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日曜日の夕刊:重松清
2006年 01月 26日 |
日曜日の夕刊:重松清_a0104226_2023383.jpg
 いやぁもぅすごいよかったです!ぜひ読んで欲しい♪
12編からなる短編集なので一話ずつゆっくり堪能しても。
どの話も心の琴線にじわわん。

「チマ男とガサ子」
  “潔癖症の男と片付けられない女”それがどちらも病的に。
  読んでいて他人とは思えない「ガサ子」な加奈子に親近感(笑)
  そう、「好き」は「好き」なんです。
「カーネーション」
  母への感謝を赤いカーネーションに込める、そんな日曜の夕方
  電車の網棚に置かれたカーネーションの赤に、妻と死別し
  二人の子を育て再婚を考える男性、母の生き方にどこか
  イライラしたものを感じて素直になれない女子高生
  強く躾にも厳しかった母が今は身体と心が離れてしまい
  自分を息子とわかってもらえない病院見舞い帰りの男性
  それぞれの心に様々な思いをよぎらせる。
  様々なものを「受け入れる」こと、最後、涙がじわーん。。。
「桜桃忌の恋人」
  「そんなわけで」国文学科の大学生になったオレは
  大学生活を満喫するため「オンナノコがよってきそうな
  作家」をプロフィールに並べる。が、寄ってきたのは
  太宰治に傾倒し、自ら「死」を選択する女。
  太宰をまったく読んだことのなかったのに太宰を読んで
  変わっていく。んー、太宰、昔読んだっきり。
「サマーキャンプへようこそ」
  んー、いい話です。ちょっとませちゃった息子に
  担任から欠陥の烙印を押され「自然に触れさせよう」と
  父と二人安易にキャンプに参加するものの、その父もまったく
  アウトドア派ではなく。。。
  これもうるうるきちゃいましたね。子供ネタには弱いです。
  んふふ。なんか「真理」をついていてアンチアウトドアな
  あたしにはちょっと「にやり」。
「セプテンバー’81」
  37歳の誕生日、自分にとって忘れられない誕生日と
  なった19歳の誕生日を思い出す。二度と会うこともない
  ほんの数時間の間の出会いと別れ。東京に憧れて
  東京に出てくる為の理由と東京を去っていく時の理由。
  いつもと違うちょっとした行動で思考も
  大きく変わったりもするわけです。
「寂しさ霜降り」
  不倫の果てに家族を捨てた父。弱かった母とそのすべてを
  支えてきた姉。そして姉の心は疲れてしまいその果ての過食。
  そんな姉との生活。そこへ持ち込まれる父が癌で余命
  幾ばくもない事実。姉はそれを聞かされて。。。
「さかあがりの神様」
  さかあがりのできない娘につきあう日曜日。
  自分もさかあがりの出来なかった真一はさかあがりが
  初めて出来た日「さかあがりの神様」に会ったことを
  思い出す。
「すし食いねェ」
  テレビの番組の中の1コーナーへの出演を依頼され
  一元さんお断りの銀座の一流寿司屋に向かう家族。
  でもこの日は息子の誕生日、そして夫婦は店員をも
  止めに入るほどの大喧嘩をしたばかり。
  。。。母、強いです。読後爽快。今の自分の
  生活を互いに認めあうってとても大切なこと。
「サンタにお願い」
  クリスマス期間、サンタの格好でデリバリーすることになった
  浪人中のオレは突然、ガングロ女子高生に1時間だけ
  相手をする「バイト」に。連れて行かれたのは中学校。
  街頭募金の決まり台詞に対しての女子高生の言葉。
 「恵まれない子供たちに愛の手をって言うけれど
  恵まれない子に取りあえず必要なのはお金で、愛が
  必要なのは恵まれた子供のほうなんだと思いません?」
「後藤を待ちながら」
  俺達はいじめてなんかなかった、ただ楽しかったから
  遊んでいただけ。「いじめた側」と「いじめられた側」の溝。
  それに気づいたのは我が子がその反対側に立っているのに
  気づいてから。。。。ん〜〜〜、すごく、きました。
  「1時間泣き続ける」その時にはそうアドバイスしたいです。
「柑橘系パパ」
  中学校の3年間、単身赴任でずっと「パパ」はいなかった。
  お母さんと二人とてもうまくいっていた。今更、パパの
  いる生活に馴染めず、受験のストレスも重なってヒトミの
  イライラは大絶頂!「パパがクサいの!」
「卒業ホームラン」
  甲子園球児だったから小学校に上がったばかりの息子と
  キャッチボールをしたくて買い与えたバットとグローブ。
  なのに、甲子園球児だったから少年野球の「監督」という
  立場に立たされ6年。小学校最後の試合。勝たせてやりたい。
  でも息子は萬年補欠、そして今回は補欠どころか。。。
  「がんばれば」「努力すれば」に、どう応えられますか?

どの話も、ふわっと心が軽くなるステキな話ばかり。
どこにでもあるような誰にでもあり得るようなシチュエーションで
すっと重松ワールドに入っていきます。
「疾走」ではなく「流星ワゴン」な重松ワールドね(笑)
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