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手紙:東野圭吾
2007年 07月 09日 |
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強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。
弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。
しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せを
つかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が
立ちはだかる苛酷な現実。
人の絆とは何か。
いつか罪は償えるのだろうか。
犯罪加害者の家族を真正面から描き切り
感動を呼んだ不朽の名作。
(「BOOK」データベースより)

映画化もされてかなり経ち、今更?な感もありますが
読んでみました。
周りの評判もよく、あー泣けるのね〜程度で
読んでいたのですが。。。
なかなか泣けないんだな、これが。
加害者の家族を描いたものなら「疾走」とか「うつくしい子供」など
読んだけれど、悲壮感と壮絶さなら断然「疾走」のが
突き抜けているし、純粋さや透明感を持ったまっすぐな心地よさなら
「うつくしい子供」のが印象的だったし
さらに言えば兄弟ではなく親だけれど
「世界の終わり、あるいは始まり」なんて
加害者の親としてどうなってしまうかの状態が次から次からと
表現(笑)されているし(うっかりここで○オチと言いそうになりました)
まぁ加害者の家族はこんなもんよね、とさらっと読み進めていたのですが。。。

やられましたよ。さすが東野。人気のある作品だけあります。

主人公の直貴は兄の剛志の犯した強盗殺人という罪ゆえ
人生を狂わされたが、その犯罪に走ったもとはといえば
直貴の大学受験のためお金が欲しかったから、だった。
それゆえに兄を疎ましく思いながらも捨てきれない。
獄中から毎月届く兄からの手紙。
強盗殺人犯の弟として、世間で生きて行くことの重さ。

直貴の勤め先の社長の言葉。
「我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。
自分が罪を犯せば家族を苦しめることになるーすべての
犯罪者にそう思い知らせるためにもね」
これはある意味、正しいと思う。
そして、そんな彼に対して露骨に(差別を)態度で示すことを
道徳に反すると思い必要以上に気を使ってしまう「周囲」に
対しての反応の見方もまったくもって
その通りだと。

この本は読んでる人にその選択を迫るかのように
問うのです。その答えはもちろん一つではなく。

そんな重いテーマを突き付けてじっくり真実味を持って
読者の前に立ちはだかりながら
最後には。。。やってくれます。

兄の手紙、そして弟の行動。
ジョン・レノンの「イマジン」が読みながら頭の中に響き渡り
そして涙が止まりませんでした。いやぁかなり好きです。このラスト。
未読の方、ぜひ読んでください。
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