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2008年 03月 29日 |
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こんな生活、もう我慢できない…。
自堕落な夫と身勝手な息子に翻弄される主婦の救いのない日々。
昔、捨てた女が新婚家庭にかけてきた電話。
突然、高校時代の友人から招待された披露宴。
公園デビューした若い母親を苦しめる得体の知れない知人。
マンションの隣室から臭う腐臭…。
平穏な日常にひそむ狂気と恐怖を描きだす八編。
平凡で幸せな結婚や家庭に退屈しているあなたへ贈る傑作短編集。
(「BOOK」データベースより)

結婚にまつわる八つの風景という副題がついたこの作品。
まぁ確かにそうなんだけれど個人的にはいらないんじゃないかなと。
だってその副題だけであたし前回、買うの見送りましたもん。
なんか変な甘ったるさを感じて。
って
ぜーんぜんそんなことなし!
いやぁ、恐いですよ。
背筋にひやっとくる。
見事です。
貫井ってこんなに人物描くの上手かったんだ、と改めて。
女性心理を見事に書ききっている。
長編ばかり読んでましたが、短編ならではの切り取り方。
それまたとても上質でいい具合なんです。
無駄のない短編。
ミステリというよりサスペンス。

崩れる:しょうもない夫と出来の悪い息子に我慢を重ねた妻は。
怯える:妊娠中の妻のもと留守中にかかってきた昔の彼女の電話。
憑かれる:忘れていた女友達とその彼女が好きだった彼=昔の彼との結婚話。
追われる:結婚相談所のサービスとしての模擬デート。今ならストーカー話。
壊れる:不倫相手から掴んだ上司の不倫ネタで仕返しを計ったところ。。。
誘われる:公園デビューがうまくいかない女性が新聞で知り合ったママ友達とは。
腐れる:隣りの部屋から漂う異臭。妊娠初期で特にはながきくゆえに気になる隣りの家庭。
見られる:まったく知らない相手からの電話の内容は自分の生活パターンをすべて知っていた。

その副題もすべて絶妙。
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2008年 03月 29日 |
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再会は地獄への扉だった。
十七年前、霧の霊峰で少年たちが起こした聖なる事件が、
今鮮やかに蘇る—。山本周五郎賞受賞作から三年余。
沈黙を破って放つ最高傑作ミステリー。
(「BOOK」データベースより)

それぞれ家庭に問題を抱えた子供たち。
父親からの虐待、それを信じてくれない母親との間で
心を閉ざした少女、久坂優希が出会ったのは
母親に育児放棄されながらも母親への愛を求める
モウルこと長瀬笙一郎、母に虐待された傷をもつジラフこと
有沢梁平。
誰もが認めて欲しがっている。
生きていてもいい、と。

とても辛い、重い話しながらも
こんなにも引込まれて行く。
3人たちの声がとても痛い。

親とはなんだろう。
作者は、同じく病棟にいる一人の少女に語らせます。
「あなたたちは、自分が静かにしていたいとき、幼いわたしが
声を上げると、愛さなかった。あなたたちは、自分のしてもらいたいことに、
幼いわたしが従わないと、素直でないとののしった。自分の欲求を
抑えられないのが子どもなら、本当はどちらが子どもだったの」
「わたしの幸せを願っていると何度も言いながら、あなたたちは
何が本当の幸せか、実は少しも知らなかったね。ありもしない幸せの
基準を、適当に押しつけ、わたしが基準を超えないと非難したよね。」

大人の醜い部分、大人のエゴイスティックさ
それでも親に、愛されたいと
子ども達は願い続け、親を捨てきれず
内側に澱んでいく思いを抱えたまま大人になって行く歪み。

そしてこの本は子どもへの家庭内の虐待の話だけではなく
老人問題も主題の一つ。
永遠の仔というタイトルは何も子どもを指すばかりではなく
子どもへ戻って行く老人も含めてこそだと。

文庫本にして5冊、けれどあたしはまったく長さを感じませんでした。
話のテンポがいいのと過去と現在が交互に語られることで
あらわになっていく事実。
読み終わったときには3人に対する愛情のような懐かしさのような
不思議な感覚が。
いまなお違う世界で彼らは息し、親への愛を求めて止まないかのように。

