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2007年 04月 30日 |
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丘の上の家でひっそり暮らす不思議な女性・さとるに
惹かれていく大学生の鉄男。しかし次第に
母親に怯え、他人とうまくつきあえない不安定な
彼女の姿に疑問を募らせていく。母娘三人の憎悪が
噴出するときに見えてくる、戦慄の情景とは—。
恋愛の先にある家族の濃い闇を描いて
読者の熱狂的支持を受け続ける傑作長編小説。
(「BOOK」データベースより)

家族ってなんだろう?と思わせる重い話。
はっきりいって狂気。でもこんな家族いないよ、と
言いきれないリアリティにあふれた恐さ。
母親の異常さ、その母親に育てられ
歪んでしまった娘の異常さ。
そしてその連鎖。
あまりの異様さについつい引き込まれ1日で読破。
読み終わった後はかなりの疲労感。

女性の恐さ、醜さ、おぞましさ、おこがましさ、強さ
ちょっとしたホラー小説よりもずっとホラーで
グロテスクなのに同じように女性の恐さを書いた
桐野夏生よりもあたしは好きかな。
桐野作品が同じように女性の恐さを書いて受ける印象より
ずっとせつなく、自分の内側に同じような感情、狂気を
見つけやすい。ただ逆に言えばその方がずっと
コワイのだけれど。。。
ラストに救いがある分、読みやすいです。
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2007年 04月 30日 |
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現行の裁判制度の矛盾を突く、緊迫の法廷ミステリ!
八歳のとき母が父を刺し殺す現場を目撃した作家の曽我。
三十九年後、彼は弁護士・服部朋子の要請で
関山夏美の夫毒殺事件の控訴審に関わる。
逆転無罪を狙う朋子がしかける息づまる法廷場面
二転三転する事件の様相、そして驚愕のラスト…。
“事実とは?”をテーマに著者が二年間全力を傾けて
書き下ろした迫真の本格推理。
(「BOOK」データベースより)

長いですよ?文庫で546ページ。
第1部『記憶』、第2部『証人』、第3部『事実』にわかれ
現在、法廷にて控訴中の事件とその事件に関わりを
持つことなった作家の過去の事件が
重なりあって、様々な共通項を照らし合わせながら
話は進んで行きます。
法廷ミステリーと人間の記憶についての曖昧さを説いた
心理学的な部分をはっきり言って「こむずかしい」説明めいた
表現が多いためちょっと読み進めるのが大変でした。

それでも次第にこの二つの事件の「はたして真犯人は?」を
知りたいが為に自然と読むスピードがあがっていきます。

結果、あらわれていく人間の様々な形の「エゴ」
真実を果たしてどこまであらわにすべきか
それまた深く考えさせられました。

「これが最善の方法だ」と考えること、そう思って疑わないこと。
その様々な人の思惑が複雑に絡まった二つの事件。
何より一番コワイのは人の記憶のあやふやさ。
自分の脳が勝手に作り上げてしまう「事実」
あなたが信じている「記憶」は事実ですか?
単なる法廷ミステリとしてだけにまとまっていない大作。
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2007年 04月 25日 |
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不審な火事が原因で意識不明となった歌舞伎役者の妻・美咲。
背後に秘められた二人の俳優の確執と愛憎劇を
今泉文吾が解きあかす

恋路の闇に迷うた我が身、道も法も聞く耳持たぬ—
梨園の御曹司岩井芙蓉と抜擢によりめきめき頭角を顕した
中村国蔵。人気、実力伯仲するふたりの若手女形は
かねて不仲が噂されていたが……。
芙蓉の妻・美咲が恋したのは誰だったのか。
意識の戻らぬ彼女をめぐる謎を今泉文吾が解き明かす。
切なさが胸に響く歌舞伎ミステリー。
(文藝春秋書誌ファイルより)

