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2006年 12月 30日 |
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 東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で
風よりも早くこの街を駆け抜ける。
ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の
同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど
一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら
空だって飛べるかもしれない—。
友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを
精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を
描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

いやぁ、もぅ石田衣良、大好き!!!
そぅ言いきりたくなる一冊です。
なんども泣きました。
14歳の4人のティーンを描いた小説に
こんなにもやられちゃうとは正直思いませんでした。
だって青臭そうでしょ?(苦笑)
始めは、なんか妙にハナにつくなという文章が
並ぶのです。東京、銀座に近い土地に生まれ
その中を自由にマウンテンバイクで走るガキどもに
なんだ、こいつら、と思うことも。
でもだんだん彼らのこまっしゃくれ加減が
心地よくなってくる。
連続短編集の形なのですが
どの話にも、イラっとするヤツが登場するのに
毎回、毎回、ラストには石田衣良の優しさにやられている。

「都心のほうから隅田川をわたってくる熱風に
全身を吹かれる。あとはどこかの私立中学の制服を着た
美少女がとおりすぎるか、ジュンの切れのいい冗談でも
あれば、夏休みの午後はパーフェクトだった」
なんて文章だけで判断しちゃあいけません。
日本語の使い方の軽さを楽しみ、「性への興味」や
「ワカモノ文化」を象徴するような固有名詞を
そのまま楽しむ。「理解あるオトナ」をきどって
なめているとガツンとやられる深い優しさ。
何ものをも受け入れる。それがベース。

ウェルナー症候群で人よりも早く老いていくナオトへの
付き合い方にいやらしい逆差別はなく
異性に興味の持てないクラスメートのカズヤの
カミングアウトも受け入れ
拒食症と過食症を繰り返すルミナにまるで二人の子と
つきあっているみたいでプラスマイナス16キロの彼女が
好きだという。
空気の読めない芸能人志望のユズルはうざい空気を
垂れ流しながらもそのままユズルとして受け入れられ、
病院から逃亡した末期癌の老人ですら
一緒に時間を過ごすことで何かを共有する。
家庭内暴力の激しかった父を「殺した」ダイに
向ける優しさは果てしなく、そして彼らは
ちょっとだけオトナの世界を覗きに旅に出る。
そこには貧富の差はしっかりと存在し
成績の差だって当然存在する。

すべてが存在し、すべてを受け入れる。それでいいんだよ、と
まるで許されているような心地よさ。
だからこそ、彼らの青臭い世界でも純粋に涙が流れる。
あたしはこの本、好きです。

映画は見たいとは思わないけれどね。
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2006年 12月 30日 |
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 最愛の妹が偽装を施され殺害された。
愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の
“現場検証”の結果、容疑者を二人に絞り込む。
一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。
妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄
その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。
殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。
(「BOOK」データベースより)

この本「刑事加賀恭一郎シリーズ」の2作目なんですね。
早く1作目も読まなくちゃ。
すごい本なのね、これ(苦笑)
犯人の名前が出てきません。初めて読みましたよ、そんなの。
推理の結果はなんと袋とじに。
単行本の発表時にはなかったそうで、読者から
犯人に関する問合せが多くよせられ、結果、文庫化に
「袋とじ」の解説が付けられたのは有名な話だとか。

で、またその袋とじの解説を読んで、犯人が誰かよりも
犯人をわからせるものすごーく凝ったヒントを
巧に潜ませていることにびっくり。
最後に必ず犯人が明かされるという常識を覆す一冊。
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2006年 12月 30日 |
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 これは、つい百年前の物語。庭・池・電燈つき二階屋と
文明の進歩とやらに棹さしかねてる「私」と
狐狸竹の花仔竜小鬼桜鬼人魚等等
四季折々の天地自然の「気」たちとの、のびやかな交歓の記録。

