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2008年 11月 23日 |
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バブル崩壊で会社も金も失い、妻子とも別れたろくでなしの中年男城所安男。心臓病を患う母の命を救うため、天才的な心臓外科医がいるというサン・マルコ病院めざし、奇跡を信じて百マイルをひたすらに駆ける—親子の切ない情愛、男女の哀しい恋模様を描く、感動の物語。
(「BOOK」データベースより)

浅田作品をある程度の数をこなすと
なんとなく泣かせのパターンが見えてきてしまって
あぁ、こうくるなってのがわかるんです。
それでも
泣いてしまう、泣かせる本。
なぜならそこにはとっても大事なことが書かれているから。
もちろんこれが初めて読む浅田作品なら号泣間違いなしでは。

若くして夫を亡くし6畳一間のアパートから
4人の子供をエリートへと育て上げた母。
末っ子の自分も社長におさまり
景気のいいときにはもちろん母を顧みることはなかった。
けれど、母はそれでいいのだ、と。
自分を忘れてくれ、と。辛かった頃の記憶とともに。
そんな無償の愛に始まり
落ちぶれた主人公の安男に対して
なんの見返りも求めず、2年間も面倒をみて
「みーんなよくなってあたしのもとを離れて行くのよ」と
恨みなんて微塵もなく語るマリの無償の愛。
内科医として、それこそ一睡もしなかったであろうほど
最善の治療を施し100マイルに耐える心臓を作った医者の藤本
暑い中、安男の話をきき、クーラーを止めさせて食事をした
ダンプの運転手たち、そしてマルコ病院の曽我医師、歯科医のひげ長他
看護士たち。。。
そこには数えきれないほどの無償の愛が存在し
そのひとつひとつに素直に感動。

作中に歌が効果的に使われているものとして
伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」だったり
東野圭吾の「手紙」だったりと色々ありますが
これもまたピーター・ポール&マリーの「500マイル離れて」が
とても効果的に使われていて頭の中をまわりますよ。
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2008年 11月 21日 |
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92年、千葉県市川市でひと晩に一家四人が惨殺される事件が発生。
現行犯で逮捕されたのは、19歳の少年だった。
殺人を「鰻を捌くより簡単」と嘯くこの男は、どのようにして凶行へと走ったのか?
暴力と憎悪に塗り込められた少年の生い立ち、事件までの行動と死刑確定までの道のりを、面会と書簡を通じて丹念に辿る著者。
そこで見えた荒涼たる少年の心の闇とは…。人間存在の極北に迫った、衝撃の事件ノンフィクション。
(「BOOK」データベースより)

一家四人惨殺犯の告白と副題がついてます。
実際に起こった事件のルポです。
以前から、こうした少年犯罪、連続殺人、異常犯罪等の
ルポは読んでいますが
ここまで感情的なルポは読んだこと無いなぁ(苦笑)
何がしたかったんだ?作者、という疑問が残り
後味が悪いなぁ。

前半部分に事件の流れが丁寧に書き起こされ
後半部分は前半と重複する内容ではあるけれど
直接、面会或いは手紙などによって犯人によって
語られたことを中心に筆者が犯人に振り回される様子が
書かれているのですが
あらかじめ作者が、犯人である少年が反省し悔やむ姿を
書きたかったのか、或いは、幼少期の虐待ゆえに
病んでいた結果とでも言いたかったのか
あらかじめ答えを用意して接した挙げ句
そのような色を見せない犯人に対し
いらつく様子ばかり目立ち
犯罪そのものを糾弾するよりも自分の思い通りにならない
相手に腹をたてているかのよう。
もぅ少し冷静に、「理解不能のモンスター」を描ききれれば
よかったのではないかなぁ。

一般人には、さらに科学的な根拠、このような犯罪に走る
「原因」まで踏み込めていればきっと「あぁ自分とは違う
世界の話ね」と安心できたかもしれない(笑)

