三月は深き紅の淵を:恩田陸
2007年 02月 11日
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鮫島巧一は趣味が読書という理由で
会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。
彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは
その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても
見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話。
たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本を
めぐる珠玉のミステリー。
(「BOOK」データベースより)
短編集、っていうのかな。
「三月は深き紅の淵を」 という作者も不明の
その本を巡って(或いは匂わせて)綴られるのだけれど
各章によってその謎の本そのものが変わるのです。
ある時は、これから書かれる4人の合作として
ある時は、すでに書かれておりその作者探しの
旅にでる、そして書かれるきっかけになる少女の死と
書かれている最中であろう混沌とした時期と。。。
この「三月は深き紅の淵を」が「ひとつ」の
話として存在しそれに付随する4つの短編であれば
(作者が文中で言っているようなひとつの入れ子式で
あれば)あたしはもっと読み応えがあったような
気がするのですが。。。
とにかく短編ごとに設定が何もかも変わるので
予備知識なしに読んだあたしには非常に読みにくかった。
その世界を受け入れその中で自由に浸れれば
よかったのだけれど、ひとつのまとまりを期待して
しまったが為に「???」状態で。
連作短編として見るよりもオムニバスとして
読むと楽しめたのかもしれない。
一話目は本好きにはたまらない「招待」ですね〜。
by acha-books
| 2007-02-11 01:56
| :恩田 陸
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