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2005年 06月 26日 |
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 ここんとこ短編が続いたので長編が読みたい!と
宮部作品です。これは前に読んだ短編「燔祭」の中に
でてくる青木淳子を主人公とした本。
「燔祭」は高校生の妹を殺された兄、多田一樹の
視点で書かれていたけれどこれは淳子の視点で。
多田一樹の代わりに自分の力、念力放火能力(パイロキネシス)
念じるだけで、有機物、無機物を問わず、
鋼鉄をも溶かすほどの炎を発生されることができる能力を
使って法で裁くことの出来なかった未成年の犯人を
処刑した淳子は、装填された銃として
正しい方向に使うべくひっそりとまだ「復讐」を
続けながら暮らしていた。
そして淳子の目前で凶悪な未成年の犯罪が行われたとき
また淳子は動き始めた。

パイロキネシスなんていう超常現象を軸としているので
まず「あり得ない」設定なのにその奥のテーマは
未成年の残虐な犯罪と法が裁ききれない憤り。
あり得ない力を持った主人公にも不思議と
感情移入できるのは見事。
その他にも子育ても終わった中年の「おばさん」な刑事を
初めとした魅力的な登場人物が多いからこそ
楽しめるのでは。
また社会への問題提起だけではなくしっかりと
女性としての淳子への答えも出してあげていることに
かなりやられましたね。せつなフェチにも大満足(笑)
やっぱどれを読んでも絶対に期待を裏切らない宮部作品
大好きです。
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2005年 06月 23日 |
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 え?また?と言わないで(笑)宇江佐全制覇
企んでますから♪
と、ほろりな宇江佐に弱いわけですがこれはまた
一味違います。どれもみなほんわか、少しほろり。
温かく穏やかでいてすっきりな短編集。
江戸の町人たちの生活の粋を感じる一冊。

「町入能(まちいりのう)」
一度お城の中に入ってみたいと
思っていた裏長屋に住む大工の初五郎。その長屋に住む人たちが
江戸城内で行われる町入能に招待される。
その長屋に住む浪人の花井は妻と町人に溶け込んで
暮らしていたが、お能見物当日、花井は知り合いの武士に再会。
仕官の口を紹介されるが。。。長屋の人々はこれを祝うがそれは
今までのように気軽に口をきける立場ではなくなること。
初五郎は心で祝いつつ、寂しさから酒の席で絡む。
そうでもしなければやりきれない江戸っ子の心情。
最後に啖呵を切って別れる二人。
江戸っ子の心意気に「ほろり」とさせつつも「くすり」。

「おちゃっぴぃ」
札差の娘お吉にとって悲しい日には
いつも空が晴れる。そんなおちゃっぴぃで勝気なお吉に
父の店で働く元節の惣助との縁談が。
嫌いじゃないけれど勝手に決められたことに腹を立て
家を飛び出す。そこで知り合った絵師・菊川英泉。
行くあてもなく彼についていくと、そこは
葛飾北斎とその娘お栄の家。
出戻りお栄の「パッと目をつむって飛び込んでみて
駄目ならやり直せば良い」の言葉でお吉の胸は
すっと軽くなる。そこへずっとお吉を
探して待っていてくれた惣助の姿。お吉は結婚を決める。
一度は見たいと惣助にせがんで買って来てもらった
栄泉の絵は春画だった。花嫁となったその日はお天気雨。
「いっちすてきに気分の良い日は雨が降る」
お吉の江戸弁もカワイイ。

「れていても」
”人参湯”に通う薬種問屋「丁子屋」の息子
菊次郎が惚れてた相手は女筆の師匠、お龍。
ところが丁子屋の財政は火の車。
持参金付きの醜女おかねとの縁談が持ち込まれ
せめて思いを告げたいと思う矢先、彼女と昔許婚で
あったという医者、佐竹玄伯が。まだお互いに
惚れてる二人。菊次郎は一世一代の啖呵を切って
二人を結ばせる。そして自分はおかねと結婚することに。
人参湯に集まる人々の人情味あふれる一遍。
なよっとした菊次郎、ツボです。

