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堀部安兵衛:池波正太郎
2005年 10月 10日 |
堀部安兵衛:池波正太郎_a0104226_1303872.jpg
 忠臣蔵で有名な堀部安兵衛ですがこれは
忠臣蔵そのものよりも中山安兵衛としての少年期から
赤穂浪士討ち入りにかかわることになるまでを
重点的に彼の34歳でそのを閉じるまでを書いた
池波正太郎的な長編時代小説。
あたしの中では四十七士の一人でむっちゃ剣豪程度の
知識しかなかったのですが、「高田の馬場の決闘」は
講談・浪曲等で有名な話だそうで。
小気味好い文章と、人間臭さが面白いのですが
何より決闘のシーンが本当に格好イイ!
作中に別れのシーンが多く書かれていますがこれまた格好いい。
胸にしみじみくるものが。

武士として闘いのない時代には厳しすぎる父親が
上から疎ましがられ無実の罪を着せられた挙げ句
「言い訳無用」と切腹。14歳で故郷の新発田を出奔し
父の死んだ真実を求め旅立ちます。
色々な人に人に助けられつつ、人生の辛酸をなめ
少年から大人になっていく安兵衛。
その中で男と男の信頼を築いていく。もぅ感動。
特に義理の叔父となった管野六郎左衛門との関係。
そう、安兵衛を取りまく人たちがまたみないい味なんですよ。
盗賊の鳥羽又十郎、学者北島雪山、つねに安兵衛の
精神的な支えとなる細井広沢。
大酒飲みの道山和尚、そして安兵衛と常に背中合わせに
繋がっているかのような中津川祐見。
人間とは、一面だけのものではない「辻褄の合わねえ生きもの」
であるという池波作品の共通のテーマもとても深いです。

忠臣蔵はもぅお腹いっぱいという人にはとくに(笑)
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