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2006年 08月 30日 |
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 ファンタジーです、あの「ナルニア国ものがたり1」
もともとファンタジーは苦手(苦笑)
まぁ今回、息子に夏休みの宿題として読ませたので
あたしも、と読んでみました。

おもしろいじゃん!
すごいね、まさに物語の中にトリップ。
長い長い年月、愛され読まれている本というのは
やっぱり傑作なんだなぁと実感。

空き部屋の衣装だんすを通ってナルニア国に
紛れ込んだ4人兄妹の末っ子ルーシィ。
そこは悪い白い魔女が権力を握ってずっとナルニアを
冬にしてしまっている別世界。ずっと冬なのに
クリスマスはやってこない。
そんな魔女を、こどもたち4人と正義のライオン
アスランと共に闘うお話なのですが
周りを固めるキャラクター達も個性的で魅力的。
次はDVDで映像で楽しみたいです。
本を先に読んでよかったかも。
これ、先に映像を見ちゃったら空想の世界が
狭まっちゃいそう。

でもやっぱり児童文学の翻訳ってのは
文体がよみづらいなぁ〜。
で、読んでいる間は十分に引き込まれて
オモシロイのに、読み終わるとやっぱり
ファンタジーは苦手だと思うのは何故だろう?(苦笑)

でもまだあと6冊ありますが(汁
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2006年 08月 28日 |
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 まずは伊坂自身がこの本に対するレビューが
こちらで取り上げられてます。
本人が言うように、この本には今までの伊坂作品のような
「伏線を生かした結末」「意外性」「爽快感」とは
ほど遠いのですが(でも読ませる「疾走感」はあり)
それでも十分に伊坂独特の文体と
こぅなんて言うのかな、知らなくてもいいけれど
知っていたり、そーいう思考を持っていたら
「かっこいいよな」と思わせる、自分的にはあまり
好きではない言葉ですが「スタイリッシュ」な匂いのある本。
でもシンプルで、伊坂の書く文章の中に染み込んだ
「優しさ」や「兄弟愛」もしっかり味わえますが
十分に「異色作」です。

政治的なことがスパイスとして使われてますが
とても的を射ていると
政治音痴ながら思うのです。
例えば、何か自分たちにとってめちゃくちゃ分の悪い
不本意な改正が行われるとき、例えば消費税、
初めはあんなに騒がれたのに、「次」はその時ほど
騒がれない。3%から5%にあがったときとかね。
あぁ、その話題?終わったよね?的な国民の態度
あぁその通りだったなぁ、と。
ものすごくお気楽で何も考えてない人種。
こうして納得できる例題をわからせているからこそ
より、この本の中に登場するあらたな首相の
憲法9条改正の「次」の恐さがリアリティをもって
迫ってきます。
漠然とした不安が付きまとっているのに
日々の生活の中の快楽だけを求めて
考えないようにしている日本人が
くっきりと浮き彫りにされている、どこか
思考回路の奥の方に何かの注意信号を与えるのは
作者の意図したことではないとは思いますが。

独裁者、ファシズムに関する話と宮沢賢治の絡め方
そして楽曲の「魔王」の使い方、絶妙です。

「魔王」と「呼吸」の話は続いていて
「魔王」が兄、「呼吸」が弟の彼女が語り手。
「呼吸」の方があたしには、くっとくるなぁ。
「魔王」の最後の一言「消灯ですよ」は
とても痛いです。

しっかりした「終わり」や「答え」を与えて欲しい人には不向きな本であり、自分で考えるきっかけが欲しい人向き。

あたしも「スカートを直してあげたい」と思える人間になりたいな。
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2006年 08月 26日 |
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 第47回江戸川乱歩賞受賞作。
事件当時の記憶がないまま死刑判決を言い渡され、
収監されている死刑囚樹原亮。彼の冤罪を晴らすべく
高額な報酬で雇われた刑務官の南郷。
障害致死の罪で服役し
出所後保護観察中の三上純一を
パートナーとし、調査に乗り出す。
樹原が唯一思い出した記憶は階段だった。
平屋の事件現場、二人は階段を探し始めるが
死刑執行までに残された時間はあと僅かだった。
二人の調査は樹腹の冤罪をはらせるのか。
間に合うのか。
果たして真犯人はいるのか?
ネタバレになるのであえて言いませんが(笑)
ここどうなの?な部分があっても
それで止まらない、スピード感もあり
一気に読みたくなる、夜に読み始めると
そのまま朝を迎えてしまう本(笑)