「概ね、良い女房」
”町入能”の続編。花井が出ていった長屋に
浪人者の夫婦らしい二人が引っ越してきた。
花井の人柄がよかっただけにまたいい人がまた来るだろうと
期待する長屋の人たち。ところがやってきたのは
ひょうひょうとした「旦那さま」実相寺と口やかましい女房おすま。
彼女は子供は叱りつけ、長屋の男達に怒鳴り、長屋の女房たちにも
言いたい放題。暮れの餅つきの時、張り切ったおすまの文句と
仕切りぶりに長屋の女達を怒らせる。
でもおすまの気の強さには訳があった。

「驚きの、また喜びの」
十手持ちの伊勢蔵。
その娘、小夏に好きな人ができた。
相手は鳶の龍吉。龍吉の父、末五郎は14歳の時に龍吉ができ親に
反対されながらも所帯を持った纏持ち。
それだけで伊勢蔵は気に入らない。
そんな普通じゃない家に娘はやれないと大反対。
近所の評判もよい青年で、出初め式では注目を集めるほどの
龍吉だが、伊勢蔵はまだ若い娘を外に出すつもりはない。
ところが火事の現場で、屋根の上で纏を降り続ける
末五郎を止めようと上る龍吉。この時、末五郎を
下ろすために伊勢蔵は娘との結婚を許してしまう。
しかしその後、龍吉が思いもよらないことを伝える。

「あんちゃん」
”れていても”の続編。
おかねと結婚した菊次郎のまわりを
庵助という噺家崩れらしき者がうろつくようになる。
調子だけをあわせて人参湯の常連達からただ酒に
ありついている「あんちゃん」に菊二郎は怪しむ。
実は彼はおかねの事を心配して現れた兄だった。
ところがこの兄、その飽きっぽい放蕩さ加減に家を
勘当されていた。

どの話も心が温かくなれます。江戸っ子のいきのよさを
体感出来る本。
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2005年 06月 22日 |
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 大好きな宇江佐真理の短編集。

「紫陽花」昔、吉原の遊女屋で振袖新造だったお直は
今は大店(おおだな)のお内儀。同じ遊女屋にいた梅ヶ枝の
訃報にお直は夫の半兵衛とお棺の見送りに出るが。。。
そこで気付いてしまった我が身の複雑な女心。
「あさきゆめみし」引っ込み思案の正太郎がまるで
アイドルのおかっけよろしく女浄瑠璃語りの京駒に
熱を上げた。ところがそんな京駒にちょっかいを出したのは
普段から何かと仕切ってくる年上の直助。金魚のふんだった
正太郎の一世一代の啖呵を切る。
「藤尾の局」お梅が後妻についた先には酒乱の息子が二人。
今日もその暴力から逃げるため、娘のお利緒と店蔵に隠れる。
怒って兄様二人を竹刀で打ちのめすと息巻く。
意地悪をされたからと言ってその報復をしようなんてしては
いけないと、お梅は自分がいた大奥での出来事を話す。
「梅匂う」小間物屋千手屋の主人、助松は「美人水」と名付けた
へちま水で店をどんどん大きくしていた。商売だけに精を出し
大店ゆえに付いてくる女はそれ目当て。自然と女に対して
身長になっていた助松が見世物小屋の大女力持ち大滝太夫を
目にしてから。。。
「出奔」御休息御庭之番支配、修富の甥、勝蔵が家を出て
帰ってこない。無届けで一晩外泊してもお咎めを受ける。
出奔してしまった勝蔵の行方と出奔の姿を追っていくと。。。
「蝦夷松前藩異聞」気難しい性格と病的な性欲を持つ
松前藩藩主昌広の元で家臣を勤める将監広供は藩のために
事を企てるがそれは昌広の届き詮議を受けることに。。。
「余寒の雪」女剣士の知佐は、親親戚の計らいで
子供もいる鶴見俵四郎のもと後添えとして連れてこられるが
その婚姻に納得のいかない知佐は反故。さてこの縁談の行方は。。。

すっきりした読み応え。ほろり涙。ただ他の宇江佐作品に
比べるといくらか地味目な印象はありますが
読んでいて心がほわっとなれる本。
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2005年 06月 18日 |
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 池宮彰一郎、安西篤子、宇江佐真理、新宮正春、鈴木輝一郎、
高橋直樹、千野隆司、東郷隆、火坂雅志、諸田玲子という
10人の作家による忠臣蔵外伝。
日本人なら誰でもツボる忠臣蔵ですが、そのツボは何も
赤穂浪士の忠義だけではなく「敵方」にだってあるわけで
どこを取っても、という見本のような短編集。