犯人の心の闇に食い込みたかったのだろうけれど
「お気に入りの闇」ではなく突き放した感じが否めない。
いったいどんな「闇」を想像してたのかと。
後半部の、筆者を振り回す様子を冷静にみれば
十分そこが汲み取れそうだけれどね。
そこからもぅ一歩踏み込んで欲しかった。

犯罪ルポとしてはどこか不完全で非常に残念だけれど
このような事件があった、と風化させない為にも
本として残しておくべき残忍な事件だと思います。
前半部は非常によく書かれていて
正直、吐き気をもよおすほど。
それだけで十分、読後感はよろしくない。
(のは初めからわかっていたのだけれど)

なんでこぅも読後感の悪い本を選ぶかなぁ、自分(苦笑)


ラスト、残された被害者家族の長女が強く自分の道を
切り開いていっていることが読めただけでもよかったです。
ご家族のご冥福をお祈りします。
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2008年 11月 19日 |
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地味で目立たぬOL本田小百合は、港が見える自分の町をリスボンに見立てるのがひそかな愉しみ。異国気分で「7月24日通り」をバス通勤し、退屈な毎日をやり過ごしている。
そんな折聞いた同窓会の知らせ、高校時代一番人気だった聡史も東京から帰ってくるらしい。
昔の片思いの相手に会いに、さしたる期待もなく出かけた小百合に聡史は…。
もう一度恋する勇気がわく傑作恋愛長編。
(「BOOK」データベースより)

一筋縄ではいかない恋愛小説。
少女漫画的でもありとても読みやすい一冊。
地味な地方都市に住む主人公は「かっこいいもてる」男が
好きだけれど所詮自分なんかと初めから「間違ったこと」を
拒んで生きている。
自分が学生時代告白された男は、目立たない冴えない男。
自分の位置はこれくらい、とその時点で評価されたかのように。
そして、自慢の、モデルにスカウトされるくらいかっこいい弟。
この弟の彼女というのが、主人公と同じような冴えない女。
不釣り合いだ、自分と同じ種類の人間のくせに、と
いらだつ主人公。

とても面白い構図だと思う。
世の中、美男美女ばかりではなくすべての人が
ポジティブな考えをもっているわけではない。
読んでいて共鳴する人も多いのでは。
ただしこの本は、そういった人たちに「共鳴」だけでは終わらせない。
えええ?そっちなの?と驚かされるに違いない。

まぁね、本ですから。
読んでる側は自由に「ルックス」想像しますから(笑)
あたしならそっちじゃないなぁと自由に思えちゃうわけで。

かなりイタイ女性を描かせるとうまいなぁこの作者。
とても心理状態が細かくて丁寧に描写されてる。
こぅいったちょっとひねくれた恋愛ストーリーは嫌いじゃないです。
ルックスについてたらたらと書かれた話であるのに
下品さが感じられない、良質という言葉がぴったりな一冊。
(林○理子とはこのへんが大違いではないかと)
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2008年 11月 13日 |
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春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。
僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの高田安次朗さんだ。
高田さんが働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。
動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事とどうつながるのか—。
鳥井は外の世界に飛び立てるのか。感動のシリーズ完結編、文庫版特別付録付き。
(「BOOK」データベースより)

3部作のラストです。
もぅこれはミステリじゃないです。ミステリを求めて読む人には
お勧めしません。はっきり言って。
それと作中の人物の年齢にやたらとこだわる人にも不向きです(笑)

これは、登場人物たち、主人公坂木と鳥井の成長物語。
青春群像小説とみてもいい。

もぅ素晴らしいです。坂木ワールド全開。
あたしは大好きです。

ほんの小さなことと無関心が、或いはちょっとした悪意
そうしたことが時には相手を深く傷つけたりさらには
人を殺す結果ともなり得ること。
それに気づいたから、コミュニケーションの難しさに
気づいてしまったからこそ歪んでいく人間関係。
けれど
人を傷つけ、自分が傷つくことを恐れて
檻に閉じこもっていては何も変わらない。
そして、どんなに辛い思いをしてもそこからさらに
踏み出した人たちの「笑顔」
笑顔の裏にあるその強さ、笑顔の本当の意味を知っている人たちが
周りにいると気づかされた時
少しのやさしさと思いやりをもって相手に接すれば
少しづつ世界は変わっていく。
この世界はまだ生きて行く価値がある。
そう信じられる。