もっとだらだらとしたものを想像してなかなか手のでなかった作品ですが
ちっともそんなことなく、もっと早く読めばよかったと思った作品。
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2008年 03月 22日 |
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遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、時を超える。
『スキップ』『ターン』に続く《時と人》シリーズ第三弾。
「——また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。
疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は
黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこういいました。
六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。
以来、遠く近く求めあってきた魂。
だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった。
流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、
個の哀しみを超え、生命と生命を繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。
(紹介より)

ええっとあらためて言いますと
「スキップ」「ターン」「リセット」の順に発表されたものです。
が、あたしは先に「ターン」を読了。
そして次にたまたま手に取ったのが「リセット」
意味はないです(笑)
どれから読んでも話はそれぞれ独立してるので問題もないです。

第一部は,第二次大戦中の話。
芦屋に住む水原真澄。その時代、生徒の家には
みな電話があり、入学の際は「ねえや」は何人いるかまで
聞かれるようなお嬢様学校に通う真澄が
戦争が深刻化する中、生活の変貌ぶり。
一般に語られる戦争体験記とはちょっと違って
「本当に戦時中でもこぅいう人たちが存在したんだ」と
思わせるほど、細かく描かれています。
そして友達のいとこである修一への初恋。

第二部は,昭和30年頃の男子小学生、村上和彦の話。
子供達にテープに録音し、語って聞かせる形で
子供時代の話を、当時の日記をベースに進められます。
そして、その中で語られるのが、年上の女性への淡い恋。

第三部では真澄のその後と村上少年のその後が語られ。。。

初めは、その文体に戸惑われるかもしれません。
あまりにもお嬢様な世界とそのまっすぐさに。
けれどすぐにその言葉の美しさに浸れるはず。
嫌みがなく純粋で可愛らしい。
北村節全開といったところでしょうか。
この人に「少女」として語らせたら右に出るものは
ないのでは。
もぅ、きゅん、ですよ。

ストーリーはよくある設定と言えばそれまでだけれど
けれど
「お前達のお母さんだ」では、ぞわわわ〜っときましたよ!
鳥肌。そのあとじわっと。

1962年(昭和37年)の実際にあった事故も
ベースにしているのでその時代を知っている人には
また違った意味で興味深く読めるかも、って
うちの母くらいの年代?(苦笑)
なんの事故かもネタばれになりそうなのでやめときます。

「リセット」という言葉からちょっと違う時間の
いたずらを想像していたけれど。。。
心がきゅっとくる恋愛小説。
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2008年 03月 21日 |
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久々に漫画読みました。
ほんと読まなくなったなぁ〜。今年初。
そしてめっさツボったのでご紹介。

ブッダとイエス
世紀末を無事に越えた二人は、東京・立川でアパートをシェアし
下界でバカンスを過ごしていた。

ブッダとイエスですよ、ブッダとイエスが好きで
コスプレしちゃってるにーちゃんじゃなくて
ブッダとイエス(笑)
それが二人で共同生活。それもきつきつで(笑)

いやぁ、なんて軽く読めてラクになるんだ〜。
阿呆らしくて素敵〜。
この二人のやりとりがイイっ。
なんかねー、もぅコネタ満載っつーのかしら。笑える〜。
まぁ宗教的に「知ってる」から笑える部分も多々ありますが
一般知識程度の「知ってる」でも十分笑えちゃいますよ。
でもこれってキリスト教信者の人とかクレームこないのかな(苦笑)
あたしはこんなイエスとブッダなら大好きだけど♪

こんなコミックス、まさしく神降臨(笑)
中村光オフィシャルウェブサイト
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2008年 03月 20日 |
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今日一日をかけて、私は何を失ってゆくのだろう—。
高校三年の初秋、ピアスの穴を開けようとする私に
恋人がささやいた一言—大切なものを失くしてしまうよ。
あれから九年を経て、私は決まりきった退屈きわまりない毎日を過ごしていた…(「八月の傾斜」)。
憂鬱にとらえられ、かじかんでしまった女性の心を映しだし
灰色の日常に柔らかな光をそそぎこむ奇跡の小説全五篇。
明日への小さな一歩を後押しする珠玉の作品集。
(「BOOK」データベースより)