実は幼少の頃より大名育ちで人見知りが激しく癇癖な浅野内匠頭と
真っ向からそりが合わず赤穂藩藩籍を抜けた千馬三郎兵衛の
目から見た内匠頭と内蔵助像、事の全体を扱った「千里の馬:池宮彰一郎」
大石内蔵助の妻りくのすべてが起こったのちに語られる
内蔵助との思い出、母親としての今の思いを綴った「残る言の葉:安西篤子」
討ち入り後の吉良上野介の妻、富子から見た忠臣蔵「富子すきすき:宇江佐真理」
松平美濃守吉保を軸として赤穂浪士達の処分に大わらわする様を
描いた「一座存寄書:鈴木輝一郎」
殿中での乱心後から切腹までの瞬間までの内匠頭の心理状態を
描いた「錯乱:高橋直樹」
討ち入りまでの間、遊郭通いをする内蔵助の放蕩を収めるために
妾として奉公にきたお軽の見た内蔵助「山科西野山村:千野隆司」
裏で、上野介所有の花入に心奪われた結果、赤穂浪士に手を貸した
国学四大人の一人荷田春満の「桂籠:火坂雅志」
こちらも吉良上野介妻、富子を中心とし事の成り行きを女性の目から
描き、浅野内匠頭亡き後、瑶泉院となり髪を下ろした後室との
ニアミスを描いた「高輪泉岳寺:諸田玲子」などなどが収められる。

特に、母親としてのりくの子への募る思いと武士の妻として
人前で決して涙を見せないを姿を描いた安西作品は反則(笑)そりゃ泣くよ。
宇江佐作品はやはり人物へ向ける優しさ、人間臭さを描かせたら
右に出るものはないのでは?と思うくらい。
「富子、すきすき・・・上野殿、すきすき・・・・」その言葉だけでも涙。
同じく富子を扱った諸田作品は、気むずかしい夫に対して表面上は
凛として従順でありながらも、上杉家、吉良家の女としての胸の内の
凄まじさが圧巻。その富子に「人もをし 人もうらめし あぢきなく」
(人を愛し、人を恨みもしましたが、そうしたこの世のできごとが
いまとなってはあじけなく思う)と語らせる説得力のある短編。
高橋作品の「錯乱」のラストはギャグですか?(笑)吹き出しちゃったよ。

同じテーマを扱いながらも、書く作家によってこんなにも
「読みやすさ」=「話へののめり込み方」が変わるんだな、と。
だれでも知っている忠臣蔵、たまにはこんな異色作品も面白いです。
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2005年 06月 18日 |
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 髪結い伊三次捕物余話シリーズ6作目。
いまだに権佐の号泣をひきずってるせいか
まったり読めました。それでも相変わらずの
「じんわり」「ほろり」な宇江佐節は健在!
今回は不破の息子、龍之進の若さが光る珠玉の一冊。
以下、いつものように次シリーズのために覚え書き(笑)ネタバレです。

「妖刀」
伊三次が仕える同心不破の同僚緑川が懇意にしている
道具屋、一風堂・越前屋の主(あるじ)は不思議な力を持つ。
人の見えないもの感じないものを見たり感じたりする霊感が
強いらしく伊三次も聞いていて肌が粟立ってくることがしばしば。
今回持ち込まれた刀はどうやら人を選ぶらしく。。。
越前屋に「運が強い」と言われた伊三次、刀を持ち込んだ女隠居の
元に刀の出所先を不破から調べるように言いつけられるが。。。

「小春日和」
六助という婦女子への暴行、障害、殺しを繰り返していた左官職人を
追っていた伊三次達。捕り物に手を貸してくれた武士に名を尋ねると
その名の武士は病に臥せっていた。事情を探るとそれはその武士の
家出した弟。彼の真っ直ぐな気性が起こす恋物語の行方。

「八丁堀純情派」
元服を済ませた不破の息子龍之介改め龍之進や緑川の息子直衛改め鉈五郎達
6人は、監物の下で同心の心得の講義や奉行所に関係する所の見学等で
仕事を覚えていく無足の見習いとなる。
覚えることは山のようにあるがまだまだ捕り物に加わるわけでもないので
刺激を感じない6人が目を付けたのは「本所無頼派」と呼ばれる
江戸市中を明け方に高いところを乗り越え飛び移り駆け抜け雄叫びをあげている
酔狂な6人組。純情派だけで捕まえる、その長い闘いの始まり。

