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2008年 08月 29日 |
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駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは
以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき
酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。
歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく
センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。
(「BOOK」データベースより)

いやぁ〜〜〜なんていい話なんだろう。
まさしく現代のお伽噺かも。
これねぇ〜読んでいて色んな人の顔が浮かびましたよ(笑)
酒飲みの独身女、年配の人とも普通に
酒のつまみを間に、無言でも、自分の時間を
自分と相手の空間を楽しめる、そんな友人が多いもんで。
ただ恋愛までいくかというとそれはどうかな、と。
センセイはセンセイで、むしろ年配の酒飲み友達がいるという
レベルで終わるのではないかな、と。

それを違和感なく恋愛にもっていく。
とても自然に。
そして、年齢を考え、周囲を考え、相手を考え
傷つくことを恐れて距離を置いてしまう 。
自分は今までだって一人で楽しくやってじゃないの、と
少し離れてみたりする、けれどやっぱり好きだ、なのに
この感情をうまく伝えられない。。。
そんな主人公の心の動きがとっても丁寧に描かれて
すっと読める。違和感なく。

美しい言葉、静かにたゆたう空間に流れる空気
すべてが大人のための一冊。
いつのまにかほろり。
センセイの鞄を手に一人思うツキコさんの姿を描いた
ラストがとてもいい。
読んでる間の時間、とてもいい時間を過ごせたなぁと思える一冊。

小泉今日子と柄本明で映像化もされているそうで
そちらも気になるところ。

あちこちに描かれた酒のさかなの描写もこれまたいいんだぁ〜。
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2008年 08月 27日 |
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昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後
東京で連続殺人として開花した—精神に〈暗い山〉を抱える
殺人者マークスが跳ぶ。元組員、高級官僚、そしてまた…。
謎の凶器で惨殺される被害者。バラバラの被害者を結ぶ糸は?
マークスが握る秘密とは?捜査妨害の圧力に抗しながら、
冷血の殺人者を追いつめる警視庁捜査第一課七係
合田刑事らの活躍を圧倒的にリアルに描き切る本格的警察小説の誕生
(「BOOK」データベースより)

日本冒険小説協会大賞受賞、第109回直木賞受賞、
週刊文春’93ベストミステリー第一位、
週刊現代'93ベストエンタテイメント第一位
宝島社’93このミステリーがすごい!第一位ってすごくないですか?
でもね〜
長いなぁ〜と。ちょっと本屋で最初をちらっと読んで
登山とか雪山とかそーいうの詳しくないとつまらないのかな?とか
難しそう〜、面倒くさそう〜(苦笑)とか
先延ばしにしていましが、かなり評価の高い本なので
読んでみましたがこれがやっぱり正解。

見た通り長いし(ハードカバー441頁、上下段組み)
内容も警察組織、検察、政財界や裏社会とを
巻き込み綿密で重厚な作品。
これだけ多い登場人物、様々に絡んだ事件や
16年後へと続く伏線の多様さ
(何度も頁をめくりかえしてしまいました)
内容そのものの陰鬱さ、救いようのなさ、なのに
この読後感の気持ち良さは
まさしく宮部の「火車」や「模倣犯」に匹敵。
さらに会田雄一郎というキャラクターへの
興味深さも加わり、合田シリーズ今後も読んでみようかと。

だらだらと延々続くかのような警察内部の人間関係や
組織から受ける障害に対し、まるで、そのメリハリを
つけるかのように起こる殺人事件、そのバランスも素晴らしい。

時代の設定として「鬱病」や精神病院に対する
偏見の満ちた頃、当時の目で見たら
このような事件を引き起こす第2のマークスが存在しても
おかしくないという説得力、
ただのミステリや警察小説としてだけじゃない、
社会問題、人間の心の奥まで触れて行く深い作品、おすすめです。
文庫化ではかなりの改訂がされ、削られている部分も多いと
聞いたのでこちらにしてみましたが
文庫化との比較もしてみたいくらい。
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2008年 08月 19日 |
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平凡な日常が裂ける—。突然、愛する妻・絢子が失踪した。
置き手紙ひとつを残して。理由が分からない。
失業中の迫水は、途切れそうな手がかりをたどり
妻の行方を追う。彼の前に立ちふさがる、暴力団組員。
妻はどうして、姿を消したのか?いや、そもそも妻は
何者だったのか?絡み合う糸が、闇の迷宮をかたちづくる。
『烙印』をもとに書き下ろされた、本格ミステリーの最新傑作。
(「BOOK」データベースより)

なんかさらっとした本を読みたいぞと手に取ったのですが
あははは〜まさしく「迷宮」
1994年に発表された「烙印」を全面改稿、けれど新作並みに
リライトされたものだとか。

「慟哭」やその後の貫井作品に比べれば
軽い、ちょっと流されちゃった感はあるし
ラストに持って行くまでの暴力団がらみは
かなり無理もあればラストは、そっちですかー!な
衝撃(苦笑)はあるけれど
結構楽しんで読めちゃいました。