サスペンスとしてのストーリーのおもしろさ
伏線の張り方、最後の最後まで
気の抜けない展開、重い内容でありながら
あっという間に読み終えました。

人が人を罰することは正しいのか
死刑制度や日本の司法制度のあり方を考えさせる小説。
この中で問われていることはとても答えのでるような
ことではなくまた、この話の中でも
答えは呈示されてません。
特にラスト、純一が南郷に宛てた手紙
善と悪、罪と罰について深く考えさせられ
救いのないストーリーに少々後味の悪さも。。。
せめてもの希望として「パン屋のオープン」を
願うばかり(笑)

「罪と罰は、すべて人間の手で行われた。
人間のやったことに対しては、人間自身が答えを出すべきではないのか。」
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2006年 08月 23日 |
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 久しぶりの重松ですがやっぱり泣かせますね〜。
きゅうっとくる。
この6編の短編集は父親をテーマにしたもの。
父親と娘、息子、家族。
どの話も「答え」は書かれていないけれど
じんわりとその先が心の中に広がる。
とてもその後味がいい話ばかり。

「海まで」
自分の感情をうまく出せない長男と
それをもどかしく思う父親である自分。
次男は正反対の性格。
そしてその長男と次男に接する実母の態度。
信じたいものを天秤にかけるもどかしさ。

「フイッチのイッチ」
僕の家は僕がまだ小さい頃、自分のキャラが
立つ前に離婚して母と二人暮らし。ベテランだ。
転入してきた女子、トモの家は離婚したばかり。
気の強いトモ。でもそれは意識的にそうしてる
のかもしれない。「欠損家庭」なんて言われたくない。
半年に一度会う父。だから。。。
次の運動会で、と計画を立てる。

「小さき者へ」
ちょうど息子と同じ14歳の頃
初めてビートルズを聴いた。
息子が、ビートルズのCDを買ったらしいと聞き
嬉しくなった。あの頃の自分を思い出しながら
引きこもって暴力を振るう息子の心に
心を寄せながら息子にあてて手紙を綴る。

 「わかったふりをするおとなが許せなかった。 
 どうしてそれを忘れていたのだろう。
 お父さんがやるべきこと、やってはならないことの
 答えは、こんなに身近にあったのに」

「団旗はためくもとに」
組関係の人にしか見えない父は元・応援団の団長。
「押忍」の心を尊ぶ父。でも娘の美奈子には
そんな父親はどこか鼻で笑ってしまうような存在。
「学校をやめる」理由の「なんとなく」に
猛反対された美奈子。でも美奈子自身
どこかその状態に甘んじていたそんな時。。。

きつい正論をクールにさらりと娘に言う母
すごく好きです。

「青あざのトナカイ」
一国一城の主になりたくて脱サラして始めた
チェーン店のピザ屋を商店街の一角に構えた。
でもそんなに甘くはなかった。
親の負けを子供に見せたくなくて実家に返した。

「ずうっと一生、残るのかもしれない。しかたない。
負けは、負けだ。だが、「負け」と「終わり」とは
違う。違っていてほしいーと思う。」

「三月行進曲」
小学生の野球チームの監督になった僕は
小学校4年生の娘の父親。
「もしも」は昔は未来のことばかりだったのに
今は「もしも」と思うのは過去のことばかり。。。
不器用でけつまづいて、もがき苦しんでる
小学校6年生の男子3人に振り回されながら
自分自身を見つめ直す。

どちらかと言うと妻の敦子にちらり感情移入(笑)

哀しい涙よりも、ちりちりと胸の奥が傷んだり
じわ〜んと沁みてきて涙が。。。というような
そんな味のある話ばかりです。
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2006年 08月 22日 |
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 ここしばらく小説ばかり読んでいるあたしには
めずらしい一冊。時期的なことやたまたま友達が
読んだあとで心に引っかかり何故か読まねばと
思ってしまったので。

昭和60年、1985年8月12日
群馬県南西部に位置する上野村の御巣鷹山の尾根に
日本航空機が墜落。
520人の命を一瞬にして奪った凄惨な事故。

520人とはいえ遺体の収容が開始された
8月14日から収容を完全に終了したと見なされる
11月4日までの83日間の検屍総数は2065体。
このうち完全遺体(五体が完全に揃っている場合の他
上下顎部等の一部が残存している死体または
死体の一部、頭部の一部分でも胴体=心臓部=と首で
繋がっている死体)は492体となっているが
五体満足な遺体は177体のみ。

