:books:
achabooks.exblog.jp
  Top
<   2008年 05月 ( 16 )   > この月の画像一覧
|
2008年 05月 31日 |
a0104226_21544239.jpg
昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、
千葉の海近くの女子高二年。
それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方
わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた。
目覚めたのは桜木真理子42歳。
夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。
わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ—でも、わたしは進む。
心が体を歩ませる。顔をあげ、『わたし』を生きていく。
(「BOOK」データベースより)

ええええ!なにこれ!もぅ大好き!なんていい本なんだろう!
今まで時間トリップもの色々読みましたが
だいたい「戻ってしまう」もの。これは逆。進んでしまう。
想像でも「○○歳に戻ったら。。。」は思っても
進んでしまったら。。。
それも高校2年生がいきなり42歳の主婦!
身体もたるみ「お腹のお肉をつまんでしまう」年齢。
恋愛も過ぎ結婚し、17歳の娘がいる。
妊娠した喜びも出産の経験も、小さな子供を育てる喜び楽しみも
すべて自分の記憶にはまったくないのに
いま、自分は42歳の女性としてそこに確かにいる。。。
これはすごいショッキング。

なのにこの主人公。
どうしてこんなにも。
前向きで美しくてまっすぐで透明で。
北村作品には本当に「教わる」ことが多い。
心のあり方。

昭和42年から現代へスリップ。それだけでSFチックな要素なのに
これはそんなSFとしては書かれていません。
この本の厚みに負けて(笑)ちょっと先延ばしにしてましたが
全然この厚さ感じさせないほど読みやすい。
主人公は42歳の女性として「高校の教師」となるわけですが
その学校生活部分もとても面白く読める。
まぁあたしが「北村薫」を好きなのだからその人が繰り広げる
「言葉の授業」が面白くない訳なく、本当にこんな先生の授業を
受けたい!と思った、ら。。。北村薫って作家になる前は教師だったんですね。
あぁ納得。先生の「行動」もとても詳しく書かれてたのは、だから、だったのね。

また周りの人物もみんな素敵。
自分のお母さんがおかしくなった!ともっと子供として
パニックになってもいいはずの娘がきちんと相手を個人の
一人の人間として接する、そして、現実ならもしかしたら
病院にでも行かせてしまうかもしれない「夫」も
ちゃんと相手を受け入れる、この設定がまず素晴らしい。
そして相手がそう接してくれるほど主人公真理子の考え方が、いい。
現実にはあり得ない設定、なのに、そんなことを考えてしまうほど
とてもよく丁寧にこの世界が描かれているのです。

真理子はこう言うのです。
「途中で何があったか知りませんけど、結局、彼女が選んで
ここまで来たわけですよね。だったら、今のわたしが
時間をもらってやりなおしても同じことになる筈です。
ならなかったら、おかしい」
自分が好きで自分を信じていなければとてもでない言葉。
これには胸を打たれました。

はっきり言って残酷な作品です。
絶対に泣くものか、泣いたら認めてしまうことになる、と
泣かなかった真理子が泣くシーン、
両親のことを思うシーンには涙が止まらなかった。
思い出しても涙。

あたしの年齢は42歳の真理子に近いけれど
10代の人が読んだらまたそれはそれでとても感じるものがある本だと思います。
[PR]
2008年 05月 30日 |
a0104226_2127484.jpg
名探偵、信濃譲二が、ミニ劇団〈マスターストローク〉に
マネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。
だが、劇団の特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日
惨劇の幕が切って落とされた。
大胆かつ巧妙なその仕掛けを、われらが探偵はいかに解くか。
新本格派の驚異の家シリーズ第3弾。
(「BOOK」データベースより)

いやぁ歌野節全開といえるんじゃないですか、この叙述トリック。
ミスリーディングを狙ったこの作品。
やられました。つーか、あれはわからないって(苦笑)
というか、これシリーズものなんですか。この「明探偵」
ってあたしこんな読み方ばっかりしてますね〜。
まいっか。
十分それでも楽しめましたよ、これ。