大崎善生ね〜、嫌いじゃないんだけど〜なんか妙に
キレイすぎ?ドラマチックに作りすぎ?
なぁんて軽く読み始めたら。。。

まぁ確かにドラマチックではあるけれど
壮絶。
共感することも涙することもなかったけれど
見せつけられたかのように、見入るように
その世界に入り込んでました。
痛い。
人の死によって自分の内側に植え付けられた喪失感
そして崩壊、そこからの再生。
一度壊れたものをもぅ一度再生させるのには
こんなにも苦痛を伴うものか、と。
まず自分が得た傷と向き合う、これが辛い。

前に長編として読んだ大崎の作品は
きれいなイメージだけで終わってしまったけれど
この痛さはきっと同質だったと思う。
けれど、今回は短編なだけになんか凝縮された感が。
あたしはこのみっちり感、結構嫌いではないです。

「ソウルケージ」は特に凄まじいです。
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2008年 03月 18日 |
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現代語訳「老子」がベストセラーになっている
詩人・アメリカ文学者の加島祥造氏が
長野県伊那谷の自然に住むなかで
次から次へと湧き出てきた、すべてが
「求めない」で始まる詩約100篇を収録した珠玉の詩集
(内容紹介より)

友達から借りた本ですがこれは自分で買って
手元に置き、ふとしたおりおりに手に取りたいと
思ったなぁ。

ただ、求めることの楽しさ、は、ね。
いやいや、著者の言わんとしてることは
伝わってます、でも、ちょっとそぅ言いたくもなるの。

とね、人に対して、求めることをしないのは
過度は確かに辛いことだけれど
人として最低限のことはやはり求めてしまうね〜。
そのラインが低くなったらそれはもしかして
優しさなのかなぁとか或いはただの諦めなのかなぁと
思ったり。。。

いやわかるのですがちょっと言ってみたくなるのです。
あまりにもすっと心に入って来るので
ちょっと自分で恐くなるんでしょうね。
今の自分がすごく感化されそうで。

「暗いと不平を言うよりも進んで灯りをつけましょう」
って感じね、なんて思いながら読みました。
人に求めるよりは自分で、の方が確実に心は軽くなりますからね。

この本を読んでいてとても気持ちよく読めたのは
すべてを求めるな、と言ってるわけではないこと。
心の、身体の必要なものに耳を傾けようね、という
そういうこと。
求めることをやめるとそういう色々なことがみえてくるよ、と。

それってある意味ダイエットの極意でもあるよね(笑)
身体が欲している量、味、栄養素をちゃんと
与えてあげればメタボにもならない。

心のメタボに効く本。

そして、今、自分のてのひらにあるものの大事さ、大切さ
これはとても忘れやすいものだから。
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2008年 03月 18日 |
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自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は
仕込んだパーティーで三田総一郎と出会う。
財閥の御曹司かと思いきや、単なる商社の
ダメ社員だったミタゾウとヨコケンはわけありの現金強奪をもくろむが謎の美女クロチェに邪魔されてしまう。
それぞれの思惑を抱えて手を組んだ3人は美術詐欺のアガリ
10億円をターゲットに完全犯罪を目指す!が…!?
直木賞作家が放つ、痛快クライム・ノベルの傑作。
(「BOOK」データベースより)

痛快なスラップスティックコメディ。
読後感すっきり。とても気持ちのよい一冊。
特に中盤からのテンポの良さ
さすがです。
「最悪」とも「伊良部先生シリーズ」とも違う
奥田英朗の手腕、おそるべし(笑)

登場人物達もオモシロイ。
こーいうドタバタものってラストすごい大事。
とくにこんなあり得ない!ってくらいな話だと
最後の最後まで読む側をちゃんと巻き込んで
気持ちよく着地してくれないと
いっきに「あり得ないくだらない」話に成り下がっちゃう。
最後まで気持ちよく、その世界が堂々と
成り立っていないとね。
そーいう意味でもほんとこの本はよくできてると思う。