「おんころころ・・・・」
幽霊屋敷と呼ばれる仕舞屋を借りたいという者が現れ困惑している
大家の次郎兵衛。門前仲町自身番の増蔵のもとに相談が持ちかけられ
伊三次もその「幽霊」と言われる娘の正体を確かめるべく越前屋に相談すると
それは「生霊」ではないかと。同じ頃、伊三次の一人息子伊与太が疱瘡に。
まだまだ疱瘡で命を落とすのも当たり前、身の回りの物を赤づくしにする習慣に
習い赤い物を揃えひたすら看病に明け暮れる。ずっと伊与太の傍にいてやりたい、
でも何も出来ないことが辛い伊三次は、幽霊屋敷を借りたいと言った浪人と
生霊の問題を解決させるために翻弄する。そんな伊三次が見たものは。。。

「その道 行き止まり」
不破だけでなく息子の龍之進の髪もやることになった伊三次は朝から
大忙し。弟子の九兵衛を手伝いに連れていくが時々あくびを洩らす九兵衛に
龍之進は癇を立てる。龍之進は伊三次の髪のやり方が父親のよりも
おおざっぱと思い不満に感じ、見習いとはいえ宿直やお白州の警護など
山のような仕事を抱えいっぱいいっぱいなのに、捕り物の経験はないという
仕事を始めたばかりの若者にありがちな「全部がイライラする」状態が
よく出ています。無頼派を追ううちにわかったことは、昔、龍之進が
通っていた私塾の師匠の娘、あぐりが無頼派の主要格次郎衛に惚れていること。
自分の訴えで師匠は死罪、あぐりは裏店住まい、次郎衛にあぐりを幸せには
できない、堂々巡りする龍之進の出来ることは九兵衛への八つ当たり。。。

「君を乗せる舟」
おっとりした伊与太と比べて不破の娘の茜はかなり手がかかる。
それは女中のおたつや下男の作蔵の手をもやくほど。還暦を過ぎた作蔵は
そろそろお屋敷を退いて身内の所に身を寄せて自分の孫もみたいところ。
昔、百姓をしていたが借金から娘を吉原に手放してしまった作蔵、今は
郭を抜けて所帯も持ち作蔵を再三呼んだものの、負い目から断っていたが
寄る年波に気も変わってきたらしい。散々苦労した分幸せに名って欲しいと
願う伊三次とお文。そして、あぐりに思いを寄せる龍之進の耳に入ったのは
15も年上のやもめの仏壇屋に後添えがあぐりに。同時に無頼派次郎衛が
裏から手を回していることも嗅ぎつけた。次郎衛はあぐりを吉原に
売り飛ばすらしい。吉原と聞きじっとしていられなかったのは
龍之進だけではなかった。。。

はぁ。。。。涙。
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2005年 06月 10日 |
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 「隣人」をテーマにしたそれはそれはコワイ話。
「私は殺人鬼を解き放ってしまったのか?」
元裁判官の梶間勲の隣に引っ越してきたのは
勲が2年前に、幼い子供を含めた一家惨殺の裁判で
無罪判決を言い渡した武内真吾伍。
武内はとても紳士的な態度で、人なつっこい笑顔を
浮かべ、勲の家族に対して異常なほどの
親切心を見せる。そう、異常なほど。

最初ねぇ。。。ダメかなぁと思ったですよ。
勲の妻、尋恵は寝たきりの姑、曜子の介護に疲れ切ってる。
感謝の言葉の一つもなく、彼女は下の世話から
何から何まで嫁として、せめて最後に
ありがとうと言わせたいが為だけの意地で
更年期障害を抱える身体で尽くしている。
でもそんな尋恵を夫の勲はまかせきり、義姉は
嫌味と文句ばかり。その行動がひどすぎて
読むに絶えられず一度はやめようかと思ったほど。。。
でもその時点で作者の掌中にはまっていたわけです。