ただ嗜好の問題で、いかにもな小劇団の空気が嫌いな人には
その時点でアウトかも。ノリとか。
小説内で、「くだらない」笑いをベースとした殺人劇が繰り広げられるのですが
その中で、殺人が起こるわけです。
(ちなみにこの作中劇、絶対に面白くなさそう(苦笑))
”製作”としてスタッフに加わっていた信濃譲二の一人称で
事件を追って行くわけです。
当然、この信濃譲二の思考によってストーリーは進みますから
「じゃ、明らかにこいつが犯人じゃん」と読者は読まされていくわけで。。。

このタイトルどおりの仕掛けを「読まされる」わけですが。。。
実はもっと大きな仕掛けが仕組まれてるのですね。
さてそこまで「読み切る」ことができるかどうか。
歌野作品なのだから当然そこは疑ってかかるべきだし
実際そうやって「騙されるもんか」と読む人も多いのでは。
まぁしっかりあたしは騙されましたが(笑)
でも歌野作品の好きなところはこの「騙され感」なので
それは十分堪能できた、ということでしょう。
満足。
でもねぇ。。。このタイトル、イマイチだと思うわ〜。
面白くなさそうだもん。勝手な言い分ですが。

シリーズもんとして最初から「信濃譲二」を知って読んでいたら
もっと「うわぁ!」ってなったのかもしれませんね〜。あー、もったいない。
ということで
信濃譲二シリーズ
「長い家の殺人」「白い家の殺人」に続くのがコレだそうです。

初期の作品ゆえの雑さもありますがでもラストいいですよ。
最後の1行読み終わったあと、ぞくっときました。
あたしはかなり好きです。
[PR]
2008年 05月 29日 |
a0104226_1940724.jpg
富豪の若き一人娘が不審な事故で死亡して三カ月
彼女の遊び仲間だった男女四人が
遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた。
なぜ?そもそもあの事故の真相は何だったのか?
四人が死にものぐるいで脱出を試みながら推理した
意外極まる結末は?極限状況の密室で謎を解明する異色傑作推理長編。
(「BOOK」データベースより)

さすが「本格」と言われるだけあると読み終わったあとは
深いため息。感嘆。
見事です。この緊迫感。
なんていうのかな、もぅレベルが高い、というか、いいものを
読ませてもらった、というか、凄い、のひと言に尽きる。
真相に至る手がかりはちゃんと提示されているのです。
下手な小細工なんて一切ありません。
その謎を解明できるかどうか、まさに「本格推理小説」

ただ、あたしがタイトルを深読みしすぎた(苦笑)
あれ?終わり?これで?と思っちゃったのですが
初めに言っておきます。
「そして扉が閉ざされた」から始まる物語です。
そこから始まります。それ以上を期待しちゃいけません(笑)

にしても、これ映像化にほんとぴったりだと思うのですけれど
まだされてないのでしょうか?
2時間程度の映画でも十分ぴったりかと。

閉ざされた空間、限られた登場人物そして回想シーン。
これだけで勧められる物語。これだからこそ否が応でも
盛り上がる緊迫感。
本の中に引込まれる話というのはほんと名作だと思います。
岡嶋二人、ほんと凄いなぁ。
良作な推理小説を読みたいと思ったらこの人達でしょう。やっぱ。
[PR]
2008年 05月 27日 |
a0104226_19233739.jpg
戊辰戦争の傷跡癒えぬ東京で、美女ばかりを描いた
錦絵が評判を呼んでいた。
だが描かれた女がバラバラ死体で
それもなぜか稲荷で発見される事件が続発、町に恐怖が広がる。
元公家の九条は捜査に乗り出すが、非道の犯行は止まらない。
困惑した九条は病床の友人朱芳の頭脳に望みを託す。驚愕の結末が待つ傑作推理。
(「BOOK」データベースより)

ほぅ〜〜〜。貫井ってこんな作品も書くんだ!と
読んでる最中何度も確認したほど。
江戸川乱歩好きにはなかなかはまりますよ、これ。
ミステリとして謎解きを楽しむよりもその世界を
楽しめるのですが、まぁそのタイトルどおり
かなりのバラバラ死体ぶりなので
そのテの血なまぐささが苦手な人には勧められない一冊。

時代設定が「時代小説」と「現代小説」の微妙な時代なので
時代小説を読み慣れてない人には新鮮に
感じられる部分もかなりあるのではないかと。
そこも合わせて堪能して欲しい。
結構、伏線も時代を絡めてしっかりしてるので
まぁそこはさすが貫井だな、と。