まぁ初めはちょっとだらだらなのは
こんなだらだらな毎日だからなんとかしたい!という
流れに持って行くのに仕方のない設定ということで。。。

語り手が自然に変わり、それぞれの「変えたい」を
語らせているのもまたいいんでしょうね。

さらっと一気読みできて読後感すっきり。
どこかで彼らが彼らの生活をそのまま続けているような
どこかあったかい気持ちで読み終えられる本
オススメです。
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2008年 03月 14日 |
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1958年の夏。当時、12歳のわたし(デイヴィッド)は
隣の家に引っ越して来た美しい少女メグと出会い
一瞬にして、心を奪われる。
メグと妹のスーザンは両親を交通事故で亡くし
隣のルース・チャンドラーに引き取られて来たのだった。
隣家の少女に心躍らせるわたしはある日
ルースが姉妹を折檻している場面に出会いショックを受けるが
ただ傍観しているだけだった。
ルースの虐待は日に日にひどくなり
やがてメグは地下室に監禁されさらに残酷な暴行を—。
キングが絶賛する伝説の名作。
(「BOOK」データベースより)

なんていうのかなー。もぅ救いがない(苦笑)
虐待って理由ないものね。
(虐待する側に理由があってもそれは正当ではないからね)
ミステリというよりはホラー。
読んでいてそのあまりの酷さに吐き気すら。
正直いってきついのでおすすめできない。だって
これ、すごいですよ、数ページ、いや数行読んだら
やめられなくなりますよ。
作者のその力量たるや。
読んでいるととことんブルーなんて生易しいものじゃない
世界が待っています。
「苦痛を目にし、苦痛をとりいれると、人は苦痛になる」
まさに主人公が体験するその世界をあたしたちは
言葉を通して、体感するとともに、すでに共犯者に
なり得るのです。

実際に起きたあの事件を思い出させますね。
女子高生コンクリート詰め事件。
被害者となった女の子がかわいかったということも
近所の子供達も一緒になって、というところまでも。
そしてこの本も実際にあったことをベースに
書かれているようです。
実話と違うのは、この本の主人公が、傍観者として
そして少女の救いとなるかもしれない唯一の
希望の対象として書かれることで
より、痛々しくさらに救いのない「小説」として
出来上がっており、スティーブン・キング絶賛の
そして評価の高い芸術作品として存在しています。

コンクリ事件の「詳細」もネット上にはあります。
読んでいてやはり、この文章は読む相手に不快を
与えるために書かれているのではないかと
そのためだけにネット上に存在しているのではないかと
思いながらも、読んでしまいます。
知るべきこと、と、思っているから。
そうして扱われた少女がいたことを知らなければいけない、と。

なんで、そうでなければいけない、と思ってしまうのか
まったくもって理解不能なのですが
何も知らないよりはあたしは知っていたい。
知ることは必要だと思っています。
そんな感じでこの本も最後まで読み切りました。
途中でやめたいのに、やめられない。
恐いのに、気持ち悪いのに、救いのなさに
げんなりしながらも。
(蛇足ですが、もぅひとつあたしが「知らなければいけない」と
読むことを追っている事件に「栃木リンチ殺人事件」があります)

ところでこの本、友達から借りました。
時々、どうしようもなく救いのない本って読みたくなるよね、と
同調し。そしてあたしが貸した本は「疾走」です。

でもなー、この本は「疾走」のように
泣けなかったな。せつないとか言ってられないレベルなんだもの(苦笑)
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2008年 03月 13日 |
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すべての自由を奪われても魂の叫びは消せない。
難病LISに冒され、すべての身体的自由を奪われた
『ELLE』編集長。瞬きを20万回以上繰り返すことだけで
この奇跡の手記は綴られた。
愛する人たちや帰らぬ日々への想いが、魂につきささる。
生きるとはこれほどまでに、切なく、激しい。
(「BOOK」データベースより)

まずこの難病LISとはロックトイン症候群=閉じ込め症候群のこと。
脳幹部に血栓ができ、血液が行かない箇所が壊死し、
身体が動かせなくなる。それでも意識ははっきりしており
外部からの情報は理解できるが、身体が動かせないため
自分の意思表示の手段がない。
「意識および思考」はしっかしているのに「目の動き」を除いて
完全に植物状態。
そのため、「厚い壁の小部屋に閉じ込められたような状態」になるという。

