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空中庭園:角田光代
2005年 11月 06日 |
空中庭園:角田光代_a0104226_13465788.jpg
 小泉今日子主演で映画化された「空中庭園」
家族の中では一切秘密を持たないというルールの裏
家族全員が家族に言えない秘密を抱えているという
一言で言ってしまえばそーいう映画と思って予告を
見てました。確かにその通りなんだけれど
とてもコワイ話。
この「空中庭園」まず目次を見ると
ラブリーホーム
チョロQ
空中庭園
キルト
鍵つきドア
光と、闇と
と、タイトルが並んでいます。
実はこれ連作、それも時系列もほぼ正しく並んでる。
ある意味1本の長編。語り手が次々と変わるのです。
郊外の「ダンチ」と呼ばれる巨大マンションに暮らす
女子高生のマナ、父親の貴史、母親の絵里子、絵里子の母のさと子、
中学生の弟コウの家庭教師で貴史の愛人のミーナ、そしてコウ。

マナが一人称の「ラブリーホーム」では
マナが自分の「仕込まれた場所」が「野猿」という
ラブホテルであることを知るところから話が始まります。
隠し事をしない、秘密を持たない、
隠すということは恥ずかしいという気持ちからであり、
家族間で恥ずかしいことなど何もないのだから
当然隠し事なんてあるわけがない、ということから
マナは普通なら隠されるべき「ラブホテル野猿」で
仕込まれたことまで知らされてしまうのです。
隠し事をしないという「ルール」が存在することそのものの
異質、違和感、その上に成り立つ「幸せな」家族像。
そのすべての根元、それは母親のトラウマからくる
強迫観念。
光と影を抱えながらそれは続けられるその恐さ。
絵里子の飾り上げたベランダの花達がとても象徴的。
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