好みは別れるところかと思いますが
あたしは結構この耽美的などろどろさ加減、嫌いじゃないし
足フェチの無意味なおやじの登場も結構好きです(笑)
(無意味言うな(笑))
まぁ確かに、え、犯人こんな登場の仕方かよ、都合よすぎやん、と
つっこみたくはなりますが。。。
この時代ならでは、この時代のこの世界の人たちの思考回路を
思うとそれもありなんだろう、と。

この前作が「鬼流殺生祭」なのですがまた順序逆に
読んでしまいました(苦笑)
途中読んでいて、失敗したなと思う箇所もあったので
順番に読んだ方がいいかもしれません。
書評を読むと前作よりもこちらのほうが完成度が
高いようですがまぁそこは割り切って次、前作を読みたいと思います。
[PR]
2008年 05月 22日 |
a0104226_20275488.jpg
物語の冒頭に置かれた〈作者からの注意〉に驚くべきことに
奇妙極まりない殺人劇の容疑者たち四人の
リストが公開されている。
この大胆かつ破天荒な作者の挑戦に
果してあなたは犯人を突きとめられるか?
ご存知、速水警部補と推理マニアの弟と妹が活躍する、異色の傑作長編推理。
(「BOOK」データベースより)

速見三兄妹シリーズ第2作目ということですが
1作目の「8の殺人」の評判がイマイチなんで、ま、いっかーと
こちらから読んでみました。
「新本格」と言われる作家ということで、こむずかしそーだなぁ〜
この作家さん、前に読んだ「殺戮に至る病」で
ちょっとげんなりしちゃったのよねぇ、どよーんと暗くて重くて
気持ち悪くて(苦笑)
わぁ最初から「挑戦状」だよ、こっちに「考えろ」と言ってるよ
考えて何度も「登場人物」に戻る推理小説ってなぁ。。。と
後回しにしていたのですが
とーんでもない、すらっと読めちゃうライトなコメディ要素
がっつり盛りこんだ1冊。

ホントに同じ作家さん?と思うほど。
まぁ登場人物が、作者の中だけで人形のように動いているように
感じられる部分は同じ作者さんだなって感じだけれど。
動いているというか、動かされている、そんな感じ。
まぁこれは、そこが気になるかどうかは人それぞれだし
話の展開、語り方にもよるから
それだから、なんだ、というわけでもないのですが。。。

さて、容疑者は4人、と最初から提示してくるこの小説。
「殺人者」のモノローグ、「被害者」として事件の
様子、主人公速見刑事が弟妹の知恵を借りる「素人探偵」
そして速見自身の捜査の様子の「警察官」
とそれぞれ殺人の幕ごとに場として別れて進みます。

確かに見事に騙されました。
そしてその騙しも自然な結果であり
そんなのわかるわけないよ〜!というめちゃくちゃな展開でもないのに
どこかめちゃくちゃ=スラップスティックな匂いが
漂う不思議な作品。。。。
さらっと読めるユーモアミステリ、こんなミステリもいいかも、と
思うのですが。。。

泣かせることは簡単でも笑わせるのは難しいよね、どんなジャンルでも。
と思わせる時点でいまいち笑えなかったわけです(苦笑)
まぁ笑いたくて読み始めた本でもナイのですが。
[PR]
2008年 05月 20日 |
a0104226_2023564.jpg
「リピート」—それは、現在の記憶を保ったまま
過去の自分に戻って人生をやり直す時間旅行のこと。
様々な思惑を胸にこの「リピート」に臨んだ十人の男女が
なぜか次々と不可解な死を迎えて…。
独自の捜査に着手した彼らの前に立ちはだかる
殺人鬼の正体とは?
あらゆるジャンルの面白さを詰めこんだ超絶エンタテインメントここに登場。
(「BOOK」データベースより)

ケン・グリムウッドの「リプレイ」とアガサ・クリスティ−の
「そして誰もいなくなった」をあわせたような作品ということですが。。。

これまた「時間」繰り返しモノ。
このネタは色々な作家さんの味が、色んな形ではっきりと
出るのでオモシロイ。

「過去に戻って人生やり直せます」という、様々な妄想、それも
自分にとってとてつもなくプラスであろう妄想を抱きがちな設定なのに
これだけ悪意に満ち溢れた展開、すごいですよ。