この作者のすごいところって30過ぎの息子を持つ尋恵
その嫁の雪見の女性の心理描写の的確さ。
僅か2〜3歳の娘の書き方まで違和感がない。
そして傍観を決め込む勲や飄々としたいかにもいそうな
坊ちゃん育ちの息子など本当に「どこにでもいそう」
そして隣人の武内。絶対にいないと言い切れない恐さ。
まさしく「現代のミステリー」
あ、でも文庫裏の説明文「読者の予想を裏切り続ける
驚愕の犯罪小説」ってのはどうかなぁ?(苦笑)
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2005年 06月 08日 |
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 恩田陸のSFファンタジー短編連作集。
キーワードは「常野(とこの)」
膨大な量の知識を引き出しにしまうが如く覚えた挙げ句に
人の生きてきた過程すら読めてしまったり
遠くの出来事を見たり、聞いたり、感じたりできたり
200年も生きる長命だったり、空を飛べたり、と
様々な「超人的な」能力を持った一族。
その超人的な能力ゆえに彼らはひっそりと身を隠し
普通の人々に混ざりながら、悩み苦しみながら暮らしている。

話的には1話目の「大きな引き出し」が一番
面白かったので、彼ら一家を中心とした「連作」を
期待したのですが、そうではなく。。。
それでも、同じ登場人物がまったく違った状況で
登場することもあり、読み進めていくうちに
きっとこれは最後には一つの大きな「何か」が起こり
「常野一族」の結末まで行かせるために
このような作りになっているのでは?と思って読み進めたら
裏切られました(苦笑)
一作一作を大事によむことをオススメします(笑)
すべての違ったエピソードがラストにはまるでパズルの
ピースが気持ちよく最後はまっていくような大団円を
期待してしまうのは宮部の読み過ぎですか?(苦笑)

表題作の「光の帝国」は号泣。
電車の中で読んだのは失敗でした。とほほ。
SFもファンタジーも苦手なのですがこれはそんなジャンルを
飛び越えて楽しめました。
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2005年 06月 08日 |
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 あの映画化もされた「たそがれ清兵衛」ですが
映画はまだ見てません。映画化された作品?と
思ってタイトル作だけ見るとちょっと拍子抜けします。
何故ならこれは短編集。長編ではないのです。
「たそがれ清兵衛」
「うらなり与右衛門」
「ごますり甚内」
「ど忘れ万六」
「だんまり弥助」
「かが泣き半平」
「日和見与次郎」
「祝い人(ほいと)助八 」
どれもみんな「おかしなあだ名」が付けられた
身分が低い武士達が主人公。
彼らはまるでサラリーマンのように毎日、城に通い
与えられた仕事をこなし、家に帰る。
ミスがあれば、或いは、上司に睨まれれば
出世は遠のき、左遷や減給もやむを得ない。
日々を淡々と過ごす彼らに現代のサラリーマンの
悲哀を映してみていると。。。。
それは飛んだ大間違い。彼らの心の奥に潜むのは
武士の魂。
その時が来たら彼らは、鯉口を切り
刀を抜く。
。。。。かっこよすぎです!
映画は短編集内の表題作と他の話を一人の主人公に
まとめたものらしいのですが
それぞれに違う主人公こその、連作集としての
味わいをぜひ堪能して欲しい作品。
「祝い人助八」を読む頃には涙。
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2005年 06月 01日 |
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 立て続け宇江佐です。
為後勘八郎は北町奉行所の定町廻り同心。下手人に対して
寛容な姿勢を見せる為、堪忍旦那と呼ばれるように。
その寛容さに若い同心の中には「犯した罪は罪として
償わせるべきだ」と。そう主張する18歳の岡部主馬。
筋道通った主馬に対して勘八郎は反論できず苦い笑いを
浮かべるだけ。もっとも勘八郎が「堪忍旦那」に
なったのは理由あってのこと。でも若い主馬には
それはまだまだわからないこと。
寛容な中年と潔癖なまでの青年。
この二人を軸に娘の小夜、その友達、小夜の
可愛がっているしじみ売りの少年達の話をまとめた
短編連作集。
すべて「人と人の繋がり」を描いた心にじんわりと
沁みる話ばかり。特に表題作の「銀の雨」が好き。
結ばれるのなら愛したり愛されたりしたいものね。
主馬が徐々に勘八郎から学び変貌していく姿には
作者の登場人物達への愛が感じられます。
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