近藤史恵お得意の歌舞伎ものです。
ねむりねずみ」「散りしかたみに」「ガーデン」などに
に登場した今泉またまたいい感じっても
今回はちょっと出番少ないのね。
前にも出た養成所出身のしがない中二階、
一生主役を努めることのない歌舞伎俳優
瀬川小菊の視点と女性よりも女性らしいと評判の
人気女形岩井芙蓉の番頭、実(みのり)の
視点が交互にまた時間軸を超えて綴られます。

ミステリとはいってもどちらかというと謎解きとして
読むよりは愛憎劇、ドラマといった感じ。
生々しかったり滑稽になりそうな設定も
歌舞伎と言う特殊な世界を舞台にすることで
とても巧く読者を導きとても読みやすい本に。
歌舞伎は未体験だけど
この人の歌舞伎シリーズを読むたびに
すっごい歌舞伎を見たくなる、それくらい引き込まれます。

いつもこの人の本を読むたびに思うのですが
決定的な「悪役」がいないのです。
誰一人、憎めない、憎むべき人がいない。
それゆえにとてもせつない。
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2007年 04月 22日 |
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 平成3年、生命を誕生させるはずの分娩室で行われた
後期妊娠中絶。数百にのぼる胎児の命を
奪ってきた助産婦・桐山冬子がその時見たものは
無造作に放置された赤ん坊の目に映る醜い己の顔だった。
罪の償いのため生きていくことを決意する冬子。
その日から決して声高に語られることのない
生を守る挑戦が始まった。
平成15年。冬子は助産婦をしながら“天使の代理人”という
組織を運営していた。
社会的地位を獲得することを目標に生きてきたものの
突然銀行でのキャリアを捨て精子バンクを利用して
出産を決意した川口弥生、36歳。
待望の妊娠が分かった直後、人違いで
中絶させられた佐藤有希恵、26歳。
何も望まぬ妊娠のため中絶を考えたものの
産み育てることを選んだ佐藤雪絵、20歳。
それぞれの人生と“天使の代理人”が交錯し
ひとつの奇蹟が起ころうとしていた—。
(「BOOK」データベースより)

単行本の時点で349ページ、ですがまったく長さを
苦に感じない、読ませる本です。
テーマがテーマなだけに重い感じもしますが
それゆえに引き込まれます。
胎児は人間か否か?
最初の堕胎のシーンなどリアルで受け付けない人も
いるかもしれませんが先に言っておきますが
そこでやめちゃダメです。
どうぞ読み切ってください。絶対に心に残る一冊。
ラストでは涙。

時系列を自由に操り過去と現在を巧みに交差させ
まったく別のストーリーとして語られていた人たちが
いつの間にか繋がって行く、松子もそういう意味では
すごいなと思ったけれどそれ以上。
すごい作家さんです。
登場人物、一人一人がちゃんと文章の中で
生きているからこそできることではないかと。
胎教には悪そうだけれど妊婦さんにも、すでに子供と
暮らしている人にも、これからの人にもぜひ読んで欲しい。
そして、男性にもぜひ。

命はライフスタイルと引き換えにできるものではない。
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2007年 04月 15日 |
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 一番大切なのは、何をする時間ですか?
今、一番したいことは何ですか?絶対手放せない
私の最優先なこと。それは、人が見れば
笑ってしまうようなこだわり。恋だけでも家庭だけでも
仕事だけでもない。三十一歳、初めて気づく
ゆずれないことの大きさ。そこに、本来の自分を
形作るものが見えてくる。はたして人は
大事なものだけで生きられるのか?
揺らぎ惑う大人たちを描く、山本文緒の世界。
(「BOOK」データベースより)

短編集、思い切り短編(笑)ショートショート。
目次を見た瞬間、「は?」と思ってしまった31編。
主人公はすべて31歳の女性。

何を大事にするか。
というかこの本に出てくる31人の主人公達のように
どこに自分にとっての「ファースト・プライオリティ」を
置くか、まずそこでしょうね。
人には理解できない、でも譲れないもの。
そしてそれは自分自身では至ってフツウのことで
「へん」と見られることすら意識してないこと。
作者の視点はそいういった人たちにとても
優しく、そうか、それもありだよね、と思わせる話の数々。