戻れるのは10ヶ月前。
そして一緒に行くのは風間を含めて全員で10人。
1日でもなく、10年でもなく、10ヶ月。
競馬の大穴をあてて億万長者にもなれる。
失敗した受験をやり直すことも、振られた彼女の本性を
見せつけられる前に別れることだって。。。

そうこの登場人物達、みんなとても利己的。
そこがまたリアルでもあり。
競馬で儲けることを考えてもまず不自然に見られないように
危ない人種に目をつけられないように、と考え
複数いるからこそ、誰か一人でも秘密をもらしたら自分も
世界から奇異な目で見られることを恐れて箝口令をひく。
一度きりと言われたタイムスリップを何度もすることで
年を取らないことを望み、相手を出し抜くことを計算する。。。

主人公の毛利ですら身勝手で女好き。自分のことだけしか
考えられない。
けれどそんな人たちだからこそこの小説によりリアリティを生み出し
また不気味さと同時に妙な親近感すら湧かせる。

ラストにかけて、次々に起こる怪死の謎は解かれ
問題のその日、どうなる?というスピード感もあり
話をどう着地させるのか、という点でも十分楽しめました。

分厚い分、じらし感もたっぷり。じわじわとじらされているうちに
いつのまにか自分もその世界にすっかりはまっていました。
[PR]
2008年 05月 15日 |
a0104226_20264780.jpg
“世界一美しい”と言われる石畳の広場で
ひとり途方にくれていた。
逃れるようにして辿り着いた場所で君と出会った。
失ったはずの大切なものを僕は取り戻し
君はあいまいな約束を残して、追われるように姿を消した…。
表題作ほか三篇。失われたときの痛みとぬくもり心のゆらぎを紡ぐ著者初の短篇集。
(「BOOK」データベースより)

あたしはいったいこの作家、好きなんだろうか?と自問自答して
しまうくらい(苦笑)短編集の1話目を読んだとき
はいはいはい、そーだねぇ、この人ってこーいうハナシいかにも
書きそうよね、コギレイな暮らしぶりをしてる女が実はセクシャルな
内面を抱いていて〜。。。。でもそれを下世話と捉える方が実は下世話
なんだよとでも言いたげな文体で〜。。。この繊細さをわからないのは無粋
って人種で〜。。。
なんて読んでいたら

うわぁびっくり。
いいじゃないですか。この短編集。(1話目はまぁいかにも、でしたが)
すっかり大崎ワールドにやられちゃいました。
とくにこの短編集、裏テーマとでもいいたげなそれぞれのテーマ曲が
出て来るのですが、その曲をイメージしながら読むとさらに
奥深さが味わえるのでは。

「報われざるエリシオの為に」ー「イフ・アイ・フェル」ビートルズ
うーん。すごい展開。なんでつか。いきなり不純異性交遊だの
覚せい剤だのって(苦笑)まぁ上に書いた、勝手に思っていた大崎ワールド全開。

「ケンジントンに捧げる花束」ー「ルビー・チューズデイ」ローリング・ストーンズ
この話、好きです。イギリスを嫌いにならないで、私を嫌いにならないで。
こんなにも一人の人を強く深く愛する、素敵な話です。

「悲しくて翼もなくて」ー「ロックン・ロール」レッド・ツェッペリン
北海道の公園で一人ギターを弾き歌う真美の歌が聴きたい(笑)

「九月の四分の一」ー「ダンシング・クィーン」アバ
ブリュッセルの広場で出会った同じ日本人の奈緒。彼女とのあやうい関係。
この話につられて、つい「ポール・アンカール」ぐぐっちゃいました。
もぅこの時点で完璧、感化されてます(笑)

美しく繊細な恋愛小説、お探しの方、ここにあります。
[PR]
2008年 05月 14日 |
a0104226_2028488.jpg
学校という名の荒野をゆく、怖るべき中学生群像。
名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が
次々に惨殺された。連続殺人の原因として
百万単位の金がからんだチョコレートゲームが浮かび上がる。
息子を失った一人の父親の孤独な闘いをたどる
愛と死のショッキング・サスペンス。日本推理作家協会賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