自分にとって一番大事なものは何かを求めて
探す姿は好感度も高いし、伏線もしっかりしてるし
ラストの妻の、過去、彼に語った言葉ではちょっと涙。
おっと感動しちゃったよ、という読後感(笑)
(よく考えるととてもやるせないのだけれど)
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2008年 08月 17日 |
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無類の不思議話好きの山岡百介は、殺しても殺しても
生き返るという極悪人の噂を聞く。その男は
斬首される度に蘇り、今、三度目のお仕置きを受けたというのだ。
ふとした好奇心から、男の生首が晒されている刑場へ
出かけた百介は、山猫廻しのおぎんと出会う。
おぎんは、生首を見つめ、「まだ生きるつもりかえ」とつぶやくのだが…。
狐者異、野鉄砲、飛縁魔—闇にびっしり蔓延る愚かで哀しい
人間の悪業は、奴らの妖怪からくりで裁くほかない—。
小悪党・御行の又市一味の仕掛けがますます冴え渡る
奇想と哀切のあやかし絵巻、第二弾。
(「BOOK」データベースより)

舞台は、江戸時代末期。晴らせぬ恨み
あちら立てればこちらの立たぬ困難な問題を金で請け負い
妖怪になぞらえて解決する小悪党たちの活躍を描く。
同じ作者の「京極堂」シリーズが
妖怪の仕業に見える不思議な事件を科学的・論理的に
解明して解決するのに対し、本シリーズは逆に
人の心の綾を妖怪の仕業に仕立てることで解決するところに特徴があるといえる。
(wikipediaより)


今回も読ませてくれたなぁと。
特に今回は百介の心情を読み手側とより
近い位置に置くことで
闇の住人達と自分の安定した昼の世界との
狭間にいることのなんとも言えない中途半端さ
昼の世界に物足りなさを感じながらも
そちら側へは行けない、という百介の感覚とリンクし
「別世界の人たちだ」と感じることにより「その世界」に
さらに入り込んでいる、という。。。
それゆえにこの「続」の読後感は寂しかった〜。

前回が一話ごとにその仕掛けにほぅ〜と「読み終える」のに
比べて今回は、以前の話が巧みに絡んで来たり
さらに登場人物たち、おぎんの過去なども
どんどん解明されてきたり、さらに話に深みが増し
仕掛けもどんどん大掛かに。
とても読み応えあります。

風景描写の見事さゆえに読んでいてまるで映像を
見ているかのようで、なかなか読んでいる途中に
こっちの世界に帰ってくるのが大変。
それくらい入り込める本だからこそラストは心にくる。
はぁ。。。寂しいなぁ。
一応、まだ「これよりも前」と「これよりずっと後」が続きますが。
もっと前作のような、ちっちゃい仕掛けで連続短編として
長くおつきあいしたかった〜。

すっかり京極夏彦の造り出す世界にやられてますな。

あ、個人的にアニメキャラは好みではなかったのでそちらは
ノータッチ。
wowowでドラマもやってたんだねぇ〜。
渡部篤郎、小池栄子、大杉漣、吹越満。ほぅ〜。
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2008年 08月 02日 |
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夫を失ったばかりで虚ろな母と、もうじき7歳の私。
二人は夏の昼下がり、ポプラの木に招き寄せられるように
あるアパートに引っ越した。不気味で近寄り難い
大家のおばあさんは、ふと私に奇妙な話を持ちかけた—。
18年後の秋、お葬式に向かう私の胸に、約束を守ってくれた
おばあさんや隣人たちとの歳月が鮮やかに甦る。
世界で高い評価を得た『夏の庭』の著者が贈る文庫書下ろし。
(「BOOK」データベースより)

うわーん。
なんていい本なんだろう!!!

「夏の庭」がよかったのでこちらも読んでみましたが
あたしは「夏の庭」よりもこっちのが好きかも。
向こうが子供向けならこちらはさしあたって大人向けかも。

アパートの大家のおばあちゃんと7歳の主人公。
年寄りを設定に置いているのだから
死をテーマとして扱っているのは簡単に想像がつくものの
そこに重さはなく、暖かく優しい。

決して子供に媚びるわけでもなく仏頂面のまま
接するおばあさん。
あたしはみんなから死んだ人たちに届ける手紙を
預かっているという。
そしてそのおばあさんの行為、思い、それらはすべて
幼い主人公が受けた「父親の死」という体験
そして人の死に対して、きちんと見つめる心を養って行く。

血のつながりのあるなしはあっても
おばあさんと幼い女の子というと「西の魔女が死んだ」と
設定的にかぶってるじゃんと思いましたが
そこだけ簡単に見ちゃだめです。
こちらのおばあちゃんは一筋縄ではいかない。
子供嫌いで、無愛想。
本から漂ってくる匂いはまったく違いますよ。

きっと少し前の時代なら都内でもあったであろう風景。
近所の人たちとの繋がり。
かといって図々しいような空気はなく、ほどよい距離感。
庭でする焚き火に
さつま芋を買って来て焚き火に参加するアパートの住人
そして、通りがかりの人を呼び止めて一緒に楽しむ。
子供の預け先すらままならない今の状態よりも
ずっと人間らしく暖かい。

感動できる本に出会えると本当に嬉しい。
ラストには暖かい涙。
いま一番おすすめの本。
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