それまでELLEの編集長として艶やかなきらびやかな世界に属し
ファッション、流行をとらえ、外車を乗り回し、スノッブな日々、
旅行を楽しみ、美味しいものを楽しみ、文学から知的好奇心を
満たしていた筆者がいきなりその状態に陥ったら。。。

そして、あたしたちは、目だけが不自然に見開かれ
片目は縫い閉じられ、よだれを垂らし、自分の身体を
自分でひとつも動かすことの出来ない人を見たら。。。
言葉を発することの出来ないその相手に対して
もしかしたら、子供に話しかけるような話し方を
してしまうのではないか?
彼らの知能、知的能力を疑うことなく
敬う言葉を発することができるか?
説明などを省いたりしないだろうか?

人と向き合う。
一番、大切で一番尊重されるべきこと
あたしたちの目を覚まさせてくれる一冊。
とてつもないすごい労力。
書き留め役の編集者であるクロードが到着するまで
文章を頭の中だけで作り上げ、推敲し、そしてそれを
記憶し、まばたきだかけでアルファベットを指定し
伝える、想像しただけでもすごい。

そうして「書かれた」エッセイは、今の自分の状態を語り
潜水服を着込んだかのような身体の中から
気持ちを蝶のように自由にはばたかせ
これまでの記憶、感覚を無限に操り、味わい、感じ
思考する作者の文体はとても詩的で
時にはウィットに富み、フランス人的なジョークを
交えながらも淡々と綴られる。
それは、とても愛情に満ちあふれ
子供達との時間は、それゆえにとてもせつない。
至って、「普通」のことばかりが書かれていること
それが一番、彼の伝えるべきことだったのではと思う。

彼はこの本がフランスで出版された2日後、突然死去。
次の出版も予定されていただけに残念でたまらない。
彼が人として「生きている」ことを伝えたこの本の意味は
とても大きい。
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2008年 03月 12日 |
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高3の夏、復讐は突然はじまった。
中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。
犯行予告からトロ吉が浮び上がる。
4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。
だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。
光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが—。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。
(「BOOK」データベースより)

ちょっと読むのに時間がかかったのは内容が
しんどかったから(汁
ひどいなぁ。。。と。そのいじめの内容が。
マジですか?みたいな。小説と現実を一緒にするなと
言われそうだけれどそれくらいリアルな。
そりゃ仕返しもしたくなるだろ?と。

で、実際に仕返しをされて、ちょっとだけ、あの頃よりも
大人になった主人公たちは考えるわけです。
あいつもこんな風に毎日、恐かったんだ、と。

解説で石田衣良が書いているように
荻原浩の作品は本当に、ぶれがない。
そのテーマを全うしている。
確かにこんないじめを題材としたものなら
もぅエセ評論家よろしく色々と語りだしそうなところ
この話は、高校生の元野球部の主人公をメインに
当時のクラスメート達の、それぞれの動き方を
自然に書き出している。
だからこそ読んでる方も、安心しきって
あぁだこぅだ言えちゃうのです。こいつらマジ反省してんのぉ?とか(笑)
そこまでやるわけ?とか、それって悪いの親の育て方じゃん?とか
もぅ生きてそこにいるかのように。

でもほんと救いがないなぁ。
どことなく、あんな空気の中どこかで息抜きしなくちゃ
いじめでもしなきゃやってらんないよ的な発想や
結局、大人の社会だっていじめあるじゃん、マスコミだって
こぅしていじめるターゲットを探してるじゃん、と
なかなか辛辣。
まぁ、かといってこの本のテーマは、いじめ撲滅じゃないし。
いじめから始まった復讐劇ですから
そのテーマから一切ぶれていない、そーいう意味では
とても巧い小説。
ラストはびっくり。え、そうだったの?と。
裏切られる結末への流れといい
学園もの、サスペンスとしては十分に質の高い一冊。
。。。しっかし、後味は悪いです(苦笑)
ほんと救いがないもの。

それにしても荻原浩、ほんと幅が広いなぁ。
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