部屋にこもることが多くなり、親と口をきかなくなる。
身体中にアザをつくり、口を開けば「うるせぇ」
机には与えた覚えのないパソコンが置かれ
学校も休む、いったい息子に何が起きているのか?と
不安を抱いていた矢先、クラスメイトが殺されるという事件が。
理解しきれない行動をする息子に対して浮かぶ疑惑の感情。
そして、息子を失ったとき、初めて信じきれなかった自分を
悔やみ、息子の為に立った一人、動き始める父親。

中学生がまさか?というストーリー展開。
驚いたのがこの本、1985年に発表されていること。
まったく古さを感じません。
2008年の今ですら十分、あり得る子供達の世界。
テーマは重いけれど、読後感は悪くはないし
さすが、と思える作品。
多々、張られている伏線のうまさにも脱帽。
この「ユニット」がすでに終わってしまっているのが残念。
それでもかなりの作品数がまだ未読分であるので
それはそれで楽しみです。
[PR]
2008年 05月 13日 |
a0104226_20313176.jpg
「要求を言います。現金で一億円用意してください」
—嫌な仕事が回ってくるとサウナに逃げ込む
さえない中年刑事佐原の娘が誘拐された。
世上騒がす連続婦女殺人魔の仕業か。
しかも衆人環視の中で身代金を運べと要求する犯人。
刑事を待ち受ける驚天動地の結末とは。鬼才が放つ奇想の超・本格ミステリー。
(「BOOK」データベースより)

連続婦女殺人事件を追う主人公の佐原。
犯人の犯行声明が出たと思ったらそこから180度
まったく違った展開を見せ、事件は終結したかのように
思った矢先、今度は自分の娘が誘拐される。
いったい何がどうなってるの?という勢いでどんどん
読ませるのですが。。。
んー、なんていうんでしょ。突拍子もない展開でありながら地味という
不思議な作品(苦笑)
「ガラス張り」状態な衆人環視の中でどうやって身代金を盗むのかという
ドキドキとその拍子抜けなオチ。。。
まずね、タイトルからして、裏があるってわからせてしまってる時点で
読後、あぁそうなんだ〜を狙っているとは思いますが。
第二の事件  保健室の名探偵
第三の事件  ガラス張りの誘拐
第一の事件  夢で見た明日
エピローグ
いきなり第二の事件、だもん。

こんな状況にならなければ修復を望めない親子ってのも寂しいなぁ。
なんてミステリとは全然別のところの感想だけクローズアップしてみたり
しちゃうほど歌野作品としては。。。
それでも人物の設定とかかなり入り込めますけれどね。

まぁ歌野の場合、きっと何かやってくれる!とこちらの
期待の方が大きくなってしまっているのですけれどね(苦笑)
[PR]
2008年 05月 12日 |
a0104226_20343461.jpg
時は、江戸。巷の闇の色は濃い。
その闇を縫うように、あやかしたちの姿がほのかに立ち上る。
小豆洗い、白蔵主、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、
柳女、帷子辻…。それは、現か、幻か、それとも—と、
その刻、小股潜りの又市の鈴が密やかに鳴り
山猫廻しのおぎん、考物の百介、事触れの治平の姿が現れる。
「御行奉為—」いつの世も、不可解な事件は決して跡を絶つことがない—。
(「BOOK」データベースより)

面白いーっ。
さすが京極。読ませてくれます!
怪異譚を蒐集するために諸国を巡る戯作者志望の山岡百介が
出会った不思議な者たちは実は、闇に葬られる事件の
決着を金で請け負う「必殺仕事人」のような厭行一味。
連作短編集なのですが最後はいつもそーいう仕掛けだったのか、と
計算されつくしたストーリーはもぅ陶酔。

絵本百物語・桃山人夜話に収録されているという妖怪の絵と
その文章が各章ごとにあるのですが
すべてその小話を踏まえてストーリーが展開されていきます。
結局、恐いのは妖怪よりも人の心。

早く先を読みたいのだけれどじっくりこの世界で浸っていたい
そんな本です。まだまだ続編があるので楽しみです。
[PR]
PageTop
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Starwort Skin by Sun&Moon