ウォーレスの人魚:岩井 俊二
2007年 07月 27日
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ダーウィンと同じく“進化論”を唱えたイギリスの
博物学者・ウォーレスは、『香港人魚録』という
奇書を残して1913年この世を去る。
2012年、セントマリア島を訪ねた雑誌記者のビリーは
海難事故で人魚に遭遇する。
マリア一号と名付けられたその人魚は
ジェシーという娘に発情してしまう。
2015年、沖縄の海で遭難した大学生が
海底にいたにも拘わらず、三ヵ月後無事生還する。
人はかつて海に住んでいたとする壮大な説を追って
様々な人間達の欲求が渦巻く。進化論を駆使し
今まで読んだことのない人魚伝説を圧倒的なストーリーテリングで描く渾身作。
(「BOOK」データベースより)
ごくごく普通に生きてきたはずの自分が実は
人魚の末裔だったら。。。
岩井作品は映画だけで初めて文章で読みました。
予想よりもずっと読みやすい文章、引き込まれる展開。
かなり楽しんで読めました。
かなり調べてあるのかやけに科学的な表現が
がっつりきますが後半になるにつれ
幻想的であり、もしかしてこんな説が本当に
あってもいいのかもと思わせるくらい。
まぁ多少のつっこみどころや
あぁ、岩井作品(「ピクニック」とかね)にあったような
グロテスクな描写はありますが
それよりも先を読みたいと思わせます。
小説なのですが、言葉の流れ、会話のテンポは
やはりどこか映画にそのままなりそうな。
でも映像ではあまり見たくないな(苦笑)
by acha-books
| 2007-07-27 21:07
| あ行作家 その他
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