素晴らしい。
読み終わるのがもったいない!
ずっとずっとこの世界でこの言葉、文章の中で
戯れていたいと思った1冊。

友人だった高堂が湖でボートをこいでいる最中に
行方不明になりそのまま消息をたった。
綿貫征四郎は卒業後、物書きを生業としたが
稼ぎも少なく住むところにも困っていたところ
高堂の父が、年老いて嫁に行った娘の近くで
隠居するということで高堂の家の守をすることに。
和風の庭は手入れをしないので
シュロ、クスノキ、キンモクセイ、サツキに
サザンカタイサンボク、槇、榊、芝、杉
どれも伸び放題、ちょっとした野性味を帯びている。
その庭にて征四郎が出逢う様々な「気」のものたち。

サルスベリに思いを寄せられたり
カッパが池にあらわれたりもする。
小鬼がいたり、狸に化かされたり。。。はたまた
行方不明になった高堂が家の掛け軸から
あらわれたり、高堂の薦めで飼い始めた犬の
ゴローは「名仲裁役」としてあちこちの
生き物から呼ばれたりする。

前作の「西の魔女が死んだ」が西洋の田舎の
よき時代を感じさせる本としたなら
こちらは日本の昔のよき時代といった趣。

描かれる世界も魅力的だけれど
日本語の美しさもとても心地よい。
手元に置いて年に一度は読み返したいとまで
思ったほど好きな世界です。

登場する植物をすべて集めたサイトさんも
見ながら読むとまた一興。
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2006年 12月 30日 |
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 とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。
彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが
助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を
通わせるようになる。しかし、そんな夜木を
凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を
暴かれる時が…。
表題作ほか、学校のトイレの落書きが
引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。
ホラー界の大型新人・乙一待望の第二作品集。
(「BOOK」データベースより)

ますます乙一が好きになった一冊。
表題作の「天帝妖狐」は本当にせつない話。
もちろんファンタジーホラーとでもいうのか
あり得ないだろう?で終わらせてしまったら
それまで、な話だけれど、そんな世界で
空想を働かせるのも本を読む愉しみの一つ。
こっくりさんを一人でしていたら何者かが
答えてくれた。心をひらいて話をしていくうち
「死への恐怖」をたくみに利用し
「えいえんのいのち」を与えられてしまった為
身体がどんどんと人間の身体から
見るのもおぞましい身体になり
死ぬこのとできなくなってしまったら。。。
優しい心を持った夜木と夜木を助けた杏子との
心の繋がりを描いたとてもとてもせつないお話。

A MASKED BALLはトイレの落書きから
顔も知らず会話をする主人公と他3人の人物。
名前もどこのクラスかも学年もわからない。
だからこその楽しさ、息抜き。。。だったはなずなのに
そのうちの一人が学校内の空き缶の多さを問い
その後、校内の自動販売機が壊された。
止め方のマナーの悪い教師の車が破壊され
そして次は「喫煙」していた女子生徒を狙う書き込みが。
彼女を守らなければ、と犯人に罠を仕掛ける主人公。
果たして犯人は?
もぅドキドキですよ。落書きでの会話はまるで
ネットの掲示板のようで読んでいてそれもまた
楽しかったな。

表題作が後ろに来ているので連作?と思ったら
まったくそれぞれ別の短編でした。
どちらもそれぞれ違った味わいがあり楽しめました。
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2006年 12月 15日 |
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 ある日、私は片目を失った。
そして、その日までの記憶も。眼球移植を受けた私の頭に
時折激しい痛みと共に見知らぬ映像がよぎる。
その映像の源を求めて旅に出た私を待っていたものは…。
著者初の長編ホラー。
(「BOOK」データベースより)

いやぁ。。。これはこれは(苦笑)
あたしは好きです。ラストの犯人探しなんてもぅ
すっかり騙されました。単純?いやいやあの意外性は
と、言っちゃいけないね。
話はかなりグロテスク。内臓でろでろんな話が
生理的にダメな人はもぅそれだけでこの本の
面白さが見えなくなってしまうほどグロです。
でもやっぱり、この人の描くせつない世界は
健在。これだけおどろおどろしい設定なのに
やっぱり視点はどこかクールで
「異常殺人」ではなく「医者」「研究者」の目。
何故か読後感はとても爽快。
騙された犯人探しも含めてもぅ一度読み返して
しまったほどです。
記憶をすべてなくし、昔の自分と比較され
おどおどしていた主人公が精神的に強くなっていく姿も
読んでいてとても愛おしくなる。