離断遺体(頭部、顔面、または下顎部等の一部が
すべて離断している死体及び死体の一部、頭部と
胴体部が完全に離れている死体)は1143体だが
体の部位を特定できるものは680体。
他の893体は体の部位もわからない骨肉片。

すなわち520人の身体が2065体となって
検屍されたという事実。

合計524人の座席番号順の搭乗者名簿を性別
年齢別にわけて、身元確認票を作成し
まったくの前例のないゆえマニュアルが存在
するわけもなくまったくの手探り状態から
調書作成をしていくその難しさ。
遺族に確実に一つでも多くの遺体を引き渡す
その多くの人たちのとてつもない努力。
そしてその事故の凄惨さゆえの心情的な辛さと
真夏の締めきった体育館の中で行われた
肉体的にも過酷な作業。

はっきり言ってその描写の凄惨さは想像を
絶するもので興味本位で読むと興味本位で
あったことに自己嫌悪を抱くほど
その真摯な姿に言葉をなくします。
悲しさや悔しさだけではなく人と人の心の
暖かさに涙することも。
当時、ニュースでは事故そのものの原因や
救出者にスポットが当たり、決して
表に出ることのなかった「現場」
これはとても辛い本ですがぜひ読んで欲しい。
そしてこの痛ましい出来事を決して
風化させることなく、二度と起こっては
ならないと強く願いました。

ルポライターが書いた悲しさ、悲惨さなどを
煽るような本とは違い記録として
淡々と綴られているだけにより一層胸に残る本です。
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2006年 08月 22日 |
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 彫師伊之助捕物シリーズ第2作。
続けて読んでみました。やっぱり暗いです。
これね、前作もそうなのですがまさに
ハードボイルド。江戸を舞台にしてますが
これをそのまま海外ものに置き換えても
すんなりいくくらいの設定。
ちょっと男性的と言えば男性的。

今回は、伊之助が仕事に行くときに偶然
川に上がった水死体を見つけ
つい以前の癖で死体をちらっと検分したところ
溺れたものではなく殺されたものと見る伊之助。
偶然、岡っ引きをしていたときの知り合いの同心から
頼まれてその水死体の身元を探ることに。
前の仕事や住んでいた場所などを探っていくうち
そこには大店の主人達や寺僧たちの巨悪が
徐々に明るみに。。。そして第二、第三の
殺人が。。。

今回、絶妙なのは伊之助の聞き込み。
長屋の女房達の井戸端会議から貴重な
情報を得ていく様はまさに探偵モノ。
そして前作同様、立ち回りの部分も見事。
伊之助は剣は使わず柔術で相手を
倒していくのですがもぅ手に汗状態。
ここらへんはよくある他の時代モノとは
大きく違うところ。
この時代の女性に対する世間の所行に対して
ひたすら寡黙に優しい伊之助にやっぱり
ハードボイルドな匂いが漂うのです。
ただほんと暗いんでね(苦笑)
きゅんっとなるようなキャラではなく
あくまで美しいストーリーにまとまっているって感じです。
好きだし、早く早く、と次を、結果を
知りたいのだけれどなかなかスピードがあがらない
あたしにはムズカシイ分野です(苦笑)
結構、せつな度は高いんだけどね〜。
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2006年 08月 22日 |
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 久しぶりの藤沢作品。これはもぅしっかりミステリー。
それもなかなか結末のわからないなかなか高度なもの。
そのかわり落ちてからは早いんですけどね。
え?え?え?ってうちにすべてが繋がっていく。
それまではまったく先が読めません。

版木彫り職人の伊之助、実は元凄腕の岡っ引。
ところが女房はその岡っ引きだった伊之助の仕事を疎み
やめてくれと何度も口にしていたがちょうど仕事が
乗っていた時期だった伊之助は
女房の言葉に耳を貸すことができなかった。
そして女房は男と逃げて心中。以来、伊之助は一人
浮かない日々を送っていた。
ある日、伊之助の親分だった弥八から
娘のおようが失踪したと告げられた。
娘を捜せるのはお前だけだと請われて、重い腰を上げた。
岡っ引きに戻るつもりはまったくないゆえ
彫り師の仕事の傍ら、娘のおようの行方を追う。
その先々で起こる怪事件。裏に隠された材木商高麗屋と
作事奉行の黒い繋がり。。。
彫師伊之助捕物シリーズ第1作。

さすが藤沢、女性心理を書かせたら右に出るモノは
いないのでは?と思うほど見事。
ただねぇ。。。。暗いですよ(苦笑)
もぅ救いがないくらい。
でも文体がとにかく美しいから読ませます。
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