一つ一つ短いので忙しい人にもちらちら隙間で
読めるけれど、心にひっかかるものは大きいですよ。
ぜひこの興味深い世界、味わって欲しい一冊。
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2007年 04月 10日 |
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九州から東京の一戸建てを購入して移り住んだ一家。
だが、引っ越したとたん、不気味な出来事が。
なんとこの家には一家惨殺事件の過去が!
「家」に対する人の妄執をモチーフとした5編を収録。
(「MARC」データベースより)

短編集です。家を「守る」ものをテーマにした5編。
どれもちょっと不思議な匂いのするミステリ。
かなり面白いです。引き込まれるおもしろさ。

「人形師の家で」
人形に命を吹き込むべく何体も造り上げ一人家に籠る青年との
交流の結果、ずっと大人達に秘密にしていた出来事。
父を殺した母、逃げるように田舎を去った自分。母は何故、父を
殺したのか?人形師の家が黙して守り続けたものが姿をあらわす。
短編でありながら幾重にも重ねられたエピソードが
読んで行くうちに不思議な世界と現実を曖昧にしていきます。

「家守」
「オマエガイケナイノダ」繰り返される声。その声の主は?
完全犯罪をもくろんだがゆえに、殺された妻が
その家を守って来た本当の理由が暴かれていく凄まじさ。
読み終わると同時に冒頭部分を読み返してしまいました。
歌野らしい一遍。

「埴生の宿」
いきなり頼まれたボケ老人の「相手」。理由は何十年も前に
死んでしまった次男に似ているから。ボケて昔の記憶だけで
過ごす老人には今の家族は「他人」に見えて自分の本当の
家族を探し続けているから。。。老人を、世間体を守る為に
用意されたその家は。。。。

「鄙(ひな)」
旅行者が行かないような辺鄙な場所への旅を好む兄
二人で訪れた村で起こった殺人事件。
犯人は捕まったものの。。。村落共同体としての家族。
個を捨て家を守るものだけが暮らす村。
何を守るか、何を大事に感じるか、個人よりも家の利益。
家族以外には理解できないことは確かに存在する。

「転居先不明」
いつも誰かに見られている、と訴える妻。
九州で産まれ育ち初めての東京暮らし。
練馬に買った一戸建て。破格の値段。
引っ越してまだ僅か、慣れない生活からくるストレスかと
思いきやそれは気のせいではなかった。
彼女が「見られていた」本当の理由が明らかにされたとき。。。
何転もしていくストーリー展開。
背中にぞっとくるものの本当の正体は。。。

前回、読んだ歌野の短編集もそうだったけれど
ひとつひとつの中身が濃くて、もったい気すら。
でもこれくらいの短さがまたその密度がずっしりきていい感じです。
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2007年 04月 03日 |
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 きょうも元気に(?)寝込んでいる、若だんな一太郎の
周囲には妖怪がいっぱい。おまけに難事件もめいっぱい。
幼なじみの栄吉の饅頭を食べたご隠居が死んでしまったり
新品の布団から泣き声が聞こえたり…。
でも、こんなときこそ冴える若だんなの名推理。
ちょっとトボケた妖怪たちも手下となって大活躍。
ついでに手代の仁吉の意外な想い人まで発覚して
シリーズ第二弾、ますます快調。
(「BOOK」データベースより)

前作が長編に対してこちらは短編集。
どれもほんわりまったり楽しめる話ばかり。
結構前作よりも人情調が増してあたし好みに。
博打好きの九兵衛が富くじを当てて
財をなしたものの周りによってくるのは
その財産目当てのうるさい親戚ばかり
唯一交流のもてていた一太郎の幼馴染みの
菓子職人栄吉との話を書いた「栄吉の菓子」では
不覚にも涙が。
一冊だけで終わらせずによかったと思う2作目。
ちょっとこのシリーズは全部読みたいぞ♪
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