「囁く」
いつも自分の夢の中に現れる場所を探して欲しいと「探偵」の元に
やってきた女の子。でも本当に不思議なのはラスト数行。「たった一人」
あたしは結構「私の死んだ後に」がおもしろかったかな。
ほろっと泣かせられましたね。その幽霊の心情に(笑)
どれもみんな超常現象を扱った「不思議」な話ばかり。
[PR]
2005年 05月 07日 |
a0104226_1033117.jpg
 んもーーーーーいいぞっ!読んで欲しい!!
涙ぼろぼろですよ。めっさいい。ほんわか。
臆病で人見知り引っ込み思案な「さや」と
生まれて間もないまだ首も座らない息子を残して
交通事故で死んだ夫が幽霊となって助けるという
至ってありきたりな設定なのに
その舞台はありきたりなんかじゃないです。
佐々良という田舎町に「逃げた」さやの元には
個性豊かな三婆とヤンキーまがいな主婦。
みんな「個性的」なのにどこかにいそうな人たち。
さやに起こる様々な出来事を一つ一つ短編で
構成されているので読みやすいです。
ミステリーな要素もあるけれどそれ以上に
その人間模様が読んでいてとても心が温かくなる。
確かにせつなくて悲しい話なのに
優しくなれる、そんな本。
漫画化もされているようだけれどここは小説でぜひ。
最終章での涙は保証します。
(主人公が気が弱くてイライラするかもよ?と言われましたが
そのイライラはすべて三婆が解消してくれました(笑))
[PR]
2005年 05月 07日 |
a0104226_1004630.jpg
 初めて近藤史恵、読んでみました。ミステリーとありますが
これはもぅ恋愛小説。それもとても歪んだ。
自殺願望のある女子大生真波とエキセントリックな美しい少女、火夜。
その二人を軸とした話かと思いきやそれはどんどん姿を変え
小節ごとに語り部を変えることで火夜の救われない絶望にも似た
生い立ちと事件が露わになっていく。
登場人物がみんな個性的すぎだし、殺人やカジノや拳銃、クスリに
売春まがいな詐欺などダークな要素と
火夜と大きな美しい庭との対比が逆に美しくすべてが非日常的。
登場人物のせつないやるせない思いは霞んでしまうかも。
あくまで「小説の登場人物」から抜け出せない。(いたらやだし〜)
ただ、その上で
いつ自分にも起こり得るかという日常を描いた恐さよりも
まったく自分とは関係のない世界と思っていたのに
その心理がわかってしまうことで自分にもその異世界へ
踏み込んでしまいそうなあり得ない恐さのがまた恐かったりもね。
謎を解こうとして読むのではなくその冷たい異世界を堪能して欲しい本。
探偵の今泉君かなりツボりました。
(あたしの中では萩尾望都に描いて欲しい本(笑))
[PR]
PageTop
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Starwort Skin by Sun&Moon