でも。。。本当に人の目を移植することで
前の持ち主が目に焼き付けたものを
見てしまったら。。。。
オツイチ本人のあとがきもくすりと笑えていいです。
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2006年 12月 15日 |
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 「わたしは腕に犬を飼っている—」
ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に
彫ってもらった犬の刺青。
「ポッキー」と名づけたその刺青が
ある日突然、動き出し…。
肌に棲む犬と少女の不思議な共同生活を
描く表題作ほか、その目を見た者を
石に変えてしまうという魔物の伝承を巡る
怪異譚「石ノ目」など
天才・乙一のファンタジー・ホラー四編を収録する傑作短編集。
(「BOOK」データベースより)

すっかりこの人の文章の巧さにやられて続けて乙一。
これは見事。乙一独特のグロさが苦手な人にも
十分に薦められるのではないかなぁ。
ファンタジー嫌いなあたしでも十分に楽しめた
ファンタジーホラー、って感じかのかな。
キモチワルイべたべたさ加減のないクールな視点が
「ばかばかしい」設定をも越えて素晴らしい一冊に。

幼い頃消息不明となった母の思いと
和製メデューサよろしく見たものを石にするという
村に伝わる伝説の二つを軸に進められる「石ノ目」

自分と友達の二人にしか見えない幻想の友人「はじめ」
ほんの小さな嘘から生まれた少女が別世界で命を持って
共に過ごした少年時代のまばゆさ。

一緒に作られた人形達に比べて不出来な「BLUE」
動き話をする彼ら。決してすべてオールライトな
ハッピーエンドではないところにシニカルで
残酷な「童話」の原点が垣間見えます。

表題作「平面いぬ。」は腕に入れてもらったはずの
犬のタトゥが動き出した。肌の上を。
吠えたり刺青でいれた肉を食べるポッキー。
父、母、弟が同じ時期に死を迎えるとき
家族を助けるため、ポッキーを
呼び出さなければいけない。
あたしは家族を助けられるのだろうか?

どの話も心に残る話ばかり。
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2006年 12月 03日 |
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 飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは
大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。
先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても
全部マサオのせいにするようになった。
クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日
彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れた。
ホラー界の俊英が放つ、書き下ろし長編小説。
(「BOOK」データベースより)

あたしは現在小学校5年生の母親なんで
ちょっと読み始めは冷静じゃいられないほど
嫌悪感を感じたのですが(苦笑)
それにしてもこの「いじめ」の始まり
先生という存在の力、精神的に相手を
洗脳していく言葉の力、リアリティがあって
これはとてもコワイ。
言葉を心の中ではたくさん持っているのに
それを表に出せないマサオの控えめな優しさが
とてもせつない。
最後、マサオ自身が生まれ変わって先生に
問いただすシーンはもぅほっとし、新しい先生に
次の新しい生活が見え読後感は不思議と爽やか。
読み始めは、乙一、あたしもぅダメかぁ?と
思いましたがやっぱ好きだなぁと思い直した一冊。
あ、2時間程度で読めますよん。
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2006年 12月 03日 |
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 私にそっくりな人がもう一人いる。
あたしにそっくりな人が、もうひとり。
札幌で育った女子大生・氏家鞠子。東京で育った
女子大生・小林双葉。宿命の二人を祝福するのは、誰か。
(「BOOK」データベースより)

クローンとかね、いまでこそ使い古されたSFって
感じから羊のドリーやらもぅ全然あたらし感のナイ
言葉だけれどこの本が発表されたのが10年以上前と
考えるとかなり斬新だったのでは。
作者のその後の作品と比べると確かに
手に汗度は落ちるもののそれでも二人の主人公の
交互の語りから薦められる話から彼女たちの
不安、苦悩は存分に伝わってくるし
実際にこんなことあるかもしれないと思わせる
リアリティも兼ね備えたミステリです。
タイトルからも二人が双子なんかではなく
クローンであることを読者は先にわかりますが
知りたいのは、なぜ二人が生み出されたか
その背後にあるものは。。。とどんどん
読み進められる本です。
やっぱ東野作品はよくできていて読みやすいなぁと
実感する一冊。
どちらかというと女性っぽい感じがするのは気のせい?
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