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残酷な神が支配する:萩尾望都
2007年 03月 30日 |
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 全巻1日で一気読みです(笑)全17巻。
正直、萩尾望都の絵は得意ではなく1〜2巻目あたりまでは
ヲイヲイ、やおいかよ、義父からレイプされる息子って、と
笑ってしまいましたがこれがなかなか笑えない展開。
重いですよ。すごい大作です。とんでもない。
この話を漫画でやってしまうなんてやっぱり萩尾望都って
人は天才なんだ、と実感。漫画と一言で片付けられない
心理学・宗教・哲学が入り混じった世界。
長い話ですが長いからこそ説得力がありまたリアリティがある。
(先日、DEATH NOTE13巻も一気読みしましたがあれは
中だるみもしたし、あの長さに必要性も感じなかったなぁ)

親は子供にとって絶対的な存在。
親が子を育ててはいけない。
何故なら親は神であるから。子供は親の呪縛からは
逃れられない。

よく虐待を受けた子供を救うためには
その親から救わなければいけないと言われる所以。
この話もただ子供をレイプする親がただの性的変質者
ではなくその葛藤、そこに至る姿まできちんと
描かれているし、また虐待を受けずに育った人に
虐待がどんなものであるか、またその虐待によって
どんなに心に傷が残るか、虐待とは(性的なものに限らず)
どんなことであるか、わかることができるためには
矢張りこの長さは必要なのでしょう。

そして決定的なラストを描かないからこそまた
これはリアリティがあるのでは。


以下ネタバレ。

主人公ジェルミは義父グレッグにレイプされ続けたが
再婚しやっと幸せを得た母の為に我慢していた。
壊れていく精神の末、ジェルミはグレッグを
自動車事故に見せかけ殺害するもののその車には
母も同乗していた。
事故の不自然さに真実を求めジェルミを追い詰める
義兄イアン。
夢の中、幻覚として、幻聴として死後もなおジェルミを
執拗に追い回すグレッグ。
さらに母の死後、実はグレッグとジェルミの関係に薄々
気づきながらも知らない振りをしていたことを知り
さらに次第に壊れていくジェルミ。ついには家を出て
男娼にまで身を落とす。
そして完璧と思っていた父の真の姿を知り苦しむイアン。
ジェルミを救うために動いているはずがしだいに
イアンまでもが出口の見えない深みにはまり二人の
精神はさまよい傷つけ合うかのようにセックスを重ねる。
ジェルミとイアンの魂の彷徨。傷つけられた魂の死と、おそらくは再生。

気持ちが弱っていないときにもぅ一度読みなおしたいです。
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