この本はぜひとも文庫で読むことをおすすめします。
作中で鳥井が取り寄せていたお菓子のお取り寄せ先や
鳥井が作っていた料理のレシピが。
これはちょっと楽しいおまけですよ。

さらに、「あとがきまでは読まない、そこで本を閉じる」という方。
この本は本当に最後まで読まないとダメですよ。
映画のエンディングテーマが流れてる最中に劇場を立ってしまって
見逃したようなことになっちゃいますよー。
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2008年 11月 10日 |
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冷え冷えとした闇の幕が裂け、鋭い太刀風が秋山小兵衛に襲いかかる。
正体は何者か? 小兵衛・大治郎が非道に挑む表題作。
江戸に出たまま帰らぬ息子を探しにきた信州の老剣客へ温かい手をさしのべる秋山父子「老虎」。暴漢にさらわれた老舗の娘を助ける男装の武芸者・佐々木三冬「三冬の乳房」ほか「鬼熊酒屋」「悪い虫」「妖怪・小雨坊」「不二楼・蘭の間」。シリーズ第2作。
(出版社/著者からの内容紹介)

「けんかく」と読むか「けんきゃく」と読むか
悩むところですが友達がメールで
「健脚商売」と打ってきたのが一番笑えました。
な、剣客商売シリーズ2冊目「辻斬り」です。

もぅ〜〜〜〜〜かっこよすぎますって。
どうしましょ。惚れるがな。
60代の小柄なじーさまに。くぅ。秋山小兵衛。
一話一話、久しぶりに「大事に」時間かけて読んじゃいました。

隠居暮らしの暇からかちょっとした事件を見つけては
首をつっこむ様も茶目っ気がありかわいらしい。
けれどその後の行動はかわいいなんて言ってられないほど
かっこよすぎだけれど。
また本編でも触れているけれど秋山小兵衛の
「金」との付き合いかたがいいね、格好いいぞ。
町医者の宗哲曰く「大金を掴んでも、たちまちこれを
散らし悠々として、小判の奴どもを’あご’で使っていなさるわえ」

強くてそれでいて金にきれいで若い嫁には
やにさがってしまう、これは男の、男からみた理想像では。
そして、女もそのわかりやすい格好よさにやられるのです。

期待を裏切らない短編連作集。
剣の道に生きる父子の生き様をとくと。
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2008年 11月 07日 |
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彼女はぼくと同じ18歳だった。初めての女性だった。好きかと尋ねられて頷いた—家族以外の女性についた初めての嘘。嘘を重ねるために他の女性を拾い、途切れ途切れに続いた彼女との関係も、ぼくが街を出ることで終止符が打たれた—。そして長い時を経て、ぼくは再び彼女と出逢った。(「糸切歯」)青春のやるせなさ、ほろ苦さを瑞々しい感性で描く秀作集。
(「BOOK」データベースより)
『恋売ります』改題

作者を主人公としたかのような語り口の
短編集8作。連作と言うべきものも。

んー。好きな人には好きなタイプの文章。
と言ってしまえばなんでもそうなんだけれど。
どこか軽くて、軽い知的な匂いもさせて。
女にまったく縁のない男性が読んだら
信じそうな、或いは腹をたてて読むのをやめるかな?
でも
やめられませんよ。
それくらいこの人の文章には読ませる何かあります。

はなから恋愛モノがダメなら退屈かもしれませんが(苦笑)

女について、男の目から見た、女はこうなのだな、と
読んでいて面白かったです。
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