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美丘:石田衣良
2007年 07月 15日 |
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美丘、きみは覚えているだろうか。
ぼくときみがいっしょに暮らしはじめた八月。
あの夏の光と夜のやさしさを—。
残された命を見つめ、限りある生を全力が走り抜けた美丘。
彼女が生きたことの証として最期を見届ける太一。
奇跡のラストシーンに向かって魂を燃焼しつくした恋人たちを描く、号泣の物語。
(「BOOK」データベースより)

一切、予備知識なしで読みまして、ただの自由奔放な
女の子に惹かれて行く、優柔不断な男の子の恋愛話かと
思いきやとんだラブストーリーでした。
あたしはセカチューとか読んでませんが
きっと世の中、このテの話はお腹いっぱいかもしれません。

でも、あたしはもともと石田衣良の文章は好きだし
まぁちょっと流行や時代に媚びた感は確かにありますが
今の小説として読むとそれはそれで興味深いし
(数年後には読めないかも)
何よりあたし、ヨワイわ、このテのストーリー。
もぅ途中から涙ぼろぼろで大変、大変。

さてこの小説、いったいどこまでネタバレしていいんでしょうか?(笑)

まぁ紹介文を読んでの通り、主人公太一の彼女、美丘は
医原性の薬害ヤコブ病、脳外科の手術による感染。
いつ発症してもおかしくない状態。
詳しい症状についてはその説明すらこの本の読ませどころでも
あるのでいったん書いたものの削除。
だってその症状の説明だけで、今までの美丘の取った
行動の数々がすっと納得できるし
それゆえにまたせつないし読んでいて苦しい。

「愛情なんて、別にむずかしいことではまったくない。
相手の最期まで、ただいっしょにいればそれでいい。
それだけで、愛の最高の境地に達しているのだ。
ぼくたちはそれに気づかないから、いつまでも自分が
人を愛せる人間かどうか不安に感じるだけなのである。」

その境地まで行った二人の物語。

必死で自分自身でいようとした美丘。
たった一人、みんなよりも先に真実に気づいていた美丘。
命は火のついた導火線でためらっている余裕など
本来誰にもないということ。

いやぁ思いっきり泣いて気持ちよかった。
でもラストの1ページはちょっと陳腐。

というか、美丘はそんなお願い=約束をするような
愚かな人間とは思えなかったんだけどなぁ。
いかんですよ、その約束は(苦笑)
自分が本当に愛した相手を苦しませちゃいかんです。
残された相手の残りの人生を考えたら
それはあたしなら絶対に頼まないお願いごとだなぁ。
その病いに侵された故の最期を想像したら
そんな姿で生きていたくない気持ちはわかるけどね。

そーいう深みが足りずに安易に終わらせていいのか?と
ちょっと消化不良気味なところもありますが。。。
まぁ最後の選択が自分の意向に合わないというだけです。

読後、大泣きしてすっきりしたけれど後に残る感想は
石田衣良ってこーいう作品も書けるのかぁ、器用な作家さんだなぁ、と。。。
なんか一杯ヤラレタって感じがしないでもナイ(笑)

「奇跡のラストシーン」ってあるけれど全然奇跡じゃあないし
「魂を燃焼しつくした恋人たち」ってただエッチしまくりだし(苦笑)
あ、でもホント、途中からずーっと泣いてたんですよ、ええ。

でもまぁ勧めるかって言ったら、ご自由にってとこかなぁ。

(素敵表紙におおっ!と思ってこのモデルさん誰?と
名前を見てもわからなかったので、ぐぐってみたら
あーらそーいう方でしたか、という感じでした)
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